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オーバーヒートしたトラックはどう対処する?症状や原因を解説します!

トラックエンジンルーム確認する人

トラックエンジンルーム確認する人

トラックがオーバーヒートする原因はさまざまですが、多くは冷却装置の故障によって引き起こされます。そのまま走行を続けたり対処を誤ったりすると、エンジンのトラブルを招いてしまいかねないので、事前に症状や対処法を確認しておきましょう。

今回は、トラックがオーバーヒートした場合の対処法をご紹介いたします。

■オーバーヒートとは

万一の場合にすぐ気付けるよう、状態や症状を把握しておきましょう。

・オーバーヒートの状態

オーバーヒートとは、冷却システムに異常が発生し、エンジンの熱が下がらない状態をいいます。場合によっては突然エンジンが停止してしまうため、注意が必要です。

・オーバーヒートした場合の症状

オーバーヒートすると、いくつかの症状が表れます。

<水温計の表示が異常を示す>

水温計の「C」は冷却水が低温であること、「H」は高温を意味します。

通常であれば、針はCとHの中間を指しますが、オーバーヒートするとHに近付きます。

水温計がない場合は、水温警告灯をチェックしましょう。

<エンジンルームから煙が出る>

エンジンルームから、煙のような水蒸気が発生します。

水蒸気の正体は気化した冷却水で、本来なら循環するはずが外に漏れていることを意味します。

<エンジンの回転数が不安定になる>

エンジンの回転数が不安定に感じる場合、オーバーヒートによりエンジンに大きな負荷がかかっているかもしれません。

<オイルの焼けたようなにおいがする>

エンジンが高温に達すると周囲も損傷を受けるため、エンジンオイルが漏れて金属に付着し、オイルの焼けたようなにおいがします。

また、エンジンオイルが不足して金属の摩耗が進むと、エンジンの「焼き付き」が起こります。

■オーバーヒートする原因

水温計

原因を放置していると、後悔する結果を招いてしまうかもしれません。

・冷却水の漏れ

冷却水はエンジンを冷やす役目を担うため、何かの影響で漏れたり不足したりするとエンジンが十分に冷えず、オーバーヒートします。

消耗品のため、定期的に量を確認しましょう。

・冷却装置の故障

ラジエーターと呼ばれる冷却装置の故障は、冷却水が漏れる原因の一つです。

ラジエーターは経年により目詰まりするので、定期的に清掃や交換を行いましょう。

・ウォーターポンプの故障

エンジンに冷却水を送り込む役目を担うため、故障すると冷却水が循環せず、オーバーヒートします。

走行距離10万kmを目安に交換しましょう。

・エンジンオイルの不足

エンジンオイルは潤滑の他に、冷却水が循環できないパーツの冷却も担っています。

トラックは乗用車よりも消費しやすいので、定期的に点検しましょう。

・サーモスタットの不具合

温度に応じて開閉し、冷却水の流れを調整します。

劣化するとバネが正常に働かず、冷却水が十分に供給されません。

交換時期は走行距離10万kmを目安にし、長距離を走行する場合は特に意識しましょう。

・エンジンに負荷がかかる運転

エンジンの回転数が高い状態や、トラックに風が当たりにくい状態が続くと、エンジンに負荷がかかり、オーバーヒートします。

適宜停車して、エンジンの熱を下げましょう。

■オーバーヒートした場合の対処法

修理工具を持つ人

オーバーヒートした場合の対処法をご紹介いたします。

1.安全な場所に停車する

周囲を確認し、安全な場所に停車します。

2.キャブオーバーを開けてエンジンを自然に冷やす

トラックの運転席を前傾させ、エンジンを露出させて熱を放出します。

すぐにエンジンを切ってしまうと冷却水やエンジンオイルの循環が止まり、温度上昇や焼き付きが起こる可能性があるので、注意しましょう。

ただし、冷却水が足りない場合は、すぐにエンジンを切ります。

3.エンジンを切り、冷却水の量や水漏れを点検する

水温計の針が正常に戻ったら、エンジンを切ってしばらく様子を見ましょう。

停車直後にラジエーターキャップを開けてしまうと、高温の冷却水が噴き出し、火傷をする恐れがあるためです。

エンジンが十分に冷えたら、キャップを開けて冷却水の量や水漏れを確認します。

状態によっては、再びエンジンをかけられますが、可能であればそのまま整備工場へ連絡し、早急に修理しましょう。

 

トラックのオーバーヒートは、エンジンの冷却が追い付かなくなった際に起こります。

走行中に異変を感じた場合は、慌てず落ち着いて対処しましょう。

3トントラックのサイズや免許区分、メーカーごとの車種をご紹介します!

白トラックが並んでいる画像

3トントラック右後方

3トントラックは比較的小さいながらも積載量が十分にあるため、多くの分野で活用されています。3トントラックを取り扱う自動車メーカーも多く、選択肢が広い一方、その詳細はあまり知られていません。

