2021年 9月 の投稿一覧

ダンプの荷台はどうなっている?荷台の名称についてご紹介!

黄色ダンプ正面2台

黄色ダンプ正面2台

ダンプにはさまざまな種類があり、荷台の種類も異なります。ダンプを購入したい場合は、荷台から適しているダンプを選ぶ方法がおすすめです。

今回はダンプの荷台の名称についてご紹介していきます。

■ダンプとは

・ダンプとは

荷台を傾けて積載物を一気に下ろす機能を備えたトラックをダンプと呼びます。主に土砂や産業廃棄物の運搬で使用されます。

・代表的なダンプの種類

ダンプは大きく分類すると「土砂ダンプ」と「土砂禁ダンプ」に分けられます。土砂ダンプは土砂や砕石を運ぶのに対して、土砂禁ダンプはペットボトルなど軽量のゴミや石炭、チップなどを運ぶのが特徴です。

■ダンプの荷台の名称

ダンプ前で話し合う男性

・リアダンプ

荷台の前方を上げて傾斜をつくり、後方へ土砂を下ろすタイプをリアダンプと呼びます。ダンプの中で最も一般的なタイプです。

・スライドダンプ

リアダンプと同様に荷台が傾くだけでなく、荷台自体を後方へとスライドできるダンプです。ローダーダンプとも呼ばれています。荷台を地面につけられるので、建設機械や農機具を下ろす際にも使用されます。

・サイドダンプ

サイドダンプは荷台を左右に傾けられるダンプです。リアダンプほど荷台が高く上がらないため、高さ制限がある場所や狭い場所での作業に適しています。

・ダンプトレーラー

ダンプ機能を備えたトレーラーをダンプトレーラーと呼びます。大型ダンプよりも多くの積載が可能です。2015年に車両総重量、最大積載量の基準が緩和されたことにより、さらに多くの荷物を運べるようになりました。

・土砂禁ダンプ

土砂禁ダンプとはその名の通り、土砂などの積載が禁止されているダンプです。土砂禁ダンプの車検証には「土砂等運搬禁止車両」と表記されています。土砂の他にもガラスやコンクリート、陶磁器くずなどの運搬も禁止です。

・深ダンプ

通常のダンプよりもあおりが高く、荷台が深いものを深ダンプと呼びます。積載量の多さが特徴ですが、土砂を載せてしまうと過積載になるため、深ダンプの多くが土砂禁ダンプに指定されています。

■ダンプの荷台部位の名称

黄色ダンプ横画像

・コボレーン

側あおりの上部に取り付けられる自動開閉シートで、土砂などをこぼれないようにするための飛散防止装置です。

・足掛け

荷台の上で作業をする際に、荷台へ登るための足がかりです。荷台ステップとも呼びます。

・あおり

荷台を囲んでいる壁をあおりと呼びます。トラックのあおりは下部を支点として外側に開きますが、ダンプのあおりは上部を支点にして外側に開くものが一般的です。

・鳥居

荷台と運転席の間に設置されているもので、転がった積載物が運転席へぶつかるのを防ぎます。

・プロテクタはしご

鳥居に登るためのはしごで、ダンプを守る役割もあります。

・サイドガード

ダンプの側面、タイヤとタイヤの間に取り付ける、歩行者や自転車の巻き込みを防止するための装置です。

・ホイスト機構

荷台を上げ下げするためのピストンがホイスト機構です。ホイスト機構は2種類あり、油圧式と電動式があります。

・ヒンジ

あおりを閉じた状態で固定するための部品です。積載物の落下を防ぐための重要なパーツなので、劣化や不具合には気を付けておきましょう。

・メインフレーム

メインフレームとは、荷台の骨格を指します。荷台の底やあおりを支えている部分です。

・安全棒

何らかのトラブルで荷台が落下した際に一時的に支えるための装置です。荷台を上げた際は必ず使用しましょう。

・デッキ

デッキは荷台の底の部分を指します。荷物を積載する場所のため、デッキの広さは積載量に大きくかかわります。

 

作業する場所や作業の内容によって、使いやすいダンプや荷台の種類は異なります。ニーズと合ったものを選ぶようにしましょう。

トラックのリフトアクスルって何?役割やメリットとは?

