トラックのリフトアクスルって何?役割やメリットとは?

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高速走るトラック横画像

高速道路などを走行している際に、大型のトラックが後輪を浮かせて走行しているのを見たことがある方もおられるのではないでしょうか。あれはトラックのリフトアクスルです。タイヤを付けているのに道路に触れていないことには理由があります。

今回はトラックのリフトアクスルについてご紹介いたします。

■トラックのリフトアクスルとは

タイヤのアップ画像

・トラックのリフトアクスルとは?

リフトアクスルとは積載量に応じて車軸を上げ下げし、接地しているタイヤの数を変動させる機能です。

トラックやトレーラーなど積載量が大きい車両の場合、往路と復路では総重量が大きく異なります。積載量が多い往路では、荷重を分散させるためにすべてのタイヤを使用しますが、空荷となる復路ではすべてのタイヤを使用する必要がありません。

タイヤが多すぎる状態で走行すると、タイヤ1本あたりの接地圧が小さくなって転がり抵抗が増え、操作性が下がってしまいます。そのため、リフトアクスルで不要なタイヤを浮かせるのです。

特に高速道路をタイヤの接地圧が小さい状態で走行すると、強風の影響を受けやすくなったりハイドロプレーニング現象が起きやすくなったりなどのリスクが高まるので、安全に走行するためにはリフトアクスルが欠かせません。

また後ほど詳しくご紹介しますが、リフトアクスルには高速料金を節約できる大きなメリットもあります。

・リフトアクスルの仕組み

トラックやトレーラーには荷重センサーが付いており、それぞれの車軸にかかる荷重を監視しています。リフトアクスルは荷重に応じて圧縮エアで車軸を上げ下げし、接地するタイヤの数を調整するという仕組みです。

リフトアクスルの一連の作動は機械で制御されているため、自動的に行われます。

・どれくらい節約できる?

先ほどもお伝えしたように、トラックのリフトアクスルには、高速料金を節約できるメリットがあります。

高速道路の通行料金は車軸数によって変動します。車軸数の合計が4車軸以上のトラックは「特大車」に区分されますが、リフトアクスルをして3車軸以下にすると「大型車」になるため、その差分の節約が可能です。

■トラックのリフトアクスルのメリットと注意点

高速入口

・リフトアクスルのメリット

トラックのリフトアクスルには高速料金を節約できる他にも得られるメリットがあります。

1.燃費が向上する

リフトアクスルで道路に接しているタイヤの数を減らすと、転がり抵抗が小さくなり燃料の消費を抑えられます。特に長距離を走行する場合、燃費向上の効果はより大きくなります。

2.タイヤとブレーキの摩擦が軽減される

リフトアクスルでタイヤを浮かせることで、タイヤやブレーキまわりの摩擦を減らせます。部品の消耗を避けて、寿命を伸ばすことにつながるのもリフトアクスルで注目されているメリットの一つです。

・リフトアクスルの注意点

メリットの多いリフトアクスルですが、注意点もあります。それは「トラックに荷物を積んだ状態で使用しない」ことです。故意に設定を変えるなどして不当なリフトアクスルをした場合、道路交通法違反となり、30万円以下の罰金と不正を免れた交通料金の3倍の金額を請求されます。

また荷物を積んだ状態でのリフトアクスルは、残ったタイヤやシャーシ(枠組み)に負担がかかり、トラックの寿命を縮めることにもなります。車軸やハブが破損すれば、重大な事故にも発展しかねないため、必ず正しく使用することを心がけてください。

トラックのリフトアクスルには高速料金の節約や燃費・操作性の向上など多くのメリットがあります。仕組みや注意点を知って適切に使用しましょう。

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