買取りトラック記事

冷凍車のスタンバイ機能とは?【外部コンセントが使えるものもあり!】

トラック

 

冷凍車のスタンバイという付属品をご存知でしょうか。スタンバイがあることで今まではエンジンをかけておかないと冷えなかった冷凍車も、エンジンをかけずに冷やすことができます。

今回はスタンバイがどのようなものか、またコンセントについてご説明いたします。

 

■冷凍車のスタンバイ機能とは

 

まずは冷凍車のスタンバイがどのような機能なのか、基本的なことをご説明いたします。

 

・スタンバイとはどのようなもの?

スタンバイとは冷凍車・冷蔵車に備わっている冷却補助装置です。スタンバイユニットは車体の下についており、電源コードを差し込むコネクトがついています。このコネクトに外部から電気を供給することでコンプレッサが稼働し、エンジンをかけていない状態でも冷凍機が動くようにできます。新車ではオプションで付けることになります。

 

・電気代はどれくらい?

0.8トンタイプの電気冷凍車に100ボルト電源のスタンバイユニットを付けた場合の電気代を例に挙げると、1時間予冷をするとおよそ7~8円になります。一般的な冷凍車でアイドリング予冷をする場合、1時間の予冷でおよそ0.8リットルのガソリンが必要になります。「e燃費」が公表しているガソリン代から2020年9月末時点の平均価格を1リットルあたり140円で計算した場合、1時間の予冷に必要なガソリン代は112円となります。

スタンバイユニットを用いた場合とアイドリングユニットの場合ではスタンバイユニットが金額にして104円もの節約になり、17分の1ものコスト削減をすることができます。

 

・後付けはできる?

スタンバイユニットはオプションで付属させるものなので、オプションとして付属させなかった場合も後付けすることができます。

最近はスタンバイユニットがオプションなしでもついていることもあるので、冷凍車や冷蔵車で新車を購入する際はスタンバイユニットがオプションか、もしくはついているのか確認をしておきましょう。

 

 

■スタンバイ機能の必要性

時計

 

スタンバイ機能がどのようなものかはお分かりいただけたと思いますが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。こちらでご紹介いたします。

 

・スタンバイのメリット

まずはエンジンをかけずに冷凍機だけを稼働させることができるので、コストが大幅に削減できるというメリットがあります。また、冷凍機だけの稼働なので排気ガスなども出ず、地球環境にも配慮した使用ができます。

夜間に積み込んだ荷物をすぐに運ばない場合も、スタンバイ機能があれば一晩など長時間冷やしておくことができます。

冷蔵庫や冷凍庫が故障した際に電源があれば応急用冷凍庫(冷蔵庫)としても利用でき、トラブルにも備えることができます。

 

 

■スタンバイの注意点

 

コンセント

 

今までスタンバイを付けていなかった方も、スタンバイに興味が出てきませんか?もし新たにスタンバイの設置を考えている場合は、これからご紹介するポイントに注意してください。

 

・コンセントの形について

スタンバイの電源コンセントは、家庭用として普及している2穴(タイプA)とは形が異なります。家庭用のコンセントは100ボルトなので、スタンバイの種類によっては電力が足りません。スタンバイのコンセントは業務用でよく用いられる3相コンセントになっており、家庭用よりも遥かに高い200ボルトもの電圧を使用することができます。そのため、家庭で使おうと思ってもコンセントの形や電圧が合わず、使えないことがあります。

 

・スタンバイは運転前に点検しよう

スタンバイは外部から電源を引くため、整備不良の状態で使用すると大きな事故を起こしかねません。冷凍車(冷蔵車)を使っていないときでも必ず定期的に点検を行うようにしましょう。また、冷凍車の運転を行う前には毎回か点検をするようにしましょう。

点検項目は以下の通りです。

①ソケットに浸水やゴミなどが付着していないか

②焼損や摩耗が見られないか

③電源コードが劣化していないか

④稼働中に異音が発生しないか

 

スタンバイユニットは非常に便利なものですが、きちんとメンテナンスや点検を行うことが大切です。是非スタンバイユニットで環境にやさしく、コスト削減をしませんか?

大切なトラックを盗難から守れ!トラック盗難の手口と対策方法

トラック 運転手

トラック 運転手

トラックの車両本体はもちろん、装備されたパーツも大変価値が高いため、盗難犯に狙われやすい車両です。大切なトラックが盗まれたら仕事に支障が出ることはもちろんですが、心理的・経済的ダメージも大きいですよね。

そこで今回は、トラック盗難の手口と対策方法についてご紹介いたします。

 

■トラック盗難の手口

 

まずはトラックの盗難手口について紹介します。悪質なものが多いので、決して「自分は大丈夫」と過信しないでくださいね。

 

・屋外の保管は鍵穴を狙われやすい!

