軽トラックの荷台ではみ出し可能なサイズはどれくらい?

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トラック

 

トラックは目的に合わせて様々なタイプがありますが、運搬するものによってはどうしても荷台からはみ出してしまうこともありますよね。安全を考えると、荷台からはみ出してしまうことは避けたいですが、やむを得ない場合はどれくらいまでならはみ出しても大丈夫なのでしょうか。

今回は軽トラックの荷台からはみ出し可能なサイズについてご紹介いたします。

 

■軽トラックの分類と最大積載寸法について

まずは軽トラックの分類と最大積載寸法についてご説明いたします。

 

軽トラックの分類

ご存知の通り軽トラックは軽自動車に分類されます。そのため軽自動車の車両規定に従わなくてはなりません。軽トラックはトラックでありながら、軽自動車でもあるので気を付けましょう。

 

軽トラの最大積載寸法は?

軽トラックを含む全てのトラックは道路交通法で最大積載寸法が定められています。

最大積載寸法は長さ、幅、高さ、積載方法の4つについて規定があり、特別に許可されている場合以外は必ず守らなくてはなりません。

 

軽トラックで荷台からはみ出してもいいとされている範囲は以下の通りです。

 

<長さ> 車両の長さの10分の1を超えないもの

<幅>  車両の幅を超えないもの

<高さ> 地上から2.5m以内

<重さ> 最大で350kgまで

 

■積載物が荷台からはみ出してしまう場合

トラック

 

どうしても荷台から荷物がはみ出してしまうという場合は、荷台を改造することで解決できるかもしれません。

 

やぐらを活用する

軽トラックは大きく3種類に分けられますが長さは全て3,395mmとなっており、はみ出しが許されているのは10分の1に相当する339mmです。その場合は軽トラックの荷台にやぐらを組むなどの方法で解決することもあります。積載物によってどんな改造が必要になるのか考えましょう。

 

制限外積載許可申請書を提出する

どうしても荷台から規定以上はみ出してしまう場合は、制限外積載許可申請書を提出し、許可をもらってみるのはいかがでしょうか。ただし、申請したからといって必ずしも許可が下りるわけではありませんので、その点を留意しておきましょう。

 

荷台を改造する際の注意点

荷台を改造する場合や、荷台からはみ出してしまうほどの大きな物を乗せる場合は、以下の4点について注意が必要です。

 

①運転手の視野を狭めたりハンドルなどの操作が妨げられていないか

②バックミラーに後方の状況が写らなくなっていないか

③外部から方向指示、ナンバープレート、ブレーキランプ、尾灯、後部反射鏡が確認できないようになっていないか

④荷物が転落・荷崩れする可能性はないか

 

■制限外積載許可申請書とは

制限外積再許可申請書について、もう少し掘り下げてみましょう。

・制限外積載許可申請書とは

制限外積再許可とは、車両に載せる積載物が規定を超えてしまう場合に必要な許可です。
特殊車両だけでなく軽トラや普通自動車の場合でも必要になります。

・どれくらいまでのはみ出しが許可される?

申請書を提出して許可をとっても、荷台からのはみ出しには上限があります。

【長さ】
車両の長さから1.5倍までであること

【幅】
車両の幅から1メートル以内
※ただし車両の左右は0.5メートル、積載時の幅は3.5メートルを超えないことが条件

【高さ】
4.3メートルまでであること

・許可が有効となる期限

原則として、走行するたびに許可をとる必要があります。
条件によっては最大で3カ月かまで許可されます。条件は以下のとおりです。

①運転手が同じであること
②車両が同じであること
③貨物が同じであること
④積載方法が同じであること
⑤走行ルートが同じであること

どれか1つでも異なる場合は、新たに申請を提出し直さなくてはなりません。

・申請書を提出する場所

申請書を提出する場所は2種類あります。

①出発地点を管轄する警察署
②出発地を受け持ち区域とする交番、または駐在所

ただし、交番や駐在所への申請は、制限外積載のうち全長12メートル未満の長さかつ、複数回運搬を行わない場合に限り申請が可能です。

なお、出発地が遠方の場合は郵送で受け付けてもらえることもあります。
また、申請書の郵送が可能な場合も許可証を受け取るには出発するまでに警察署に直接受け取りに行かなくてはなりません。

申請から発行までにかかる日数は、早ければ翌々日には許可が下ります。目安として1週間程度みておきましょう。
日数や取り扱いは警察署によって異なるので、あらかじめ確認して余裕をもった行動を心掛けましょう。

・申請に必要な書類

①制限外許可申請書(2部)
②走行ルートが分かる経路図
③積載物の諸元
④積載方法の概略図
⑤運転者の運転免許証の写し ※複数人運転者がいる場合は一覧が必要
⑥車検証の写し

なお、申請者は運転手になります。
これまでは申請書に押印が必要でしたが、2020年12月28日以降は申請の様式に関係なく押印が不要になりました。

・特殊車両通行許可も必要?

走行する道路が道路法で定められた制限値を超える場合は、特殊車両通行許可が必要になります。
多くの場合は大型トラックなどで該当しますが、軽トラで該当するケースは非常にまれです。念のため道路法の規定を確認しておくことをおすすめしますが、軽トラの場合は基本的に不要です。

■はみ出しではここにも注意

トラック

荷台からのはみ出しを規定内に収めたとしても、他にも注意する点が2つあります。

 

最大積載量

軽トラックには最大積載量が350kg以下という制限があります。これはビールケース14箱に相当します。土砂などは重たいので積載量をすぐにオーバーしてしまいます。あらかじめ積み込む物の重さを把握しておきましょう。

 

高さ

軽トラックの最大積載寸法は地上から高さ2.5mまでとなっています。屋外の駐車場であれば問題ありませんが、屋内の立体駐車場などを利用する場合は高さ制限に引っかかる可能性があります。屋内の立体駐車場を頻繁に利用する方は高さに注意し、最高でも2m未満に留めておく方が良いでしょう。

 

■荷台からはみ出して走行するとどうなる?

荷台から積載物がはみ出したまま走行すると、罰則の対象になります。具体的にどのような罰則があるのかをこちらでご紹介いたします。

・免許証の加点

軽トラの荷台から積載物がはみ出していると「過積載」とみなされ、道路交通法違反として罰則の対象になります。点数ははみ出しの割合によって変動します。

5割未満…1点
5割以上10割未満…2点
10割以上…3点

悪質な過積載と判断された場合は、運転手だけでなく荷主への罰則、事業者への資格制限措置が課されることもあります。最悪の場合は事業者に対して事業許可の取り消しが行われることもありますので、はみ出しがある場合は必ず制限外積再許可をとるようにしましょう。

・罰金

罰金も免許証の加点と同様に、はみ出しの割合によって異なります。

5割未満…2万5,000円
5割以上10割未満…3万円
10割以上…3万5,000円

通常は免許証の加点と罰金の両方が課されます。
なお、車両通行が禁止されている場所を走行した場合はさらに重い罰則があります。

軽トラックの荷台から荷物がはみ出している場合は、いつも以上に慎重かつ丁寧な運転を心がけなくてはなりません。安全運転をすることで荷物が壊れたり事故を防ぐことにも繋がります。最大積載寸法を頻繁に超えてしまう場合は大きなトラックへの乗り換えも視野に入れましょう。

 

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