トラック

トラックを運転するならギアチェンジのコツを掴もう!ギアの名称や違いから解説

透明トラックギア

透明トラックギア

MT(マニュアルトランスミッション)は、現在も多くのトラックに採用されています。トラックを運転するならギアチェンジのコツを掴み、効率的な運転や燃費向上に役立てましょう!

今回はトラックのギアの名称と違いをおさらいしたあと、ギアチェンジのコツを詳しく解説いたします。

■トラックのギアの名称と違い

普通車はAT(オートマチックトランスミッション)が普及している中、トラックなどの大型車は今でもMT(マニュアルトランスミッション)が主流です。

・多くのトラックに採用されるMT

トラックは数百kgから数tもの荷物を運搬します。重量は発進、加速、登坂時に影響を及ぼすため、積載量や路面の状態に応じてギアを自分で切り替えられるMTでなければ燃費のよい走行はできません。

またMTはATほど構造が複雑ではないため、故障が少なく、ランニングコストが安く済むのも理由です。

・ギアの名称と違いについて

そもそもギアは歯車を意味する英語で、トランスミッション(変速機)を構成するパーツの一つです。トランスミッションには、クラッチを通じてエンジンの動力を車輪に伝える役割があります。

大小一対の歯車をかみ合わせた状態で小さな歯車を回転させると、大きな歯車は小さな歯車の倍の力で回ります。反対に大きな歯車を回転させると、小さな歯車の回転数は倍になる仕組みです。これを応用したのがトランスミッションです。トラックドライバーは走行状態に合わせてギアチェンジを行います。

ギアは「L」から始まり、エンジンの回転数や速度に合わせて徐々にギア段を上げていきます。

ギアの名称と違いを簡単にご紹介します。

「L:ローギア」

発進時に使用する

「2:セカンドギア」

ローギアで発進したらセカンドギアに切り替える

セカンドギアで徐々にスピードを上げていく

「3:サードギア」

セカンドギアでスピードが出だしたらサードギアに切り替える

時速30kmまで出るため、狭い道などで使用することもある

「4:トップギア」

時速50~60kmまで出せるため、一般道を走行する際のメインギア

停止する際はトップギアの状態でブレーキを踏み、減速に合わせてギアを切り替える

「5:オーバートップギア」

高速道路で使用する

「R:バックギア」

MT車では半クラッチで速度調整を行いながらハンドルを操作する

慣れていないとエンストしてしまうため、運転技術が必要

■ギアチェンジのコツは?

トラックギア部品

・クラッチを調整する

クラッチを調整しておくと、スムーズなギアチェンジが可能です。トラックは普通車に比べてパワーがあるので、クラッチペダルから足を外してもすぐにクラッチがつながってしまいます。定期的に調整しておくことで遊びの間隔が適切になり、発進時に車体がガタガタと揺れるのを防げるでしょう。

・シフトアップは丁寧に行う

シフトアップとは、ギアを1つ上げることです。車体が揺れるのを防ぐためにも、シフトアップは焦らず丁寧に行いましょう。エンジンの回転数が十分に上がったタイミングでシフトアップをすれば、スムーズに加速できます。

・補助ブレーキの活用

トラックのシフトダウンはエンジンブレーキを使わずに行いましょう。ディーゼルエンジンのトラックにはリターダーと呼ばれる補助ブレーキが搭載されているので、うまく活用して少しずつシフトダウンをするのがコツです。

リターダーはエンジンブレーキよりも制動力が高く、また主ブレーキの負担や消耗を減らせます。

■MT以外のトランスミッション

倉庫に駐車するトラック数台

・オートマチックトランスミッション

自動変速装置を搭載することにより、システムが自動的に変速の管理を行います。ドライバーはアクセル、ブレーキ、ハンドル以外に操作をする必要がなく、誰でも簡単に運転できるのがメリットです。

ただし、MTに比べて車両価格や維持費が高いため、長距離を移動するトラックとしてはメリットが少ないかもしれません。

・セミオートマチックトランスミッション

MTとATの機能を併せ持つのがセミオートマチックトランスミッションです。クラッチ操作が不要で、エンジンの回転数から適切なギアを自動で選択してくれます。

ギアチェンジは必要に応じて手動で行えるため、AT車に乗っている感覚で手軽にシフトアップやシフトダウンができるのもメリットです。

車両本体価格や維持費は高めですが、ATよりも燃費がよいため、セミATのトラックを採用する運送会社も増えつつあります。

ギアチェンジやクラッチ操作に慣れないうちは難しく感じるかもしれませんが、練習すればコツを掴めるはずです。スムーズなギアチェンジを習得し、燃費のよい走行を実現しましょう。

トラックタイヤの空気圧を点検する方法と適正値について

トラック空気圧

トラック空気圧

トラックを安全に走行するためには、タイヤのメンテナンスが非常に重要です。空気圧が適正値に保たれていると快適に走行できるだけでなく、多くのメリットがあります。

今回は、トラックタイヤの空気圧の適正値や点検方法についてご紹介いたします。

■トラックタイヤの空気圧の適正値は?

