
2トンや4トン、10トンのほか、8トントラックと呼ばれるトラックも存在します。
8トントラックを運転するには、どの免許が必要でしょうか。
今回は8トントラックについて、必要な免許や人気の車種、運転する際の注意点などをご紹介いたします。
■8トントラックとは、どんなトラック?
まずは8トントラックについて、ご説明いたします。
・8トントラックとは
車両総重量が13~15トン前後、最大積載量が8トン前後のトラックを「8トントラック」といい、通称「増トン車」とも呼ばれます。
以前は鉄道コンテナの運搬車両として活用されていましたが、現在は幅広い分野で活躍するトラックです。
・8トントラックの運転に必要な免許は?
8トントラックのベースは4トントラックであるものの、最大積載量を8トン前後まで増やしているため、運転するには大型免許が必要です。
また、8トントラックの「8トン」は車両総重量のことではないので、注意しましょう。
なお、参考までに免許区分改訂後の車両条件を一部抜粋します。
中型免許で運転できる車:車両総重量11トン未満、最大積載量6.5トン未満
大型免許で運転できる車:車両総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上
<大型免許の取得方法>
大型免許を取得するには、教習所に通う方法と、免許試験場で直接受験する方法、合宿免許に参加する方法のいずれかから選べます。
取得にかかる費用や期間は、以下の通りです。
あくまでも目安のため、詳細は各事業所へ問い合わせましょう。
- 教習所に通う:20~25万円前後で最短2週間程度
- 免許試験場で直接受験する:7万円前後で即日
- 合宿免許に参加する:20万円前後で最短9日程度
なお、大型免許の取得条件は以下の通りです。
- 年齢:満21歳以上(普通・中型・大型特殊免許を取得後、運転経歴が通算で3年以上)
- 視力:裸眼、または眼鏡やコンタクトを使用した状態で片眼0.5以上、両眼0.8以上
- 深視力:三桿法(さんかんほう)で3回検査した結果の誤差が平均で2cm以内
- 色覚:赤・青・黄の色が識別できる
- 聴力:10m離れても90dbの警報機が聴き取れる(補聴器の使用も可)
体の状態が運転に支障をきたすようであれば、取得先の窓口にて適正相談を受けましょう。
■人気トラックメーカーの8トントラック

主要メーカーの8トントラックをご紹介いたします。
・三菱ふそう ファイター
1984年の誕生以降、内装や自動車排出ガス規制への適合など改良が重ねられてきました。
車両寸法:全長7,235mm、全幅2,290mm、全高2,565mm
荷台寸法:長さ5,300mm、幅2,170mm、高さ400mm
車両総重量:14.9トン
最大積載量:7.6トン
・いすゞ フォワード
海外にもファンが多く、形状のラインアップが豊富です。
車両寸法:全長8,485mm、全幅2,260mm、全高2,550mm
荷台寸法:長さ6,210mm、幅2,155mm、高さ390mm
車両総重量:13.64トン
最大積載量:7.6トン
・日野 レンジャー
特別仕様車がダカールラリーに参戦した過去もあるほど、強硬なボディが強みです。
車両寸法:全長8,677mm、全幅2,230mm、全高2,445mm
荷台寸法:長さ6,705mm、幅2,130mm、高さ395mm
車両総重量:13.35トン
最大積載量:8トン
・UDトラックス コンドル
平ボディやユニック、ダンプなど複数の形状があり、中古市場でも人気のトラックです。
車両寸法:全長8,455mm、全幅2,230mm、全高2,465mm
荷台寸法:長さ6,200mm、幅2,120mm、高さ400mm
車両総重量:14.21トン
最大積載量:8.5トン
■8トントラックを運転する際の注意点

8トントラックは中型車と大型車の中間に位置し、低コストで積載量を増やしたい場合に重宝します。
ただし、運転する際は以下の点に注意しましょう。
・中型8トン限定免許では運転できない
免許区分の改訂前に普通免許を取得した場合、条件欄に「中型8トン限定」と記載されます。
しかし、最大積載量が8トンの車を運転できるという意味ではありません。
先述の通り、8トントラックの運転には大型免許が必要です。
・走行中は速度を出し過ぎない
トラックの制動距離は、積載量に比例して長くなります。
そのため、4トントラックと同じ感覚で運転しないよう、速度の出しすぎには注意しましょう。
・8トントラックは中古車がおすすめ
大型トラックよりも手頃とはいえ、新車を購入すると700万円以上かかるため、導入コストを抑えたい場合は、中古市場の利用がおすすめです。
中古の8トントラックなら、100万円台で入手できるケースもあります。
状態の整ったトラックも多いので、タイミングによっては運命の1台に出会えることでしょう。
8トントラックは、サイズと積載量のバランスが取れたトラックです。
条件のよい8トントラックを手頃に入手したいときは、中古市場も視野に入れて検討しましょう。