2020年 7月 の投稿一覧

マイクロバスの燃費はどれくらい?【マイクロバスの基礎知識】

バス

 

皆さんはマイクロバスって具体的にどのようなバスか知っていますか?

今回はマイクロバスに関する燃費や運転の注意点といった基礎知識などをご説明したいと思います。

 

■マイクロバスとは

まずはマイクロバスがどのようなものかを簡単にご紹介いたします。

 

マイクロバスは元々商品名

マイクロバスと聞いて「大型のバスよりも小さいサイズのバス」というイメージを持つ方が多いかと思います。そもそも「マイクロバス」という名前はトヨタの商品名でした。マイクロバスの普及に伴い、商品名が定着して一般的な通称として用いられるようになりました。

 

マイクロバスの車両区分

マイクロバスは車両総重量8t未満、最大積載量5t未満の中型車をベースに作られています。

 

マイクロバスの定員について

マイクロバスには補助席がついており、18人から最大29人まで乗車できます。

大型バスは45~53人が定員のため、おおよそ半分の数であることからマイクロという言葉がついたのではないかといわれています。

 

■マイクロバスの燃費について

バス

 

マイクロバスの燃費は普通のバスに比べて良いのでしょうか。こちらで解説させていただきます。

 

一般的なバスの燃費

一般的なバスの燃料は軽油で、平均的な燃費は3km/ℓほどです。

軽油はガソリンに比べて単価が低く燃料効率が高いのが特徴です。

 

平均的なマイクロバスの燃費

マイクロバスの燃費は新車の状態で平均8.5km/ℓほどなので、単純に比較すると一般的なバスよりもかなり良い方だといえます。ですが大きさや設備など車両条件が異なるため、実際はどちらが優れているとは言い切れません。

 

ディーゼル車とガソリン車では違いがある?

マイクロバスにはガソリン車とディーゼル車の2種類があります。

ディーゼル車は軽油を使うので燃料効率に優れています。一方、振動が少なく乗り心地が良いのはガソリン車です。どちらにも優れた点があるため用途に合わせて使用するのが適切といえます。

 

■マイクロバスの注意点

バス

 

最後にマイクロバスに関する注意点を3つご紹介いたします。

 

自動車排出ガス規制地域では入れないマイクロバスがある

最近は環境に配慮し、自動車の排出ガスを規制する地域もあります。

排ガス規制のある地域ではマイクロバスの種類によっては走行できないものもあります。

特に古い型のマイクロバスは条件を満たしていないものが多く、自動車排出ガス規制地域でマイクロバスを走らせるには条件を満たしたモデルを用意する必要があります。

道交法改正により普通自動車免許では運転できない

マイクロバスの運転免許については過去2回変更されており、1970年の改正時には大型自動車免許が、2007年の改正時には中型自動車免許が必要と定められました。

2007年以前に取得した普通免許には「中型車は中型車(8t)に限る」との記載があります。

中型なのでマイクロバスを運転できそうに思えますが、マイクロバスの乗車定員と条件が合わないため運転できません。

マイクロバスの運転には「8t限定なし中型免許」、「8t限定なし中型二種免許」、「大型免許」、「大型二種免許」のいずれかが必要になります。

ちなみに、1970年の法改正時に合わせて半年間だけ発行された「マイクロバス限定大型免許」がありますが、現在でも有効です。

 

シートベルトについて

2008年の法改正によって、バスの後部座席にもシートベルトが必要になりました。

補助席にはシートベルトが付いていることが少なく、最初からシートベルトが付いていない場合は法改正後もシートベルトがなくても走行可能とされていました。しかし2016年に補助席にもシートベルトを付けることが義務付けられました。

新車を中心に補助席へのシートベルト取り付けが始まりましたが、今後は2022年までに他の車両にも取り付けられる予定となっています。

 

マイクロバスは燃費が良く車両本体は他のバスに比べて安いため、コストを抑えられるという魅力があります。もっとコストを抑えてお得にマイクロバスを購入する方法として、中古車のマイクロバスを検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

軽トラックの荷台ではみ出し可能なサイズはどれくらい?