トラックタイヤ横画像

まずはトラックタイヤの空気圧についてご説明いたします。

・トラックのサイズ別の最大空気圧

トラックタイヤは車両の大きさによって最大空気圧が異なります。

・小型トラック(1トンクラス)…350~600kpa

・小型トラック(1~3.5トンクラス)…450~650kpa

・中型・大型トラック・バス…700~900kpa

車両が大きくなるほど支える力が求められるので、高い空気圧が必要です。

・空気圧を適正に保たなければいけない理由

タイヤには、荷重支持機能、駆動・制動機能、緩衝機能、安定機能の4つの機能があります。また、この他にも燃費性能の高さ、耐久性の高さ、居住性能の高さも求められます。

これらを十分に発揮させるためには、適正な空気圧を維持することが非常に重要です。

・タイヤの空気圧が適正じゃないとどうなる?

タイヤの空気圧は高すぎても低すぎてもデメリットがあります。高すぎるとタイヤのセンター部分に負荷がかかりセンター摩耗が起こる、乗り心地が悪くなる、トレッド面(接地面)が傷つきやすくなるなどが挙げられます。

一方で空気圧が低すぎるとタイヤのトレッド面が増え、外側と内側が摩耗する原因につながります。また、摩擦が増えると燃費が悪化するだけでなく、ハンドル操作や乗り心地にも悪影響を与えかねません。

・点検は2週間に1回のペースがおすすめ!

タイヤの空気圧はこまめに確認しましょう。点検は1か月に1度程度が目安ですが、トラックは長距離走行や負荷荷重によって空気圧が低下しやすいため、2週間に1度を目安にすると安心です。

■トラックタイヤの空気圧を点検する方法

空気圧点検工具

こちらではトラックタイヤの空気圧を点検する方法についてご紹介いたします。

・タイヤの適正空気圧を確認

一般的には運転席のドア開口部に記載されていますが、見当たらない場合は取扱説明書やインターネットで検索して確認しましょう。前輪と後輪では適正値が異なることもあるので、注意してください。

どうしてもわからない場合や不安な場合は、ガソリンスタンドや整備工場へ依頼するのがおすすめです。

・タイヤが冷めているかを確認

特に長距離走行をした後のタイヤは摩擦により熱をもち、タイヤ内部で熱膨張が起こります。熱膨張が起こっていると正確な空気圧が測定できないので、タイヤが冷めるまで待ちましょう。

・タイヤゲージで空気圧を測定

ガソリンスタンドやカー用品店などでプロに確認してもらう方法以外に、自分でタイヤゲージを使って測定する方法もあります。タイヤゲージを使って自分で測定する手順は下記の通りです。

  1. タイヤのエアバルブを開ける
  2. エアバルブにエアゲージのホースを装着する
  3. 空気圧をモニターで確認する

・空気圧を適正値に調整する

タイヤの空気圧が適正値でない場合、空気量を手元のプラスとマイナスのボタンで調整します。ダブルタイヤの場合、内側と外側は同じ空気圧にしましょう。空気圧が異なると片側にだけ負担が大きくなってしまい、タイヤが損傷するだけでなく、事故につながりかねません。

また、タイヤの見た目では空気圧の変化がわからないため、必ず空気圧の調整は数値をモニタリングしながら行なってください。

適正値に調整できたら、エアバルブのキャップを忘れずに閉めましょう。

トラックの燃費はタイヤの空気圧によっても左右されます。安全で快適な運転をするためにも、トラックの空気圧をこまめに確認しましょう。

 

トラクターヘッドってなに?運転するために必要な免許や最大積載量など解説!

黒トラクターヘッド

黒トラクターヘッド

トラクターヘッドとは、トレーラーを牽引(けんいん)するための車両です。単体で走行している姿を見る機会は少ないですが、トレーラーヘッドのみで走行することも可能です。

今回は、トラクターヘッド・トレーラーの構造や走行に必要な運転免許について詳しく解説いたします。

■トラクターヘッドとは

まずはトラクターヘッドがどのようなものかをご紹介いたします。

・トレーラーを牽引する車両

トラクターヘッドはトレーラーを牽引する車両のことで、単体では荷物の積載ができません。トラクターヘッドは略して「トラクタヘッド」「トラクタ」「ヘッド」などとも呼ばれています。

トレーラー部分を変えるだけで、さまざまな形状の荷物を運べるのが大きな魅力です。

・トラクターヘッド・トレーラーの構造

おもちゃのピンクトラクターヘッドと人

トレーラーはトラクターヘッドと連結することで走行ができます。トレーラー単体では走行できません。

また、トレーラーには前輪のない「セミトレーラー」と、前後に車輪がある「フルトレーラー」の2種類があります。

トレーラーは通常のトラックよりも車体が長いため、複数のブレーキを搭載しているのも特徴の一つです。

・牽引力を左右する第5車輪荷重とは

第5車輪とは、トラクターヘッドとトレーラーを連結する部品(カプラとキングピン)です。この部品だけでトレーラーを引っ張るので、走行中は非常に大きな負荷がかかります。

トラクターヘッドの最大積載量は「最大積載量○○kg[○○kg]」と記載されますが、この[]の中の数字が第5車輪荷重です。

・最大積載量は大きさで異なる

セミトレーラーの場合、最大積載量はおよそ1軸で16トン、2軸で20トン、3軸で22トンが基本です。バラ積みであればバラ積み緩和の適用により、車両総重量は36トンまで許可されます。ただし、第5車輪荷重を超えた積載は認められません。

■トラクターヘッドを運転するために必要な免許

教習中のトラック

トラクターヘッドの運転には免許が必要です。

・トラクターヘッドのみなら大型免許で運転可能

トラクターヘッドは大型車両なので、大型免許を有していれば運転できます。そのため、トレーラーを連結せず回送業務のみなどであれば、大型免許しか有していなくても問題はありません。

・トレーラーを牽引する場合は牽引免許が必須

しかし、トレーラーを牽引する場合は、大型免許のほかに「牽引免許」が必須です。牽引免許は、車両総重量750kg以上の車両を牽引する際に必要な免許です。

牽引免許には、第一種免許と第二種免許の2種類があります。第一種免許は公道を運転する際に必要で、第二種免許はトレーラーバスなど営業目的でトレーラーを牽引する際に必要な免許です。荷物の運搬だけであれば、第一種免許で行えます。

また、750~2,000kg未満の車両総重量のトレーラーを牽引する場合は、「牽引小型トレーラー限定免許」でも運転が可能です。

・普通免許や小型特殊免許では運転できない?

