どうして見かけない?「海外トラック」が普及しない理由とは

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日本で有名なトラック製造メーカーといえば「いすゞ自動車」「日野自動車」「三菱ふそう」「UDトラックス」ですが、海外自動車メーカーの「ベンツ」や「ボルボ」もトラックの製造販売をしています。海外トラックは日本でも走っているのか?なぜ普及しないのか?という疑問を解明してみました!

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1.日本で見かける海外トラックの種類

日本で見かける海外トラックを見るとともに世界でトラックの製造しているメーカーがこちらです。

【ダイムラー(ドイツ)】

世界トップクラスの大型商用トラックメーカーです。「メルセデス・ベンツ」はダイムラー社のブランドの一つです。三菱ふそうはダイムラーの子会社で2015年にはトラック年間販売台数が50万台を突破しました。ダイムラーは日本トップクラスの「いすゞ自動車」と世界一を競っています。ベンツのエンブレムをつけたトラックはまれに走っているようです。

【ボルボ(スウェーデン)】

ダイムラーと並び世界的に有名な大型トラックメーカーです。2007年に「UDトラックス」を完全子会社化し販売ルートの拡大に成功しました。取扱うトラックの多くは10トン以上なので数は少ないですが日本でも活躍しています。

【スカニア(スウェーデン)】

ダイムラー、ボルボに次いで世界第3位のトラックメーカーで大型トラック、バス、エンジンの製造を手掛けています。顧客の輸送ニーズに応じたビジネストラック製造が特徴です。日本の各地に取扱店を構えているので走っている姿を目にすることもできます。2017年の東京モーターショーでは21年ぶりにフルモデルチェンジした新型を発表しています。

【タタ・モーターズ(インド)】

インド最大の自動車メーカーです。商用車販売に力を入れており商用車販売は世界5位です。日本で見かけることは少ないですが「タタ・モーターズ」という社名を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

【アショック・レイランド(インド)】

こちらもインドの自動車メーカーです。中・大型の商用車販売に力を入れており2008年に日産自動車と合併したものの2009年に解消、2017年11月には日野自動車とエンジン開発や部品調達のための業務提携を発表しました。日本で見かけることはほとんどありません。

2.高級外車で有名なあのメーカーはトラックメーカーとしても有名だった!

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高級外車で有名な「ベンツ」を販売するダイムラー社は世界的にみると乗用車よりもトラックなど大型車の製造販売でトップシェアを誇ります。以前は日本国内でも取扱いのあったベンツトラックですが、今現在ではトラック市場から完全に撤退、販売も終了しています。理由は三菱ふそうが傘下に入ったためだと言われており、ダイムラー社は創業当時から何度か合併を繰り返してきました。現在では「メルセデス・ベンツ」「スマート」などのブランドで乗用車と商用車の製造と販売をしています。

現在、海外でのベンツトラックのエンジンを製造しているのはダイムラー社の傘下にいる三菱ふそうです。三菱ふそうは国内ではトラック4大メーカーと呼ばれるほどの実力を持っており、日本だけでなくアジアでもトップブランドの地位を誇っています。

日本でベンツトラックを見かける機会は少ないですが、海外では三菱ふそう製エンジンを積んだベンツトラックが活躍しているそうです。

3.なぜ?日本で海外トラックが普及しない理由とは

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ではなぜベンツトラックは日本では普及するに至らなかったのでしょうか?
理由は先ほどにもあったように三菱ふそうがダイムラー社の傘下に入ったからです。

詳しく説明すると、三菱ふそうの持株は9対1の割合でダイムラー社がその多くを握っています。わざわざ高いお金を支払って海外からベンツトラックを輸入しなくても、三菱ふそうが日本でトラックを販売するとその利益がダイムラー社にも入るからです。

海外トラックが日本で普及しない理由は他にも日本の国土面積の狭さにあります。海外トラックはボンネットが独特の形をしており車体サイズがかなり大きいため、狭い日本の道路ではとても走りづらいからです。また修理の際に時間やコストがかかるといった点もあります。海外から部品を取り寄せると日本に着くまで最低でも1週間はかかり修理費用も上がります。技術者の育成なども考えると普及しなかった理由がわかります。

おわりに

海外トラックはテレビや映画で見るように荒野を走っているカッコ良いイメージがあります。残念ながら日本では需要が少なかったために今現在はほとんど見かけません。中古の海外トラックを取扱っている業者は少ないので見かけた時はかなり貴重です。一度実物の海外トラックを見てその迫力を体感してみたいですね。

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