トラック

 

トラックは目的に合わせて様々なタイプがありますが、運搬するものによってはどうしても荷台からはみ出してしまうこともありますよね。安全を考えると、荷台からはみ出してしまうことは避けたいですが、やむを得ない場合はどれくらいまでならはみ出しても大丈夫なのでしょうか。

今回は軽トラックの荷台からはみ出し可能なサイズについてご紹介いたします。

 

■軽トラックの分類と最大積載寸法について

まずは軽トラックの分類と最大積載寸法についてご説明いたします。

 

軽トラックの分類

ご存知の通り軽トラックは軽自動車に分類されます。そのため軽自動車の車両規定に従わなくてはなりません。軽トラックはトラックでありながら、軽自動車でもあるので気を付けましょう。

 

軽トラの最大積載寸法は?

軽トラックを含む全てのトラックは道路交通法で最大積載寸法が定められています。

最大積載寸法は長さ、幅、高さ、積載方法の4つについて規定があり、特別に許可されている場合以外は必ず守らなくてはなりません。

 

軽トラックで荷台からはみ出してもいいとされている範囲は以下の通りです。

 

<長さ> 車両の長さの10分の1を超えないもの

<幅>  車両の幅を超えないもの

<高さ> 地上から2.5m以内

<重さ> 最大で350kgまで

 

■積載物が荷台からはみ出してしまう場合

トラック

 

どうしても荷台から荷物がはみ出してしまうという場合は、荷台を改造することで解決できるかもしれません。

 

やぐらを活用する

軽トラックは大きく3種類に分けられますが長さは全て3,395mmとなっており、はみ出しが許されているのは10分の1に相当する339mmです。その場合は軽トラックの荷台にやぐらを組むなどの方法で解決することもあります。積載物によってどんな改造が必要になるのか考えましょう。

 

制限外積載許可申請書を提出する

どうしても荷台から規定以上はみ出してしまう場合は、制限外積載許可申請書を提出し、許可をもらってみるのはいかがでしょうか。ただし、申請したからといって必ずしも許可が下りるわけではありませんので、その点を留意しておきましょう。

 

荷台を改造する際の注意点

荷台を改造する場合や、荷台からはみ出してしまうほどの大きな物を乗せる場合は、以下の4点について注意が必要です。

 

①運転手の視野を狭めたりハンドルなどの操作が妨げられていないか

②バックミラーに後方の状況が写らなくなっていないか

③外部から方向指示、ナンバープレート、ブレーキランプ、尾灯、後部反射鏡が確認できないようになっていないか

④荷物が転落・荷崩れする可能性はないか

 

■制限外積載許可申請書とは

制限外積再許可申請書について、もう少し掘り下げてみましょう。

・制限外積載許可申請書とは

制限外積再許可とは、車両に載せる積載物が規定を超えてしまう場合に必要な許可です。
特殊車両だけでなく軽トラや普通自動車の場合でも必要になります。

・どれくらいまでのはみ出しが許可される?

申請書を提出して許可をとっても、荷台からのはみ出しには上限があります。

【長さ】
車両の長さから1.5倍までであること

【幅】
車両の幅から1メートル以内
※ただし車両の左右は0.5メートル、積載時の幅は3.5メートルを超えないことが条件

【高さ】
4.3メートルまでであること

・許可が有効となる期限

原則として、走行するたびに許可をとる必要があります。
条件によっては最大で3カ月かまで許可されます。条件は以下のとおりです。

①運転手が同じであること
②車両が同じであること
③貨物が同じであること
④積載方法が同じであること
⑤走行ルートが同じであること

どれか1つでも異なる場合は、新たに申請を提出し直さなくてはなりません。

・申請書を提出する場所

申請書を提出する場所は2種類あります。

①出発地点を管轄する警察署
②出発地を受け持ち区域とする交番、または駐在所

ただし、交番や駐在所への申請は、制限外積載のうち全長12メートル未満の長さかつ、複数回運搬を行わない場合に限り申請が可能です。

なお、出発地が遠方の場合は郵送で受け付けてもらえることもあります。
また、申請書の郵送が可能な場合も許可証を受け取るには出発するまでに警察署に直接受け取りに行かなくてはなりません。