運転したいトラクターヘッドが最高速度15km/h未満、高さ2m未満、幅1.7m未満、長さ4.7m未満の小型の場合、小型特殊免許でも運転できます。また、牽引免許が必要になるのは車両総重量750kg以上からなので、750kg未満のトレーラーであれば牽引免許も不要です。

しかし、一般的にこれらのトレーラーが運送業務で使用されることはほぼありません。そのため、トレーラーやトラクターヘッドを業務で使用したい場合は、牽引免許の取得をおすすめします。

トラクターヘッドとトレーラーは業務効率の向上に欠かせません。転職などでも有利になるので、スキルアップを目指している方は積極的に牽引免許を取得してみてはどうでしょうか。

アドブルーがなくなるとトラックは走らない?!補充の目安と空になった際の対処法について

ガソリン給油

道路を走る白トラック

ディーゼル車といえばエコなイメージが強いものの、実は排出ガスには多くの大気汚染物質が含まれていることをご存じでしょうか。

アドブルーは、そんな有害物質の排出を抑えるために用いられています。

今回は、軽油を燃料として走るトラックに不可欠なアドブルーについてご紹介いたします。

■アドブルーとは

おもちゃの白トラック2台とビー玉

まずはアドブルーについてご紹介いたします。

・尿素SCRシステムに使用する尿素水

アドブルーは尿素SCRシステム(blue tech)に使用される尿素水のことで、排出ガスに含まれている有害物質を化学反応によって無害な水と窒素に分解させる役割があります。

アドブルーは安全性が高いため、資格を有していなくても扱える製品です。

・尿素SCRシステムの仕組み

尿素SCRシステムは、最新のディーゼルエンジン車に搭載されています。排出ガス中の窒素酸化物にマフラー内部でアドブルーを噴射すると、化学反応が起こる仕組みです。

最近は環境保護が世界規模で課題になっているため、日本だけでなく海外でも普及しています。

・アドブルーは水の混入に要注意

アドブルーに水が混入すると故障を招きます。補給時には必ず蓋を付け忘れないように注意しましょう。また念のため、ガソリンスタンドで補給した際も、店員が閉め忘れていないか確認してください。

■アドブルーがなくなるとトラックは走らない?

・エンジンを切らなければ大丈夫!

アドブルーがなくなると、トラックのエンジンがかからなくなるため要注意です。走行中になくなった場合、エンジンを切らなければ走り続けられますが、一度エンジンを切ってしまうと走れません。

アイドリングストップの現場では説明が必須です。

・エンジンを切ってしまった場合の対処法

エンジンを切ってしまった場合、アドブルーを補給しないとトラックは動きません。よってアドブルーの調達と補充が対処法です。

トラックが利用できるガソリンスタンド、ロードサービスなどでアドブルーの配達を依頼しましょう。周囲にトラックドライバーがいる場合は、予備のアドブルーを搭載していることもあるので、一度声をかけてみるのもよいですね。

トラックには常に予備のアドブルーを搭載しておくと安心です。

■アドブルーの補充方法と目安について

・アドブルーを補充する目安①タンクの容量

小型トラックのアドブルータンクの容量はおよそ15~30Ⅼ、中型トラックは30~40Ⅼ、大型トラックは40~60Ⅼです。ただし、車種によって異なるため、自分が運転するトラックの容量は把握しておきましょう。

・アドブルーを補充する目安②走行距離

車種によって燃費が異なるのであくまでも目安の一つですが、アドブルー1Ⅼあたりの走行距離はおよそ1,000kmです。また、積載量が多い大型のトラックであるほど消費量は増加します。

走行前はアドブルーの残量と、走行距離に対して十分な量があるかを確認しましょう。

・アドブルーの補充はどこでできる?

ガソリン給油

アドブルーはガソリンスタンドや整備工場、カーショップなどで補充できます。複雑な作業ではないので、補充は10分ほどです。費用は1Ⅼあたり200~500円ほどで、高い工賃は発生しません。

また、補充用のアドブルーがあれば、自分での補充も可能です。補充の方法はウォッシャー液と同じで、アドブルータンクの蓋を開けて注ぎます。ただし、こぼしてしまうと金属部分の腐食につながるため、注意しましょう。もしこぼしてしまった場合はきれいに拭き取り、水で洗い流すことを忘れないでください。

アドブルーはエコなドライブに欠かせません。故障や残量不足にならないよう、日頃からこまめに確認をして安全な運転を心がけてください。

 