高速走るトラック横画像

高速走るトラック横画像

高速道路などを走行している際に、大型のトラックが後輪を浮かせて走行しているのを見たことがある方もおられるのではないでしょうか。あれはトラックのリフトアクスルです。タイヤを付けているのに道路に触れていないことには理由があります。

今回はトラックのリフトアクスルについてご紹介いたします。

■トラックのリフトアクスルとは

タイヤのアップ画像

・トラックのリフトアクスルとは?

リフトアクスルとは積載量に応じて車軸を上げ下げし、接地しているタイヤの数を変動させる機能です。

トラックやトレーラーなど積載量が大きい車両の場合、往路と復路では総重量が大きく異なります。積載量が多い往路では、荷重を分散させるためにすべてのタイヤを使用しますが、空荷となる復路ではすべてのタイヤを使用する必要がありません。

タイヤが多すぎる状態で走行すると、タイヤ1本あたりの接地圧が小さくなって転がり抵抗が増え、操作性が下がってしまいます。そのため、リフトアクスルで不要なタイヤを浮かせるのです。

特に高速道路をタイヤの接地圧が小さい状態で走行すると、強風の影響を受けやすくなったりハイドロプレーニング現象が起きやすくなったりなどのリスクが高まるので、安全に走行するためにはリフトアクスルが欠かせません。

また後ほど詳しくご紹介しますが、リフトアクスルには高速料金を節約できる大きなメリットもあります。

・リフトアクスルの仕組み

トラックやトレーラーには荷重センサーが付いており、それぞれの車軸にかかる荷重を監視しています。リフトアクスルは荷重に応じて圧縮エアで車軸を上げ下げし、接地するタイヤの数を調整するという仕組みです。

リフトアクスルの一連の作動は機械で制御されているため、自動的に行われます。

・どれくらい節約できる?

先ほどもお伝えしたように、トラックのリフトアクスルには、高速料金を節約できるメリットがあります。

高速道路の通行料金は車軸数によって変動します。車軸数の合計が4車軸以上のトラックは「特大車」に区分されますが、リフトアクスルをして3車軸以下にすると「大型車」になるため、その差分の節約が可能です。

■トラックのリフトアクスルのメリットと注意点

高速入口

・リフトアクスルのメリット

トラックのリフトアクスルには高速料金を節約できる他にも得られるメリットがあります。

1.燃費が向上する

リフトアクスルで道路に接しているタイヤの数を減らすと、転がり抵抗が小さくなり燃料の消費を抑えられます。特に長距離を走行する場合、燃費向上の効果はより大きくなります。

2.タイヤとブレーキの摩擦が軽減される

リフトアクスルでタイヤを浮かせることで、タイヤやブレーキまわりの摩擦を減らせます。部品の消耗を避けて、寿命を伸ばすことにつながるのもリフトアクスルで注目されているメリットの一つです。

・リフトアクスルの注意点

メリットの多いリフトアクスルですが、注意点もあります。それは「トラックに荷物を積んだ状態で使用しない」ことです。故意に設定を変えるなどして不当なリフトアクスルをした場合、道路交通法違反となり、30万円以下の罰金と不正を免れた交通料金の3倍の金額を請求されます。

また荷物を積んだ状態でのリフトアクスルは、残ったタイヤやシャーシ(枠組み)に負担がかかり、トラックの寿命を縮めることにもなります。車軸やハブが破損すれば、重大な事故にも発展しかねないため、必ず正しく使用することを心がけてください。

