車種を問わず安全に車を運転するためにも、車検を受けることは義務です。安心してトラックを運転するためにも、必ず定期的に車検を受けましょう。
今回はトラックの車検がどのようなものか、費用相場と併せてご紹介いたします。
■トラックの車検とは
まずはトラックに必要な車検の内容や費用についてご紹介いたします。
・トラックの車検項目
トラックの車検項目には大きく分けて5つの種類があります。
<エンジンルーム点検>
パワーステアリング装置
点火装置
バッテリー、電気配線
エンジンオイルの量、漏れ
排気ガス
冷却装置
燃料装置の漏れ
公害発散防止装置
<室内点検>
ハンドル
ブレーキペダル
パーキングブレーキ
クラッチペダル
<足回り点検>
舵取り車輪
ホイール
ショックアブソーバー
サスペンション
ブレーキのマスターシリンダー、ディスクキャリパー
ディスクブレーキ
ドラムブレーキ
<下回り点検>
ステアリングのロッド、アーム
トランスミッション、トランスファ
プロペラシャフト、ドライブシャフト
デファレンシャル
ブレーキホース、パイプ
エキゾーストパイプ、マフラー
フレーム、ボディ
これ以外にも道路運送車両法に基づいた車両の大きさ、投下装置、排気音などの検査も必要です。
・トラックと普通車の車検の違い
トラックと普通車の車検では2つの大きな違いがあります。1つは車検の有効期限、もう1つは車検費用の金額です。
車は家庭で使う乗用車と、荷物の運搬などで使う商用車に分類されます。トラックの場合は商用車になり、乗用車よりも頑丈で走行距離も長い傾向にあります。また、商用車は乗用車に比べて検査項目が多いため車検費用が高くなっています。
・有効期限と費用相場
トラックの車検の有効期限は車両重量によって分かれます。
重量が8トン未満のトラックの場合…初回2年、2回目以降は1年
重量が8トン以上のトラックの場合…初回から1年
乗用車に比べて有効期限が短くなっているため、車検の有効期限を忘れないように気を付けましょう。有効期限は車検証、またはフロントガラスの車検標証(ステッカー)に記載されています。
また、トラックの車検費用には2種類あります。
国で定められた法定費用と、業者が車検に定めた点検整備費用です。法定費用には重量税、自賠責保険料、申請手数料が含まれています。
一方、整備点検費用には点検の技術料、故障診断料、検査代行手数料が含まれています。
一般的には大型トラック20万円以上、中型トラック15万円以上、小型トラック10万円以上が相場です。
・もし車検に落ちたら
車検に落ちた場合、再検査が必要です。再検査に通らなければ車検証も発行されず、公道を走ることができません。再検査が必要な場合は、自分で該当箇所の修理をすることはできず、必ず専門業者で修理を行うことが求められます。
■トラックの車検を受けるには
トラックの車検を受ける前に車検の種類を知っておきましょう。
・トラックの車検の種類は3種類
<ユーザー車検>
ユーザー車検は管轄の陸運支局にトラックを持ち込んで受ける車検です。業者を介さずに自分で必要書類を揃え、検査も自分で行います。そのため、手数料などがかからず非常に車検費用を安く抑えることができます。ただし、時間と手間がかかる点には注意が必要です。
<整備車検>
整備車検では車検手続きから整備までを一貫して業者や整備工場に依頼する車検の方法です。
トラックを預けておけば車検に必要なことをすべて行ってもらえるため、手間がかかりません。また、プロに行ってもらうことで安心してトラックに乗ることができます。
<車検代行>
車検代行ではトラックの所有者が自分で点検整備を行い、検査場での検査のみ業者に依頼する方法です。
車検代行の場合、最低限の点検整備しか行われないため、分解検査など細かい部分まで検査したい場合には向いていません。ただし、途中まで自分で行うため、車検費用は抑えることができます。
・車検費用を抑えるポイント
車検費用を抑えるには、もっとも費用が安いユーザー車検がおすすめです。
また、トラックの車検費用は車両総重量によって決まるため、減トンしておくことも費用削減に役立ちます。
車検を業者に依頼する場合は、必ず相見積もりをとり、各業者の費用とサービス内容を比較するようにしましょう。
トラックの車検は費用も高く、負担に感じている方は少なくないでしょう。しかし、安全にトラックに乗るためには欠かすことができません。これからも車検を正しく行い、安全運転を心がけましょう。