2022年 3月 の投稿一覧

【移動式クレーンの種類】あなたはどれだけ知っていますか?

黄色クレーン

黄色クレーン

クレーンは建設や土木、工場などの作業現場に欠かせない重機です。用途に合わせて使い分けられるよう、固定して使用するものや原動機を設置するもの、移動ができるものなど、さまざまな種類があります。

そこで今回は、移動ができる「移動式クレーン」についてご紹介いたします。種類の多さに驚くかもしれません。

■移動式クレーンの定義

クレーン安全規定では、移動式クレーンを「動力によって荷物を吊り上げて水平に運搬できる機械装置で、搭載した原動機を使って不特定の場所に移動させることができるもの」と定めています。

人力で荷物を吊り上げるものや、吊り上げ荷重が0.5t未満のものは、移動式クレーンに分類されません。

■主な移動式クレーンの種類

移動式クレーンには、さまざまな種類があります。

・トラッククレーン

トラッククレーンは小型から大型まで幅広く、あらゆる分野で利用されています。

<トラッククレーン>

大型のトラッククレーンは、運転席が走行用とクレーン操作用に分かれているのが特徴です。専用キャリアに旋回サークルやアウトリガーを装備し、その上に上部旋回体と呼ばれるクレーン装置の架装をしています。

ジブの駆動は、油圧式と機械式に加えて複合式も存在し、ジブが伸縮するものを油圧式、しないものが機械式と大別されています。

<車両積載形トラッククレーン>

小型のトラッククレーンは、平ボディのシャーシを補強し、運転席と荷台の間に小形のクレーン装置の架装をしています。

クレーン操作は車体の側面で行いますが、最近では安全性を考慮してリモコン式や無線操作式も多く出回っています。

<レッカー形トラッククレーン>

レッカー型トラッククレーン

トラックのシャーシを補強し、アウトリガーやクレーン装置の架装をしています。通常のトラッククレーンよりもジブが短く、10mほどしかありません。

主に交通事故や事故車の救援作業などで使用されており、シャーシの後部には車両をけん引するための装置が取り付けられています。

<オールテレーンクレーン>

オールテレーンとは、「全地形対応」を意味します。公道と不整地の両方を走行でき、トラックとラフテクレーンの走行性能を併せもつ移動式クレーンです。

運転席とクレーン操作席が別々に配置されており、吊り上げ荷重100t超の高い吊り上げ能力を誇ります。

四輪操舵ができるので、大型ながら旋回性に優れているのも特徴です。

・ホイールクレーン

一般的にホイールクレーンは、1つの運転席で走行操作とクレーン操作の両方が行えるタイヤ付きの移動式クレーンを指します。

<ホイールクレーン>

車軸を備えた専用台車の上に、クレーン装置の架装が施されています。車輪は三輪式と四輪式があり、狭い土地での操作性に優れているのが特徴です。

また車体を安定させるため、ほとんどのホイールクレーンにアウトリガーが取り付けられています。

<ラフテクレーン>

オールテレーンクレーンのように旋回性に優れているため、不整地でも安定して走行できます。車両のサイズは通常のトラックと変わらないため、狭い土地での作業で活躍します。

・クローラクレーン

黄色クローラークレーン

足回りにクローラ(無限軌道)を装備した移動式クレーンで、クローラが転がることで走行できる仕組みです。走行速度は時速1~3kmと遅く、公道では自走できません。

タイヤ式に比べて接地面積が広く、安定性に優れているため、不整地や軟弱な地盤でもスムーズに作業を行えます。

・鉄道クレーン

レール上を走行できる車輪をもった台車に、クレーン装置の架装があります。

主に保線作業の荷役業務や救援業務などで使用されますが、最近ではレール用の車輪を取り付けたトラッククレーン(軌陸車両)が主流です。

・浮きクレーン

浮力のある長方形の台船に、クレーン装置の架装が施されています。

船体は自航式と曳航(えいこう)される非自航式があり、クレーン装置は旋回するものとしないもの、ジブが起伏するものと固定されたものがあります。

港湾や河川、海上の土木工事や荷役業務など、さまざまな作業で使用される移動式クレーンです。

 

移動式クレーンにはさまざまな種類があり、特徴や用途によって細かく分類されています。移動式クレーンを見かけた際は見比べてみると、面白い発見があるかもしれません。

 

【大型ダンプの積載量】中古市場で人気のあるダンプの積載量と過積載の罰則

土をのせているダンプ荷台

土をのせているダンプ荷台

既定の積載量を超えて荷物を運搬する行為は、法律によって禁止されています。しかし、これまで積荷の過積載が原因の痛ましい事故が何件も発生しているのが現状です。過積載の多い車両に大型ダンプも挙げられ、高速道路では法定の何倍もの土砂を運ぶダンプの姿も見受けられると言われています。

