ダンプカーの過積載は非常に危険!過積載の目安や事故について

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ダンプカーをはじめ、運搬を仕事にしている方にとって慎重にならなければいけない過積載。「少し超えてしまったけど、まあ大丈夫だろう」と思っていると、取り返しのつかない事故に繋がりかねません。

今回はダンプカーの過積載について、過積載の目安や罰則、事故の実例を紹介いたします。

ダンプカー

 

■ダンプの過積載の目安とは

 

まずはダンプの過積載の目安についてご紹介します。

 

・ダンプカーは3種類に分けられる

ダンプカーは小型・中型・大型の3つに分類されます。それぞれの過積載の目安をご説明します。

 

<小型ダンプ>

小型ダンプとは、最大積載量2t~3t程度のものが該当します。

 

<中型ダンプ>

中型ダンプとは、最大積載量3~6.5t未満のものが該当します。

一般的に「4tダンプ」と呼ばれますが、積載量は架装によって変わるため実際には4tの量を運ぶことができないものもあります。

 

<大型ダンプ>

大型ダンプは最大積載量が6.5t以上のものが該当します。

 

詳細な最大積載量についてはメーカーや車種、架装によって異なるため、事前に最大積載量を把握することが重要です。ダンプには最大積載量を減らす減トン、最大積載量を増やす増トンといった改造を行っているダンプもあります。土砂などは水を含むと本来よりも重くなってしまうので、運ぶものの状態にも気を付けなければなりません。

 

 

■ダンプの過積載をすると…

ダンプカー

 

中型ダンプと大型ダンプで過積載をしてしまった場合どうなるのでしょうか。

こちらでは過積載を行った中・大型ダンプの処遇についてご紹介します。

 

・悪質な過積載に対するドライバーへの措置

過積載の量刑は、最大積載量に対してどれくらいの割合で過積載が行われたかを基準に考えられます。

最大積載量に対して5割未満の過積載は、反則点数1点と反則金30,000円が課せられます。

過積載が5割以上の場合は違反点数3点、反則金40,000円、10割を超えた場合は反則点数6点、6ヶ月以下の懲役または罰金10万円以下となります。

悪質な過積載の場合は、即時告発の対象となり罰金100万円以下になることもあります。

 

・運送会社への措置

過積載を行ったドライバーが所属している運送会社や企業にももちろん罰則が下ります。運送会社への罰則は運行管理者資格者証の返納、資格取り消しが行われます。

また、過積載運行が計画的に行われている、指導や監督不行き届きなどが発覚するといった場合、運送業そのものが行えなくなるため、ドライバーだけでなく運送会社も十分に気を付けねばなりません。

 

・荷主への措置

最近は荷主が過積載を強要することもあるため、荷主も責任の対象に含まれます。

荷主側で過積載になることを把握していながらドライバーに荷物を引き渡しすることは道路交通法で禁止されています。

違反した場合、警察署長から再発防止命令が下され、さらに再発防止命令を違反した場合、6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金が科されます。

過積載を前提とした運送費の値引き交渉も罰則の対象となります。

 

・何故過積載は駄目なのか

ダンプが走行する公共の道路や橋などは強度が設定されています。

基準を超えた過積載のダンプが通ることで破損や事故に繋がりやすくなります。

また、過積載はダンプのブレーキが利かなくなり、転倒するリスクも高まります。

交通の安全を守るためにも、過積載は絶対にやめましょう。

 

 

■ダンプの過積載が原因となった事故

ダンプカー 事故

 

 

過積載を行ったダンプの事故には悲惨なものが多くあります。

最後に過積載に関する事故について3つご紹介します。

 

・トレーラーが横転して1名が亡くなった事故

2006年の7月に静岡県で起こった事故です。

国道1号バイパスで過積載を行ったトレーラーが横転し、歩行者であった当時20歳の女性が下敷きになり死亡しました。ドライバーは業務上過失致死罪に問われ、静岡地裁に懲役2年6ヶ月の実刑を命じられました。

 

・線路に侵入したダンプが電車と衝突した事故

千葉県の工場で最大積載量の4倍にあたる山砂を積み、時速およそ40kmで走行していた大型トラックが坂道の下りに差し掛かったところでブレーキが利かなくなり、そのまま近くの線路に侵入、電車と衝突しました。電車の運転士は死亡、乗客67名が怪我を負いました。また、電車の1車両目は大破し、2両目から4両目までも破損しました。

 

・タイヤが破裂し7名が亡くなった事故

2004年に岐阜県で起こった事故です。

トンネルの出口付近でトラックと乗用車が衝突し、乗用車に乗っていた家族5名とトラックのドライバー2名が亡くなりました。トラックには最大積載量のおよそ1.5倍にあたる建築資材4.5tが詰まれていました。

 

ダンプだけでなく、過積載は大きな事故に繋がります。

「少し超えたけど大丈夫だろう」という安易な考えは、ドライバーの命だけでなく他の人の命まで奪いかねません。

過積載はドライバーや運送業に関わる全ての人が気を付けなければならないことです。

当事者意識を忘れずに、日々の業務に励みましょう。

 

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