トラックのリフトアクスルには高速料金の節約や燃費・操作性の向上など多くのメリットがあります。仕組みや注意点を知って適切に使用しましょう。

トラックのパワーゲートはどんな役割がある?使用上の注意点とは

トラックパワーゲート

 

トラックと段ボールのイラスト

トラックの荷台にはたくさんの荷物が積めますが、人力では難しいこともありますよね。そんなときに便利なのがパワーゲートです。重いものもパワーゲートがあれば負担を減らして積み下ろしができます。

今回は、トラックのパワーゲートがどのようなものかについてご紹介いたします。

■トラックのパワーゲートとは

トラックパワーゲート

・トラックのパワーゲートとは

パワーゲートとは、トラックの荷台後部に取り付けられているリフト装置です。昇降板に荷物を載せてボタンを押すだけで、重いものでも一気に積み下ろしができます。

パワーゲートは極東開発工業の商標名ですが、他社製品もパワーゲートと呼ばれることが多く、また機能も基本的に同じです。テールゲート昇降機、テールリフターなどと呼ばれることもあります。

・パワーゲートのメリット

運搬作業では荷物の積み下ろしによる腕や腰への負担が大きく、そもそも人力では持ち上げるのが困難なものをトラックで運ぶこともあります。パワーゲートはそういった場面だけでなく、少人数で荷物の積み下ろしを行うときや、荷物の個数が多いときにも便利です。

簡単なボタン操作だけで荷物をまとめて積み下ろせるので、作業効率を大幅にアップできます。

・トラックのパワーゲートの種類

パワーゲートには、主に垂直式とアーム式の2種類があります。

<垂直式>

地面に対して垂直に立つレールに沿って昇降板が上下するタイプです。走行中は昇降板を立てて荷台のあおりとして使用し、リフトとして使用する際は昇降板を展開します。

垂直式はアーム式と比べて揺れが少なく、安定性の高さが特徴です。設定によっては、昇降板を荷台面より高い位置まで持ち上げられます。

<アーム式>

荷台下のアームによって昇降板を上下や斜めに動かすタイプです。アーム式は作業しやすい角度まで昇降板を傾けられるので、車輪が付いているものの積み下ろしにも適しています。

■トラックのパワーゲートの注意点

×札を持つ男性

・1人で操作しない

パワーゲートを使用する際は、基本的に2人1組で行うようにしましょう。体や衣服が挟まれないか、荷物がぐらついていないか、作業は終了したかなどを複数名の目で確認します。

パワーゲートは重い荷物の積み下ろしに利用されることが多いからこそ、その荷物が転倒したり思わぬタイミングで動き出したりすれば、大きな事故につながりかねません。安全のためにも、パワーゲートを1人で操作することは避けましょう。

・台車などの扱いについて

荷物を台車に載せてパワーゲートで昇降する場面は多いことでしょう。ただし、台車の車輪を縦方向にしていると、急に動き出した際に転倒したり荷崩れを起こしたりする可能性があるため危険です。台車の車輪は、必ずトラックに対して横向きになるように調整して載せましょう。

また、こまめにストッパーを使用することも重要です。

・後付けでは積載量に注意

パワーゲートは必要になった際に後付けすることも可能です。ただし、パワーゲートは本体重量が大きいため、パワーゲートの重さが加わることで最大積載量が減ってしまう可能性があります。特に普段から積載量に余裕がないという場合はしっかりと確認しておきましょう。

■まとめ

パワーゲートはトラックの架装の中でも特に人気の高いもので、荷物の積み下ろしによる負担を大幅に軽減してくれる便利な装置です。周囲の状況を確認するなど安全に使用して、運送作業の効率化に役立てましょう。

トラックを選ぶ際は荷台の種類に注目!どんな種類がある?