今回は、大型ダンプの積載量と過積載の罰則についてご紹介いたします。

■大型ダンプの積載量

・大型ダンプの最大積載量

道路交通法では、大型自動車の規格を車両総重量11t以上または最大積載量6.5t以上、乗車定員30人以上と定めています。

ダンプの場合、最大積載量8~11tクラスの「10tダンプ」と呼ばれるものが該当します。

・大型ダンプの寸法一例

大型ダンプの寸法は、厳密には統一されていません。そのため、メーカーやモデルによって若干の差があり、積載量も少しずつ異なります。

大型に分類されるダンプの一例は、以下の通りです。

<いすゞ/ギガ>

型式:LKG-CXZ77AT

全長:7,670mm

全幅:2,490mm

全高:3,300mm

荷台:長さ5,100mm、幅2,200mm、高さ490mm

最大積載量:9.5t

<三菱ふそう/スーパーグレート>

型式:LKG-FV50V

全長:7,605mm

全幅:2,490mm

全高:3,200mm

荷台:長さ5,100mm、幅2,200mm、高さ520mm

最大積載量:9.2t

<日野/プロフィア>

型式:BDG-FS1EKXA

全長:7,620mm

全幅:2,490mm

全高:3,420mm

荷台:長さ5,100mm、幅2,200mm、高さ520mm

最大積載量:9.5t

<UDトラックス/クオン>

型式:2PG-CW5AL

全長:7,630mm

全幅:2,490mm

全高:3,300mm

荷台:長さ5,100mm、幅2,200mm、高さ500mm

■最大積載量の計算方法

オレンジ土台に進む白ダンプ

最大積載量とは、荷台に最大限積める荷物の重さを指します。車両総重量から、車両重量と定員数を差し引いて導き出せます。

たとえば、車両総重量20tで乗車定員2人の10tダンプでは、最大積載量の目安は9.8tです。

20,000kg(車両総重量)-10,000kg(車両重量)-110kg(乗車定員2名)=最大積載量9,890kg

※乗車定員は1人55kg

また、大型車の総重量は20~25tと定められており、車両自体が重くなると積める荷物の量は少なくなるため、注意しましょう。

■過積載は許されない

手で×をする男性

「過積載」と呼ばれる最大積載量を超えて荷物を運搬する行為は、罰則の対象です。

超過した割合に応じて、罰則が定められています。

・過積載の割合によって異なる罰則

5割未満の過積載:違反点数2点、反則金3万円

5割以上10割未満の過積載:違反点数3点、反則金4万円

10割以上の過積載:違反点数6点、懲役6か月以下または10万円以下の罰金

また、最大積載量の倍を超える荷物を運搬したドライバーは即時告発の対象となり、100万円以下の罰金が科されます。

なお、2017年4月より過積載の車両と事業者に対しての罰則が強化されました。具体的には高速道路料金の割引停止措置と呼ばれ、違反を繰り返すと対象期間が長引きます。

・責任はドライバーだけじゃない

過積載の罰則はドライバーだけでなく、場合によっては事業者や荷主も対象です。

事業者には過積載の割合や回数に応じて、車両の使用制限がかかるほか、悪質と判断された場合には、事業の停止や運行管理者資格の返納も命じられます。

また、荷主が過積載を把握しながら運搬を要求することも法律で禁止されています。これを無視し、反復の恐れがあると判断された場合には、管轄の警察署長から再発防止命令を言い渡されます。違反すると6か月以下の懲役または10万円以下の罰金が科され、法律に基づく荷主勧告制度によって荷主名も公表されるため、覚えておきましょう。

・過積載が許されない理由

過積載に対して厳しい罰則が定められている理由は、主に3つ挙げられます。事故が起こりやすくなるほか、道路や車両の劣化を早めたり運送コストが増幅したりするためです。過積載をしている状態では、車両の操作が難しくなり、また制動距離も長くなります。さらに道路や車両自体への負担も大きく、劣化を早く招いてしまう原因にもなりかねません。

また、燃費が悪くなることでコストの増幅も予想されるので、大型ダンプを扱う際は必ず積載量を守ることが重要です。

過積載による大型ダンプの事故は、ドライバーだけの責任ではありません。安全を確保しつつ、無駄を省いて効率よく荷物を運搬できるよう、積載量を守って走行しましょう。

Nシステムとは?使用目的や特長、オービスとの違いについて

Nシステム

Nシステム

道路を走行していると、頭上に設置されたカメラを目にしたことのある方も多いでしょう。このカメラには、「オービス」と呼ばれるスピード違反をした車両を撮影するカメラと、「Nシステム」と呼ばれる全車両を撮影するカメラの2種類があります。

