Nシステムとは?使用目的や特長、オービスとの違いについて

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Nシステム

道路を走行していると、頭上に設置されたカメラを目にしたことのある方も多いでしょう。このカメラには、「オービス」と呼ばれるスピード違反をした車両を撮影するカメラと、「Nシステム」と呼ばれる全車両を撮影するカメラの2種類があります。

そこで今回は、後者のNシステムについてご紹介いたします。

■Nシステムはすべての車両が対象

まずはNシステムについてご説明いたします。

・Nシステムとは

正式には「自動車ナンバー自動読取機」という監視カメラを指し、走行している車両のナンバープレートを無差別かつ自動で読み取るシステムです。

・Nシステムの使用目的

主に盗難車両や犯罪の関与が疑われる車両の追跡、車検切れした車両の摘発などで使用されます。そのため、解像度は非常に高く、形状や色はもちろん、乗車する人の顔まではっきりと撮影されます。

・Nシステムの特長

撮影データはすべて記録され、自動的に手配中の車両リストと照合されます。データは一時的に保存され、検索も可能です。

詳細は明らかにされていないものの、違法性の低い車両のデータは消去されると言われています。しかし、最近ではあらゆる犯罪捜査に使用されていることから、実は蓄積され続けているのではないかとの噂もあるようです。

・Nシステムの導入時期

科学警察研究所と電機メーカーのNECにより共同開発されました。国道14号(1987年)に設置されたのが、Nシステムの始まりです。

・Nシステムの名前の由来

Nは「ナンバー」の頭文字を表しています。他にも「車両捜査システム」や「車両ナンバー捜査支援システム」など、さまざまな名前で呼ばれています。

・Nシステムが設置されている場所

一般道や国道、高速道路、インターチェンジ付近など、全国に約1,700台のNシステムが設置されています。

さらに発電所付近や空港、在日米軍施設の周辺にも設置されているようです。

■Nシステムとオービスの見分け方

オービス

両者には、どのような違いがあるのかをご説明いたします。

・オービスとの違い

ボーイング社の登録商標であるオービスは、車両の速度超過を取り締まるための装置で、正式には「自動速度違反取締装置」といいます。

Nシステムはすべての車両を対象に使用されるのに対し、オービスは速度を超過して走行している車両のみが対象です。幹線道路や高速道路に設置され、台数はNシステムを大きく下回ります。一見すると同じものに思えますが、よく見ると異なる点がいくつかあります。

<大きさ>

オービスは中央にストロボのような白い板があり、Nシステムより少し大きく見えます。

一方、Nシステムはカメラのみのため、比較的小さめです。

<撮影時の光>

オービスは撮影時に白や赤の強い光を発しますが、Nシステムは赤外線を使用しているため、光りません。

<パトライトの有無>

オービスの周囲にはパトライトが備わる一方、Nシステムにはありません。

<看板の有無>

固定式のオービスが設置してある場所の目前には、「速度自動監視機設置路線」などの表記があります。一方、Nシステムには設置されていません。

■Nシステムとスピード違反について

高速道路の車種撮影画像

Nシステムも、オービスのようにスピード違反した車両の取り締まりに使用されているのでしょうか。

・Nシステムも速度を検知する?

Nシステムは、連続撮影が可能です。そのため、速度は検知できないものの、連続した映像からどの程度の速度で走行していたのかを割り出すことはできます。

・速度の取り締まりはないものの…

基本的に速度の取り締まりには利用されませんが、通過後に待機している警察によって取り締まりを受けるケースがあります。直接関係しないからと油断せず、スピードと交通ルールは守って運転しましょう。

Nシステムは全国の道路に約1,700台設置されており、犯罪への関与が疑われる車両を追跡、摘発するためのカメラです。スピード違反した車両を摘発するためのオービスとは目的が異なるものの、車を運転する際は安全を第一に考えましょう。

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