荷台部分が可動するトラックを「ダンプカー」といいます。ダンプとは英語で「どさっと捨てる」という意味で、荷台部分が可動し荷物を下ろすので「ダンプカー」という名前がつきました。ダンプカーは主に工事現場などで見かけますが、どのような活躍をする車なのか見てみましょう。
1.ダンプカーって何?種類や積載量について
ダンプカーの種類をご紹介します。
◆土砂ダンプ
【リアダンプ】
最もポピュラーなダンプカーで、荷台部分が持ち上がり後方のリアゲートという部分から土砂などの荷物を下ろします。
【サイドダンプ】
荷台を左右どちらかに傾けて荷台を下ろします。リアダンプは荷台の可動に高さを要しますが、サイドダンプはそこまで高さを要しません。
【3転ダンプ】
荷台部分が左右と後方の3方向に傾きます。どの方向からでも荷物を下ろせるため非常に便利なダンプカーです。
◆深煽ダンプ
【清掃ダンプ】
荷台部分の壁を高くすることで荷物を沢山積めるようになっています。いわゆる「土砂禁ダンプ」です。
【天蓋付きダンプ】
ペットボトルの回収など、軽くてかさばる荷物を積んで走ります。左右開きの屋根が付いていることから天蓋付きダンプという名前が付いています。天蓋部分がシートになっているダンプ(パワーシートダンプ)もあります。
◆特殊ダンプ
【水密式ダンプ】
水分を多く含んだ土や汚泥を運ぶ時に使用される天蓋付きダンプカーです。
【ダンプセミトレーラー】
運転席と荷台部分が分離するダンプです。荷台を取り換えられるので荷物を積み下ろす作業を必要とせず、トレーラーなので一度に多くの荷物を運ぶことができます。
【重ダンプ】
大規模な建設現場で使用されるダンプカーで、一般公道を走ることができません。最大積載量は11トン以上で「マンモスダンプ」とも呼ばれます。運転には「不整地運搬車運転技能講習」を受ける必要があります。
【ローダーダンプ】
荷台部分がスライドし自走できないショベルカーやフォークリフトなどを積んで走ります。土砂や木材の運搬用にも使われます。セルフローダーはアウトリガーを使い車体を斜めにして重機などを積みますが、こちらは荷台がスライドします。
次にダンプカーの積載量についてです。ダンプカーは小型から大型までありますが積載量は以下のとおりです。
- 小型ダンプの積載量は2トンから3トン
- 中型ダンプの積載量は4トン
- 大型ダンプの積載量は9トンから11トン
ちなみに中型ダンプを強化して積載量を増やした「増トン」ダンプの最大積載量は平均7.5トンになります。
2.ダンプカーの使用用途
ダンプカーは用途によって沢山の種類がありますが、主な使用は砂利やがれき、土砂を建設現場へ運んだり、工場に生コンクリートやアスファルトなどの資材を運ぶ時に使われます。工場内運搬者として使われるダンプカーもあります。
【ダンプカーの主な使用用途】
- 建設現場や工事現場での荷物の運搬
- 生産工場間の荷物の運搬
- 工場内での運搬作業
3.ダンプカーの運転資格やスキルなど
ダンプカーの運転は車両総重量と最大積載量によって異なります。
- 車両総重量 5トン未満 最大積載量 3トン未満 →普通免許
- 車両総重量 11トン未満 最大積載量 6.5トン未満 →中型免許
- 車両総重量 11トン以上 最大積載量 6.5トン以上 →大型免許
運転するダンプの種類により「大型特殊免許」や「車両系建築機械運転技能講習」「不整地運搬車運転技能講習」も持っていると優遇されやすいです。
『大型特殊免許』
クレーン車やショベルカーなどの大型特殊自動車を公道で運転するための免許です。特殊自動車とは作業をすることを目的とした車です。特殊自動車が公道を走る場合、大型免許だけでは運転できません。
『車両系建築機械運転技能講習』
機体質量3トン以上の油圧式ショベルカー、ホイールローダー、ブルドーザーを公道で運転できる資格です。
『不整地運搬車運転技能講習』
ダム建築や空港建設、大規模住宅地開発などの大型工事で活躍するリジットダンプやアーティキュレイトダンプなどの重ダンプを運転する際に必要です。
工事現場には沢山の重機や資材があるため、ダンプカーは狭い場所で作業をすることが多いです。荷台に荷物を積んでもらう時は往々にしてバックで運転することを求められます。さらにダンプカーは横幅があるため高い運転技術を要します。
終わりに
働く車「ダンプカー」をご紹介しました。ダンプカーにこれほど沢山の種類があったのをご存知でしたか?ダンプカーは重たい荷物を運ぶので、日ごろからきちんとしたメンテナンスが大切になります。車体はもちろん積載量をチェックして安全運転を心掛けましょう。