そこで今回は、後者のNシステムについてご紹介いたします。

■Nシステムはすべての車両が対象

まずはNシステムについてご説明いたします。

・Nシステムとは

正式には「自動車ナンバー自動読取機」という監視カメラを指し、走行している車両のナンバープレートを無差別かつ自動で読み取るシステムです。

・Nシステムの使用目的

主に盗難車両や犯罪の関与が疑われる車両の追跡、車検切れした車両の摘発などで使用されます。そのため、解像度は非常に高く、形状や色はもちろん、乗車する人の顔まではっきりと撮影されます。

・Nシステムの特長

撮影データはすべて記録され、自動的に手配中の車両リストと照合されます。データは一時的に保存され、検索も可能です。

詳細は明らかにされていないものの、違法性の低い車両のデータは消去されると言われています。しかし、最近ではあらゆる犯罪捜査に使用されていることから、実は蓄積され続けているのではないかとの噂もあるようです。

・Nシステムの導入時期

科学警察研究所と電機メーカーのNECにより共同開発されました。国道14号(1987年)に設置されたのが、Nシステムの始まりです。

・Nシステムの名前の由来

Nは「ナンバー」の頭文字を表しています。他にも「車両捜査システム」や「車両ナンバー捜査支援システム」など、さまざまな名前で呼ばれています。

・Nシステムが設置されている場所

一般道や国道、高速道路、インターチェンジ付近など、全国に約1,700台のNシステムが設置されています。

さらに発電所付近や空港、在日米軍施設の周辺にも設置されているようです。

■Nシステムとオービスの見分け方

オービス

両者には、どのような違いがあるのかをご説明いたします。

・オービスとの違い

ボーイング社の登録商標であるオービスは、車両の速度超過を取り締まるための装置で、正式には「自動速度違反取締装置」といいます。

Nシステムはすべての車両を対象に使用されるのに対し、オービスは速度を超過して走行している車両のみが対象です。幹線道路や高速道路に設置され、台数はNシステムを大きく下回ります。一見すると同じものに思えますが、よく見ると異なる点がいくつかあります。

<大きさ>

オービスは中央にストロボのような白い板があり、Nシステムより少し大きく見えます。

一方、Nシステムはカメラのみのため、比較的小さめです。

<撮影時の光>

オービスは撮影時に白や赤の強い光を発しますが、Nシステムは赤外線を使用しているため、光りません。

<パトライトの有無>

オービスの周囲にはパトライトが備わる一方、Nシステムにはありません。

<看板の有無>

固定式のオービスが設置してある場所の目前には、「速度自動監視機設置路線」などの表記があります。一方、Nシステムには設置されていません。

■Nシステムとスピード違反について

高速道路の車種撮影画像

Nシステムも、オービスのようにスピード違反した車両の取り締まりに使用されているのでしょうか。

・Nシステムも速度を検知する?

Nシステムは、連続撮影が可能です。そのため、速度は検知できないものの、連続した映像からどの程度の速度で走行していたのかを割り出すことはできます。

・速度の取り締まりはないものの…

基本的に速度の取り締まりには利用されませんが、通過後に待機している警察によって取り締まりを受けるケースがあります。直接関係しないからと油断せず、スピードと交通ルールは守って運転しましょう。

Nシステムは全国の道路に約1,700台設置されており、犯罪への関与が疑われる車両を追跡、摘発するためのカメラです。スピード違反した車両を摘発するためのオービスとは目的が異なるものの、車を運転する際は安全を第一に考えましょう。

バッテリー液の補充は自分でもできる!適量を守って快適に運転しましょう!

バッテリー液補充

バッテリー液補充

車のバッテリー液は市販されているので、自分でも補充できます。ただし、バッテリー液の成分は硫酸を含むため、取り扱いには注意が必要です。

今回は、バッテリー液の補充方法についてご案内いたします。

■バッテリー液の基礎知識

まずはバッテリー液についてご説明いたします。

・バッテリー液の成分

バッテリー液は無色透明で、蒸留水を使って薄めた濃度の低い硫酸(希硫酸)です。

酸性で腐食性が強く、付着すると金属が酸化したり皮膚炎を起こしたりする恐れがあるため、取り扱いには十分に注意する必要があります。

バッテリー液が体に付着した際はすぐに大量の水で洗い流し、車のボディに付着した場合は濡れた布でしっかりと拭き取りましょう。

・バッテリー液が減る理由

<蒸発>

蒸発には、自然蒸発とバッテリーの充電中に起こる蒸発の2パターンがあります。後者は必要以上に充電されることで、液中の酸素ガスと水素ガスが分解されて起きる現象です。

<バッテリーの取り付け不良や経年劣化>

バッテリーの取り付け方や経年劣化も関係していると言われています。3年以上経過したバッテリーは劣化が進み、放置していると性能が低下するので、定期的に充電するか適切な環境で保管しましょう。