白トラック全面

トラックから荷物を取り出す女性

トラックの荷台にはさまざまな種類があり、運びたいものによって適しているタイプが異なります。そのため、事前に荷台の種類をしっかり把握しておくことが大切です。

今回はトラックの荷台の種類についてご紹介いたします。

■トラックの荷台の種類

トラックイラスト4台分

トラックの荷台は架装やボディとも呼ばれ、トラックの機能を特徴付ける部分です。運ぶものによって適した荷台があるので、比較・検討して業務に最適なものを選択しましょう。

・平ボディ

平ボディは屋根がなく、オープンデッキになっているタイプの荷台です。あおりで囲まれた平らな荷台に荷物を載せて使用します。平ボディはあおりを開くことができるうえに屋根もないので、荷物の積み下ろしをしやすいのがメリットです。ただし雨天時は積荷が濡れてしまうというデメリットがあるので、トラックカバーなどを使用しましょう。

・バンボディ

荷台部分がアルミ製の箱になっているタイプがバンボディです。箱型のため、雨風や直射日光から積荷を保護でき、荷物を落とす心配もありません。開口部はトラック後方のリアドアだけなので、積み下ろしの効率の面でウィングボディと比較されることが多い種類です。

・保冷

温度管理ができるトラックといえば冷蔵車と冷凍車が有名ですが、それとは別に「保冷車」も存在します。その大きな違いは冷却機能の有無で、保冷の場合は冷却機能がありません。しかしボディには断熱パネルが使用されているため、一定の時間は温度を保つことが可能です。短距離での運送に適しています。

・冷凍・冷蔵

生鮮食品や冷凍食品、植物など温度管理が必要なものを運送する際は、冷却機能を備えた冷凍・冷蔵の荷台が使用されます。冷凍は‐18~-30℃前後、冷蔵は0~+5℃前後の温度を保つことが可能です。

・ウィングボディ

バンボディと同様に箱型になっているタイプですが、荷台の側面を大きく開けるタイプをウィングボディと呼びます。車体の横方向から積み下ろしができるうえに開口部が広いため、フォークリフトを使用した荷物の積み下ろしにも適しています。

・土砂禁ダンプ

ダンプは土砂を運ぶ目的でよく使用されますが、土砂禁ダンプは土砂の積載が禁止されています。一般的なダンプよりもあおりが高く、多くの積載が可能な半面、土砂を積むと過積載になってしまうためです。土砂禁ダンプは主に、軽量でかさばるものを運搬する際に使用されます。

■トラックの荷台を変更することはできる?

白トラック全面

中古トラックを購入する際、初めから希望通りの必要な荷台が付いているとは限りません。その場合は、購入した後に荷台を変更しましょう。

・構造変更と二次架装について

荷台の変更を含む構造に大きな変更が生じる場合は、国土交通省へ手続きが必要です。大きな変更とは、車両の長さ・高さ・幅、車体の形状、車両の用途、最大積載量などの変更が該当します。

一方で、軽微な変更である「二次架装」として認められた場合は、手続きを行う必要はありません。二次架装の範囲は、長さ±3cm以内、幅±2cm以内、高さ±4cm以内、車両重量±100kg以内です。ただし自己判断は避け、必ず陸運支局や整備工場で確認しましょう。

・変更には手続きが必要

国内のすべての車両は国土交通省へ登録されており、手続きなしに車両の構造変更を行うことは法律で禁止されています。もし手続きなしに構造変更を行うと、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。

もちろんトラックの荷台を変更する際も「構造変更手続き」が必要です。

・手続きの方法

トラックの荷台の変更は整備工場に依頼すると、構造変更の手続きまで代行してくれるケースがほとんどです。そのため、直接行うことは少ないかもしれませんが、手続きの流れは以下の通りです。

1.陸運局に構造変更手続きと検査の予約を入れる

2.予約日に必要書類を持って陸運局へ出向き、各種書類に記入する

3.自動車重量税を納付する

4.車両の構造変更検査を受ける

5.検査終了後、すべての書類を窓口に提出する

6.新たな車検証の交付を受ける

■まとめ

トラックの荷台は積荷の保護や積み下ろしの作業効率に関わる重要な部分です。荷台の変更を行う場合は、構造変更手続きが必要になることもあるため、覚えておきましょう。

トラックの標識に関する、知っておきたい注意点やルール

標識

街中にはたくさんの標識がありますが、標識の意味する内容をしっかり理解できていますか。標識には案内、警戒、規制、指示などの種類があり、人々が円滑に交通するために立てられています。

