
現在、Gマークの認定事業所は次々に増加しています。
認定されると多くのメリットが得られるため、トラック運送事業者は取得を目指しましょう。
今回はGマークについて、申請から認定までの流れや取得するメリット・デメリットなどを詳しくご紹介いたします。
■Gマークとは?申請から認定までの流れ
まずはGマークがどのようなものか、お伝えいたします。
・Gマークとは
Gマークとは、公益社団法人全日本トラック協会が安全性を認めた事業所に付与する認定マークです。
Gマーク認定は、利用者が安全性の高い事業者を選ぶときの目安となり、事業者にとっても安全に対する意識を高めるとともに環境を整えるきっかけにもなります。
・Gマーク認定事業所の割合
2022年3月末の時点で、27,898の事業者が安全性優良事業所に認定されています。
この数字は、全事業所数の32%に相当する割合です。
なお、国土交通省が2019年中の事業用トラック1万台あたりの事故件数をまとめた結果、Gマークを取得した事業所の事故件数は、未取得の事業所に比べて半分以下であったことがわかっています。
・Gマーク認定までの流れ
Gマークの申請から認定までの大まかな流れをご紹介いたします。
- 都道府県トラック協会に申請書類を送付する
- 全日本トラック協会に申請書と添付資料が送付される
- 安全性評価委員会の評価を受けたのち、要件を満たせば認定される
2022年度の申請受付期間は、7月の初め頃から2週間ほど設けられていました。
また、結果が出るのは申請をしてから約5か月後です。
なお、Gマーク制度の最新情報は、全日本トラック協会のホームページで確認できます。
■Gマークの申請資格と認定要件について

Gマーク認定の安全性評価は、厳しい基準が設けられています。
・Gマークの申請資格
申請をするには、以下の項目を満たしている必要があります。
- 事業開始後、3年以上経過している
- 使用する事業用トラックが5台以上ある
- 虚偽の申請や不正な申請の却下または取り消しを受けた後、2事業年度を経過している
- Gマークや認定証の偽造や不正使用により是正勧告を受けた場合は、改善が認められたのち、認定証を提出した日から3年以上経過している
・Gマークの認定要件
安全性評価は、各項目に設けられた内容をもとに点数が加算されます。
認定を受けるには、一定の点数や要件を満たさなければなりません。
<認定要件>
- 評価点数の合計が80点以上
- 各項目の点数が基準点を上回っている
- 法に基づいた許可申請や届出、報告が行われている
- 社会保険などに加入している
<評価項目と内容>
- 安全性に対する法令遵守状況(配点40点/基準点32点)
評価内容:地方実施機関の巡回指導結果、運輸安全マネジメントの取組状況
- 事故や違反の状況(配点40点/基準点21点)
評価内容:重大事故、行政処分の状況
- 安全性に対する取組の積極性(配点21点/基準点12点)
評価内容:安全対策会議の実施、運転者の教育などの取組の自己申告事項
なお、評価の結果は各事業所へ郵送され、認定を受けた事業所は全日本トラック協会のホームページで公表されます。
■Gマークを取得するメリット・デメリット

Gマークの取得に関するメリットとデメリットをご案内いたします。
・Gマークを取得するメリット
Gマーク認定を受けるメリットは、以下が挙げられます。
- 交通違反による違反点数の消去期間が3年から2年に短縮される
- IT点呼が導入できる
- 低公害車導入促進補助金制度を利用したCNGトラックの最低導入台数が3台から1台になる
- 点呼が所属外の営業所や同じ敷地内にあるグループ企業間でも行える
- Gマークの認定が10年以上継続し、一定の基準を満たした場合に表彰される
- 一部の損保会社や交通共済で保険料の割引が受けられる
- 全日本トラック協会が実施する助成金制度の優遇が受けられる
- 荷主からの信頼性が高まる
- 全日本トラック協会のホームページに掲載され、周知される
Gマーク認定により、事業所全体の士気も高まるでしょう。
・Gマークを取得するデメリット
取得のメリットがある一方、デメリットもあります。
具体的には、書類の準備や管理など事務処理が煩雑になるほか、日頃から安全に対する取り組みを入念に行う必要があることなどです。
体制を整え、事業所が一丸となって取り組む必要があるため、説明会などを実施して周囲に理解と協力を求めましょう。
Gマーク認定は、企業コンプライアンスが強く求められる昨今において、価値の高いマークです。
取得や維持のハードルも高いものの、事業所全体の活性化につながります。
認定を目指すなら、まずは全日本トラック協会のホームページを確認しましょう。