また、「バッテリーの使用頻度が高い」「エンジンルームが高温になる」「バッテリーの寿命が近い」などの場合は、バッテリー液の減少が激しくなるので、日常的に点検するように心がけてください。

・バッテリー液を補充せずにいると

バッテリー液が不足している状態で放っておくと、露出した金属部分が劣化し、さらにバッテリー液の減少が進みます。

爆発や火災につながる可能性もあるので、早めに交換しましょう。

■バッテリー液の確認方法

バッテリータンク

バッテリー液の補充は、液量を確認してから行いましょう。

・点検頻度

バッテリー液の点検は、月に1回が理想です。難しい場合は3~6か月を目安に確認しましょう。

また、突然のバッテリートラブルを回避できるよう、長距離や高速道路を走行する前は点検しておくことをおすすめします。

・点検する方法

<液量の確認>

容器の側面には、「LOWER LEVEL」と「UPPER LEVEL」と呼ばれるラインがあります。バッテリー液がこの中間にある場合は適量を意味します。

  1. バッテリー液の入った容器を横から目視する
  2. 容器を照明で照らして残量の影を目視する

ラインの中間を下回っている場合は、バッテリー用の精製水を補充してください。

硫酸自体は蒸発しないので、液の補充には高純度の精製水を使用します。

なお、UPPER LEVELのラインが見当たらない場合は、液口栓の蓋を外して中を除き、液面が注入口(スリーブ)の下まで届いているかを確認しましょう。届いていれば、表面張力により表面が歪んで見えます。

■バッテリー液の補充方法

木のボンネット開いたおもちゃ

バッテリー液の取り扱いには、十分な注意が必要です。補充時に必要な用具もご紹介いたします。

・バッテリー液の補充/点検時の注意

  1. 火気を近付けない
  2. 金属の工具やアクセサリーをバッテリーの端子に触れさせない(スパークして火災につながる恐れがあるため)
  3. バッテリー液に触れない
  4. 適量を守る

・バッテリー液の補充に必要な道具

  1. 精製水(バッテリー補充液)
  2. 手袋
  3. ゴーグル

<あると便利なもの>

  1. 液量を確認するためのライト
  2. 液を入れすぎた際に使用する抜き取り用のスポイトやバケツ
  3. 容器を開ける際に使用するマイナスドライバーやスパナ
  4. 固く絞った布

また、付着した場合に備えて流水用の水を用意しておくと安心です。

・バッテリー液を補充する手順

作業を始める前にエンジンを止め、エンジンが冷えた状態で補充しましょう。

  1. 静電気除去シートに触れて静電気を逃がす
  2. 固く絞った布で蓋の表面を拭く(静電気を逃がすため)
  3. 6つある液口栓を取り外す
  4. 注入口は独立した小部屋につながっているので、6か所すべてに注入する
  5. ライトや目視で量を確認したら、液口栓をしっかりと閉める

バッテリーに液が付着した場合は、濡れた布で拭き取りましょう。

バッテリー液は、適量を維持することが大切です。過充電や自然蒸発により量が減るので、定期的に点検・補充をするように意識してください。

免許に重要な深視力!一体、深視力とはどんなもの?

男性の顔

男性の顔

免許の取得には条件があり、準中型、二種、中型、大型の免許には「深視力」が必要になります。もし一定の基準を満たしていない場合は、免許の取得ができなくなるため注意が必要です。

今回はこれから免許を取得したいと考えている方に向けて、深視力とはどのようなものかをご説明いたします。

■深視力とは

深視力はどのようなものかをまずご紹介いたします。

・深視力とは

悩んでいる男性

深視力とは「両眼視機能」と呼ばれる目の能力の一つです。遠近感や立体感に係る検査で、大型免許、中型免許、準中型免許、けん引免許、二種免許の取得・更新時に検査が必要とされています。

物体が動いた場合の遠近感や立体感を測る検査で、車間距離や走行時の車、標識、信号機などの距離感を正確にとらえる能力を調べるために必要です。

・免許の基準となる深視力

免許に必要な視力と深視力は下記のとおりです。

視力…両眼で0.8以上、片眼0.5以上

深視力…三桿方式で奥行知覚検査機によって2.5mの距離で3回検査して、その平均誤差2cm以下であること

三桿方式とは、箱状の検査機器の中に3本の棒が並んでおり、3本の棒が重なるタイミングでボタンを押す検査です。棒がどのくらいずれているかで深視力を判断します。

・なぜ深視力が必要?