これからトラックの運転免許を取得しようと考えている方はトラックの標識についてしっかり覚えておく必要があります。今回はトラックの標識に関する内容についてご紹介いたします。

 ■規制対象になるトラックについて

まずは規制対象となりやすいポイントについてご紹介いたします。

トラックに関する道路標識は?

トラックに関する道路標識は、大型貨物自動車に対するものが中心です。

普通自動車とトラックの道路標識は違うため、間違えずに覚えることが大切です。

トラックの標識で規制になりやすいポイント

トラックの標識で規制になりやすいポイントは3つに分類できます。

<寸法サイズ>

標識で通行可能な車両の最大幅が定められているところがあります。

標識に最大幅が数値で表示されており、その数値を超える車両は通行することができません。これは車両と積荷の幅のトータルが対象になります。車両よりも幅のある荷物を積載する場合は合計幅がどれくらいになるか計測しておきましょう。

同様に高さ制限も標識で表示され、車両と積荷の高さのトータルが対象になります。

<重量>

重量制限に関する標識もあります。トラックの総重量が標識に書かれている数値を超える場合は走行することができません。重量制限のある道を通る場合は、事前にトラックの総重量を確認しておきましょう。最大積載量ではなく荷物を積んだ状態が対象になります。

<その他>

車両の種類によって走行区分を指定している標識もあります。

大型貨物自動車、大型特殊自動車、特定中型貨物自動車の3種類が対象で、この標識がある道路では最も左の車線を走行しなければなりません。

■注意すべき標識

大型トラック

標識には注意しないと見間違えてしまうほど似ているものがあります。特に注意したい2種類の標識についてご紹介します。

通行止めは似た標識がある

大型車両の通行止めを規制する標識には、トラックが描かれているものとバスが描かれているものの2種類があります。

トラックが描かれている場合は大型貨物自動車等、大型特殊自動車、特定中型貨物自動車が対象ですが、バスが描かれている場合は大型乗用車、特定中型乗用自動車が対象になります。両方の絵が描かれている場合は大型貨物もバスも通れません。

通行止めの標識は道幅の狭い道路に多く、見落としてしまうとUターンや後退に時間をとってしまい多くの人に迷惑をかけてしまいます。間違えやすいですが、描かれている絵を見落とさないように気を付けましょう。

車両通行区分について

特定車両の通行区分を指定する標識や大型車両の通行止めを示す標識で注意すべき点が「特定中型貨物自動車も対象になる」という点です。

特定中型貨物自動車とは中型自動車のなかでも車両総重量8~11トン未満、最大積載量5~6.5トン未満の大型に近い中型の貨物自動車です。

2007年6月の法改正以降、中型自動車免許が新設されたものの、これまで通り大型車と同等に扱われるため、中型トラックであっても大型貨物自動車通行止めの標識により通行が規制されることになります。

■知っておきたい標識の知識

標識

知っておきたい標識の知識について3つご紹介いたします。

規制緩和指定道路について

トラックで走行する際、寸法や重量を規制する標識があることを紹介しましたが、道路によっては規制を緩和する標識もあります。

1つは総重量限度緩和道路といい、総重量20トン(最大25トン)までなら走行できるという意味になります。もう1つは高さ限度緩和指定道路といい、高さが3.8メートル(最大4.1メートル)までの車両であれば走行できるという意味になります。

高速道路の区分

トラックの標識には牽引自動車の走行区分を指定するものもあります。

高速道路用とその他の道路用の2種類があり、牽引自動車は一番左側または指定された通行区分を走行しなければなりません。牽引自動車以外の車両も走行できますが、この標識がある道路では牽引車の走行を優先するようにしましょう。