申請から発行までにかかる日数は、早ければ翌々日には許可が下ります。目安として1週間程度みておきましょう。
日数や取り扱いは警察署によって異なるので、あらかじめ確認して余裕をもった行動を心掛けましょう。

・申請に必要な書類

①制限外許可申請書(2部)
②走行ルートが分かる経路図
③積載物の諸元
④積載方法の概略図
⑤運転者の運転免許証の写し ※複数人運転者がいる場合は一覧が必要
⑥車検証の写し

なお、申請者は運転手になります。
これまでは申請書に押印が必要でしたが、2020年12月28日以降は申請の様式に関係なく押印が不要になりました。

・特殊車両通行許可も必要?

走行する道路が道路法で定められた制限値を超える場合は、特殊車両通行許可が必要になります。
多くの場合は大型トラックなどで該当しますが、軽トラで該当するケースは非常にまれです。念のため道路法の規定を確認しておくことをおすすめしますが、軽トラの場合は基本的に不要です。

■はみ出しではここにも注意

トラック

荷台からのはみ出しを規定内に収めたとしても、他にも注意する点が2つあります。

 

最大積載量

軽トラックには最大積載量が350kg以下という制限があります。これはビールケース14箱に相当します。土砂などは重たいので積載量をすぐにオーバーしてしまいます。あらかじめ積み込む物の重さを把握しておきましょう。

 

高さ

軽トラックの最大積載寸法は地上から高さ2.5mまでとなっています。屋外の駐車場であれば問題ありませんが、屋内の立体駐車場などを利用する場合は高さ制限に引っかかる可能性があります。屋内の立体駐車場を頻繁に利用する方は高さに注意し、最高でも2m未満に留めておく方が良いでしょう。

 

■荷台からはみ出して走行するとどうなる?

荷台から積載物がはみ出したまま走行すると、罰則の対象になります。具体的にどのような罰則があるのかをこちらでご紹介いたします。

・免許証の加点

軽トラの荷台から積載物がはみ出していると「過積載」とみなされ、道路交通法違反として罰則の対象になります。点数ははみ出しの割合によって変動します。

5割未満…1点
5割以上10割未満…2点
10割以上…3点

悪質な過積載と判断された場合は、運転手だけでなく荷主への罰則、事業者への資格制限措置が課されることもあります。最悪の場合は事業者に対して事業許可の取り消しが行われることもありますので、はみ出しがある場合は必ず制限外積再許可をとるようにしましょう。

・罰金

罰金も免許証の加点と同様に、はみ出しの割合によって異なります。

5割未満…2万5,000円
5割以上10割未満…3万円
10割以上…3万5,000円

通常は免許証の加点と罰金の両方が課されます。
なお、車両通行が禁止されている場所を走行した場合はさらに重い罰則があります。

軽トラックの荷台から荷物がはみ出している場合は、いつも以上に慎重かつ丁寧な運転を心がけなくてはなりません。安全運転をすることで荷物が壊れたり事故を防ぐことにも繋がります。最大積載寸法を頻繁に超えてしまう場合は大きなトラックへの乗り換えも視野に入れましょう。

 

フォークリフトの点検にはどんな種類がある?

フォークリフト点検員

 

フォークリフトを安全に使うには日頃の点検が欠かせません。

しかしフォークリフトの点検についてよく分からないという方もおられるかと思います。

今回はフォークリフトの点検についてご紹介いたします。点検の方法についてしっかり覚えておきましょう。

■フォークリフトの点検には3種類ある

 

フォークリフトの点検は3種類あり、全て義務づけられています。

 

年次検査

年次検査は正式名称を特定自主検査といい1年に1度実施しなければなりません。

この点検は有資格者のみ実施を認められているため業者や有資格者に依頼して行います。

フォークリフトの台数が多い場合、点検に時間がかかることもあるので代車を用意しておくと安心です。

 