深視力が必要となる車両は車体が大きいものが多く、事故を起こすと運転者だけでなく周囲にまで影響を及ぼす可能性が高くなります。深視力は動いている物体の把握に必要な能力なので、深視力が低いと近くに車や人がいた際に巻き込んでしまうリスクがあります。そのため、視力が正常であることが運転者としての責任を果たすために求められているといえるでしょう。

■試験で気を付けたいポイント

片手を上げている女性

深視力の検査で気を付けたいポイントをご紹介いたします。

・目を休める

目が疲れている状態では、本来の目の能力や機能を発揮することができません。スマートフォンやパソコンなどを日常的に使う場合、試験の前日はできるだけ利用を控え、早めに就寝するようにしましょう。

若いうちは回復も早いですが、年齢を重ねるうちに回復に時間がかかることがありますので、その点も注意してください。

・事前検査を行う

眼鏡店によっては深視力の検査が行えるところもあります。事前に検査を行うことで自分の深視力がどの程度かを知ることができるだけでなく、どのような検査なのかを知ることにもつながります。実際の試験当日に勝手がわかることで、慌てずに落ち着いて試験に望むことができるでしょう。

・検査のコツはある?

事前に深視力の検査を受けることで、コツを掴もうと考える方がおられるかもしれません。実際に検査を経験すればある程度、成功のタイミングなどが掴みやすくなるでしょう。しかし、ご紹介したように、深視力は不足すると事故につながりかねません。コツを掴んで実際よりも高い深視力の数値を出した場合、事故のリスクが高まるといっても過言ではないでしょう。そのため、コツは掴もうとせずに正しい数値を測るようにしてください。

・もし試験に落ちたら

深視力の検査に落ちた場合、再検査の方法が2種類あります。

一つは試験の当日に時間を空けて再検査する方法ですが、一度目の試験により目が疲労しているため、本来の能力が発揮できない可能性があります。

もう一つは、日を改めて試験を受ける方法です。試験に落ちた際の視力を眼鏡などで矯正してから再度試験を受けることができます。そのため、検査に落ちている場合は矯正器具などの使用を検討してみましょう。

■深視力検査に落ちる原因

頭が抱える男性

深視力検査を落ちた際に考えられる原因をご紹介いたします。以下は、深視力検査を落ちた方に共通する内容です。

・視力の不良

視力はあるのに、深視力が合わない方もおられます。この場合、近視や遠視、乱視が疑われるため、目のピント機能を矯正することで改善できるかもしれません。

・目の視力差

どちらかの視力が落ちている可能性があります。左右の見え方に差があっても、無意識に視力のよいほうで補おうとするため、気付きにくいかもしれません。

左右差があるほど深視力は合わないので、見え方の差をなくしましょう。

・眼球運動の不良

人はものを見る際、距離に応じて目を寄せたり離したりします。これを眼球運動といい、低下すると対象物の速度や距離に合わせて視線を動かしにくくなります。

・眼位の不良

左右の目のどちらかが正面ではない方向へ向く状態を斜視、片目の位置がわずかにずれている状態を斜位といいます。斜位は隠れ斜視とも呼ばれ、検査して初めて発覚することもあるようです。