そこで今回は、3トントラックのサイズや免許区分と、各メーカーの車種をご紹介いたします。

■3トントラックの区分

3トントラックは、どのように活用されているのでしょうか。

まずは3トントラックの基本的な情報と需要について、ご紹介いたします。

・3トントラックとは

3トントラックとは、「車両総重量5トン以下で、最大積載量3トン以下」の小型トラックのことです。

平ボディ、バン、クレーン車など形状が豊富で、食品のルート配送や単身者の引っ越しなど、さまざまなシーンで活用されています。

・3トントラックのサイズ

3トントラックは道路運送車両法の規定により、小型自動車に分類されます。

【標準的な3トントラックのサイズ】

全長:4,690mm

全幅:1,695mm

全高:1,975~1,990mm

【小型自動車の車両区分】

全長:4,700mm以下

全幅:1,700mm以下

全高:2,000mm以下

総排気量:2,000cc以下

照らし合わせると、3トントラックは小型自動車の基準値に収まることがわかります。

ただし、道路交通法の規定では、車両総重量と最大積載量によって準中型自動車に分類されることを覚えておきましょう。

・3トントラックの免許区分トラック女性ドライバー

運転免許の区分は道路交通法で定められており、平成29年3月12日に準中型免許が新たに加わりました。

これにより、3トントラックを運転できる免許区分は以下の5つに変更されました。

  • 準中型
  • 準中型5t限定
  • 中型
  • 8t限定中型(平成19年6月1日以前に普通免許を取得している方)
  • 大型

準中型免許は18歳以上であれば、運転経験がなくても取得できるため、運送・物流業界で働きたい方の第一ステップとしておすすめです。

・3トントラックの需要

3トントラックは荷台スペースが広々としているほか、小回りが利いて構造が頑丈であることなどから、都市部を中心とした運送や集荷で力を発揮します。

ただし、長距離の走行には向きません。

■各自動車メーカーの3トントラック

白トラックが並んでいる画像

こちらでは、代表的な3トントラックの標準サイズをご紹介いたします。

なお、3トントラックは標準サイズ以外にワイドやロングもあります。

・いすゞ エルフ

エルフは小型トラックの中でも高い知名度を誇ります。

全長:4,690mm

全幅:1,695mm

全高:1,970mm

荷台:長さ3,120mm、幅1,620mm、高さ380mm

・日野 デュトロ

以前は中・大型トラックが主流でしたが、近年は小型の製造も行われています。

全長:4,690mm

全幅:1,695mm

全高:1,975mm

荷台:長さ3,115mm、幅1,615mm、高さ380mm

・三菱ふそう キャンター

半世紀以上の歴史をもつ車種で、利用者から高い信頼を集めています。

全長:4,690mm

全幅:1,695mm

全高:1,975mm

荷台:長さ3,120mm、幅1,615mm、高さ380mm

・トヨタ ダイナ

架装の種類が豊富で、リフト付きやトラッククレーン、冷凍車などもあります。

全長:4,690mm

全幅:1,695mm

全高:1,985mm

荷台:長さ3,115mm、幅1,615mm、高さ380mm

・日産 アトラス

アトラスは機能性や安全性、環境に配慮した車種で、中古市場でも非常に人気があります。

全長:4,690mm

全幅:1,695mm

全高:1,990mm

荷台:長さ3,120mm、幅1,615mm、高さ380mm

3トントラックは準中型免許の普及とともに、需要が高まると予想されます。

中古市場にも多くの3トントラックが取り扱われているので、気になる車種を見つけたら早めに購入を検討しましょう。

トラックのナンバープレートからなにがわかる?「1ナンバー」「4ナンバー」とは

銀トラック斜め後ろ画像

白トラック模型とヘルメット抱える男性

トラックを含め、車のナンバープレートはどれも似たように見えますが、シンプルな見た目からは多くの情報を読み取れます。トラックの種類によって「1ナンバー」や「4ナンバー」などの言葉を耳にすることもあるでしょう。

今回は、トラックのナンバープレートについてご紹介いたします。

■ナンバープレートの見方

・ナンバープレートの役割

正式名称は、「自動車登録番号標」「車両番号標」などです。公道を走行するすべての車両に対して、ナンバープレートを前後の見えやすい位置に取り付けることが義務付けられています。車種や用途によって種類が分かれており、車両を識別できる仕組みです。

・ナンバープレートの構成

<文字の意味>

上段の左側にある地名は、管轄する運輸支局などを表しています。横の数字は「分類番号」と呼び、最初の1桁からは車両の種類や用途が確認できます。

【分類番号】

0:大型特殊自動車の建設機械

1:普通貨物自動車

2:普通乗合車

3:普通乗用車

4/6:小型貨物車、軽貨物車

5/7:小型乗用車、軽乗用車

8:特種用途自動車

9:大型特殊自動車

下段の左側にあるひらがなは、分類番号と同じく車両の用途を表し、事業用や自家用、レンタカー用などと区分されています。横に大きく記載されている4桁の数字は「一連指定番号」と呼び、ナンバーを申請した順に払い出されます。

<ナンバープレートの大きさ>

大きさは車両のサイズに応じて異なります。大型車は22cm×4cm、小・中型車は16.5cm×3cmです。

<ナンバープレートの色>

ナンバープレートの色からも、車両の用途が確認できます。緑地に白色の文字を記載したナンバープレートは事業用、白地に緑色の文字を記載したものは自家用です。

また、軽自動車の場合、黒地に黄色の文字を記載したものが事業用、黄地に黒色の文字を記載したものが自家用です。

■トラックのナンバープレートは「1」か「4」

銀トラック斜め後ろ画像

トラックは貨物自動車に該当するため、分類番号が「1」もしくは「4」のナンバーを取り付けます。

・1ナンバーと4ナンバーの車両条件

1ナンバーは大型トラックやダンプカーなどの普通貨物自動車、4ナンバーは軽トラックやワゴンなどの軽貨物自動車を意味します。

共通する貨物自動車の条件は、以下の通りです。

  • 積載スペースが運転席よりも広いこと
  • 積載スペースが1m²以上あること
  • 積載重量は乗車定員の重量よりも重いこと
  • 積載スペースの開口部分が縦横80cm以上(軽貨物は縦横60cm)あること
  • 運転席と荷台スペースの間に仕切りを設けていること など

また、4ナンバーは上記に加えて、以下の条件を満たす車両に限られています。

  • 全長7m以下
  • 全幅7m以下
  • 全高0m以下
  • 排気量2,000cc以下

・乗用車と貨物車の違いは?