トラック荷台からの「はみ出し」には制限がある!はみ出し対策を紹介

荷台より大きな荷物を運んでいるトラックを見かけたことはありませんか。
トラックの荷台に積む荷物は重さ以外に大きさにも制限があります。
荷台より大きな荷物を運ぶときの対処法や車両のサイズ別に平ボディの荷台の大きさをご紹介いたします。

■代表的なトラックの荷台とその特徴

代表的な6タイプの荷台の形とその特徴を紹介します。

・平ボディ

平ボディとは、名前の通り荷台が平らなので、荷物落下を防止するアオリが荷台の四方に付いています。
特徴としては、荷物の積み下ろし作業の効率がとても良い反面、風雨や直射日光の影響を受けやすいというデメリットもあります。

・クレーン架装

クレーンタイプは、キャブと荷台の間にクレーンが搭載されており、荷物の積み下ろし作業をそのクレーンで行えるのが特徴です。

・ダンプ

ダンプは、荷台に様々な荷物を積むことができて、荷台を傾けて積み荷を流し落とせる機械装置が付いているのが特徴です。

・アルミバン

アルミバンは、車体の後部にアルミ製の丈夫な箱型の荷台を装備しています。
荷室が密閉可能なため、雨風や直射日光の影響を受けないのが特徴です。

・ウィング

ウィングとは、アルミバンの荷室の両側面が開口するタイプのことをいいます。
両側面から荷物が積み下ろせるので効率的に作業が進みます。

・冷凍/冷蔵車

冷凍/冷蔵車とは、断熱材と冷却装置を架装したアルミバンの箱型荷室を荷台に搭載しています。食品を冷凍・冷蔵したまま運べることから飲食業界を支える重要な存在です。

■トラックの荷台の寸法(平ボディ参考)

使用頻度が高い平ボディの荷台の平均サイズを車両の大きさ別に紹介します。

・大型(10トン)トラックの荷台平均寸法

荷台の長さ 9,000mm前後
荷台の幅 2,400mm前後
荷台の高さ 450mm 前後

・中型(4トン)トラックの荷台平均寸法

荷台の長さ 6,200mm前後
荷台の幅 2,130mm前後
荷台の高さ 400mm前後

・小型(2トン)トラック荷台平均寸法

荷台の長さ 3,150mm前後
荷台の幅 1.800mm前後
荷台の高さ 220mm前後
小型・中型は用途によって「ショートボディ」「標準ボディ」「ロングボディ」「ワイドボディ」「ワイドロングボディ」「スーパーロングボディ」など規格が豊富です。(各タイプの詳細な寸法はメーカーにより異なります)

■トラックの荷台の車種別寸法

トラックの各大きさの特徴や車種別に荷台の寸法を紹介します。

・大型(10トン)トラックの車種別寸法

トラック全面アップ

中~長距離の運送で活躍する大型トラックは、家具や大型家電、土木・建築資材など大きくて重量がある荷物の運搬に使われています。

<車種別寸法>

メーカー     車種                   長さ    幅    高さ

日野        プロフィア                 9,670mm  2,490mm  267mm

三菱ふそう     スーパーグレート(ショートキャブ)      10,030mm    2,340mm  450mm

スーパーグレート(フルキャブ)              9,550mm  2,340mm  450mm

スーパーグレート(スーパーフルキャブ)        9,600mm 2,340mm  450mm

UDトラックス  クオン                         9,500mm    2,490mm    450mm

いすゞ       ギガ                            5,100mm  2,490mm    500mm

・中型(4トン)トラックの車種別寸法

中型トラックは、家電や雑貨、食料品などの運搬、また引っ越しで使われることが多いトラックです。

<車種別寸法>

メーカー    車種                 長さ    幅    高さ

日野     レンジャー(標準キャブ)               7,040mm     2,360mm 390mm

三菱ふそう  ファイター(フルキャブ)          6,200mm   2,120mm 400mm

マツダ    タイタン(標準キャブ)        4,355mm      1,790mm    380mm

UDトラックス  コンドル                       6,200mm   2,120mm    400mm

いすゞ       フォワード(フルキャブ)         6,200mm      2,150mm    400mm

・小型(2トン)トラックの車種別寸法

小口配送に向く小型トラックは、小包など地域の配送でよく使われています。

<車種別寸法>

メーカー    車種                 長さ    幅    高さ

日野     デュトロ(標準ボディ)                  3,115mm   1,695mm  380mm

三菱ふそう  キャンター(標準ボディ)              3,120mm    1,615mm 380mm

トヨタ    ダイナ(標準ボディ)           2,850mm      1,600mm    380mm

マツダ    タイタン(スタンダード)              3,120mm      1,620mm    380mm

いすゞ       エルフ(標準ボディ)          3,120mm      1,620mm     380mm

・平ボディトラックのおすすめメーカーは?トラックの前にたたずむ男性

平ボディのトラックは、国内トラックメーカー4社、ほぼすべての車種で製造されています。パワーを求めるなら、日野もしくはUDトラックス、安定走行を重視するなら、いすゞと三菱ふそうがおすすめです。環境面を重視するなら、燃料に天然圧縮ガスを使用するいすゞのCNG車を選ぶのもよいでしょう。

