近年注目の「セミオートマトラック」とは?マニュアルトラックやオートマトラックとの違い

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黒キャップの女性

トラックと言えばマニュアルトラックが広く使用されているものの、近年は「セミオートマトラック」が注目を集めています。オートマトラックとは異なるセミオートマトラックは、どんなトラックなのでしょうか?

今回はセミオートマトラックについて、マニュアルトラックやオートマトラックと比較しながら詳しくご紹介いたします。

■セミオートマトラックはどんなトラック?

・3種類のトランスミッション

自動車の変速機であるトランスミッションは3種類に分けられます。マニュアル、オートマ、セミオートマの3種類です。クラッチペダルはマニュアル車にしかありません。

<マニュアルトランスミッション>

ドライバー自身が変速操作を行う原始的なトランスミッションで、多くのトラックに採用されています。

構造がシンプルで故障も少なく、購入費用や維持費を抑えられる一方、細かい変速操作に慣れるまでは運転が難しく感じる場合もあるでしょう。

なお、オートマ限定の免許では運転できません。

<オートマチックトランスミッション>

乗用車のほとんどに採用されています。

4種類のシフトを使い分けて操作を行いますが、運転中にメインで使用するのはドライブとリバースの2種類です。

変則操作が不要でハンドル操作に集中して運転できるため、運転に慣れていない方でも比較的簡単に運転できます。

ただし、構造がマニュアル式よりも複雑な分、購入費用や維持費のほか、修理費用も高めです。

<セミオートマチックトランスミッション>

マニュアル式とオートマチック式の長所を併せもったタイプです。

基本的な構造はマニュアル式とほとんど変わりませんが、クラッチ操作が不要で、変速の管理は機械が自動で行います。

ドライバーはシフトを切り替えるだけでよいので、運転中の負担を減らせるでしょう。

購入費用や維持費は、オートマチック車とマニュアル車の中間にあたり、燃費の面では、熟練ドライバーが運転するマニュアル車には劣ると言えます。

・セミオートマトラックとは

白トラック斜め前画像

オートマトラックと同様にクラッチペダルがないトラックのことです。クラッチが自動であること以外はマニュアル車と同じ構造で、細かい変速も可能です。運送業界が慢性的なドライバー不足のため、運転に不慣れなドライバーでも操作しやすいセミオートマトラックの需要が特に高まっています。

・セミオートマトラックの種類

各トラックメーカーからセミオートマシステムが開発されています。

<日野>

「プロシフト」というセミオートマシステムを導入しています。シフトチェンジを自動化しており、他社のオートマのようなATではなくAMTと表記されます。

<いすゞ>

いすゞのセミオートマシステムは「スムーサー」と呼ばれています。マニュアルシステムにフルードカップリングと摩擦クラッチを組み合わせて、クラッチを自動制御しています。

<三菱ふそう>

「イノマット」というセミオートマシステムで、コンピュータ制御による自動変速を行います。5~16段のギア段数があります。

<UDトラックス>

UDトラックスは「エスコット」というセミオートマシステムを導入しています。機械式セミオートマで、日野と同様にAMTと表記されます。

・AT限定免許で運転できる?

セミオートマトラックはAT限定の免許で運転できます。セミオートマトラックにはクラッチペダルがなく、アクセルペダルとブレーキペダルの2本のみです。そのため扱いやすく、ドライバーの負担軽減にもつながります。

■各トラックのメリット・デメリットを比較

おもちゃの白トラック2台

・マニュアルトラックのメリット・デメリット

マニュアルトラックは、オートマやセミオートマのトラックと比べて構造がシンプルです。そのため、車両価格が安いうえに故障もしにくく維持費も安いメリットがあります。一方デメリットはクラッチペダルを踏みながらギアチェンジをしなければならないため、操作に慣れる必要があることです。

・オートマトラックのメリット・デメリット

オートマトラックのメリットは、変速操作が不要なことです。ドライブポジションに入れてしまえば自動で変速操作が行われるため、ハンドル操作だけに集中できます。オートマトラックのデメリットは本体価格や維持費が高いことです。

・セミオートマトラックのメリット・デメリット

セミオートマトラックはマニュアルトラックよりも操作が簡単で、オートマトラックよりも細かい変速操作ができるメリットがあります。マニュアルトラックに比べると構造が複雑なので、本体価格や維持費は高いのがデメリットです。

■セミオートマトラックは中古車購入がおすすめ

セミオートトマトラックの導入を検討しているなら、中古市場も視野に入れて探してみましょう。

その理由と、購入時に確認すべきポイントをご案内いたします。

・中古市場にセミオートマトラックが増加

セミオートマトラックの普及により、中古市場へ流入する台数も以前より増えています。

中古トラックは新車よりも低価格で提供されているほか、点検と整備を済ませた状態の現物がすでに存在するため、比較的納車もスムーズな点がメリットです。

なかには、新車と同程度の良質な中古トラックも取り扱われているケースもあります。

一方、新車は納車までに一定の期間を要するうえ、セミオートマトラックの場合は構造が複雑で、それなりの製造コストが必要なため、販売価格は決して安くありません。

導入コストを抑えたいなら、中古市場から適したトラックを選んでみてはいかがでしょうか。

・購入時に確認すべきポイント

中古トラックは点検・整備が行われているものの、状態は車両ごとに異なります。

そのため、購入時は細かい部分まで確認しましょう。

<基本項目>

まずは、以下の基本的な内容を確認しましょう。

  • 年式
  • 走行距離
  • 整備点検記録簿
  • 車検証の内容
  • 自賠責保険証明書の有効期限
  • 自動車税の納付履歴
  • スペアタイヤの有無
  • 車載工具など付属品の有無
  • エンジンの音や振動、ブレーキの効き具合

<外装>

購入直後に不備を発見することのないよう、外装をチェックする際は以下の項目を見ます。

  • ボディの傷やへこみ
  • タイヤの減り具合
  • シャーシの歪みやサビ
  • 荷台・あおりの状態と開閉具合
  • 窓・ミラー・ランプなどの状態と動作確認
  • 車検ステッカーの内容

<内装>

内装の状態はドライバーのモチベーションを左右するため、内装をチェックする際は以下の項目を見ます。

  • キャビンのにおい
  • エアコンのにおいと動作確認
  • メーターパネルやインジケーターランプの動作確認
  • オプションの有無と操作方法

・購入後のトラブルを避けるには

数ある中古セミオートマトラックの中から購入する1台を見つけるには、希望する年式と走行距離に見合う候補を絞ったのちに現物を確認する必要があります。

一般的にトラックの寿命は10~15年ほどと言われており、年式と走行距離はエンジンやブレーキの状態を測る目安になるため、一つの指標にしましょう。

また、購入後のトラブルを避けるためにも、購入前に試乗をし、ハンドルや足回りの感覚、異音などを入念に確認することも大切です。

■まとめ

セミオートマトラックはマニュアルトラックの操作に慣れていないドライバーや、AT限定の免許しか取得していない人でも運転が可能です。ドライバー不足解消のためにも、セミオートマトラックの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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