トラックのファンベルトは交換しなくてもいい?【ファンベルトの交換について】

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ファンベルトはトラックを動かすための大切な部品です。

車によってファンベルトを搭載している数は異なりますが、どれも大切ですので必ずメンテナンスで正常な状態を保つようにしましょう。

今回はファンベルトの交換についてご紹介いたします。

■ファンベルトとは

まずはファンベルトがどのようなものか、ご紹介します。

・ファンベルトとは

ファンベルトはゴム製のベルトであり、かつては断面がV字に見えたことから「Vベルト」と呼ばれることもあります。

役割としてはラジエーターを冷ますファンを動かすために使われています。

現在は電動ファンが搭載されているトラックもありますが、いまだにファンベルトは多くのトラックに使われています。

■走行中にファンベルトが切れたら…

ファンベルトは、トラックの走行中に切れることもあります。

・ファンベルトが切れた場合の対処法

走行中にファンベルトが切れた場合、メーターパネルにある充電系統の警告灯が点灯します。

気付いたらトラックを安全な場所に停めてエンジンを切り、ロードサービスに連絡を入れましょう。

また、ファンベルトは切れた反動でどこかに飛んでいくケースが多いものの、巻き付いたまま残ることもあるので確認が必要です。

・破損する前に交換することが重要

ファンベルトが切れたことにより、電気系統にトラブルが発生すると、走行中の事故につながる恐れがあります。

そのため、ファンベルトから異音がしたり劣化の症状が見受けられたりする場合は、破損する前に交換しましょう。

・電動ファンがついている場合も交換は必要?

現在のトラックは電動ファンが普及していますが、使用されているベルトをファンベルトと呼ぶことがあります。

しかし、電動ファンは従来のファンベルトを使わない駆動なのでファンベルトそのものが使われているというわけではありません。

よって、電動ファンは名前がファンベルトと呼ばれているだけで、ファンベルトは存在せず、交換の必要もないということになります。

・ファンベルトが切れるとどうなる?

ファンベルトが切れてしまっても、すぐにエンジンが停止するわけではありません。ただし走行を続けると、動かなくなるので速やかに対処が必要です。

ファンベルトが切れるとウォーターポンプが停止してエンジンがオーバーヒートを起こします。オーバーヒートはトラックが動かなくなる原因にもつながります。

また、オルタネーターが停止するので発電もできなくなります。電力の供給がなくなるとトラックは走行不能になります。

ほかにもパワーステアリングポンプの停止によってハンドルが重くなり運転が難しくなる、エアコンが使えなくなるなどの問題もあります。

ファンベルトが切れた状態でトラックを運転することは避けましょう。

・ファンベルトが切れる原因は?

ファンベルトが切れる原因のほとんどは劣化です。

ゴム製のため、長年使用していると弾力性が失われてひび割れ、縦に裂けるといった症状が現れます。

特に裂けている状態はすぐにファンベルトを交換するようにしましょう。

また、ファンベルトを張りすぎると切れることがあります。起こる頻度は非常に少ないですが、交換して間もないファンベルトが切れた場合は張りすぎを疑ってみましょう。

■ファンベルトの交換について

走行中に急にファンベルトが切れることがないよう、日頃からファンベルトの確認を行いましょう。こちらでは、ファンベルトの交換についてご紹介します。

・ファンベルトの交換時期

ファンベルトの交換時期は走行距離が4万~5万kmが目安です。

しかし、中には5万km走行してもファンベルトの劣化が見当たらないこともあるでしょう。

早めに交換しておくことでトラブルを避けることができますが、距離以外にベルト鳴きで交換時期を判断する方法もあります。

もしエンジンをかけたときや、ハンドルを操作した際に「キュルキュル」という音が鳴ったら、ファンベルトとベルトがかかっている金属(プーリー)がかみ合っていない可能性があります。