緊急時には通行許可が必要

通行止めの標識が立っている道路でも通行禁止道路通行許可申請を行うことで緊急時の走行が許可される場合があります。

申請には次のものが必要です。

①通行禁止道路通行許可申請書(2通)

②運転免許証の写し

③自動車検査証の写し

④通行予定の区域または道路区間を示す略図

⑤その他の書類 (管轄する警察署長が必要であると判断した書類など)

車両によっては特殊車両通行許可証の写しが必要になることもあります。

■これは覚えておこう!トラックの標識の基礎

トラック規制標識

トラックの標識には多くの種類がありますが、特に間違えやすいものがあります。こちらでは、基礎でありながらも間違えの多い標識を5つご紹介いたします。

・高速のトラックレーンは普通車が走っても大丈夫?

高速道路には、一番左にある第一通行帯にトラックのマークが描かれていることがあります。あれは「特定の種類の車両走行区分」を表しています。ただし注意したいのが、専用や優先という文字の記載がないことです。

つまり、この通行帯を普通自動車やバイクが走っていても問題はありません。当然、大型トラックの周りを走行すると死角になりやすく、事故のリスクは上がりますが、走行すること自体に法的な問題はないのです。

・トラックの補助標識について

標識には補助標識という種類があり、トラックだけを対象にしているものもあるため覚えておきましょう。よく見かけるものとしては、車両の種類に関するものが挙げられます。補助標識では、対象となる車両がある場合は記号で示しており、車両サイズや重量などが記載されています。

・規制標識でトラックとバスが描かれているが…

「大型・大特」と書かれた規制標識には、トラックとバスのシルエットが描かれています。そのため、つい見落としてしまいがちですが、大型車両以外に大型特殊車両も規制の対象です。つまりこの標識がある場所は、大型バス、大型トラック、大型特殊車両のいずれも通ることができません。大型特殊自動車のイラストは存在しないため、覚えておきましょう。

高速を走る黄色トラック

・大型車両の分類

大型車両の分類は道路運送車両の保安基準によって定められています。大型トラックの基準は以下の通りです。

寸法 全長12m以内・全幅2.5m以内・全高3.8m以内

重量 車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上

・高速道路と一般道路ではトラックレーンが異なる

先述したように、高速道路でのトラックの走行レーンは一番左側です。しかし、一般道路ではその反対で、最も中央に近いレーンがトラックの走行レーンに変わります。

これは一般道路の場合、周囲に店舗や民家があることから、トラックなどの大型車が騒音を与えにくいように配慮されていることが理由です。常時右側のレーンを走行する場所があれば、夜間だけ通行規制をかけている場所もあるため、事前に走行する道路の標識を確認しておきましょう。

■トラックに付いている標識について

トラック「危」標識

道路にある標識だけでなく、トラックにも標識が付けられています。こちらでは代表的な3つのマークをご紹介いたしますので、それぞれの意味をきちんと覚えておきましょう。

・危

おそらく最も目にする機会が多いマークではないでしょうか。こちらは総務省消防庁が消防法で定めた引火性液体など危険物の運搬を示すマークです。例を挙げると、ガソリン、灯油、重油などが該当します。

なお、これらの危険物を運ぶ際は、危険物取扱者または危険物取扱免状を所持する人でなければなりません。

・毒

最大積載量5,000kg以上の車両で、毒物及び劇物取締法で指定された物質を運ぶ場合に付けるマークです。こちらは消防法ではなく毒劇法に基づいており、例として塩酸、ニトロベンゼン、発煙硫酸などが挙げられます。