■トラックの荷台から荷物がはみ出すときの対処法

輸送の際、荷台から荷物がはみ出ることもあります。
荷物がはみ出る際に必要となる申請や、はみ出した荷物にすべきことを紹介します。

・トラックの荷台に乗せることができる荷物の大きさ

トラックの荷台に乗せることができる荷物に大きさは、道路交通法により次のように定められています。

荷物の幅 自動車の幅内
荷物の長さ 荷台に荷物を積んだ状態の全長が1.1倍以内
荷物の高さ 全高3.8mから積載する場所の高さを引いたもの

トラックの荷台に対して1割程度ははみ出しても問題ないということが分かります。

・荷台から荷物がはみ出すときは申請が必要

はみ出しが可能な範囲を超える荷物を運送するときは、出発する地域を管轄する警察署の交通課に申請書類を提出し、警察署長の許可を得る必要があります。

〈警察署に申請する際の条件〉
荷物の幅 荷物と車両の全幅が3.5m以下

(車両の幅に1.0mを加えたもの以下で、左右がそれぞれ0.5m以下のはみ出しであること。)
荷物の長さ 荷物と車両の全長が16m以下
荷物の高さ 地面からの全高4.3m以下

申請書の他にも運行経路図や積載方法の概略図などが必要になります。

・荷台から荷物がはみ出るときの対処法

申請許可が下りた後、はみ出る荷物を運搬する際は荷物の後方部分に赤い布を付けなければなりません。赤い布のサイズは四方30cm以上であることと決まっています。
はみ出した荷物の対処法をしっかり覚えて、違反しないように注意しましょう。

■許可なくはみ出しの制限を超えたら…

許可なくはみ出し制限を超えた場合は、ドライバー、荷主、事業者への罰則があります。

・違反した場合の罰則

女性警察官が手でストップ

トラックのはみ出し制限を超えた場合や、道路管理者の許可を得ていない場合、また許可証を携帯していなかった場合は、道路法違反で100万円以下の罰金が科されます。罰金に加えて、免許証も1点加点されます。

・荷主や事業者はどうなる?

過積載が認められる場合には、警察署から荷主に対して再発防止命令が出されます。再発防止命令に違反した場合は、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金が科されます。

事業者には運行管理者の資格取り消しや、事業許可の取り消し処分が行われることがあり、懲役刑や罰金刑の可能性も考えられます。

■トラックの荷台に人を乗せてもいい?

原則として、荷台に人が乗ることは違法行為です。

・荷台に人を乗せることはできない

トラックの荷台は人が乗ることを想定して作られていないため、人を乗せることは禁止されています。ただし、荷台に人が乗ることを許可されるケースがあります。

・許可されるケースと注意すべきこと

道路交通法第55条第1項(乗車または積載の方法)で、荷物を看守するための最小限の人員であれば荷台に乗車できると規定されています。ただし、積荷がなければ荷台に乗車しないこと、必要最低限の人数にとどめることを忘れないでください。

■まとめ

トラックの大きさや車種などメーカーによって、荷台寸法や積載量は異なります。自分の業務に適したトラックをしっかり選ぶことが重要です。

トラックの圧縮エアーが溜まらない?コンプレッサーの故障が原因かも…

トラック全面を点検する男性

ヘルメット被った男性

トラックの圧縮エアーが溜まらない原因として考えられるのは、コンプレッサーの故障です。トラックには圧縮エアーを動力とする機能が多く備わるため、不足するとさまざまなトラブルに発展します。

今回はトラックのコンプレッサーについて、故障のサインや原因、メンテナンスの方法も併せてご紹介いたします。

■圧縮エアーが溜まらない原因はコンプレッサー?

・トラックのコンプレッサーとは

トラックのコンプレッサーとは、圧縮エアーの供給源となるパーツです。圧縮エアーはエアブレーキのほか、クラッチ操作やシフト操作などにも用いられているため、その供給源であるコンプレッサーはトラックの重要なパーツと言えます。

・故障すると圧縮エアーが溜まらない

トラック後ろタイヤ

コンプレッサーが故障すると、圧縮エアーが溜まらなくなります。通常はエアタンク内で圧力の低下を圧力スイッチが感知すると、コンプレッサーから圧縮エアーがエアタンク内に充填される仕組みです。しかし、コンプレッサーが故障していた場合はエアタンク内へ圧縮エアーが供給されなくなるため、圧縮エアー不足の状態に陥ってしまいます。

・圧縮エアーが不足すると…

圧縮エアーが不足することによって以下の不具合が発生します。

  • エアサスが機能しない
  • エアブレーキが効かない
  • クラッチ操作ができない
  • シフトチェンジのアシスト機能が使えない

これらの不具合が発生すると、トラックを正常に運転することは難しくなります。大きな事故につながってしまう可能性もあるため、圧縮エアー不足には注意しなければなりません。

■トラックのコンプレッサーが故障する原因

・コンプレッサーの故障のサイン

コンプレッサーの故障が疑われる場合には、いくつかのサインがあります。

<①小刻みに揺れる>

トラックの走行中、モーターベアリングや圧縮機ベアリングの摩擦により普段よりも小刻みに揺れる場合はコンプレッサーの故障が考えられます。

<②異音がする>

トラックの起動時や運転中に異音がする場合、トラック本体とコンプレッサーをつなぐベルトが劣化、または磨耗している可能性があります。

<③圧縮エアーに水が混ざる、エアーが漏れる>

コンプレッサーが故障すると、エアタンク内の冷却不足やドレントラップの排出不良によって圧縮エアーに水が混ざることがあります。また、昇圧不良や吐出空気量の低下が発生すると、コンプレッサー内でエアーが漏れることもあります。

