ユニック車の過巻き防止装置は故障しやすい?気をつけるべきこととは

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ユニック車の安全性を高めるために必要不可欠な過巻き防止装置ですが、誤作動や故障が多いとも言われています。安全にユニック車を使うためにも、適切な扱い方を覚えておきましょう。
今回はユニック車の過巻き防止装置についてご紹介いたします。

 

■過巻き防止装置とは

 

ユニックのワイヤーロープに関するトラブルが起きないために付けられている安全装置が過巻き防止装置です。他には巻き過ぎ防止装置と呼ばれることもあります。
ワイヤーロープの巻き取りドラムに連動して回転数から状況を把握するタイプ(間接式)と、ブームの先端に重りを下げて、フックが重りと触れることで過剰に巻き過ぎたことを把握するタイプ(直働式)があります。直働式は巻き下げ位置の制限ができない点に注意が必要です。

 

■過巻き防止装置が故障するとどうなる?

もしユニックの過巻き防止装置が故障するとどうなるのでしょうか。こちらでご紹介いたします。

 

・荷物の落下

過巻き防止装置が故障していると、荷物を吊り下げた際にどの程度ワイヤーロープに余裕があるのかが把握できなくなります。
過巻き防止装置が正常に働いていると、巻き過ぎた際にユニックが停止しますが、働いていないと過巻き状態に陥り荷物の吊り下げが正しく行えなくなります。
反対に過戻しを行っても気が付かず、荷物を落下させてしまいかねません。

 

・ワイヤーロープの切断

荷物の落下に関係するのが、ワイヤーロープの切断です。過巻き状態になると、巻くワイヤーがないにも関わらず、ユニックがワイヤーを巻こうとします。するとワイヤーロープがどんどん無理な力で引っ張られてしまい、最終的に切断されてしまいます。
荷物を吊り下げている状態では、重大な事故につながりかねません。実際に過巻き防止装置が故障していたことにより、ワイヤーロープが切断されて大きな事故が起きた事例があります。

重大な事故を起こさないためにも、ユニックの過巻き防止装置が故障していないか徹底的に確認するようにしましょう。

 

■過巻き防止装置の故障を防ぐためには

過巻き防止装置の故障が非常に危険なことはおわかりいただけたと思いますが、装置の故障を防ぐには具体的にどうすればよいのでしょうか。
こちらでユニックの過巻き防止装置を故障しにくくする方法についてご紹介いたします。

 

・点検

日常的に行う検査では、何も負荷をかけない状態でユニックを操作します。過巻きと過戻しを行い、過巻き防止装置が正常に作動するかを確認しましょう。この点検はクレーン等安全規則第36条で始業前の点検として義務付けられています。
また、定期的に部品の交換を行うことも大切です。
交換時期は4年とされていますが、もし異常が見られた場合は交換時期がまだ先であっても必ず交換するようにしましょう。

 

・改造はしない

過巻き防止装置が作動すると作業が行いづらくなると感じても、改造することは避けましょう。
過巻き防止装置は安全な作業に必要だから設置されています。勝手に手を加えることは自分だけでなく、周囲の人間にも危険です。
また過巻き防止装置などの安全装置が、正常に機能しない状態での貸与は禁じられています。

 

・操作上の注意点

過巻き防止装置は安全装置なので、使用している際に、常に過巻き防止装置が作動するような状況にすることは避けてください。
過巻き防止装置は消耗品です。過剰な負担をかけ続けると故障や損耗につながりかねません。
過剰に負荷をかけ続けていると正常に作動しなくなり、万が一の時に対応できなくなってしまいます。

 

 

過巻き防止装置の故障があるにも関わらず、修理をせずにユニック車を使用したことで起きた事故があります。過巻き防止装置の状態確認はもちろん、自分や周囲の人が安全でいられるためにも、ユニック車の扱いは慎重に行いましょう。

 

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