貨物車と乗用車の違いとして、まず挙げられるのは自動車税です。乗用車と貨物車では計算方法が異なり、乗用車は排気量、貨物車は積載重量をもとに算出されます。

最も額の低い区分で比較しても、排気量1L以下の乗用車は29,500円、最大積載量1t以下の貨物車は8,000円と大きな差があり、軽自動車の場合は自家用の乗用車が10,800円、事業用の貨物車は3,800円です。

また、自動車重量税の計算方法も乗用車と貨物車で異なり、乗用車は車両重量(車両のみの重さ)、貨物車は車両総重量(車両と定員と荷物の合計)で算出され、貨物車のほうが安く設定されています。

また、税金だけでなく、自動車保険料や車検期間にも違いがあります。

1ナンバーや4ナンバーは荷物の運搬を主とするため、走行距離が長く、不特定多数が利用するなどの理由により、保険料が高めに設定されていることが一般的です。

さらに車検の期間も異なり、乗用車は新車で3年、以後2年ごとに受けますが、貨物車は車両総重量8tを境に新車から1年または2年、以後は毎年車検を受けなければなりません。ただし、軽貨物車は2年ごとの車検です。

■トラックのナンバーは変更が可能

水色トラックおもちゃと工具

・用途が変わると構造変更の申請が必要

用途を貨物へ変更するには、荷台スペースの増設など基準を満たす必要があります。構造変更を伴うため、構造変更検査を受けて新たなナンバーを取得しましょう。

また、構造変更後にトラックの仕様を元に戻すと違法改造扱いとなるので、注意してください。

・車検は?

構造変更検査は、通常の車検と同じ手続き方法で問題はありません。必要書類と検査費用などを用意し、整備工場などにトラックを持ち込みましょう。構造変更の手続きは代行してもらえるケースが一般的です。

車両を識別しやすくするため、ナンバープレートは正しく設置しましょう。

また、車種や用途によってナンバーが区分されているため、用途を変更する際は構造変更の申請を忘れずに行なってください。

【ポールトレーラー】役割や構造、知っておくべき事柄をご紹介!

丸太運ぶ赤トラック

丸太運ぶ緑トラックのおもちゃ

トレーラーにはさまざまな種類があり、荷物によって使い分けられています。日中に見かけることは少ないかもしれませんが、ポールトレーラーもその一種です。

今回は、ポールトレーラーがどんな車両かを知りたい方に向けて、ポールトレーラーの役割や構造についてご紹介いたします。

■ポールトレーラーはどんな車両?

・ポールトレーラーの役割

ポールトレーラーは、電車や鉄骨など尺の長いものを運搬する際に用いられます。運転するには、大型免許とけん引免許が必要です。

・ポールトレーラーの構造

トレーラーヘッドとトレーラーは、ステアリングドローバーと呼ばれる部品によって連結します。トレーラーには、荷物を積載するターンテーブルが装備されているのも特徴です。トレーラーの後輪にステアリングを取り付け、タイヤの向きを制御することで小回りが利くように工夫されたタイプもあります。

<トレーラーヘッド>

トレーラーヘッドには荷台のあるタイプと、ないタイプの2種類が存在します。

荷台のあるタイプは平ボディに似た形状で、荷台にトレーラーを積めるのが特徴です。一方で荷台のないタイプはセミトレーラーに似た形状で、回送時はステアリングドローバーでトレーラーをけん引して走ります。

<ステアリングドローバー>

伸縮するため、40mを超える荷物も運搬できます。伸縮するバーと並行してコードが伸びており、このコードを伝ってエアや電力が送られる仕組みです。

ステアリングドローバーが荷物の長さに足りない場合は、ターンテーブルを固定し、車両が荷物の力に負けないよう対策をします。

<ターンテーブル>

車両が向きを変えても、荷物に負担がかからないようにする役割がある部品です。荷台があるタイプの場合、荷台前方に搭載されています。荷台と連結部の両方を担い、荷物を降ろすことで連結が切り離される仕組みです。

荷台のないタイプは、連結部にピントルフック式やベルマウス式が採用されているため、多くは第五輪に搭載されています。

<架台>

ポールトレーラーに載せる荷物は、それ自体が掛け渡し台のような役割をもちますが、強度が足りない荷物の場合は、架台と呼ばれる鉄製の台を下に敷きます。

また、複数の荷物をまとめて運搬する際は、スタンション(落下防止装置)付の架台が使用されます。

■ポールトレーラーの長さと積載量

丸太運ぶ赤トラック

・公道を走行できる寸法

公道を走行できるポールトレーラーの長さは、一般道で16m、高速道路では12m以下です。これを超える場合は警察署の許可が必要です。申請が認められると一般道で25m、高速道路では21m以下であれば走行できます。

・全長が規定値を超える場合の通行許可

警察署の許可が必要な長さも超える場合、別途申請を行わなければなりません。

申請する際は、以下の書類を提出します。

  • 特殊車両通行許可申請書
  • 車両の諸元に関する説明書
  • 車検証の写し
  • 通行経路図
  • 通行経路表
  • 車両旋回軌跡図
  • 積載時の荷姿図
  • 出発地と目的地の詳細地図
  • 貨物の概略などがわかるもの
  • その他道路管理者が必要とする書類

・積載量を確認・積載量を確認する方法

ポールトレーラーの最大積載量は、車検証に記載されています。

なお、かっこ内の数字は第五輪荷重(カプラーが耐えられる重さ)を表しています。

■重大事故につながる運転に要注意!