月次検査

月次検査は正式名称を定期自主検査といい、最低でも1ヶ月に1度以上は実施する必要があります。月次検査は資格者でなくても行うことができます。

 

始業前点検

始業前点検はフォークリフトで荷役作業を始める前に行う点検です。フォークリフトは毎日たくさんの荷物を運ぶため、こまめな点検が事故防止に繋がります。始業前点検も資格者でなくても行うことができます。

 

 

■フォークリフトの点検を怠ると

フォークリフト

フォークリフトの点検を怠った場合のトラブルについてご紹介いたします。

 

フォークリフトの点検は義務

フォークリフトの点検は労働安全衛生法で定められており、実施しなければ違法となります。特に年次検査を実施しなかった場合50万円以下の罰金が科されます。

 

フォークリフトの寿命が短くなってしまう

点検を怠るとフォークリフトの不具合に気付かないまま修理が困難な状態になるまで使い続けてしまい、結果的に寿命を早めてしまう可能性が高くなります。フォークリフトを長く使うためには、こまめな点検が欠かせません。

 

事故を起こす可能性が高まる

フォークリフトの不具合は故障だけでなく事故の原因になりうる事態を見落とす可能性も高くなります。フォークリフトの運転資格は比較的簡単に取ることができるため軽視しやすく、毎年死亡に繋がる事故が発生しています。そのため操作だけでなく点検にも十分注意を払う必要があります。自分や他の従業員を守るためにも必ず点検を行ってください。

 

 

■自主検査について

フォークリフト点検員

 

最後に検査に関する資格や点検項目についてご説明いたします。

 

特定自主検査は有資格者のみができる

年に1度実施する特定自主検査(年次検査)を行うにはいずれかの資格が必要です。

資格は公益社団法人 建設荷役車両安全技術協会(以下、建荷協)の研修を修了すれば取得することができます。

①事業内検査者資格取得研修

この資格を保有していれば自社の保有しているフォークリフトの特定自主検査を行うことができます。

 

②検査業者検査員資格取得研修

この資格を保有していれば検査員として第三者からの依頼を受けた際にフォークリフトの特定自主検査を行うことができます。

 

※事業内検査者の資格取得に必要な費用はテキスト代と消費税です。(必要に応じて教材を追加した場合は追加費用が発生します)

※金額などの詳細は研修を実施する建荷協/支部にお問い合わせください。

 

日頃から行う点検の内容

毎日行う始業前点検の項目は次の4点です。

 

①制動装置および操縦装置の機能

②荷役装置および油圧装置の機能

③車輪の異常の有無

④前照燈、後照燈、方向指示器および警報装置の機能

 

点検で異常があった際は補修または必要な措置が必要です

 

月次検査の内容

月に1度程度実施する月次検査の項目は次の3点です。

 

①制動装置、クラッチおよび操縦装置の異常の有無

②荷役装置および油圧装置の異常の有無

③ヘッドガードおよびバックレストの異常の有無

 

安全衛生規則により月次検査の記録には実施年月日、実施者、実施方法などを明記し、3年間保存することが定められています。

 

フォークリフトを長く安全に使うには日頃の点検を欠かさないことが大切です。

特定自主検査の資格を保有していれば自社で点検が全て行えるようになるほか、就業先での待遇が良くなるかもしれません。この機会に特定自主検査の資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。

 

フォークリフトの耐用年数はどれくらい?

作業員

フォークリフトは小回りが利いて便利なので多くの工場や配送センターなどで活躍しています。突然ですが、皆さんはフォークリフトの耐用年数についてご存知でしょうか?

耐用年数を知っておくことは、買い替えに最適な時期を把握したり事故防止に役立ったりと、フォークリフトを長く使う上で重要です。

今回はフォークリフトの耐用年数についてお話したいと思います。

■フォークリフトの耐用年数について

減価償却資産で見た耐用年数

減価償却資産についてご存知でしょうか?