・コンプレッサーが故障する原因

コンプレッサーが故障する原因として最も一般的なのが寿命です。コンプレッサーの耐用年数は7~10年が目安ですが、頻繁にブレーキ操作を行なっていたなど、コンプレッサーの起動頻度が高かった場合は、平均の耐用年数より早く故障してしまうこともあります。

また、定期的なメンテナンスを怠っている場合も寿命を早めるため注意しましょう。コンプレッサーはトラックのパーツの中でも耐久性の高いパーツです。そのため、コンプレッサーが故障している状態の場合、他のパーツも故障していたり劣化が進んでいたりする可能性も考えられます。

・エアドライヤーは定期的に交換を

トラック全面を点検する男性

エアドライヤーとは、コンプレッサーとエアタンクの間に設置されているパーツです。コンプレッサーから供給される圧縮エアーの中に含まれる水分や油分を取り除き、乾燥した圧縮エアーをエアタンクに充填する役割があります。

このエアドライヤーに使用される乾燥剤は、定期的に交換が必要なパーツです。乾燥剤の交換を怠っていた場合、コンプレッサーから圧縮エアーが供給される際に不具合が発生してしまう可能性があります。エアドライヤーの乾燥剤は定期的に交換しましょう。

■まとめ

トラックのコンプレッサーが故障していた場合、大きな事故につながってしまう可能性があります。少しでも異常を感じた場合は、すぐにメンテナンスを依頼しましょう。

トラックの構造が知りたい!キャビン、シャーシ、ボディってどの部分?

トラックシャーシ

トラック駐車風景

トラックの構造は大きく「キャビン」や「シャーシ」、「ボディ」に分けられます。実はトラックメーカーが製造するのはキャビンとシャーシのみで、専門のメーカーが製造するボディと組み合わせて1台のトラックが完成します。

今回はトラックの構造について、代表的なトラックメーカーも併せてご紹介いたします。

■トラックの構造について

・キャビンとは

キャビンとは、トラックの運転席の部分で「キャブ」とも呼ばれています。主な種類は、ダブルキャブやハイルーフキャブ、ワイドキャブなどです。

<ダブルキャブ>

後部座席が設置されたタイプで、5人程度の乗車が可能です。荷物とともに従業員を乗せることができるのはメリットですが、最大積載量が小さくなってしまうデメリットもあります。

<ハイルーフキャブ>

キャブ部分の屋根が他のタイプのキャブよりも高く作られていて、ほとんどの場合寝台が取り付けられています。ドライバーの肉体的負担を減らせますが、その分価格は高額です。

<ワイドキャブ>

標準キャブよりもキャブの全幅が広くなっているタイプです。荷台や荷室の幅を広くとれるため、積載容積が増えるのはメリットですが、トラックの操作性は低下していまいます。

・シャーシとは

トラックシャーシ

トラックの車体の基礎となる部分です。シャーシは骨組みとタイヤで構成されています。各部名称は以下の通りです。

<フレーム>

フレームは、トラックのパーツをつなげるための重要な役割をもつ部分です。

<サスペンション>

衝撃を吸収するパーツです。トラックが傷まないようにしたり、積み荷に衝撃の影響を与えないように保護したりする役割があります。

<ブレーキ>

大型トラックのブレーキは、空気の力を利用しているタイプがほとんどです。

<タイヤ>

近年ではチューブレスのタイヤが増えています。タイヤとホイールのみの構成になっているため、軽量化が実現されました。

<エアタンク>

ブレーキのほか、運転席の調整を行う際やサスペンションなどにも使われるパーツです。トラックにとって非常に重要なパーツと言えます。

・ボディとは

ボディはその名の通り、トラック本体の部分です。「上物」と呼ばれることもあり、トラックを選ぶ際の重要なポイントです。大型トラックのボディには、主に以下の3種類があります。

<平ボディ>

トラックのボディの中で最も利用されているのが平ボディです。幅広い業界で活躍しています。

<バンボディ>

「箱車」とも呼ばれている、箱型のボディです。平ボディに次いでよく利用されています。

<ウイングボディ>

見た目は箱型のバンボディと似ていますが、ボディの側面が大きく開閉します。荷物の積み下ろしがしやすいボディです。

■代表的なトラックメーカー

白トラックに乗る男性横顔

・トヨタ

トヨタは故障の少なさが評判のトラックメーカーです。新車で購入する場合は他の国産車に比べて高額ですが、中古でも高い価格で買い取ってもらえます。

・いすゞ

いすゞのトラックは、優れたディーゼルエンジンの技術が特徴です。また、コストパフォーマンスが高く、新車でも良心的な価格で購入できます。

・日野

日野のトラックは高い馬力のエンジンが特徴です。故障も少なく、万が一故障した場合でもディーラーの数が多いうえにメンテナンス費用も安いため、人気があります。

・三菱ふそう

三菱ふそうのトラックは、バランスのよいエンジンとコストパフォーマンスの高さが特徴です。運転手が快適に過ごせるシートなど、特に長距離の運転に適しています。

・UDトラックス

UDトラックスのトラックは、クラッチやエンジンの馬力の高さが特徴です。そのため、重トレーラーのシェアは日本一を誇ります。エンジンの燃費がよいのも特徴の一つです。

■まとめ

トラックの構造は大きくキャビン、シャーシ、ボディの3つに分けられますが、他にも重要なパーツは紹介しきれないほど多くあります。構造についてよく知ったうえでトラックの運転を楽しみましょう!

