トラックのマーカーランプは必要なものですが、なぜついているのかをご存知でしょうか?これからトラックの運転手を目指す方の中には、そもそもマーカーランプが何かを知らない方もおられると思います。マーカーランプはきちんと規定を守ってつけなくてはならないので覚えておきましょう。
今回はマーカーランプについてご紹介いたします。
■マーカーランプとは
夜、トラックが車体の下部にライトを点灯させて走行しているのを見かけたことはありませんか。あのライトは「マーカーランプ」といいます。マーカーランプには2つの役割があります。
<トラックの大きさの目安>
ヘッドライトやテールランプを点灯していても、車体の向きによっては他の車から見えにくくなってしまいます。特に、車体の大きなトラックは大きな事故に発展しかねません。
マーカーランプを付けることで車体が見えやすくなるほか、暗い場所でも大きさが把握しやすくなります。つまり、他の車に対してトラックがどれくらい大きいのかを知らせるための目安となります。
なお、車体の大きさを知らせるためのマーカーランプ設置は国土交通省の「道路運送車両の保安基準」で条件が定められています。設置の際はディーラーなどに条件の確認をとりましょう。
<ファッション性>
マーカーランプは「側方灯」と呼ばれ、設置が義務付けられています。しかし、ファッションとしてトラックを飾るために付けられるケースもあります。
トラックのマーカーランプは義務とファッション性が理由になっていますが、どちらを目的にしているかで見た目や性能が異なります。
なお灯火類の条件は年々変化していますので、定期的に変更がないか、基準を満たしているのかを確認するようにしておくと安心です。
■マーカーランプの車検時の注意点
トラックのマーカーランプ(側方灯)の設置は義務なので、車検でも基準が設けられています。知らないと車検に通らないことがありますので、こちらで確認していきましょう。
位置
トラックのマーカーランプは、「トラックのボディ全体で3メートル以内に1個の設置」が義務です。ただし、全長6メートル以下のトラックは義務ではなく、任意の設置になります。
また、設置する場所は地上0.25メートル以上、1.5メートル以下となっています。最前部は車両前端から3メートル以内、最後部は車両後端から1メートル以内です。
なお、突出は車体の最外縁からレンズの先端10mm以内なら問題ないとされています。
色
マーカーランプの色は橙色(だいだい色)と定められていますが、販売されているものは、やや黄色に近い色みです。基本の色には規定がありますが、他の場所に使う場合は黄色・橙色以外の色を使っても問題ありません。例えば赤や青、緑などは、ほぼファッション用のマーカーランプとして使われています。
※6メートル以内のトラックでも側方灯を付ける場合は黄色、または橙色のみとされています。
明るさ
トラックの存在が認識できるよう、150メートル離れた場所からも分かるほどの明るさが求められています。反対に、明るすぎて運転に支障が出るようなものは使えませんが、
電球はLEDでも問題ありません。
点滅
マーカーランプは常に点灯し続けていることが求められます。そのため、点滅している状態では車検に通らなくなってしまいます。走行中、急に点滅することもあるので、マーカーランプが点滅していないかを毎日確認する習慣をつけるようにしましょう。特に車検前は電球が切れていないか、必ず全てのマーカーランプを確認してください。
トラックのマーカーランプは事故防止だけでなく、おしゃれにも使えるアイテムですが、基準を知らないと違反や大きな事故に発展しかねません。車検時だけでなく、日頃からマーカーランプにも気を配るようにしましょう。