日本でトップクラスのシェア率を誇るユニック車のメーカー「古河ユニック」と「タダノ」。
どちらも高性能で非常に人気が高いですが、どのような違いがあるのでしょうか。古河ユニックとタダノのどちらを購入しようか迷っているという方のために、今回は古河ユニックとタダノの違いや特徴についてご紹介していきます。
■古河ユニックVSタダノ
古河ユニックとタダノは、国内のクレーンメーカーとして1、2を争う老舗メーカーです。
まずは性能などの違いについてご紹介します。
性能差
同じ価格帯で性能を比較すると、どちらもほとんど差がありません。性能についてはどちらを選んでも高品質といえます。
(「ユニック」は古河ユニックの登録商標であり、タダノ製品の正式名称は「カーゴクレーン」です。)
どちらを選ぶべき?
性能差がないので好みで選んでも問題ありません。
一般的には、「資格取得の際に使用したメーカーを選ぶ」という人が多いようです。理由は「操作に慣れているから」とのこと。また、会社や勤め先がどちらかのメーカーで統一していることもあります。
近年のトラックは省エネやエコロジー性を重視されるようになりました。
古河ユニックは省エネ性が高く、低燃費、クリーン性、防音技術などが高く、幅広いエコロジー性が特徴です。
一方、タダノはエコロジー特化の「Zest ECO」で「エコ・ウインチ」を実装しました。ウインチとポンプの二か所でエコ対策を行ったWエコは従来製品の23%以上もの低燃費を実現しました。
省エネ性はどちらも高いですが、シリーズによって特徴があるのでカタログなどで違いを比較してみることをおすすめします。
■古河ユニックとタダノの特徴
性能についてはほぼ互角の古河ユニックとタダノですが、もちろん細かい違いはあります。
こちらでは古河ユニックとタダノ、それぞれのメーカーの特徴のほか、これまでの実績などについてご紹介いたします。
古河ユニックの特徴
<外観>
古河ユニックの特徴としてよく挙げられるのが、クレーン部分の塗装が赤いことです。
また、ラジコンはブームとフックを別々に2本のスティックで操作するタイプと、ブームとフックを連動させて操作するジョイントスティックタイプの2種類があります。
<歴史や実績>
1961年(昭和36年)に日本で初めてのユニック車を開発したメーカーです。
1985年(昭和60年)に無線式ラジコンを導入し、2人必要だったクレーン作業を1人で操作できるとして脚光を集めました。
2007年(平成19年)には新型コントロールバルブとコンピューター制御システムを搭載した「U-can ECOシリーズ」ではトラック搭載型クレーンにエコをもたらし、経済産業省主催の省エネ大賞を受賞するほど高い評価を集めました。
なお、ユニックという名前は「UNIVERSAL CRANE(全ての人々にとってのクレーン)」と「UNICORN(額に角を持つ伝説の一角獣で形がユニックに似ている)」ことからイメージして作られた造語だそうです。
タダノの特徴
<外観>
古河ユニックとは対照的に、タダノのクレーンは青い色です。
タダノのラジコンはブームとフックを2本のスティックで別々に操作するタイプの1種類のみになっています。
<歴史や実績>
タダノは1955年(昭和30年)に日本で初めて油圧式トラッククレーンを開発した会社です。タダノはドイツやオーストラリアなど、国外にも複数の支社や関連会社を構えています。
1991年(平成3年)にイースター島にある、倒れたままになっているモアイ像15体の復元・修正を全額負担で行い、使用後のクレーンを寄贈しています。2019年には3台目のクレーン車を寄贈しており、そちらはインフラ整備や港で荷物の積み下ろしで活躍しています。
※基本的なカラーリングは古河ユニックが赤、タダノが青ですが、別の色をオーダーすることもできます。中古車では前オーナーが自分で塗装していることもあります。
古河ユニックもタダノも、どちらも素晴らしいクレーンを手掛けています。是非お気に入りのユニック車を選んでみてください。