トラック横転画像

ポールトレーラーは特殊な形状をしているため、運転には細心の注意が必要です。

・ジャックナイフ現象

急ブレーキや急ハンドルを切った際に、連結部を起点にくの字に折れる現象です。トレーラーヘッドは制御できても、トレーラーは荷重に左右されて制御が効かないため、起こります。滑りやすい路面や過積載、勾配の変わり目などで発生しやすいので、注意しましょう。

・トレーラースイング

トレーラーの後輪がロックされることによって起こる現象です。急ブレーキをかけた衝撃を避けようと急ハンドルを切ると、トレーラーが左右に揺れ動き、周囲の車を跳ね飛ばしてしまう恐れがあります。雨天時や舗装されていない道路はロックされやすいので、車間距離を十分に確保しながら慎重に運転しましょう。

・プラウアウト現象

カーブで急ブレーキを踏むとトレーラーヘッドの前輪がロックされ、曲がり切れずに直進してしまう現象です。カーブを曲がる際は車間距離を十分に取り、減速時は複数のブレーキを併用しましょう。

・スネーキング現象

ヘビのように蛇行しながら走行する様子から名付けられました。荷台の重さに左右差があるときや、タイヤの空気圧が揃っていないとき、スピードを出し過ぎたときなどに起こります。最悪の場合、道路に横転してしまう可能性もあるため、日頃のメンテナンスが非常に重要です。

ポールトレーラーは特殊な形状をしていますが、運転自体は大型免許とけん引免許があれば可能です。ただし、一歩間違えると重大な事故を起こしかねないため、運転する際は正しい操作を意識し、安全運転を心がけましょう。

 

エレメント交換、ちゃんとしていますか?交換時期や費用などご紹介!

仕事で使うトラックを含め、車はメンテナンスが非常に重要です。

前回はいつ、エレメント交換をしたか覚えていますか?普段メンテナンスをきちんとしていれば問題ありませんが、いつ交換したか覚えていない、またはエレメント交換が何のことかよくわからないという方は一度エレメントの確認を行いましょう。

今回はエレメント交換についてご紹介いたします。

■エレメントとは

エレメントはエンジン内で非常に重要な存在です。

・エレメントとは

エレメントとは「オイルエレメント」のことで、エンジンオイルの汚れをろ過してきれいにするフィルターのことです。役割から、エレメントは別名「オイルフィルター」とも呼ばれています。

エンジンオイルはエンジン内の潤滑、冷却、洗浄、防錆、密閉の5つの役割を担っており、エンジンを動かすとエンジンオイルも作動します。エンジンは使っているうちに金属片や汚れをオイルに溜めてしまうので、エンジンオイルがきれいな状態を長く保つためにはエレメントが必要不可欠です。

・エレメント交換をしないとどうなる?

エレメントを交換しないと、オイルがろ過されなくなってしまいます。すると、エンジンオイルが汚れて5つの役割が正常に機能しなくなり、エンジンへの負荷が大きくなることで燃費が低下します。エンジンへの負荷が大きくなるとエンジンの寿命も縮んでしまいます。また、悪化するとエンジンが焼き付き、トラックが動かなくなることもあります。エンジンの交換が必要になると修理費用で100万円以上かかることもあるので、必ず定期的にエレメントを交換するようにしましょう。

■エレメント交換について

エレメント交換を行うのはどのようなタイミングが良いのでしょうか。

こちらではエレメント交換について時期や費用、注意点をご紹介します。

・交換時期

エレメントの交換目安は3種類あります。

①オイル交換時の2回に1回は交換する

②走行距離が2万kmになるごとに交換する

③同じエレメントを使用してから1~2年の間に交換する

長距離トラックを運転している方は走行距離で、あまり長距離運転しない方は使用期間やオイルの交換時に併せて行うなど、普段の使用方法から適したものを選びましょう。

また、走行距離はあくまでも目安なので1万kmで交換をするとより安心して走行できます。長くても、3万kmになる前には交換するようにしましょう。車体が小さな4tまでのトラックは1.5万kmくらいで交換することが望ましいです。

・交換にかかる費用

エレメントの交換にはエレメント本体の費用と工賃、エンジンオイルの交換費用が必要です。エレメントは1,000~3,000円程度でありますが、種類や交換する店舗によって異なります。工賃はエレメント本体と同じくらいになり、エンジンオイルは交換を含めて1,500~5,000円ほどかかります。目安として合計6,000~7,000円程度になると予想されます。

エレメントを交換する時は、エンジンオイルの費用も考えておかなくてはなりません。

エンジンオイルは車両が大きくなるほど必要な量が増えるので高額になります。

大型トラックは車両差が大きいので、自分のトラックにどれくらいのエンジンオイルが必要かを必ず調べておきましょう。

・エレメント交換の注意点

エレメントを交換すると、エンジンオイルも一緒に抜けてしまいます。そのため、エレメントと一緒にエンジンオイルも交換することになります。店舗などではエレメントとエンジンオイルの交換をセットで請け負っているところが多く、同時に交換しなければ対応してもらえないということもあります。

