トラックのエアドライヤーとは?仕組みや点検方法、交換する場合の目安と費用

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
トラック2台の横画像

エアドライヤーは、トラックの重要な部品の一つです。

安全な走行を維持するためにも、仕組みや点検方法を理解しておきましょう。

今回はトラックにおいて重要なエアドライヤーについて、交換する場合の目安や費用も併せてご紹介いたします。

■トラックのエアドライヤーとは

まずは、エアドライヤーがどのようなものかを解説いたします。

・エアドライヤーとは

エアドライヤーは、トラックやバス、重機など、エアコントロールシステムを使用するすべての大型車両に搭載されている部品です。

トラックなどの大型車両は、コンプレッサーで圧縮した空気をブレーキやサスペンションなどのエアコントロールに利用しています。

圧縮空気には、余計な水分や油分も含まれるため、機能が正常に作動するよう各システムへの侵入を防ぐのがエアドライヤーの役割です。

なお、エア経路に水分や油分などの異物が入り込むと、エアコントロールシステムの不具合が起こります。

・エアドライヤーの仕組み

エアドライヤーは、ろ過装置に似ています。

エアドライヤーには、多数の細かいくぼみが空いた乾燥剤が備わっており、圧縮空気がエアタンクへ流れる前に、エアドライヤーを通って水分や油分をろ過する仕組みです。

また、乾燥した空気の一部はエアドライヤーの中に残り、乾燥剤へ吹きかけることで機能を再生させる役割を果たします。

・制御方式は主に3種類

エアドライヤーの制御システムは、「電気式」「モジュール式」「タイマーパージ式」の3種類です。

<電気制御式>

トラックに搭載されている電子制御ユニットを使用するタイプです。

カートリッジの寿命をモニタリングできる特徴があります。

<モジュール式>

乾燥や再生のために消費する空気用のタンク(パージタンク)が一体化しています。

メンテナンスをしやすいのが特徴です。

<タイマーパージ式>

パージタンクが不要でコンパクトなタイプです。

本体に搭載された再生タイマーで乾燥剤を乾燥させます。

■エアドライヤーは点検が欠かせない

おもちゃトラックのまわりに工具

乾燥剤が吸い取った水分は、乾燥・再生用の空気を吹きかけることで除去できますが、油分はそのまま蓄積し、乾燥剤を劣化させます。

そのため、エアドライヤーはこまめな点検と交換が欠かせません。

・エアドライヤーが故障すると…

エアドライヤーは乾燥剤のほか、エキゾーストバルブやチェックバルブ、ガバナなど複数の部品で構成されています。

しかし、エアドライヤーの故障はそれぞれが相互に作用して発生するため、故障した部品の特定はできません。

どの部品が故障しても、ブレーキや駆動系の動作不良やエアサスペンションの不具合が起こる恐れもあります。

特に、ブレーキの動作不良は安全性に大きくかかわるため、走行中に違和感を覚えたときは、すぐにエアドライヤーの点検や交換を行いましょう。

・エアドライヤーの点検方法

エアドライヤーは、日常点検と定期点検が必要です。

日常点検では、エンジンをかけて空気圧が充てんされたら、エキゾーストポートから空気が排出されるかを確認します。

また、定期点検は3か月に1度を目安に、エアドライヤーから水分や油分が排出されていないかを整備工場などで確認してもらいましょう。

■エアドライヤーの交換目安と費用

トラックおもちゃとピンクの電卓

エアドライヤーは消耗品のため、定期的に交換しましょう。

・エアドライヤーの交換目安

エアドライヤーの交換は年に1度、または走行距離を目安に行います。

中型トラックの場合は60,000kmごと、大型トラックの場合は100,000kmごとが目安です。

・エアドライヤーの交換費用

交換費用は、車種や車両サイズ、エアドライヤーの制御システムなどで変わりますが、新品への交換だと工賃を含めて50,000~60,000円ほどが一般的でしょう。

中古品やリビルト品の場合は、25,000~30,000円ほどが相場です。

エアドライヤーは、エアコントロールシステムを採用する大型車両の安全を陰で支える大事な部品です。

年次点検や走行距離を目安に交換し、走行の安全性を維持しましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。