斜視や斜位があると目の向きがずれ、正確な距離感を掴みにくくなります。

・深視力検査に慣れていない

深視力自体に問題がなくても、検査に慣れていない場合や疲れている場合は検査に落ちることもあります。

■深視力対応のメガネでよくなることもある

黒縁眼鏡

・深視力対応メガネとは

深視力対応メガネとは、目の機能を矯正し、遠近感や立体感を掴みやすくなるメガネです。

機能を単体で矯正するという単純なものではなく、目の屈折異常や調節機能、眼位といった総合的な検査の結果に基づいて作成されます。

状態によっては、深視力対応メガネをかけるだけでよくなったり、深視力対応メガネをかけて目のトレーニングを行うことによって改善に向かったりするケースもあるようです。

■日常的にできる深視力トレーニングのコツ

笑顔で腕組みする男性

視力とは異なり、深視力は日常的にトレーニングを行うことで鍛えられます。こちらでは、簡単なトレーニング方法・コツをご紹介いたします。

・トレーニング法①距離の目測

場所を問わず行えるトレーニング方法です。

  1. 目の前にある対象物との距離を目測する
  2. メジャーを使って実際の距離を測る

コツが掴めると、距離感がわかるようになります。

慣れてきたら外出中に信号や向かいの人との距離を目測するのもおすすめです。

・トレーニング法②ピント合わせ

先ほどのトレーニングを少しレベルアップさせた方法です。

  1. 周囲を見渡し、どこになにがあるかを確認したら目を閉じる
  2. その状態のまま頭の中で対象を1つに絞り、体が対象物の正面を向くように角度を合わせる
  3. 目を開けたら素早く対象にピントを合わせて距離を推測する
  4. 実際の距離を測って確認する

・トレーニング③融像性を鍛える

融像性とは、両目に映ったものを1つの物体として捉える力や、ブレて見えるものに焦点を当てて1つの物体として見る力を指します。

  1. 腕を伸ばして人差し指をたて、目の高さにもってくる
  2. 指を近付けたり遠ざけたりを繰り返して目で追いかける
  3. 慣れてきたら指を360度動かして、目で追いかける

・トレーニング法④ストローゲーム

融像性を鍛えるトレーニング法を応用したゲームです。

  1. 2人1組になり、相手にストローを持ってもらう
  2. 自分はつまようじを持ち、ストローの穴につまようじを入れる

慣れてきたら距離を変えてチャレンジしましょう。

深視力は普段意識することがないため、自分がどれくらいなのかを知らない方は多いと思います。しかし、深視力は安全な運転には欠かせません。正しく検査を行い、安全な運転を心がけてくださいね!

クレーン免許の取得法 免許の種類・試験の詳細

工場・建設業界で欠かせない存在である「クレーン車」クレーン車を用いた仕事は平均年収が400~500万以上稼げるケースもあり、需要が高いです。

そんなクレーン運転士になるにはどのような免許・資格が必要になるのか?具体的にご紹介いたします。

■クレーン免許の種類

クレーンは取得する免許によって、運転できる機体も異なってきます。ここで、代表的なクレーン免許について解説していきます。

・クレーン・デリック運転士免許(限定なし)

クレーンとデリック、両方の機種を扱うために必要になる免許です。デリックとはマスト・ブームを有した機械装置で、動力によって、荷を吊り上げることができます。(吊り上げ荷重0.5t以上のもの)

・クレーンとデリックの違い

クレーンは単体で荷の吊り上げが可能ですが、デリックの場合は、設置されているワイヤーロープやブームの操作を別の原動機で操作します。ビル建設や製鉄所など、活躍できる範囲が広いので、持っておくと便利です。

・クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)

クレーン限定はデリックを除いた吊り上げ荷重が5t以上のクレーンを運転することができる免許です。クレーン初心者の方で、少し重量の大きいクレーンを運転したいという場合は、まずこの免許を取得してみてはいかがでしょうか。

・床上運転式クレーン限定免許

床上運転式クレーンは工場内部の天井に設置されている、吊り上げ荷重が5t以上のクレーンです。UFOキャッチャーの要領で、工場内の荷物を運び、運転手は運ばれている荷の移動と一緒にボタンを操作します。床上式運転は操縦者の少ない移動で運転することができるので、玉掛け業務の際に便利になる資格です。

■クレーンの運転に必要な資格や免許クレーン車を操縦する男性

クレーンは、工場などで使用する定所式、自走できる移動式、デリックの3種類に大別できます。運転をするクレーンに応じて、免許を取得しましょう。

・クレーン(定所式)の運転に必要な免許や資格

<吊り上げ荷重5t以上>

クレーン・デリック運転士免許(限定なし)

クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)

<吊り上げ荷重5t以上の床上運転式>

クレーン・デリック運転士免許(床上運転式クレーン限定)