標識以外に物質の名称、成分、含有量、事故が起きた際の応急処置方法を示した書面も必須です。

・高圧ガス

こちらは高圧ガス保安法に基づいた物質を運ぶ車両に付いているマークです。経済産業省が管轄で、高圧ガスには液化石油ガス、可燃性ガスなどがあります。

高圧ガスを運ぶ際は、高圧ガス移動監視者または高圧ガス製造保安責任者の資格が必要です。

自家用車の感覚で運転しているとトラックの標識を誤って捉えてしまうことがあるため注意しましょう。違反をすると厳しい罰則を受けることになります。トラックを運転する際は標識一覧などを用意して意味の確認をするなどの対策をとりましょう。

 

フォークリフトにはどんな種類がある?取扱いに必要な資格とは

見た目、動力、タイヤなど、フォークリフトは様々な種類に分類できます。
代表的なのは、リーチリフトとカウンターリフトの2種類ですが、いずれも資格がなければ扱うことができません。
今回はフォークリフトの取り扱い資格についてご紹介したいと思います。

■リーチリフトとカウンターリフトについて

まずはリーチリフトとカウンターリフト、2つのフォークリフトの違いについてご紹介したいと思います。

・リーチリフトの特徴

リーチリフトには運転席がありません。立ったまま操作をします。
小回りが利くので工場や倉庫など屋内専用で活躍しています。

・カウンターリフトの特徴

カウンターリフトには操縦席があるので、車に近い感覚で操作行えます。
車体が大きく、リーチリフトに比べるとあまり小回りが利きません。
しかし転倒しにくく、屋内外を問わずに使えるというメリットがあります。

・必要な資格はどちらも同じ

『フォークリフト運転技能講習修了証』という資格があれば、どちらのフォークリフトも操作できます。

■フォークリフトの種類ごとのメリット・デメリット

確認をする男性2人

リーチリフトとカウンターリフトのメリットとデメリットをそれぞれご紹介いたします。

・リーチリフト

<メリット>

リーチリフトは車体が小さく、最小回転半径も非常に小さいので、小回りが利くことが最大の特徴です。狭い倉庫内でも使用しやすく、車体を固定した状態でツメ部分だけを操作することも可能です。

またバッテリー式で排出ガスがなく、環境負荷の小さい点も人気です。

<デメリット>

バッテリー式で動くため、充電の時間が必要です。エンジン式に比べると稼働時間が短く、パワーも弱くなる点がデメリットとして挙げられます。また、安定性もカウンターリフトに比べると下がります。

使用できる場所が屋内に限られる点もデメリットと言えるでしょう。

・カウンターリフト

フォークリフト操作をする男性

<メリット>

座って操作をするため重心が下になり、転倒しにくく安定した操作ができます。パワーがあり、重たいものも運びやすいのが特徴です。屋内外を問わず使用できるため、汎用性が高いと言えます。ツメの操作もリーチリフトに比べて早く、効率よく動かすことが可能です。

また、エンジン式は稼働時間が長いので、連続使用に適しています。

<デメリット>

車体がリーチリフトに比べて大きいため、狭い場所では使用できません。タイヤの回転が最大でも70度ほどで小回りが利かないので、広い場所以外で操作をすると事故のリスクが高まるのもデメリットです。

