トラックの買取査定というのは、乗用車とは大だいぶ違います。ここでは、高価買取りのために、どういったことに気をつければいいのかまとめています。あわせて、買取金額アップのコツなども紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
トラックの査定は一般車と何が違う?
中古のトラックは、廃車にせずに買取り業者へ売却することが多くなっています。
売却価格は査定によって決められるのですが、普通自動車の査定方法とは何か違う点があるのでしょうか?詳しくみていきましょう。
普通自動車との相違点
普通自動車とトラック査定の違いは4つあります。
1つ目は走行距離の違いです。普通自動車は10万キロも走ればほぼスクラップ同然に扱われます。一方でトラックは、10万キロでもまだまだこれからと判断されます。「結構な距離を走っているから売れない…」と諦める前に、一度査定に出してみましょう。
2つ目はトランスミッションの違いです。普通自動車は今やATが当たり前ですが、トラックの場合はATを避ける傾向があります。トラックで停車位置を微調整する時に、ATだとブレーキを踏むたびに車体が揺れてしまうからです。
3つ目は買取り相場価格が定まっているかどうかの違いです。中古車両の売買が長らく行われてきた普通自動車に比べて、歴史の浅い中古トラック市場では相場価格があまり定まっていません。チェックするポイントは一緒でも相場がわからないとなると、ディーラーや業者は損することを恐れて低めの査定額を出してくるのです。4つ目は専門知識の違いです。より正確なトラックの査定額を出すためにはこまかな専門知識を身につけていなければなりません。しかし、専門知識が足りなければ、評価すべきポイントを正しく評価できないこともあるでしょう。このことも、トラックが低めの査定額となりやすい原因のひとつなのです。
専門業者でないと売れるか売れないかの判断がしづらいのも、トラック査定の特徴です。以上の4つが普通自動車とトラック査定の違いです。
トラックを査定に出すならどこがいいのか
ディーラーも中古車買取り業者も低めの査定になりやすいのであれば、もう諦めるしかないのかと思ってしまいますが、そうではありません。「トラック専門」の買取り業者に査定を依頼すればいいのです。
なぜトラック専門の買取り業者がおすすめ?
トラック専門、もしくはトラックをメインに取り扱う買取り業者がおすすめである理由は以下の通りです。
・専門知識が豊富
これが一番の理由です。トラックに関する知識が豊富だから、「どの車種が売れるのか」「どこがプラス評価になるのか」をしっかり把握しています。適正価格がわかっているというのはもちろんですが、こうしたプラス評価をすることができるから、高値での買い取りを期待できるのです。
・海外への売却ルートを持っている場合がある
海外への売却ルートを持っている専門業者は特におすすめです。というのも、値段がつかなさそうな条件の車両でも、つけてもらえる可能性があるからです。日本で車検を受けているトラックは海外において信頼が厚く、古い年式の物でも喜ばれます。部品だけでも売れるから、故障車でも買取ってもらえることがあるのです。
また、専門の買取り業者はリアルタイムであらゆる国々のトラック車両需要をリサーチして、高額に売却できる市場情報を集めています。しかも、会員登録すれば定期的に所有トラックの相場情報をメールなどで通知するサービスが利用できます。使わなくなったトラックを高価買取りで、手放すタイミングを失わずに済みますよ。
・薄利多売方式を実現している
薄利多売を実現しているトラック業者なら、利用しやすさ抜群です。なぜなら、少しでも高い買取価格を実現するために、多くの利用者を確保しているからです。
また、輸送で無駄にかかるコストを上手くカットしているのも、ポイントです。
自社独自の輸送システムを確立しており、ワンストップで国内外の営業拠点にトラックを供給できるため、中間で輸送業者に頼らないことが、高価買取を実現させています。
コストを最小限に抑えて、大きな利益を得られているからこそ、利益還元のために高価買取査定やリーズナブルな販売を実現することができるのです。
豊富な専門知識と売却ルートがトラック専門、もしくはトラックがメインの買取り業者の強みです。「できるだけ高値で買い取って欲しい」「安くてもいいからなんとか値段をつけて欲しい」とお考えであれば、迷わず専門業者に査定を依頼しましょう。
トラックの査定方法を知ろう
専門業者でのトラックの査定方法は大きく分けて4つです。それぞれ簡単に紹介していきます。無料での実施が多いですから、お好きな方法で気軽に受けてみてください。
①WEBによる査定方法
WEB上のフォームを利用するか、メールにて必要事項を送信して査定してもらう方法です。査定の申し込みにはほとんど時間がかからないので、忙しいときに便利です。ただし、査定結果については電話で伝えるという業者も少なくありませんので、その点には注意しましょう。