<吊り上げ荷重5t以上の床上操作式>

床上操作式クレーン運転技能講習

<吊り上げ荷重5t以上の跨線テルハ>

クレーンの運転の業務特別教育

<吊り上げ荷重5t未満>

クレーンの運転の業務特別教育

・移動式クレーンの運転に必要な免許や資格

緑クレーン車のおもちゃ

<吊り上げ荷重5t以上>

移動式クレーン運転士免許

<吊り上げ荷重1t以上5t未満>

小型移動式クレーン運転技能講習

<吊り上げ荷重1t未満>

移動式クレーンの運転の業務特別教育

・デリックの運転に必要な免許や資格

<吊り上げ荷重5t以上>

クレーン・デリック運転士免許

<吊り上げ荷重5t未満>

デリックの運転の業務特別教育

現在、ご紹介した免許のみではクレーン業務に必要な玉掛け作業が行えません。

吊り上げ荷重1t以上の場合は玉掛け技能講習、1t未満の場合は玉掛け業務の特別教育の資格が必要です。

※昭和53年9月30日以前に免許を取得した場合は可能です。

■技能講習が必要なクレーンの免許は?クレーン

クレーンの操作に関する免許には種類があり、どれを取得するかで操作できるクレーンの種類が異なります。こちらでは、技能講習が必須になる免許をご紹介いたします。

・小型移動式クレーン

吊り上げ荷重が5トン未満の移動式クレーンのことを小型移動式クレーンと呼びます。技能講習には学科と実技があり、受講後には試験が行われます。試験に通らなければ免許を取得することはできません。

クレーンの免許の中では比較的取得しやすい難易度ですが、応募者が多いため余裕をもって応募しておくようにしましょう。

受講費用は3万円ほどです。

・床上操作式クレーン

移動式クレーンとは異なり、クレーンが工場の天井などに設置されています。吊り上げ荷重が5トン以上の床上操作式クレーンを運転するには技能講習が必須です。操作はペンダントスイッチで行います。

床上操作式クレーンで注意したいのが、荷物の積み下ろし作業には玉掛の免許も必要になるという点です。床上操作式クレーンの免許を取得する場合は玉掛の免許も取得しておきましょう。

費用は2万~3万円程度です。

・1トン以上の玉掛け

クレーンのフックに荷物を掛ける作業や、降ろす作業に必要な免許です。クレーン作業には必須の免許なので、先に取得しておくことをおすすめします。

講習には2日間の学科と1日の実技があります。

費用は所持している資格や免許によって変動しますが、およそ2万2,000円程度です。

■合宿なら費用を抑えて短期間での取得が可能工事中のショベルカー

できるだけ短期間で取得を目指す場合は、合宿での取得を考えてみることもおすすめです。

こちらでは合宿でクレーンの免許を取得する方法や、知っておきたい費用を抑える方法についてご紹介いたします。

・合宿の費用を抑える方法

クレーンの免許を取得したい場合に確認しておきたいのが、「教育訓練給付金制度」です。これは厚生労働省が実施している助成金制度で、条件に当てはまれば免許取得に必要な費用の20%(最大10万円)が支給されます。支給申請をする場所はハローワークですので、興味がある方は一度調べてみることをおすすめします。

・合宿に必要な期間と費用

こちらはあくまでも目安になりますが、合宿で免許取得にかかる費用と期間をご紹介いたします。

なお、紹介している費用は受講料金とテキスト代のみです。宿泊費用や保険料は別途必要となりますのでご注意ください。

<移動式小型クレーン>

費用…4万2,000~4万5,000円程度

期間…3日間(学科10~13時間 実技6~7時間)

※有する資格によって異なる

<床上操作式クレーン>

費用…4万2,000~4万5,000円程度

期間…3日間(学科10~13時間 実技6~7時間)

※有する資格によって異なる

<玉掛技能講習>

費用…2万~2万5,000円程度

期間…3日間(学科9~12時間 実技6~7時間)

※有する資格によって異なる

宿泊費用は滞在する部屋のグレードや教習先によって異なりますので、受講する教習先のホームページなどで確認してください。

■クレーンの免許を取得するメリット夜間の工事車両

クレーンの免許を取得することで大きなメリットがあります。

・安定した収入が見込める

クレーン運転士を目指す場合はもちろん、安定した収入を求める方にもクレーン運転士の仕事はおすすめです。国家資格であり、高い専門技術が必要なため、非常に需要が高く就職にも有利になります。

免許に期限がないため、一度取得すれば使い続けることができます。

・性別に関係なく給与やスキルのアップが可能

あるデータによると、クレーン運転士の収入は平均で460万円程度とされています。男女別で見ても、男性が460万円、女性が450万円となっており、性別に関係なく高収入の仕事といえます。

スキルアップや再就職にも性別問わず有利になれるため、取っておいて損はない免許です。

また、年代別では20代前半で約400万円、30代前半で約510万円、40代前半で約530万円、50代前半で約540万円と、地域や経験、スキルによる差は少ないようです。

実務経験があるに越したことはありませんが、未経験でも高い収入が見込めるでしょう。

すでにクレーン運転士の免許を取得している方は、より高い収入を目指して、港湾などで使用されているガントリークレーンの運転士免許を取得するのもよいかもしれません。

ガントリークレーンの免許は数日で取得できるので、スキルアップも兼ねてチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

