見た目、動力、タイヤなど、フォークリフトは様々な種類に分類できます。
代表的なのは、リーチリフトとカウンターリフトの2種類ですが、いずれも資格がなければ扱うことができません。
今回はフォークリフトの取り扱い資格についてご紹介したいと思います。
■リーチリフトとカウンターリフトについて
まずはリーチリフトとカウンターリフト、2つのフォークリフトの違いについてご紹介したいと思います。
・リーチリフトの特徴
リーチリフトには運転席がありません。立ったまま操作をします。
小回りが利くので工場や倉庫など屋内専用で活躍しています。
・カウンターリフトの特徴
カウンターリフトには操縦席があるので、車に近い感覚で操作行えます。
車体が大きく、リーチリフトに比べるとあまり小回りが利きません。
しかし転倒しにくく、屋内外を問わずに使えるというメリットがあります。
・必要な資格はどちらも同じ
『フォークリフト運転技能講習修了証』という資格があれば、どちらのフォークリフトも操作できます。
■フォークリフトの種類ごとのメリット・デメリット
リーチリフトとカウンターリフトのメリットとデメリットをそれぞれご紹介いたします。
・リーチリフト
<メリット>
リーチリフトは車体が小さく、最小回転半径も非常に小さいので、小回りが利くことが最大の特徴です。狭い倉庫内でも使用しやすく、車体を固定した状態でツメ部分だけを操作することも可能です。
またバッテリー式で排出ガスがなく、環境負荷の小さい点も人気です。
<デメリット>
バッテリー式で動くため、充電の時間が必要です。エンジン式に比べると稼働時間が短く、パワーも弱くなる点がデメリットとして挙げられます。また、安定性もカウンターリフトに比べると下がります。
使用できる場所が屋内に限られる点もデメリットと言えるでしょう。
・カウンターリフト
<メリット>
座って操作をするため重心が下になり、転倒しにくく安定した操作ができます。パワーがあり、重たいものも運びやすいのが特徴です。屋内外を問わず使用できるため、汎用性が高いと言えます。ツメの操作もリーチリフトに比べて早く、効率よく動かすことが可能です。
また、エンジン式は稼働時間が長いので、連続使用に適しています。
<デメリット>
車体がリーチリフトに比べて大きいため、狭い場所では使用できません。タイヤの回転が最大でも70度ほどで小回りが利かないので、広い場所以外で操作をすると事故のリスクが高まるのもデメリットです。
■フォークリフトの種類一覧

Forklift and luggage. Carry heavy luggage. Use in the warehouse. 3D rendering
フォークリフトの代表的な種類として、カウンターバランスフォークリフトとリーチフォークリフトが挙げられますが、実は他にも非常に多くの種類があります。
こちらではそれぞれのフォークリフトの種類と特徴を簡単にご紹介いたします。
・カウンターバランスフォークリフト
車のように座席に座った状態で操作をするフォークリフトです。パワーと安定性に優れており、屋内外を問わず使用できます。重たいものでも転倒しにくいのが特徴です。
・リーチフォークリフト
立ったまま操作をする屋内専用のフォークリフトです。中央のレバーを操作してツメを動かします。小回りが利くので、狭い場所で重宝されています。
・サイドフォークリフト
車体の真横にツメが付いているフォークリフトです。特に長いものを運ぶのに優れており、車体とツメが他のフォークリフトに比べて長い特徴があります。
・ウォーキーフォークリフト
手動で動かすフォークリフトです。運転席がなく、手で押して移動させます。このタイプのフォークリフトは電動と手動の2種類があり、どちらも免許や資格は不要です。
・マルチディレクショナルフォークリフト
容易な操作で前後左右に走行できるため、汎用性が高く重宝されているフォークリフトです。
・ストラドルフォークリフト
車体前方のリーチレグと呼ばれる走行可能な部位により、走行中のバランスを保つフォークリフトです。ツメは左右のリーチレグの間に降ります。
・パレットスタッキングフォークリフト
こちらも車体前方にリーチレグが付いている、リーチフォークリフトの一種です。ツメがリーチレグの上に伸びている特徴があります。
・ラテラルスタッキングトラック
車両の進行方向に対して荷を配置できるフォークリフトです。片側、両側のどちらかに対応しています。
・三方向スタッキングトラック
車両の進行方向と両側に荷を配置できるフォークリフトです。
・オーダピッキングトラック
荷役装置と併せて運転台が動くフォークリフトです。運転台にいる運転者が操作します。
・ラフテレーンフォークリフト
不整地専用のフォークリフトです。
・プラットフォームスタッキングトラック
車体の前方に張り出したアウトリガの上にプラットフォームが伸びているフォークリフトです。
■フォークリフトの資格について
どちらも同じ資格で操縦できるのであれば、是非とっておきたい資格ではないでしょうか。
ここからはフォークリフトの資格取得についてご紹介いたします。
・フォークリフトに必要な資格
資格を取得するための条件は特に設けられておらず、満18歳以上であれば誰でも取得できます。
フォークリフトを操作するときに必要になる資格は次の2つです。
最大積載荷重によって取るべき資格が変わります。
①1トン以上であれば技能講習
②1トン未満であればフォークリフト運転特別教育
・資格の取得方法
フォークリフトの資格取得には4つの学科講習と2つの実技講習があります。
学科講習ではフォークリフトの仕組みや扱い方法、運転力学、関係のある法令などを学習します。
実技では走行操作と荷役操作を学びます。
・資格取得にかかる時間と費用
フォークリフトの資格は5日程度でとれますが、講習時間は普通自動車免許の有無で変わってきます。持っていれば31時間、持っていなければ35時間の講習が必要になります。
講習の費用は2万~4万円程度となっています。
すでに持っている免許や資格があれば、受講を免除される講習もあります。
■フォークリフトの資格を取る際に知っておくと便利なこと
それでは最後に、フォークリフトの資格を取得する際に知っておくべきポイントを3つご紹介いたします。
・フォークリフトの免許取得で大切なこと
フォークリフトの免許取得は合格率98%以上といわれるほど、合格者の多い資格ですが、
合格率が高いからと油断せず、しっかりと講習を受けて大切なことを覚えておきましょう。
・講習費用に補助が出るケースがある
フォークリフトの資格は教育訓練給付金制度の対象になります。
過去に3年以上働いていて休職期間1年以内の場合、受給資格があるので離職中にとる人が資格です。
給付金制度を利用して資格取得を考えている方は、地元のハローワークに問い合わせてみてください。
・公道を走るには免許が必須
フォークリフトを公道で走らせる場合、フォークリフトの資格のほかに特殊自動車免許も必要です。
特殊自動車免許は『大型特殊自動車免許』と『小型特殊自動車免許』の2つあります。
フォークリフトで公道を走る機会があるなら、どちらの免許が必要なのかを調べておきましょう。
フォークリフトは様々な種類があるのと同時に、多くの分野で活躍する重機です。
求人も多いので、仕事のスキルアップや幅を広げるために取得しておいて損のない便利な資格といえるでしょう。
フォークリフトの資格をとって、キャリアアップを目指しませんか?