トラックのよくあるトラブル「バッテリー上がり」に備えよう!原因と対処法、バッテリー交換の目安

JAFおもちゃ

トラックおもちゃを持つ女性

トラックのよくあるトラブルにバッテリー上がりがあります。誰にでも起こりうるトラブルだからこそ、原因から対処法まで覚えておくと安心です。今回はトラックのバッテリー上がりの原因と対処法、バッテリー交換の目安などをご紹介いたします。

■トラックのバッテリー上がりの原因とは

・ライトの消し忘れ

バッテリー上がりの原因として最も多いのが、ヘッドライトや室内灯などのライトの消し忘れです。ヘッドライトの場合は2時間、室内灯なら5時間ほど付けっぱなしにしているとバッテリーが上がってしまいます。トラックを降りる際はライトがきちんと消えているか、確認する習慣をつけましょう。

・消費電力が多い

エアコンやオーディオなどの使用が原因で、バッテリーが上がってしまうこともあります。走行中はバッテリーが充電されているため心配はありませんが、渋滞中や駐車場での休憩時などは、電力の使い過ぎに注意しましょう。

・充電が不足している

長期間トラックに乗っていなかった場合、充電されていた電力が自然に放電されてしまい、バッテリーが上がってしまうこともあります。バッテリーの状態によって異なりますが、およそ3か月程乗っていない場合はバッテリーが上がっている可能性があるので注意しましょう。

・寿命が近いサイン

バッテリー上がりの原因は、バッテリーの寿命が近付いていることを意味する場合もあります。バッテリーの寿命はトラックの乗り方によって1~3年と大きな差があるため、メンテナンスを欠かさずに行なって長持ちさせましょう。

■トラックのバッテリー上がりの対処法

・まずはセルモーターを確認

キーを回してセルモーターが回った場合は、バッテリーに問題はありません。キーを回してもセルモーターが回らない場合は、バッテリーが上がっていると考えられます。

・ジャンピングスタートを行う

ジャンピングスタートとは、バッテリーを充電する方法のことで、救援車とバッテリーをブースターケーブルでつないで行います。ただし、救援車のバッテリーもトラックと同じ24Vであることと、ケーブルが24V用のものであることの2点に注意してください。

・ジャンプスターターを使用する

ジャンプスターターは携帯用の充電器のことです。ジャンプスターターを所持していれば、1人の場合でもトラックのバッテリーを充電できます。

・ロードサービスを利用する

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自分で対処するのに自信がないという場合は、ロードサービスに依頼するのがおすすめです。JAFなどのロードサービスに依頼すれば、プロの経験と技術で素早くバッテリー上がりに対処してもらえますよ。

■バッテリー交換の目安と費用について

・バッテリー交換の目安と費用

トラックのバッテリー交換の目安は、使用開始から2年、もしくは20,000kmの走行距離が

目安と言われています。交換費用は4,000~5,000円が相場です。

大型トラックの場合は、バッテリー交換にバッテリーカバー脱着工賃が含まれることもあるので覚えておきましょう。バッテリー本体の価格は安いものだと2,000円ほどですが、高性能なものは50,000円ほどで販売されています。

・バッテリー交換は自分でもできる?

トラックの前で指差し確認

結論から言えば、バッテリーの交換を自分で行うのは避けたほうがよいでしょう。ショートや感電、やけどの恐れがあるためです。また、トラックの電気系統に不具合が出てしまい、動かなくなってしまう可能性もあります。これらのことから、バッテリーを自分で交換するのはあまりおすすめできません。

■まとめ

トラックのバッテリーが上がってしまった場合は、救援車を呼ぶかロードサービスに依頼をしましょう。バッテリーの交換は無理に自分で行わずにプロに依頼して対処するのがおすすめです。

トラックのリフトアクスルって何?役割やメリットとは?

高速走るトラック横画像

高速走るトラック横画像

高速道路などを走行している際に、大型のトラックが後輪を浮かせて走行しているのを見たことがある方もおられるのではないでしょうか。あれはトラックのリフトアクスルです。タイヤを付けているのに道路に触れていないことには理由があります。

今回はトラックのリフトアクスルについてご紹介いたします。

■トラックのリフトアクスルとは

タイヤのアップ画像

・トラックのリフトアクスルとは?

リフトアクスルとは積載量に応じて車軸を上げ下げし、接地しているタイヤの数を変動させる機能です。

トラックやトレーラーなど積載量が大きい車両の場合、往路と復路では総重量が大きく異なります。積載量が多い往路では、荷重を分散させるためにすべてのタイヤを使用しますが、空荷となる復路ではすべてのタイヤを使用する必要がありません。

タイヤが多すぎる状態で走行すると、タイヤ1本あたりの接地圧が小さくなって転がり抵抗が増え、操作性が下がってしまいます。そのため、リフトアクスルで不要なタイヤを浮かせるのです。

特に高速道路をタイヤの接地圧が小さい状態で走行すると、強風の影響を受けやすくなったりハイドロプレーニング現象が起きやすくなったりなどのリスクが高まるので、安全に走行するためにはリフトアクスルが欠かせません。

また後ほど詳しくご紹介しますが、リフトアクスルには高速料金を節約できる大きなメリットもあります。

・リフトアクスルの仕組み

トラックやトレーラーには荷重センサーが付いており、それぞれの車軸にかかる荷重を監視しています。リフトアクスルは荷重に応じて圧縮エアで車軸を上げ下げし、接地するタイヤの数を調整するという仕組みです。

リフトアクスルの一連の作動は機械で制御されているため、自動的に行われます。

・どれくらい節約できる?