<メリット>
・空き時間を利用して簡単に査定ができる。
・一括査定で買取価格の比較を行いやすい。
<デメリット>
・買取業者からの営業がしつこい時がある。
・業者によって当たりはずれが大きい。
・査定に出した業者が多い場合、連絡が面倒に感じる。
②電話による査定方法
WEB上での操作が苦手だという方や、話しながらの方が車両の状態を伝えやすいという方はこの方法がおすすめです。通話料無料の専用窓口を設けている場合もあり、通話料を気にせず相談できるところも。電話による査定は受付時間が決まっていることが多いので、受付時間はよく確認しておいてください。
<メリット>
・伝えたいことを細かいところまでしっかり伝えることができる。
・パソコンや携帯電話を持っていなくても利用可能。
・電話での対応で業者との相性を知ることができる。
<デメリット>
・通話料金が発生することがある。
・受付時間が決まっているので、受付時間内に連絡が間に合うようスケジューリングが必要。
・電話対応だけでは本当に優良な業者なのか判断しづらい。
・複数の業者に査定の依頼をする場合、時間がかかる。
③専門スタッフの出張による査定方法
専門スタッフに直接車両を見てもらう査定方法です。実際に車両を見て査定を行なうので、このときに出された査定額から変動することはあまりないでしょう。出張費に関しては有料の業者と無料の業者がありますので、事前に確認しておくことをおすすめします。
WEBと電話による査定方法は「簡易査定」となることが多いため、より確定に近い査定結果が欲しいのであれば出張査定の依頼をおすすめします。
<メリット>
・トラック専門のスタッフなので詳しく査定をしてもらえる。
・ネットや電話の査定よりも詳細な査定額が分かる。
・スタッフの対応などを直接見ることができる。
<デメリット>
・出張料金が発生することがある。
・対応可能な地域が限定されている場合がある。
・複数の業者に査定を依頼する場合、時間がかかる。
④SNSによる査定方法
買取業者が開設しているLINEトークルームで査定してもらう方法です。誰もが利用しているSNSツールなので、忙しい人でも片手間で査定サービスが受けられます。名前・電話番号・買取予定のトラック画像(正面・側面・後ろ)と車検証画像をLINEでアップすることで、それらをもとに買取金額を査定してもらえます。査定金額にプラスになりそうなことがあれば、それに関する画像もアップしましょう。
<メリット>
・気軽に査定を行うことができる。
・空き時間ですぐに査定を行うことが可能。
<デメリット>
・詳細な査定が行えない。
・通知がしつこい場合がある。
【番外編】個人で行う売買
業者の査定ではありませんが、トラックを売却する方法にはネットオークションや知人に買取ってもらうという手段もあります。この方法は専門の業者が間に入らず、個人でのやり取りになるので仲介料が発生しません。
ただし、専門知識がないと適正な金額が分かりませんので、業者を通す方が安心できるでしょう。
<メリット>
・仲介料が発生しない
・自分の好きな値段をつけることができる。
<デメリット>
・名義変更などの事務作業も自分で行わなくてはならない。
・写真撮影や説明文の作成など、手間と時間がかかる。
・必ずしも売れるとは限らない。
・代金未払いや名義変更がされないまま利用され、自動車税を請求されることがある。
トラック査定の基準とは
査定をする際には、評価を決める基準となるものがいくつか存在します。査定に出すときのアピールポイントにもなりますので、売却したいトラックをチェックしてみましょう。
・駆動系、内外装などを含む車両の状態がいいか
これらは必ずチェックされる項目であり、状態がいいほど評価も高くなります。中でも注意したいのはフレームの状態で、少しのゆがみが評価を大きく下げてしまうこともあります。
・無事故・無修理であるかどうか
特に無事故であることは重要で、事故車であると評価は一気に下がってしまうでしょう。また、無修理であるという条件をクリアする車両はなかなかないと思いますが、だからこそ価値が上がるのです。
・ワンオーナーであるかどうか
中古車からの中古車より、新車からの中古車の方が良い状態であることが多いということです。人によって扱い方が違うため、複数オーナーをまたぐとどうしても傷みが激しくなる傾向にあるというのが理由です。
・年式が新しいか、走行距離が短いか
これはどんな車でも基本として見られますね。ただし、トラックは商用車ということで、普通自動車の査定のように細かくチェックされるようなことはありません。
ここまでの基準をクリアしていると、高額での売却が期待できるでしょう。
ちなみに、事故車やフレームが歪んでいるような車両であっても、海外への売却ルートを持つ業者なら値段がつかないことはほとんどありませんよ。
・エンジンの状態
エンジンの状態も大切な査定ポイントです。
まずはエンジンオイルの状態を確認してみましょう。濁りや汚れはありませんか?