エンジンは自動車の心臓部と呼ばれるほど重要な場所です。長く安全にトラックを使うためにも、必ずエレメントの交換を行うようにしてくださいね。

■エレメントは自分で交換できる

・必要な道具

エレメントの交換には以下の道具を使用します。

【必要な道具】

  • 新しいエレメント
  • 新しいエンジンオイル
  • 新しいドレンワッシャー
  • エレメントレンチ
  • メガネレンチ
  • 廃油処理ボックス
  • ウエス(拭き取り用)
  • ジャッキ

【あると便利なもの】

  • オイルジョッキ
  • マグネット式ドレンボルトキャッチャー

エレメントの交換中はオイルが服に付いてしまう可能性があるため、事前に汚れても構わない服に着替えておきましょう。必要があれば軍手も用意してください。

・自分で交換するときの手順

ドライバーを持つ男性の手部分

はじめに1~5分ほどアイドリングをしておくと、エンジンオイルが滑らかになるのでおすすめです。周辺にオイルが飛び散る可能性もあるため、廃油処理ボックスの下に新聞紙を敷いておきましょう。

【オイルの抜き取り】

  1. ジャッキを使って車体を持ち上げる
  2. エンジンの下をのぞいてオイルパンの位置を確認する
  3. 廃油処理ボックスを設置する
  4. メガネレンチでドレンボルトを緩める
  5. メガネレンチまたはマグネット式ドレンボルトキャッチャーを使いドレンボルトを外す
  6. エンジンオイルを抜く
  7. ドレンボルトに付いたオイルをウエスで拭く
  8. ドレンボルトに新しいワッシャーを付ける
  9. メガネレンチを使いドレンボルトを締め戻す

【エレメントの交換】

  1. エレメントの下に廃油処理ボックスを設置する
  2. エレメントレンチを使ってエレメントを外す
  3. エンジンオイルがこぼれ出るので出し切る
  4. ウエスを使い、エレメントの取付部分に付いたオイルを拭く
  5. 古いエレメントのOリングが取付部分に残っていないかを確認する
  6. 新しいエレメントのOリングにエンジンオイルを塗る
  7. メガネレンチを使い、新しいエレメントを取り付ける
  8. 新しいエレメントやドレンボルトの周辺を拭く
  9. 廃油処理ボックスを車体の下から移動させ、ジャッキを降ろす

【エンジンオイルを注入する】

  1. オイルフィラーキャップを外す
  2. オイルジョッキを使って新しいエンジンオイルを注入する
  3. オイルレベルゲージでオイルの量を確認する
  4. オイルフィラーキャップを締める
  5. エンジンをかけて1~5分ほどアイドリングをする
  6. エンジンを止め、再びオイルゲージで量を確認する

ドレンボルトは一気に外さず、指で回せるようになったらマグネット式ドレンボルトキャッチャーで外すと手が汚れず、廃油処理ボックスにボルトを落とす心配もありません。

また、新しいエレメントのOリングにオイルを塗るのは、取り付け時にゴムのヨレを防ぐためです。

・自分で交換するときに気を付けること
トラックをジャッキで持ち上げて下から見た画像

ドレンボルトを目一杯に締めると、オイルパンの故障につながるので注意しましょう。力加減のしやすいデジタルトルクレンチの使用もおすすめです。

また、ドレンワッシャーの再利用はエンジンオイルの漏れにつながる恐れがあるため、必ず交換してください。この他にもいくつかの注意点があります。

  • やけど防止のため、エレメントの交換作業は運転直後を避ける
  • エンジンオイルの量は8分目を目安にする
  • ジャッキアップは平らな場所で行い、必要に応じて輪止めなどの道具も使用する
  • 抜き取ったエンジンオイルは自治体のルールに基づいて適切に処分する

・エレメントの処分

エレメントは自分で処分することも可能ですが、慣れていないと手間や時間がかかります。

自治体や整備工場、エレメントを購入したカー用品店などに引き取りを依頼しましょう。

■エレメントの種類

エレメント画像

・フルフロータイプ(カートリッジタイプ)

カートリッジタイプはむき出しのろ紙とOリングがセットで売られており、中身だけを交換します。エレメントの容器の中にろ紙があれば、カートリッジタイプです。

・フルフロータイプ(スピンオンタイプ)

まるごと交換するタイプで、金属製の容器の中にろ紙が入っています。ガソリン車に多く普及しています。

・フルフロー・バイパス併用タイプ

ディーゼル車に多く普及しているタイプです。フルフローフィルタとバイパスフィルタが併設されており、フルフローフィルタだけでは逃してしまう小さな汚れもキャッチします。

・コンビネーションタイプ

フルフローとバイパスのフィルタを合体させたタイプです。現在ではこのタイプを採用するディーゼル車が増えています。内部は複雑な構造をしているものの交換作業が1度で済むため、コスト削減に役立ちます。

【クレーン車の耐用年数】クレーン車を大切に乗り続けるポイント

白クレーン車の横画像

白クレーン車の横画像クレーン車は汎用性が高く、中古市場においても人気のある車両です。もともと壊れにくい構造をしているものの、中古で購入する場合は「何年乗り続けられるのか」と気になりますよね。

今回は、中古のクレーン車を購入する前に知っておきたい「耐用年数」ついてご紹介いたします。

■クレーン車の耐用年数

耐用年数には「法定耐用年数」と「耐用年数」の2種類があります。

・法定耐用年数

法定耐用年数とは、正しく減価償却をするために財務省が定めた固定資産の使用可能期間を指します。クレーン車などの高額な固定資産は、購入した初年度に費用を一括して経費計上できません。そのため、法定耐用年数の期間内に毎年分割し、計上します。これを減価償却といいます。