先ほどもお伝えしたように、トラックのリフトアクスルには、高速料金を節約できるメリットがあります。

高速道路の通行料金は車軸数によって変動します。車軸数の合計が4車軸以上のトラックは「特大車」に区分されますが、リフトアクスルをして3車軸以下にすると「大型車」になるため、その差分の節約が可能です。

■トラックのリフトアクスルのメリットと注意点

高速入口

・リフトアクスルのメリット

トラックのリフトアクスルには高速料金を節約できる他にも得られるメリットがあります。

1.燃費が向上する

リフトアクスルで道路に接しているタイヤの数を減らすと、転がり抵抗が小さくなり燃料の消費を抑えられます。特に長距離を走行する場合、燃費向上の効果はより大きくなります。

2.タイヤとブレーキの摩擦が軽減される

リフトアクスルでタイヤを浮かせることで、タイヤやブレーキまわりの摩擦を減らせます。部品の消耗を避けて、寿命を伸ばすことにつながるのもリフトアクスルで注目されているメリットの一つです。

・リフトアクスルの注意点

メリットの多いリフトアクスルですが、注意点もあります。それは「トラックに荷物を積んだ状態で使用しない」ことです。故意に設定を変えるなどして不当なリフトアクスルをした場合、道路交通法違反となり、30万円以下の罰金と不正を免れた交通料金の3倍の金額を請求されます。

また荷物を積んだ状態でのリフトアクスルは、残ったタイヤやシャーシ(枠組み)に負担がかかり、トラックの寿命を縮めることにもなります。車軸やハブが破損すれば、重大な事故にも発展しかねないため、必ず正しく使用することを心がけてください。

トラックのリフトアクスルには高速料金の節約や燃費・操作性の向上など多くのメリットがあります。仕組みや注意点を知って適切に使用しましょう。

トラックのパワーゲートはどんな役割がある?使用上の注意点とは

トラックパワーゲート

 

トラックと段ボールのイラスト

トラックの荷台にはたくさんの荷物が積めますが、人力では難しいこともありますよね。そんなときに便利なのがパワーゲートです。重いものもパワーゲートがあれば負担を減らして積み下ろしができます。

今回は、トラックのパワーゲートがどのようなものかについてご紹介いたします。

■トラックのパワーゲートとは

トラックパワーゲート

・トラックのパワーゲートとは

パワーゲートとは、トラックの荷台後部に取り付けられているリフト装置です。昇降板に荷物を載せてボタンを押すだけで、重いものでも一気に積み下ろしができます。

パワーゲートは極東開発工業の商標名ですが、他社製品もパワーゲートと呼ばれることが多く、また機能も基本的に同じです。テールゲート昇降機、テールリフターなどと呼ばれることもあります。

・パワーゲートのメリット

運搬作業では荷物の積み下ろしによる腕や腰への負担が大きく、そもそも人力では持ち上げるのが困難なものをトラックで運ぶこともあります。パワーゲートはそういった場面だけでなく、少人数で荷物の積み下ろしを行うときや、荷物の個数が多いときにも便利です。

簡単なボタン操作だけで荷物をまとめて積み下ろせるので、作業効率を大幅にアップできます。

・トラックのパワーゲートの種類

パワーゲートには、主に垂直式とアーム式の2種類があります。

<垂直式>

地面に対して垂直に立つレールに沿って昇降板が上下するタイプです。走行中は昇降板を立てて荷台のあおりとして使用し、リフトとして使用する際は昇降板を展開します。

垂直式はアーム式と比べて揺れが少なく、安定性の高さが特徴です。設定によっては、昇降板を荷台面より高い位置まで持ち上げられます。

<アーム式>

荷台下のアームによって昇降板を上下や斜めに動かすタイプです。アーム式は作業しやすい角度まで昇降板を傾けられるので、車輪が付いているものの積み下ろしにも適しています。

■トラックのパワーゲートの注意点

×札を持つ男性

・1人で操作しない

パワーゲートを使用する際は、基本的に2人1組で行うようにしましょう。体や衣服が挟まれないか、荷物がぐらついていないか、作業は終了したかなどを複数名の目で確認します。

パワーゲートは重い荷物の積み下ろしに利用されることが多いからこそ、その荷物が転倒したり思わぬタイミングで動き出したりすれば、大きな事故につながりかねません。安全のためにも、パワーゲートを1人で操作することは避けましょう。

・台車などの扱いについて

荷物を台車に載せてパワーゲートで昇降する場面は多いことでしょう。ただし、台車の車輪を縦方向にしていると、急に動き出した際に転倒したり荷崩れを起こしたりする可能性があるため危険です。台車の車輪は、必ずトラックに対して横向きになるように調整して載せましょう。

また、こまめにストッパーを使用することも重要です。

・後付けでは積載量に注意

パワーゲートは必要になった際に後付けすることも可能です。ただし、パワーゲートは本体重量が大きいため、パワーゲートの重さが加わることで最大積載量が減ってしまう可能性があります。特に普段から積載量に余裕がないという場合はしっかりと確認しておきましょう。

■まとめ

パワーゲートはトラックの架装の中でも特に人気の高いもので、荷物の積み下ろしによる負担を大幅に軽減してくれる便利な装置です。周囲の状況を確認するなど安全に使用して、運送作業の効率化に役立てましょう。