■フォークリフトの種類一覧

フォークリフトの模型

Forklift and luggage. Carry heavy luggage. Use in the warehouse. 3D rendering

フォークリフトの代表的な種類として、カウンターバランスフォークリフトとリーチフォークリフトが挙げられますが、実は他にも非常に多くの種類があります。

こちらではそれぞれのフォークリフトの種類と特徴を簡単にご紹介いたします。

・カウンターバランスフォークリフト

車のように座席に座った状態で操作をするフォークリフトです。パワーと安定性に優れており、屋内外を問わず使用できます。重たいものでも転倒しにくいのが特徴です。

・リーチフォークリフト

立ったまま操作をする屋内専用のフォークリフトです。中央のレバーを操作してツメを動かします。小回りが利くので、狭い場所で重宝されています。

・サイドフォークリフト

車体の真横にツメが付いているフォークリフトです。特に長いものを運ぶのに優れており、車体とツメが他のフォークリフトに比べて長い特徴があります。

・ウォーキーフォークリフト

手動で動かすフォークリフトです。運転席がなく、手で押して移動させます。このタイプのフォークリフトは電動と手動の2種類があり、どちらも免許や資格は不要です。

・マルチディレクショナルフォークリフト

容易な操作で前後左右に走行できるため、汎用性が高く重宝されているフォークリフトです。

・ストラドルフォークリフト

車体前方のリーチレグと呼ばれる走行可能な部位により、走行中のバランスを保つフォークリフトです。ツメは左右のリーチレグの間に降ります。

・パレットスタッキングフォークリフト

こちらも車体前方にリーチレグが付いている、リーチフォークリフトの一種です。ツメがリーチレグの上に伸びている特徴があります。

・ラテラルスタッキングトラック

車両の進行方向に対して荷を配置できるフォークリフトです。片側、両側のどちらかに対応しています。

・三方向スタッキングトラック

車両の進行方向と両側に荷を配置できるフォークリフトです。

・オーダピッキングトラック

荷役装置と併せて運転台が動くフォークリフトです。運転台にいる運転者が操作します。

・ラフテレーンフォークリフト

不整地専用のフォークリフトです。

・プラットフォームスタッキングトラック

車体の前方に張り出したアウトリガの上にプラットフォームが伸びているフォークリフトです。

■フォークリフトの資格について


どちらも同じ資格で操縦できるのであれば、是非とっておきたい資格ではないでしょうか。
ここからはフォークリフトの資格取得についてご紹介いたします。

・フォークリフトに必要な資格

資格を取得するための条件は特に設けられておらず、満18歳以上であれば誰でも取得できます。

フォークリフトを操作するときに必要になる資格は次の2つです。
最大積載荷重によって取るべき資格が変わります。

①1トン以上であれば技能講習
②1トン未満であればフォークリフト運転特別教育

・資格の取得方法

フォークリフトの資格取得には4つの学科講習と2つの実技講習があります。
学科講習ではフォークリフトの仕組みや扱い方法、運転力学、関係のある法令などを学習します。

実技では走行操作と荷役操作を学びます。

・資格取得にかかる時間と費用

フォークリフトの資格は5日程度でとれますが、講習時間は普通自動車免許の有無で変わってきます。持っていれば31時間、持っていなければ35時間の講習が必要になります。

講習の費用は2万~4万円程度となっています。
すでに持っている免許や資格があれば、受講を免除される講習もあります。

■フォークリフトの資格を取る際に知っておくと便利なこと

それでは最後に、フォークリフトの資格を取得する際に知っておくべきポイントを3つご紹介いたします。

・フォークリフトの免許取得で大切なこと

フォークリフトの免許取得は合格率98%以上といわれるほど、合格者の多い資格ですが、
合格率が高いからと油断せず、しっかりと講習を受けて大切なことを覚えておきましょう。

・講習費用に補助が出るケースがある

フォークリフトの資格は教育訓練給付金制度の対象になります。
過去に3年以上働いていて休職期間1年以内の場合、受給資格があるので離職中にとる人が資格です。
給付金制度を利用して資格取得を考えている方は、地元のハローワークに問い合わせてみてください。

・公道を走るには免許が必須

フォークリフトを公道で走らせる場合、フォークリフトの資格のほかに特殊自動車免許も必要です。

特殊自動車免許は『大型特殊自動車免許』と『小型特殊自動車免許』の2つあります。
フォークリフトで公道を走る機会があるなら、どちらの免許が必要なのかを調べておきましょう。

フォークリフトは様々な種類があるのと同時に、多くの分野で活躍する重機です。
求人も多いので、仕事のスキルアップや幅を広げるために取得しておいて損のない便利な資格といえるでしょう。
フォークリフトの資格をとって、キャリアアップを目指しませんか?