トラックの構造は大きく「キャビン」や「シャーシ」、「ボディ」に分けられます。実はトラックメーカーが製造するのはキャビンとシャーシのみで、専門のメーカーが製造するボディと組み合わせて1台のトラックが完成します。
今回はトラックの構造について、代表的なトラックメーカーも併せてご紹介いたします。
■トラックの構造について
・キャビンとは
キャビンとは、トラックの運転席の部分で「キャブ」とも呼ばれています。主な種類は、ダブルキャブやハイルーフキャブ、ワイドキャブなどです。
<ダブルキャブ>
後部座席が設置されたタイプで、5人程度の乗車が可能です。荷物とともに従業員を乗せることができるのはメリットですが、最大積載量が小さくなってしまうデメリットもあります。
<ハイルーフキャブ>
キャブ部分の屋根が他のタイプのキャブよりも高く作られていて、ほとんどの場合寝台が取り付けられています。ドライバーの肉体的負担を減らせますが、その分価格は高額です。
<ワイドキャブ>
標準キャブよりもキャブの全幅が広くなっているタイプです。荷台や荷室の幅を広くとれるため、積載容積が増えるのはメリットですが、トラックの操作性は低下していまいます。
・シャーシとは
トラックの車体の基礎となる部分です。シャーシは骨組みとタイヤで構成されています。各部名称は以下の通りです。
<フレーム>
フレームは、トラックのパーツをつなげるための重要な役割をもつ部分です。
<サスペンション>
衝撃を吸収するパーツです。トラックが傷まないようにしたり、積み荷に衝撃の影響を与えないように保護したりする役割があります。
<ブレーキ>
大型トラックのブレーキは、空気の力を利用しているタイプがほとんどです。
<タイヤ>
近年ではチューブレスのタイヤが増えています。タイヤとホイールのみの構成になっているため、軽量化が実現されました。
<エアタンク>
ブレーキのほか、運転席の調整を行う際やサスペンションなどにも使われるパーツです。トラックにとって非常に重要なパーツと言えます。
・ボディとは
ボディはその名の通り、トラック本体の部分です。「上物」と呼ばれることもあり、トラックを選ぶ際の重要なポイントです。大型トラックのボディには、主に以下の3種類があります。
<平ボディ>
トラックのボディの中で最も利用されているのが平ボディです。幅広い業界で活躍しています。
<バンボディ>
「箱車」とも呼ばれている、箱型のボディです。平ボディに次いでよく利用されています。
<ウイングボディ>
見た目は箱型のバンボディと似ていますが、ボディの側面が大きく開閉します。荷物の積み下ろしがしやすいボディです。
■代表的なトラックメーカー
・トヨタ
トヨタは故障の少なさが評判のトラックメーカーです。新車で購入する場合は他の国産車に比べて高額ですが、中古でも高い価格で買い取ってもらえます。
・いすゞ
いすゞのトラックは、優れたディーゼルエンジンの技術が特徴です。また、コストパフォーマンスが高く、新車でも良心的な価格で購入できます。
・日野
日野のトラックは高い馬力のエンジンが特徴です。故障も少なく、万が一故障した場合でもディーラーの数が多いうえにメンテナンス費用も安いため、人気があります。
・三菱ふそう
三菱ふそうのトラックは、バランスのよいエンジンとコストパフォーマンスの高さが特徴です。運転手が快適に過ごせるシートなど、特に長距離の運転に適しています。
・UDトラックス
UDトラックスのトラックは、クラッチやエンジンの馬力の高さが特徴です。そのため、重トレーラーのシェアは日本一を誇ります。エンジンの燃費がよいのも特徴の一つです。
■まとめ
トラックの構造は大きくキャビン、シャーシ、ボディの3つに分けられますが、他にも重要なパーツは紹介しきれないほど多くあります。構造についてよく知ったうえでトラックの運転を楽しみましょう!