定期的に交換をしていないと、エンジンオイルが汚れてしまいます。汚れたエンジンオイルだと、トラックの動力部に影響を与えてしまうことがあるので-査定になりやすくなっています。
査定直前に慌ててオイルを交換しても、腕のいい査定士だとエンジンルームや排気ガスのニオイでメンテナンスを怠っていたことがばれてしまいます。
日頃からエンジンオイルもちゃんと交換しておきましょう。
逆にエンジンの状態によってはプラス査定になることがあります。
異音がなく、プラグの状態に問題がない以外に、オーバーホールを行っていた場合はプラスになります。もしオーバーホールを行っているなら、査定士に申告をしておきましょう。
トラックの査定額を上げるコツ
前の項目では高評価になるポイントを紹介しましたが、ここでは「少しでも高評価にするためのコツ」を紹介していきます。査定の前に準備して、査定額アップを狙いましょう。
・純正品の準備
純正品が揃っているというのは評価されるポイントです。社外品に付け替えてしまっている場合でも、純正品をとっているのであれば準備しておきましょう。付け替えたものを元に戻す必要はありません。
・オプション製品のアピールポイントを伝える
オプション製品もプラス評価となる要素です。どれだけのオプションが付いているか、情報をまとめて漏れなく伝えてください。
外箱や取扱説明書が残っている場合は、ボロボロでも査定に出すことでプラス評価につながる可能性があります。
・整備記録や保証書を揃える
これらは中古トラックを販売するために必要となる書類です。中古車を購入する人が必ずチェックするものなので、確実に揃えておきましょう。
<必要な種類一覧>
・委任状
・謙譲証明書
・印鑑登録証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
・自賠責保険証明書
・自動車車検証
・自動車税納税証明書
※売却するトラックの所有者が亡くなっていたり、引越しなどで車検証に記載されている住所が今の住所と違う場合、他にも必要な書類があります。詳しくは業者に聞いてみましょう。
・見た目をなるべく美しくしておく
車体の汚れを落としたり、車内を掃除したりして少しでもキレイに見せるというのも効果的です。傷が付いてしまっては元も子もないので、落ちない汚れは無理に落とそうとしないこと。
また、ちょっとした傷を隠そうとするなど手を加えすぎることは禁物です。かえって評価を下げてしまう原因になりかねませんので、クロスで軽く汚れを落とす程度にとどめ、車体に影響を与えない範囲での改善を目指してください。
また、清掃をする際はエンジンルームなどもきれいにしておきましょう。油やホコリなどの汚れはきれいにとっておくと、メンテナンスがきちんとされているとしてプラス査定になりやすいです。
しかし、エンジンルームは水を掛けてはいけない場所があるので、非常に注意しながら行わなくてはなりません。エンジンルームの丸洗いも禁物です。
また、高圧洗浄機の使用もやめましょう。
・車内の消臭もお忘れなく
臭いは目に見えない汚れです。トラックドライバーの喫煙率は比較的高く、長距離走行のイライラや眠気解消のために、喫煙をするトラックドライバーがほとんどです。とはいうものの、トラックのキャビン内がヤニで汚れていたり、タバコの臭いがしたりすると、査定額に影響するので注意しましょう。
また、トラックドライバーは、長距離だと1日の大半を車内で過ごします。車内で食事や仮眠をとる機会も多くなるので、汗・食べ物の臭いがシートにしみ込んでしまいます。これらの臭いも当然、査定額に影響がでます。なので、こまめに掃除したり、消臭スプレーを使ったりして、普段から臭い対策をしておきましょう。
査定前に知っておきたい!トラックの買取相場
トラックには買取価格が決まっていませんが、買取相場を知っておくことで悪徳業者から無料で引き取られるリスクや、安く買いたたかれるリスクを下げることができます。
買取相場の調べ方
・中古トラック買取専門店のホームページを確認する
まずは中古トラック専門店の買取事例を参考にしてみましょう。サイトによっては更新が止まっていることがありますので、直近1ヶ月くらいで更新されているサイトがおすすめです。
自分が売りたいトラックと、似たような状態のトラックがいくらで取引されているのかを確認しましょう。業者によっては取引を公開していないこともありますが、できれば情報をちゃんと開示している業者を選ぶことも、買取で損をするリスクを下げることに繋がります。もし依頼する業者が決まっている場合は必ずホームページを確認しておきましょう。
・オークションで確認する
ネットオークションでもトラックは売買されています。
個人での出品以外に、中古トラック買取店が出品しているケースがあるので、価格や状態以外に出品者が個人か業者かも確認しておきましょう。
買取価格はトラックの状態や時期によって大きく変動します。たとえば海外で大規模な工事が行われる場合は大型の重機やトラックが人気になりますので、最近の価格だけではなく、過去の取引と比較して価格がどうなっているのかを把握しましょう。
日本製のトラックは機能性が高く頑丈なので、海外では日本の中古トラックは非常に人気です。高値でトラックを売るなら、海外の情勢や現在人気の高い車種もチェックしておきましょう。
ポイントを押さえて高額査定を目指しましょう
評価されるべきところをきちんと評価してもらうためにも、トラックの査定は専門の買取り業者に依頼するのがおすすめです。なぜなら、トラック買取に関するスタッフの知識量が圧倒的に違うからです。専門知識をどれだけ持っているかということは、査定額を大きく左右する要素ですからね。
また、ここで紹介した評価の基準や査定額を上がりやすくするポイントなどを参考にして、査定の前にトラックを良い状態にしておくことも大切。さほど手間にならないちょっとしたことばかりなので、高評価を目指して是非実践してみてください。