オイルクーラーとは?役割や構造から故障する原因・対処法まで解説

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道路を走る黄緑トラック

オイルクーラーとは、トラックに搭載される部品の一つです。

走行にかかわる重要な役割を担っているため、故障した場合の対処法も把握しておきましょう。

今回はオイルクーラーの役割や構造について、故障する原因と対処法も併せて詳しく解説いたします。

■オイルクーラーとは?どんな役割がある?

オイルクーラーとはどのような部品で、何のために必要なのでしょうか。

・オイルクーラーとは

オイルクーラーとは、エンジンオイルの熱を冷ますための装置です。

エンジン内部を循環して高温状態になったオイルを適正温度まで下げて、オイル自体の品質や性能を保つとともにエンジンを保護する役割があります。

・オイルクーラーが必要な理由

トラックのエンジンは発熱量が大きく、オイルの温度も上がりやすいので、一般的な乗用車のようにオイルパンへ風を当てる冷却法では間に合いません。

また、トラックは大量の荷物を積んで長距離を走るため、オイルを冷却してエンジンへの負荷を小さくする必要があります。

■オイルクーラーの構造と故障する原因

オイルクーラー

オイルクーラーの冷却方法には「空冷式」と「水冷式」の2種類があり、構造は冷却水を冷やすラジエーターと似ています。

・オイルクーラーの冷却方法

オイルクーラーとは、どのような仕組みでオイルを冷却するのでしょうか。

それぞれの冷却方法について、ご紹介いたします。

<空冷式オイルクーラーとは>

配管とフィンで構成されたコアと、コアの両端にタンクが付いたシンプルな構造です。

オイルは配管内を流れ、走行風やフィンによって放熱されます。

しかし、主に走行風を利用するため、アイドリング中は十分な効果を得られないのが弱点です。

また、冷却性能が高い分、時期によっては走行中に油温が極端に下がりやすいので、冷却経路に温度調節装置のサーモスタットを搭載し、油温の低下を防いでいる製品もあります。

<水冷式オイルクーラーとは>

構造は空冷式と同じですが、水冷式の場合はウォータージャケットでコアが覆われており、コアの周囲を循環する冷却水に放熱される仕組みです。

冷却水より油温が下がることはないので、寒い時期でも一定の温度を保てます。

ラジエーターで冷やした冷却水を利用するため、省スペースで効率よくオイルを冷却できる強みがある一方、構造が複雑なうえに空冷式と比べて冷却性能に劣るのが弱点です。

・オイルクーラーの故障に注意

オイルクーラーの故障によりオイルが高温状態になると、潤滑や冷却などオイル本来の機能が低下します。

機能の低下は金属部品の消耗を進めたりオイル自体の劣化を早めたりするほか、「熱ダレ」と呼ばれるエンジンのパワー不足を招くため、注意しましょう。

熱ダレを放っておくとオーバーヒートを起こして、エンジンが起動できなくなる恐れもあるので、軽視できる問題ではありません。

なお、空冷式の場合は熱の影響による金属疲労が原因でオイル漏れが起こりやすく、水冷式は循環経路を保護するシールの劣化によりオイルや冷却水が漏れ出る故障が起こりやすい傾向にあります。

■オイルクーラーが故障した場合の対処法

ピンク電卓と木のおもちゃ

オイルクーラーの故障は、できるだけ早く対処することが大切です。

・オイルクーラーの修理費用はいくら?

オイルクーラーの修理費用は工賃込みで15~20万円ほどと、安くはありません。

自分で交換する場合は部品代だけで済みますが、失敗するとオイル漏れややり直しなどのリスクがあり、最悪の場合はエンジンに大きなトラブルが発生する恐れもあります。

時間と費用の無駄を省くためにも、業者に依頼するほうが賢明です。

・乗り換えを検討したほうがよいケースも

オイルクーラーが故障したトラックは、他の部品も劣化している可能性があります。

相次ぐ故障で修理を重ねるよりも、トラックの乗り換えを検討したほうが経済的かもしれません。

なお、中古トラックならすぐに走れる状態で販売されているため、納車期間を短縮できるほか、新車よりも導入コストを抑えて用途に合わせたトラックを選べるのでおすすめです。

オイルクーラーとは、エンジンオイルの熱を冷却するための装置で、故障すると走行性能の低下につながります。

また、不具合を放ったまま走り続けると、大きなエンジントラブルに発展するため、早めに修理するか乗り換えを検討しましょう。

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