クレーン車の場合、法定耐用年数は新車登録をしてから4年です。この4年間のうちに購入費用を分割して会計処理を行いましょう。

また、新車登録からすでに4年以上が経過したクレーン車の場合、2年の法定耐用年数が適用されます。中古のクレーン車を購入する場合、新車登録から何年経過しているのかを確認し、法定耐用年数を算出しましょう。

なお、クレーン車はトラックにクレーンを架装していますが、クレーン作業よりも荷物の運搬を主に行う車両です。この場合、トラックとクレーンの資産価値は分けて計上せず、1つの固定資産として扱います。

・耐用年数

耐用年数とは、製品の使用限度を表す目安、いわゆる「寿命」です。耐用年数は実際の使用状況により変動しますが、一般的には走行距離70~80万kmが目安と言われています。

とはいえ、クレーン車を含む大型車両は頑丈につくられているため、メンテナンスが行き届いていれば耐用年数を超えていても乗り続けることは可能です。

■クレーン車の耐用年数を伸ばすには
はしごを担ぐ男性

・定期的なメンテナンスと早めの修理

クレーン車の車体部分はもちろん、クレーンのメンテナンスもしっかり行うことで耐用年数は伸ばせます。異音や異臭などの症状がある際は早期に整備工場へ持ち込み、修理するよう心がけましょう。

・適切な操作で負担をかけないようにする

クレーン車は平ボディのトラックなどとは異なり、クレーンを架装している分車体に負担がかかります。そのため、発進前はアイドリングをし、エンジン内部を慣らしてから運転することが大切です。

同様にクレーンの操作にも丁寧さが求められます。

クレーン車に搭載された油圧システムはエンジンの動力を変換し、作動する仕組みです。この動力を変換する装置のことをPTOといい、クレーンの使用後は切る必要があります。切らずに放っておくと、エンジンから発生した強力な圧力が油圧システムにかかり、故障の原因になるため、注意しましょう。

■法定耐用年数が経過すると乗れなくなる?

白トラック全面アップ画像

会計処理上の資産価値は、法定耐用年数を超えた時点で消滅してしまいますが、クレーン車自体の資産価値は消滅しません。また、法定耐用年数が過ぎたからといってクレーン車の走行機能や安全性に問題が生じることもないため、法定耐用年数を超えても乗り続けられます。

クレーン車の法定耐用年数や耐用年数が過ぎた後も長く乗り続けられるよう、日々の丁寧な運転・操作と日常的な点検・修理を習慣にしてくださいね。

トラックの形状はさまざま!一般的な上物の種類と特殊形状をご紹介!

ダンプから土をおろしている画像

銀色トラックボディ横

トラックはシャーシと呼ばれる枠組みと、上物と呼ばれる荷台を組み合わせることで完成します。上物にはさまざまな形状があり、トラックを選ぶうえで重要な部分です。

今回は、一般的な上物の種類と特殊な形状のトラックについてご紹介いたします。

■小・中・大型トラックの形状

・平ボディ

荷台の周りを「あおり」と呼ばれる板で囲んだシンプルな形状のトラックです。あおりの左右と後方はフラットに開くので、荷物の積み下ろしが簡単に行えます。

荷台の後方に、荷物の積み下ろしを補助する昇降装置を装備したタイプもあります。

・バンボディ

アルミでできた箱型の荷台を採用したトラックです。汎用性が高く、小~大型車まで幅広い種類のトラックに見られます。

後方の開閉ドアは観音開きになるタイプや上下にスライドするタイプ、また昇降装置を装備したタイプもあるため、用途に合わせて選べます。

・ウィングボディ

荷台の両側が鳥の翼のように広がる形状をしたトラックです。側面が大きく開くため、バンボディよりも荷役作業の効率化が図れます。

また、荷台の枠を幌で覆った「幌ウィング」と呼ばれるタイプもありますが、幌は安価で扱いやすい反面、耐久性に欠けることから「アルミウィング」が主流です。

幌ウィングは小・中型車に、アルミウィングは中・大型車に多く見られます。

・冷凍冷蔵車

荷台に冷凍冷蔵装置を装備した箱型のトラックです。庫内が2室に仕切られたタイプは、温度の異なる荷物を前方と後方に分け、それぞれ適温を保ったまま運搬できます。

また、ウィングボディの冷蔵冷凍車も存在し、主に温度管理が必要な野菜や果物、生花、精密機器などの運搬に利用されています。

■特殊な形状・仕様のトラック

・ダンプ車

ダンプから土をおろしている画像

荷台を立ち上げ、荷物を滑り下ろす仕様のトラックです。ダンプの呼び名は荷台が傾く方向によって異なり、後方のみに傾くタイプを「リヤダンプ」、横に傾くタイプを「サイドダンプ」、横と後方に傾くタイプを「三転ダンプ」と呼びます。

また、ダンプには土砂を運搬する「土砂ダンプ」のほか、軽量物の運搬に適した「土砂禁ダンプ」、鉱山の採掘場などで活躍する「重ダンプ」などさまざまな種類があります。

・セルフ/セーフティローダー

黄緑色セルフローダー

自走できない重機や物流機械の運搬などで使用されています。セルフローダーはアウトリガーを伸ばして車両の前方を持ち上げ、荷台が傾斜する形状です。一方、セーフティローダーは荷台自体を後方にスライドさせることで緩やかに傾斜します。