ベルトの溝が浅くなるとかみ合いにくくなるので、ベルト鳴きがあれば交換した方が良いでしょう。

・ファンベルトの交換場所

安全性を重視するなら、ファンベルトの交換は整備工場に依頼しましょう。

基本的にはどこの整備工場でも受け付けてくれますが、できればトラックの構造に詳しい工場へ任せると安心です。

なお、急な依頼によりファンベルトの在庫がない場合は、日数がかかることも予想されるので、事前の予約をおすすめします。

また、走行中に切れた場合は、ファンベルトが切れてから、どれくらいの距離を走行したかも伝えましょう。

エンジンの損傷を測る目安になるためです。

・ファンベルトの交換費用

ファンベルトの交換にはファンベルトの本体価格と工賃が必要です。

トラックの場合、ファンベルトは6,000円程度が相場とされており、工賃も同じくらいかかります。

そのため、合計でおよそ1万2,000円が必要になります。

・中古トラックなら買い替えの方が安くなる!?

ファンベルトが切れたことでエンジンにダメージがある場合、エンジンの交換が必要になることもあります。

大型トラックのエンジンは交換に100万円以上かかることも珍しくないので、場合によっては中古トラックに乗り換える方がコストを抑えることができるかもしれません。

■中古トラックのメリット・デメリット

ファンベルトが切れて、エンジンの損傷が大きい場合は、トラックの乗り換えを検討したほうがよいもしれません。

・中古トラックのメリット

中古トラックならではのメリットをご紹介いたします。

<購入費用を抑えられる>

新車の場合、車種や仕様によっては1,000万円以上かかります。

しかし、中古トラックなら購入費用を抑えて、状態のよいトラックを購入できるかもしれません。

<納車がスムーズ>

新車は受注生産のため、納車までに時間がかかります。

その点、中古トラックの場合は架装やオプションを装備した現車があるので、手続きが終わればすぐに納車できるでしょう。

<トラックの選択肢が豊富>

中古市場は取り扱い車種が多く、生産が終了した人気車種を購入できるのも中古トラックならではのメリットです。

また、車種に悩んでいる場合は、予算を先に決めて候補を絞り込むと、買い替え時の負担も減らせるでしょう。

・中古トラックのデメリット

メリットの他にデメリットもあるので、確認しておきましょう。

<オプションを選べない>

新車と違い、事前にオプションを装備できません。

また、架装を追加または変更するときは、構造変更を届け出る必要があります。

<状態に個体差がある>

同じ条件でも、以前の使用状況やメンテナンス状況によって状態に差があります。

そのため、点検整備記録を確認したうえで購入を決めましょう。

<車両価格が変動する>

トラックの価格は市場の動向に影響されやすく、時期や需要によって変動します。

相場より安く購入できるケースもあるので、タイミングを逃さないことが大切です。

■人気トラックメーカーの特徴を解説

トラックには、メーカーの技術やこだわりが詰まっています。

・トヨタ

馬力のあるエンジンとスムーズな加速が特徴です。

品質への信頼性も高く、中古市場でも一定の人気があります。

大型車種は製造しておらず、小・中型のダイナを取り扱っています。

・いすゞ

パワフルでありながら、静粛性に優れた高品質なディーゼルエンジンを採用しています。

取り扱い車種は、小型のエルフ、中型のフォワード、大型のギガです。

・日野

馬力があるうえに耐久性も高く、乗り心地もよいのが特徴です。

技術力の高さは、海外からも注目されています。

取り扱い車種は、小型のデュトロ、中型のレンジャー、大型のプロフィアです。

・三菱ふそう

優れた走行性能と疲れにくい操作性の高さが特徴です。

取り扱い車種は、小型のキャンター、中型のファイター、大型のスーパーグレートです。

・UDトラックス

力強いエンジンや高性能の安全システム、電子制御の次世代トランスミッションなど、快適性を考慮した多くの工夫が凝らされています。

取り扱い車種は、小型のカゼット、中型のコンドル、大型のクオンです。

大切なトラックに長く乗るためには、ファンベルトの確認を日頃から行うようにしましょう。

事故に気を付けるだけでなく、細かな確認が安全運転には欠かせません。

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