減価償却とは、長期間にわたって使用する資産を経費として一度で計上するのではなく、状態や時間の経過とともに減少する価値にあわせて少しずつ計上する会計処理方法をいいます。

減価償却を計上するうえで耐用年数が必要になります。資産の耐用年数は法律によって定められており、フォークリフトの場合は4年となっています。耐用年数を過ぎたら実際に使えなくなるという意味ではなく、資産としての価値がほぼゼロと等しくなるという意味になるので間違えないようにしましょう。

フォークリフトの本体とバッテリーの耐用年数

フォークリフトの動力にはエンジン式とバッテリー式の2種類があります。

フォークリフト本体はこまめにメンテナンスを行うことで10年~15年ほど長持ちするといわれていますが、心臓部である動力装置はエンジン式で約10年間、バッテリー式にいたっては約5年程度といわれています。バッテリーは本体よりも先に寿命が尽きてしまうケースが多いので、バッテリーを動力とする場合は交換の必要性を念頭に置いておきましょう。

中古フォークリフトの耐用年数について

中古フォークリフトの耐用年数がどれくらい残っているのか把握するための計算方法をご紹介いたします。

耐用年数が残っていない場合の計算式は「法定耐用年数×20%」となります。

対して耐用年数がまだ残っている場合の計算式は、「(法定耐用年数-経過年数)+(経過年数×20%)」となります。

例として使用を始めて2年が経ったフォークリフトの耐用年数を算出してみましょう。

フォークリフトの法定耐用年数は4年なので、

(法定年数-経過年数)  4-2=2

(経過年数×20%)  2×20=0.4

(耐用年数)     2+0.4=2.4

算出された年数が1年に満たない端数は切り捨て、2年未満であった場合は全て2年に引き上げられることが定められています。つまり、この場合の耐用年数は2.4年ではなく、2年ということになります。

■こんな不調が出たら要メンテナンス!

作業員

フォークリフトによく見られる不調を3つご紹介します。

エンジンオイルの劣化

フォークリフトのトラブルによくあるのがエンジンオイルの劣化です。

エンジンオイルの交換はオイルの色を確認して判断しましょう。オイルの色が濃くなっていたり粘度があったりという状態が確認できれば交換の目安です。

タイヤの減り

以前よりスピードが出にくくなったと感じた場合はタイヤの状態を確認してみましょう。

空気入りタイヤを使用している場合はスリップサインが見えている、ノーパンクタイヤはタイヤの溝が消えていたら交換のサインです。タイヤとホイールが長持ちするよう日頃から気を付けて点検しておくと安心です。

ツメ(フォーク)の損傷

パレットにツメが入りにくい場合はツメの損傷が考えられます。ツメは摩耗するので消耗品の扱いになります。ツメが摩耗すると、規定重量内の荷物であっても持ち上げた瞬間に折れたり先端が鋭利になって商品や人を傷つけてしまったりと大きな被害を呼びます。日頃からツメの状態も確認しておきましょう。

■フォークリフトの寿命を延ばすには

作業員

フォークリフトを長い間使うなら3つのポイントが大切です。正しく扱ってフォークリフトの実耐用年数を延ばしましょう。

こまめなメンテナンス

毎日フォークリフトに乗っていると、少しの不具合に気が付きやすいのではないかと思います。音や振動など、動きに少しでも違和感があったら運転を続けずにフォークリフトの状態を確認しましょう。早めの手入れや部品交換を行うことで、フォークリフトが安全かつ長く使えるようになります。

積載量は必ず守ろう

「少しくらい超えても問題ない」と、最大積載量を超えて荷物の運搬を繰り返すのはフォークリフトの実耐用年数を短くしてしまう行為です。また、部品の消耗が早まり事故の危険性も高まります。積載量を無視せず必ず規定量を守るようにしましょう。

保管場所に気を付けよう

保管場所も実耐用年数を延ばす重要ポイントです。フォークリフトの保管場所は屋内で風通しがよく湿気の少ない場所が適しています。通気性が悪く湿気の多い場所はカビやサビの発生を招きます。