・クレーン付き

クレーン付き車両は、建設現場や造園業、運輸業などで使用されているトラックです。

通常のトラックに簡易クレーンの架装を施した形状の車両を「ユニック車」と呼び、クレーンの操作はレバーや無線操縦、リモコンなどで行います。

また、キャビンとクレーンの操作席が分かれている形状の「トラッククレーン」もありますが、最近ではキャビンでクレーンの操作もできる「ホイールクレーン」が主流になりつつあります。

・トレーラー

トラックとは異なり、トレーラーにはキャビンがないので自走できません。そのため、「トレーラーヘッド」と呼ばれるけん引車と連結させて移動します。

トレーラーは大型トラックより車体が大きく、積載できる荷物の量も多いため、作業現場でトレーラーヘッドと切り離せば荷役作業の効率化が図れます。

これらの他にもパッカー車やミキサー車など、さまざまな形状のトラックが幅広い業界で活躍しています。上物にもそれぞれ異なる特徴や役割があるので、業務に合わせて適したトラックを選びましょう。

トラッククレーンの基礎知識を解説!種類や必要な免許とは?

主に工事現場や建築現場で利用されているトラッククレーン。近年ではオールテレーンクレーンが主流になりつつありますが、まだまだトラッククレーンは活躍しています。それほどトラッククレーンは非常に便利な特殊車両です。

今回はトラッククレーンがどのような車なのかと、所持するにあたって必要なことをあわせてご紹介いたします。

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セミトレーラーとは?種類や走行時の注意点について

白セミトレーラー

白セミトレーラー

セミトレーラーとは、運転席と荷台部分を切り離せる貨物用車両です。荷台は貨物に合わせてさまざまな種類があり、主に8種類に分けられます。規格・寸法ともに通常のトラックより大きいため、道路を走行する際は国の許可が必要です。

今回はセミトレーラーの構造や種類、通行許可に必要な申請についてご紹介いたします。

■セミトレーラーとは

・セミトレーラーの構造

セミトレーラーはけん引車両であるトレーラーヘッドと、被けん引車両であるトレーラーをカプラやキングピンと呼ばれる連結器で連結させたトラックです。トレーラーヘッドには荷台が、トレーラーには運転席がないため、これらを連結させることにより初めて荷物の運搬を行えます。

・セミトレーラーの種類

<スタンション型>

平坦な荷台の上に荷物を載せて運搬します。荷台の前方や側面にはスタンションと呼ばれる落下防止用の手すりや、ワイヤーフックが取り付けられています。

<あおり型>

荷台の四方にあおりが付いています。鳥居や中柱、ワイヤーフックが取り付けられている固縛を前提としたタイプとそうでないタイプがあります。

<船底型>

荷台の中央部分が船底のように窪んでいることから名付けられました。窪みがあることにより、荷物を安定して運搬できます。

<コンテナ型>

海上コンテナの運搬用として使用されています。シャーシのフレームには四方にツイストロックが装備されており、これによりコンテナを固定します。

<バン型>

最も普及しているトレーラーです。側面の一部と後方に扉のあるバンタイプや、側面が大きく開くウィングタイプ、冷凍冷蔵仕様など種類は多岐にわたります。

<タンク型>

石油やガスなどを運搬する際に使用されるのがタンク型のセミトレーラーです。ガソリンスタンドなどでよく見かけるタイプが該当します。

<車両運搬用>

乗用車の運搬用に開発されたセミトレーラーで、国内においては最大8台まで積載できます。トレーラーヘッドに積載できるタイプもあります。

<幌枠型>

平ボディをベースに幌を被せた骨組みを装備しています。蛇腹に折りたためるので、荷物を雨や雪から保護できます。

・フルトレーラーとの違い

セミトレーラーとは形状が異なり、トラックの後方にトレーラーを連結させた車両がフルトレーラーです。フルトレーラーはトレーラーヘッド単体で自走できるだけでなく、トレーラーヘッドにも荷物を積載できるため、1度でトラック2台分の荷物を運搬できる特徴があります。

■セミトレーラーで道路を通行する際の注意点

STOPの紙を持った女性

・道路を通行できる車の条件

道路法では道路の安全性を確保するため、通行できる車両の条件として「一般的制限値」を定めています。セミトレーラーの場合、一般的制限値を超えて構造が特殊な車両として扱われるため、道路を通行する際には特殊車両の通行許可が必要です。

道路管理者がやむを得ないと判断した場合に限り、通行条件を付与したうえで通行が認められます。

・特殊車両の通行許可には審査が必要

セミトレーラーが通行許可を受けるには、書類を揃えて申請した後、審査に通過する必要があります。申請から許可を受けるまで一定期間を要し、新規申請や変更申請の場合は3週間前後、更新申請の場合は2週間前後の期間がかかります。審査に通過すると、通行条件とともに許可証が発行される仕組みです。

申請書は通行する道路の管理者に提出します。

道路の管理者とは、国の道路事務局や自治体の市役所、建設事務所、各高速道路(株)など、複数あるため、注意しましょう。

■特殊車両の通行許可申請に必要な書類

車両運搬車の前に立つ男性

<新規申請>

  • 特殊車両通行許可申請書
  • 車両内訳書(包括申請のみ)
  • 車両の諸元に関する説明書(新規格車の場合は不要)
  • 通行経路表
  • 通行経路図
  • 車検証の写し
  • 軌跡図
  • 道路管理者が必要と判断した書類