■クレーン免許が役に立つ現場クレーンが立ち並ぶ海の現場

クレーンが使用されているのは、建設現場だけではありません。

・クレーン運転士という仕事

クレーンは工場、製造所、倉庫、港湾、その他にも多くの現場で活躍しています。そのため、運転士免許を保有していると、全国どの地域の現場でも重宝されるでしょう。

ただし、危険性の高い作業を行う前はしっかりと計画を立て、運転中に事故が起きないよう入念に打ち合わせをするなど、責任能力や管理能力、周囲への配慮が必要です。

また、クレーンは大きなものを運ぶイメージばかり先行していますが、繊細な作業も多く、ストイックさが求められる仕事です。体や心の不調は仕事のパフォーマンスに影響を及ぼすため、規律正しい生活とともに自己管理を徹底する意識も求められます。

・クレーン運転士のやりがい

無事に計画通りの作業を終えた際は、大きな達成感と安堵感、やりがいを感じられるでしょう。作業にはスピードだけでなく、慎重さや丁寧さも必要です。そのため、集中力や忍耐力、責任感の強い方が向いています。

周囲からの期待が大きいだけに、誇りをもって長く続けられる仕事です。

またクレーンは種類が多く、作業は奥が深いので、クレーン運転士の免許を独学で取得するのは難しいと言われています。

続いてクレーン運転士の試験についてご案内いたします。

■クレーン運転士の試験について

クレーン免許を取得したい場合は、教習所に通うのがおすすめです。教習所に通うと実技試験が免除になるので、免許取得率もぐんと高くなりますし、時間の節約にもなります。

ここで、教習所での試験内容について、より詳しくご紹介いたします。(クレーンデリックの運転免許は18歳以上の方なら誰でも取得できます。)

・主な試験内容

試験内容については、クレーン・デリックに関する知識、原動機に関する知識、クレーンの運転に必要な力学知識、法令などの知識が主な出題内容になります。学科試験は総得点で満点中60%以上の高得点。各科目が40%以上の得点率であることが必須になります。期間としては大体7~10日ほどです。

・試験難易度

クレーン免許の取得となると、難しいイメージがありますが、教習所に通うと、実技試験が免除されるので、難易度的には心配するほど高くありません。教習所に通いたくない方は独学で一発試験を狙う方法もありますが、その場合、実技試験を受けることになり、クレーン操縦経験のある方でないと、かなり合格が難しくなってしまいます。時間はかかりますが、教習所でじっくり講習を受けたほうが確実といえるでしょう。

・平均的な合格率

クレーン免許の合格率は、年によって違いはありますが、学科試験の場合は約61%、実技試験の場合は約48%の方が合格という調査結果が出ています。実技試験の場合は、やはり合格率は若干下がるようです。

■中古クレーンを購入する際の注意点

クレーンは新車で購入するとなると、かなりの出費になるので、中古購入したいという方も多いと思います。中古トラックは通常より安く手に入れられる反面、安全性の確認を怠ると、後々、事故を起こしてしまう危険があるので、注意しましょう。ここで、中古クレーンを購入する場合に大切なポイントをご紹介いたします。

・クレーンは問題なく稼働するか

基本的ですが、最も大切な問題です。ただ動くかどうかだけでなく、諸動作が滑らかに操作できるか、止めたいタイミングで確実に停止させることができるかなどに、気を付けて確認しましょう。作業時にタイムラグが発生していないか。エンジンの回転数を上げた場合と通常時の動きの動作確認、エンジンのアイドリング確認なども重要なポイントです。

・補強板の有無

フレーム(シャーシ)を固定する補強板は、クレーン車の強度・耐久性を保証する上で重要な要素です。中古車のなかには、補強板がただの鉄板を加工して取り付けられたものもあるので、注意しましょう。鉄板の場合だと、シャーシがダメージを受けて曲がってしまったり、真っ二つに折れてしまう可能性があり、とても危険です。シャーシがダメージを受けると、業務用車両の安全性を根本から失ってしまうため、補強板の確認は必須です。

・点検整備記録簿

クレーン車のような業務用車両を選ばれる際は、点検整備記録簿の内容はしっかり確認しておきましょう。点検整備記録簿は車検以外で3ヶ月、6ヶ月毎に行う点検整備の記録を記帳し、保管しているものです。こうした点検記録は車両の安全性を確認するうえで大切なものです。販売開始日から使い込まれていない中古クレーンは、軽整備のみの場合もありますが、一通り目を通しておくといいでしょう。