■もしフォークリフトに異変を感じたら

もし耐用年数に余裕がある状態でも、日々使っているフォークリフトに異変が生じることもあります。トラブルが大きくならないように、対処法を覚えておきましょう。

・無理に動かそうとしない

フォークリフトは機械なので、生き物のように放置して自然に問題が解決するということはあり得ません。故障が疑われる場合は速やかに使用を停止しましょう。無理に動かすと故障箇所に負担がかかって悪化してしまう可能性があります。そのため、異変を感じたらできるだけ動かさないことを心がけてください。

ほかの作業者が間違って使わないためにも、故障中と分かる表示をしておくようにしましょう。

・こういった状態の場合は近づかない

もしフォークリフトから発熱、異臭、オイル漏れ、部品の欠けや破損、振動があった場合は人を近づけないようにしてください。そうすることで二次災害を防ぐことができます。

特に異臭やオイル漏れがある場合は、周囲に安全柵を設置する、輪留めを使うなど必要に応じて対応しましょう。

フォークリフトの状態を確認する場合は、時間が経過してから行うようにしてください。

・銘板の確認

スムーズな修理依頼のためには、フォークリフトの状態と併せて、フォークリフトの仕様を業者に伝えることが大切です。フォークリフトには銘板が取り付けられており、確認することでフォークリフトの仕様を判断することができます。

最低でも、型式、製造番号、アタッチメントの形式、タイヤサイズは伝えられるようにしておきましょう。

・確認ポイント

もしフォークリフトが動かない、動作がおかしい場合は最初に下記のポイントを確認してみましょう。

電源が入らない…バッテリープラグが抜けていないか

走行しない…ギヤを一旦ニュートラルに入れてからアクセルを踏む

ブザーが鳴る…座席に正しい位置で座れているか

充電ができない…充電ボタンを押して再度確認する

エンジンがかからない…ギヤがニュートラルになっているかを確認

セルモーター音が聞こえない…配線の接触不良が起きていないか

■フォークリフトのバッテリーについて

フォークリフトの中でも特に中古の場合は、本体よりも先にバッテリーの寿命がきてしまうことがあります。こちらではバッテリーについてご紹介いたします。

・バッテリーの寿命

フォークリフトのバッテリーの寿命はおよそ1,200サイクルです。毎日1回充電した場合、5年ほどで寿命が来ますが、手入れによってバッテリーの寿命は変動します。

JIS規格では1,200~1,500が寿命とされているため、どれくらいもつのかは使用しているフォークリフトを確認してください。

・バッテリーは交換可能?

フォークリフトのバッテリーは交換可能です。ただし非常に高価で、およそ50~100万円ほどかかるとされています。安いものでは20万円以下のものもありますが、費用を抑えたい場合は中古バッテリーを購入する方法があります。とはいえ中古バッテリーはどれくらい使えるのか、これまでどのような使い方をされていたのかが分からないため、緊急時のつなぎ程度に考えた方がよいかもしれません。

・再生バッテリーとは

中古バッテリーではなく、再生バッテリーを選ぶ方法もあります。再生バッテリーは使い終わったバッテリーをリサイクルしたものです。

フォークリフトのバッテリーは鉛蓄電池で、充電と放電を繰り返すことで内部の電極に鉛がくっついて寿命を迎えます。再生バッテリーは内部の鉛を取り除くことで、バッテリーの機能を90%ほどにまで回復しているため、問題なく使うことができますよ。

・バッテリーに悪影響を及ぼすもの

フォークリフトのバッテリーは過放電、過充電、頻繁な充電などが原因で寿命が短くなります。また、精製水が十分に補充されている状態で使用すること、常に清潔な状態を保つことも寿命を延ばすためには欠かせません。

・バッテリー交換の目安

バッテリーの交換目安は年数だけでなく、状態によって判断しましょう。稼働時間が短くなった、バッテリーの消耗が早くなった、パワー不足、使用中や充電中にバッテリーの熱が異常に高くなるなどが挙げられます。

バッテリーが熱くなると、バッテリー液が蒸発してしまうため、バッテリー液の減少量も日頃から確認しておきましょう。

 

法律で決められたフォークリフトの耐用年数は4年ですが、実際の耐用年数は扱い方によります。フォークリフトを長く使うなら、こまめにメンテナンスをして業務中は丁寧に扱うよう意識しましょう。