冷凍車を購入する際のポイントとは?効率の良い維持の仕方

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冷凍車は荷台部分が冷凍庫になっている特殊車両です。気温が高い夏場を中心に、運送現場では大変重宝されています。新たに冷凍車の導入を検討している方に、冷凍車の基本的な知識と維持についてご紹介いたします。

■冷凍車とは
日本の物流には欠かせない存在である冷凍車。生鮮食品や冷凍食品を始めとし、精密機器や植物、薬品を運ぶこともあります。

・冷凍車の歴史
冷凍車が誕生したのは今から100年以上も前の明治41年(1908年)のことです。開発を先導したのは福岡運輸株式会社の創業者である「富永シヅ」という女性で、当初は魚を運搬するために開発が進められました。そんな冷凍車は今では様々な業界で必要とされています。

・低温車と中温車の違い
冷凍車には低温車と中温車の二種類があります。
低温車…最低温度が-30℃設定の冷凍車。アイスクリームや冷凍食品、鮮魚輸送に携わる方におすすめです。
中温車…最低温度が-5℃設定の冷凍車。冷凍食品を扱うお弁当屋さんや、精密機器、植物の運送業者の方がよく利用しています。

低温と中温の機能を両方兼ね備えた冷凍車はありません。しかし、低温車の温度設定を上げれば中温車として利用することもできます。

 

 

■冷凍車を効率よく使おう

冷凍車は乗用車に搭載されているエアコンとほぼ同じ仕組みで冷気を維持しています。そんな冷凍車ですが、上手く使うにはいくつかのポイントがあります。

・冷凍車を上手く使うポイント
ポイント①「事前に荷台部分の冷凍庫を冷やしておく」
冷凍庫は冷えるのに時間がかかります。あらかじめ冷凍庫内を冷やしておくことですぐに荷物の積み込みができるようになります。

ポイント②「積荷の出し入れは素早く」
適温を保つため、冷凍庫の開け閉めは最低限にとどめましょう。

ポイント③「荷物を積むときは隙間を開けておく」
隙間が無いと冷気の循環が悪くなり、冷えにくい場所が出てしまいます。冷凍庫内を均一の温度に保つために荷物は隙間なく詰め込むのではなく、冷気の通り道ができるように隙間を開けて積みましょう。

ポイント④「メンテナンスは週に一度は行う」
週に一度は冷凍庫内を清掃し、乾燥させてカビの繁殖を防ぎましょう。

・霜取りをしないと冷凍機が冷えにくくなる原因に
冷凍車には自動で霜をとる機能が付いています。しかし機械が不調であったり、旧型の冷凍機が設置されている場合、自動霜取り機能が不十分で霜が残ったままの箇所ができてしまうので、手動で霜取りをする必要があります。霜が着いた状態では冷凍庫内を十分に冷やすことができません。
冷凍機に霜がついたり、冷えにくくなる原因は下記の通りになります。

①予冷不足
十分に予冷ができていないと、温度差によって霜ができます。冷凍車はあくまで冷気を維持したまま荷物を運搬するための車です。荷物そのものの温度を下げたりすることはできません。荷物と冷凍庫内の温度がほぼ同じ状態であれば霜は付きにくくなりますので、冷凍庫は使用前にしっかりと冷やしておきましょう。

②通風孔をあけていない
積荷などで冷気の吹き出し口を塞ぐと、スムーズな空気循環が行われなくなります。荷物を積む時は、通風孔を塞がないよう注意しましょう。

③積載物の容量が少ない
荷物を積みすぎると冷却システムの不具合を起こしたり、通風孔を塞いでしまう原因になりますが、逆に積荷が少なすぎると、過剰冷凍を起こす原因になります。過剰冷凍も冷却システムに不具合を起こす原因の一つですので、積載量には注意が必要です。

④機械の故障
経年劣化や整備不良が原因でうまく冷却ができなくなることがあります。冷凍車はメンテナンスや手入れがまめに必要な車両なので、面倒がらずにしっかり整備しましょう。

⑤ドアの開閉が多い
夏場は扉を開けるたびに暑い外気が冷凍庫に入ってくるので、扉の開閉回数や時間を必要最低限にとどめましょう。

 

 

■中古の冷凍車を買う際のポイント

冷凍車を必要としている方は、おそらく既に明確な目的がある方だと思います。これから中古冷凍車の購入を検討している方に、チェックするべきポイントをご紹介いたします!

・冷凍車の耐久年数
一般的に冷凍車の耐久年数は20年程度と言われています。
前オーナーの使い方にもよりますが、中古の冷凍車はメンテナンスしだいで10年くらい乗り続ける事ができるでしょう。冷凍車が運ぶ荷物には車にとって大敵ともいえる塩分を含むものもあるので、他の車種よりも整備が必要になるかもしれません。中古冷凍車を買う際に不安な場合は、中古車販売店に頼んで整備履歴などを確認させてもらいましょう。

・販売メーカーごとの特徴を把握する
冷凍車を出しているメーカーは沢山あります。エンジンやミッションといった車両性能や冷凍機能など、それぞれに得意とする分野があるので、メーカーの強みを把握することが大切です。その上で、自分の目的に合ったメーカーを選びましょう。

・走行距離より全体の状態で選ぼう
たとえ走行距離が短くても、きちんとメンテナンスをされていなかった冷凍車は状態がよくありません。多少走行距離が長くても、ちゃんと整備された状態の良い冷凍車を選びましょう。

・信頼できる中古車販売店で買おう
信頼できる中古車販売店は、メンテナンスをきちんと終えた車両を販売しています。それぞれの中古車の状態を聞けば、ちゃんと教えてくれます。信頼できるお店かどうかは、スタッフの対応やお店の実績をみて判断しましょう。インターネットで口コミを確認するのもいいかもしれませんね。

・値段で決めると後で苦労する可能性あり
あまりにも値段の安い冷凍車は交換が必要な部品がそのままの状態で販売されている場合があります。安心して乗り続けるためにも、値段だけで購入を決めるのは避けましょう。

冷凍車は使っていない時でも、週に一度は清掃と乾燥が必要です。面倒だと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、しっかりメンテナンスを行うことで愛着がわいてきます。
是非用途に合った冷凍車を見つけて、大切にしてあげてくださいね。

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