新規格車とは、一部のセミトレーラー(バン型、タンク型、幌枠型、コンテナ型、車両運搬用)の寸法が一般制限値の範囲内であり、総重量が最大26tの車両を指します。

新規格車に該当する場合、車体に【20t超】のワッペンを貼り付けます。

<更新申請>

  • 特殊車両通行許可申請書
  • 新規申請より後に交付を受けた許可証と付随する書類の写し
  • 道路管理者が必要と判断した書類

<車両や経路の変更申請>

  • 特殊車両通行許可申請書
  • 車両内訳書(包括申請のみ)
  • 車両の諸元に関する説明書(車両変更時のみ)
  • 車検証の写し(車両変更時のみ)
  • 軌跡図
  • 通行経路表(経路変更時のみ)
  • 通行経路図(経路変更時のみ)
  • 新規申請より後に交付を受けた許可証と付随する書類の写し
  • 道路管理者が必要と判断した書類

更新や変更の申請を、新規申請をした際と異なる窓口で行う場合、新規申請時と同様に改めて書類を揃える必要があります。

セミトレーラーは特殊車両に該当するため、許可を受けないと道路を通行できません。

また、車両の制限に関する法令は道路法以外にも、道路交通法や道路運送車両法など複数あります。しっかりと確認したうえで適切に対応しましょう。

「トレーラーヘッド」と「トレーラー」の構造や寸法、運転に必要な免許は?

白トレーラーヘッド
白トレーラー後ろ側

Semi truck with white trailer. You can add your content here.

一般的にトレーラーと呼ばれるトラックは、「トレーラーヘッド」と「トレーラー」を連結させて走ります。連結時の全長は法律によって制限されているため、運転する際は注意しましょう。

今回はトレーラーヘッドとトレーラーの構造や寸法、運転に必要な免許をご紹介いたします。

■トレーラーヘッドとトレーラーの構造

・トレーラーヘッドとは

トレーラーヘッドとは、トレーラーと呼ばれる貨物車両をけん引するための車両です。トレーラーだけでは自走できないため、トレーラーヘッドと連結させて荷物を運搬します。

・トレーラーは大きく2種類

トレーラーは日常でもよく見かける「セミトレーラー」と、日本国内ではあまり見かけない「フルトレーラー」の2種類があります。

<セミトレーラー>

セミトレーラーは、トレーラーの一部をトレーラーヘッドに乗せるように連結させる構造です。タイヤはトレーラーの後方のみに装着されているため、連結を解除する際は補助足によって前方を支えます。

<フルトレーラー>

一方フルトレーラーはタイヤが前後に装着されており、トレーラーヘッドの後部と連結させて走行します。フルトレーラーのトレーラーヘッドは大型トラックのような形状をしており、連結させずに単体で荷物を運搬することも可能です。

連結走行中は双方ともにブレーキ操作や方向指示器の点滅など、トレーラーヘッドとトレーラーを連動させて行います。

・トレーラーの寸法は?

連結時の全長は法律によってセミトレーラーが最大18m、フルトレーラーが最大25mと定められています。しかし、現在活躍しているセミトレーラーの寸法は16.5mが一般的です。

■トレーラーの運転に必要な免許

オレンジポロシャツの運転手

・運転免許と牽引(けんいん)免許が必須

セミトレーラーを運転する際は、第一種免許(大型・中型・準中型・普通・大型特殊)に加えて、牽引免許も取得しなくてはなりません。

牽引免許は、「牽引免許」「第二種牽引免許」「牽引小型トレーラー限定免許」の3つに分けられています。

<牽引免許>

車両総重量750kg以上の被牽引車両をけん引する際に必要

<第二種牽引免許>

トレーラーバスなどの旅客車両をけん引する際に必要

<牽引小型トレーラー限定免許>

車両総重量750kg超~2,000kg以下の被牽引車両をけん引する際に必要

・牽引免許の取得条件と費用

牽引免許の取得には以下の受験資格を満たしている必要があります。

<牽引免許取得の受験資格>

年齢:18歳以上

視力:両眼で0.8以上かつ一眼で0.5以上

深視力:三桿法(さんかんほう:奥行視力検査)で3回計測した結果、平均誤差が2cm以下

色彩識別能力検査:赤・青・黄を識別できる

聴力検査:10m離れても90dbの警音器を聞き取れる(補聴器の使用含む)

所持免許:第一種免許(大型・中型・準中型・普通・大型特殊)のどれか、または第二種免許を取得済

第二種牽引免許の受験資格もほぼ同じですが、年齢や所持免許、運転期間などが異なります。

年齢:21歳以上

取得期間:第一種免許の取得から通算で3年以上経過しているまたは他の第二種免許を取得済

所持免許:すでに牽引免許を取得済

■トレーラーヘッド単体を運転する場合

白トレーラーヘッド

・必要なのは運転免許だけ

トレーラーの運転には第一種免許と牽引免許の取得が必要でしたが、トレーラーヘッドのみを運転するのであれば牽引免許は不要です。ただし、該当する区分の第一種免許は必要です。

・普通免許で運転できる?

トレーラーヘッドが小型(高さ2m未満、幅1.7m未満、長さ4.7m、最高時速15km未満)であれば、普通免許でも運転できます。

また、車両総重量750kg以下の被牽引車両をけん引する際も牽引免許は不要です。

とはいえ、運送業などで国内を走行する主なトレーラーは小型以上であることが多く、必然的に中・大型の運転免許と牽引免許を取得することになるでしょう。

トレーラーヘッド単体の運転に牽引免許は不要ですが、トレーラーを運転できると仕事の幅も広がります。トラックの運転や長距離運転が好きな方は、ぜひ牽引免許の取得にチャレンジしてみてはどうでしょうか。