トラックの荷台にはさまざまな種類があり、運びたいものによって適しているタイプが異なります。そのため、事前に荷台の種類をしっかり把握しておくことが大切です。
今回はトラックの荷台の種類についてご紹介いたします。
■トラックの荷台の種類
トラックの荷台は架装やボディとも呼ばれ、トラックの機能を特徴付ける部分です。運ぶものによって適した荷台があるので、比較・検討して業務に最適なものを選択しましょう。
・平ボディ
平ボディは屋根がなく、オープンデッキになっているタイプの荷台です。あおりで囲まれた平らな荷台に荷物を載せて使用します。平ボディはあおりを開くことができるうえに屋根もないので、荷物の積み下ろしをしやすいのがメリットです。ただし雨天時は積荷が濡れてしまうというデメリットがあるので、トラックカバーなどを使用しましょう。
・バンボディ
荷台部分がアルミ製の箱になっているタイプがバンボディです。箱型のため、雨風や直射日光から積荷を保護でき、荷物を落とす心配もありません。開口部はトラック後方のリアドアだけなので、積み下ろしの効率の面でウィングボディと比較されることが多い種類です。
・保冷
温度管理ができるトラックといえば冷蔵車と冷凍車が有名ですが、それとは別に「保冷車」も存在します。その大きな違いは冷却機能の有無で、保冷の場合は冷却機能がありません。しかしボディには断熱パネルが使用されているため、一定の時間は温度を保つことが可能です。短距離での運送に適しています。
・冷凍・冷蔵
生鮮食品や冷凍食品、植物など温度管理が必要なものを運送する際は、冷却機能を備えた冷凍・冷蔵の荷台が使用されます。冷凍は‐18~-30℃前後、冷蔵は0~+5℃前後の温度を保つことが可能です。
・ウィングボディ
バンボディと同様に箱型になっているタイプですが、荷台の側面を大きく開けるタイプをウィングボディと呼びます。車体の横方向から積み下ろしができるうえに開口部が広いため、フォークリフトを使用した荷物の積み下ろしにも適しています。
・土砂禁ダンプ
ダンプは土砂を運ぶ目的でよく使用されますが、土砂禁ダンプは土砂の積載が禁止されています。一般的なダンプよりもあおりが高く、多くの積載が可能な半面、土砂を積むと過積載になってしまうためです。土砂禁ダンプは主に、軽量でかさばるものを運搬する際に使用されます。
■トラックの荷台を変更することはできる?
中古トラックを購入する際、初めから希望通りの必要な荷台が付いているとは限りません。その場合は、購入した後に荷台を変更しましょう。
・構造変更と二次架装について
荷台の変更を含む構造に大きな変更が生じる場合は、国土交通省へ手続きが必要です。大きな変更とは、車両の長さ・高さ・幅、車体の形状、車両の用途、最大積載量などの変更が該当します。
一方で、軽微な変更である「二次架装」として認められた場合は、手続きを行う必要はありません。二次架装の範囲は、長さ±3cm以内、幅±2cm以内、高さ±4cm以内、車両重量±100kg以内です。ただし自己判断は避け、必ず陸運支局や整備工場で確認しましょう。
・変更には手続きが必要
国内のすべての車両は国土交通省へ登録されており、手続きなしに車両の構造変更を行うことは法律で禁止されています。もし手続きなしに構造変更を行うと、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。
もちろんトラックの荷台を変更する際も「構造変更手続き」が必要です。
・手続きの方法
トラックの荷台の変更は整備工場に依頼すると、構造変更の手続きまで代行してくれるケースがほとんどです。そのため、直接行うことは少ないかもしれませんが、手続きの流れは以下の通りです。
1.陸運局に構造変更手続きと検査の予約を入れる
2.予約日に必要書類を持って陸運局へ出向き、各種書類に記入する
3.自動車重量税を納付する
4.車両の構造変更検査を受ける
5.検査終了後、すべての書類を窓口に提出する
6.新たな車検証の交付を受ける
■まとめ
トラックの荷台は積荷の保護や積み下ろしの作業効率に関わる重要な部分です。荷台の変更を行う場合は、構造変更手続きが必要になることもあるため、覚えておきましょう。