冷凍車のスタンバイという付属品をご存知でしょうか。スタンバイがあることで今まではエンジンをかけておかないと冷えなかった冷凍車も、エンジンをかけずに冷やすことができます。
今回はスタンバイがどのようなものか、またコンセントについてご説明いたします。
■冷凍車のスタンバイ機能とは
まずは冷凍車のスタンバイがどのような機能なのか、基本的なことをご説明いたします。
・スタンバイとはどのようなもの?
スタンバイとは冷凍車・冷蔵車に備わっている冷却補助装置です。スタンバイユニットは車体の下についており、電源コードを差し込むコネクトがついています。このコネクトに外部から電気を供給することでコンプレッサが稼働し、エンジンをかけていない状態でも冷凍機が動くようにできます。新車ではオプションで付けることになります。
・電気代はどれくらい?
0.8トンタイプの電気冷凍車に100ボルト電源のスタンバイユニットを付けた場合の電気代を例に挙げると、1時間予冷をするとおよそ7~8円になります。一般的な冷凍車でアイドリング予冷をする場合、1時間の予冷でおよそ0.8リットルのガソリンが必要になります。「e燃費」が公表しているガソリン代から2020年9月末時点の平均価格を1リットルあたり140円で計算した場合、1時間の予冷に必要なガソリン代は112円となります。
スタンバイユニットを用いた場合とアイドリングユニットの場合ではスタンバイユニットが金額にして104円もの節約になり、17分の1ものコスト削減をすることができます。
・後付けはできる?
スタンバイユニットはオプションで付属させるものなので、オプションとして付属させなかった場合も後付けすることができます。
最近はスタンバイユニットがオプションなしでもついていることもあるので、冷凍車や冷蔵車で新車を購入する際はスタンバイユニットがオプションか、もしくはついているのか確認をしておきましょう。
■スタンバイ機能の必要性
スタンバイ機能がどのようなものかはお分かりいただけたと思いますが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。こちらでご紹介いたします。
・スタンバイのメリット
まずはエンジンをかけずに冷凍機だけを稼働させることができるので、コストが大幅に削減できるというメリットがあります。また、冷凍機だけの稼働なので排気ガスなども出ず、地球環境にも配慮した使用ができます。
夜間に積み込んだ荷物をすぐに運ばない場合も、スタンバイ機能があれば一晩など長時間冷やしておくことができます。
冷蔵庫や冷凍庫が故障した際に電源があれば応急用冷凍庫(冷蔵庫)としても利用でき、トラブルにも備えることができます。
■スタンバイの注意点
今までスタンバイを付けていなかった方も、スタンバイに興味が出てきませんか?もし新たにスタンバイの設置を考えている場合は、これからご紹介するポイントに注意してください。
・コンセントの形について
スタンバイの電源コンセントは、家庭用として普及している2穴(タイプA)とは形が異なります。家庭用のコンセントは100ボルトなので、スタンバイの種類によっては電力が足りません。スタンバイのコンセントは業務用でよく用いられる3相コンセントになっており、家庭用よりも遥かに高い200ボルトもの電圧を使用することができます。そのため、家庭で使おうと思ってもコンセントの形や電圧が合わず、使えないことがあります。
・スタンバイは運転前に点検しよう
スタンバイは外部から電源を引くため、整備不良の状態で使用すると大きな事故を起こしかねません。冷凍車(冷蔵車)を使っていないときでも必ず定期的に点検を行うようにしましょう。また、冷凍車の運転を行う前には毎回か点検をするようにしましょう。
点検項目は以下の通りです。
①ソケットに浸水やゴミなどが付着していないか
②焼損や摩耗が見られないか
③電源コードが劣化していないか
④稼働中に異音が発生しないか
スタンバイユニットは非常に便利なものですが、きちんとメンテナンスや点検を行うことが大切です。是非スタンバイユニットで環境にやさしく、コスト削減をしませんか?