事業者によって屋外でトラックを保管しているところもあると思います。

「屋外で保管している=敷地内に入ればいつでも鍵穴を狙うことができる」ということになります。トラックから離れるときは短時間であっても必ず鍵をかけて、鍵を外し忘れないようにしましょう。

 

・工具を使った盗難

たとえ屋内で保管していても安心はできません。もし窓の隙間が少しでも空いていると、細い工具を使って窓の鍵を外されてしまいます。強引な手口ではドアハンドルを工具でえぐり取って侵入するという手口もあります。

 

・ハンドルロックを破壊

ハンドルロックがかかるタイプのトラックもありますが、ハンドルロックは破壊することができます。破壊されたハンドルロックでは何の制御もできないため、ハンドル操作が可能になってしまいます。

 

・イモビライザーの破壊

最近はイモビライザー(自動車盗難装置)を搭載しているトラックも多くあります。しかしイモビカッターという特殊な機械を使用すれば、たった数秒でイモビライザーを無効にしてしまうことが可能です。

 

・酷い場合はレッカー車を使うことも

その場で車両を動かすことができない場合は、レッカー車を使って盗難するという手口もあります。レッカー車を使われてしまうと、トラック自体に様々な盗難防止策を凝らしても全て意味がなくなります。

 

 

■トラックの盗難を防ぐには

トラック キー穴

 

悪質なトラックの盗難を防止するにはどうすればいいのでしょうか。対応策を4つ挙げてみました。

 

・できる限り屋内で保管する

保管場所はできる限り屋内を選びましょう。シャッターを無理やりこじ開けられることもありますが、トラックを盗難するにはシャッターをかなり高くまで上げなければなりませんので、時間稼ぎには有効といえます。また、窓は必ず隙間がないこと、ワイヤー入りの窓ガラスを使うという工夫も有効です。

 

・スペアキーを車内で保管しない

スペアキーをトラックの中で保管していませんか?スペアキーをトラック内に保管することはやめましょう。盗難被害が多く報告されています。自分で管理できる安全な場所に保管してください。

 

・人感センサーや防犯カメラの設置

トラックに比べると、人感センサーや防犯カメラを設置する費用なんて安いもの。価値のあるトラックを守るためには、盗難防止のための投資も考えましょう。特に、大型トラックは目立つので人が近づくとライトが灯るようにしておくだけでも抑止力になります。

 

・盗難防止対策をしていることをアピール

費用をかけなくてもできる盗難防止策が「盗難防止策をとっているアピール」です。

たとえば「盗難防止装置取付車」や「GPS発信機装着車」と書かれたシールを目立つところに貼っておくだけで、アピールをしていないトラックに比べて盗難リスクをはるかに下げることができます。

 

■盗難されたトラックはどうなる?

盗難

 

盗難されたトラックはどうなってしまうのでしょうか。

最後に盗難されたトラックがどうなるのかをご紹介します。

 

・不正に解体され販売に

そのまま販売するとキズや社名ロゴなどで盗難車であることがばれてしまうため、盗難後は解体されて販売されるケースが多いです。

 

・海外への輸出

解体した状態なら海外への輸出が行いやすくなります。不正な方法で手に入れたトラックを海外で高く売りさばけば多額の資金を手にすることができます。

 

・別のトラックと組み合わせて販売

そのままではトラックが盗難車であるとばれてしまう場合、他のトラックの部品と入れ替えて販売されることもあります。

 

・売り上げは組織犯罪の資金になっている可能性も…!?

これらの売上は組織犯罪の資金になっていることもあり、非常に大きな問題とされています。自分の大切なトラックが勝手に販売されて犯罪の資金にされているなんて、普段からトラックに乗っている方には非常に憤りを感じることだと思います。

 

トラックを盗難から守るということは、大切な自分のトラックだけでなく次に犯罪被害に遭うかもしれない方を守るということにも繋がります。今一度、トラックの盗難防止策について考えてみませんか?

 

ダンプの耐用年数はどれくらい?減価償却について知っておこう

ダンプカー

ダンプカー

運送業の主戦力であるダンプカーはトラックと法定耐用年数が異なることをご存知ですか?ダンプカーの耐用年数を知っておかないと、経費として計算する際に困ることがあります。今回はダンプカーの耐用年数についてご紹介いたします。

 

■ダンプカーの耐用年数について

 

まずは法的なダンプカーの耐用年数についてご説明いたします。

 

・何故耐用年数が決まっているのか

業務車両として使われるダンプカーは固定資産であり、購入時を起点に経年と使用によって次第に価値が下がります。

ダンプカーを購入した年に経費として購入費用が計上できない代わりに、国税庁の定めた法定耐用年数の期間内であれば減価償却費用として会計処理が行えます。

法定耐用年数とは、減価償却が完了するまで経費として計上する際に必要な基準です。

一般的にいわれる耐用年数は「会計処理上の耐用年数」と「実際に使用可能な耐用年数」の2つの意味を持ちます。

 

・新品ダンプカーの耐用年数と中古ダンプカーの耐用年数

国税庁が定めたダンプカーの法定耐用年数は4年です。ただし、この「4年」は新車のダンプの場合です。中古のダンプを購入した場合は「法定耐用年数の20%に相当する年数」が耐用年数となります。算出した耐用年数が2年に満たない場合は自動的に2年まで引き上げられます。そのため、中古ダンプの法的耐用年数は2年となります。

トラック(貨物自動車)はダンプ式とダンプ式以外で耐用年数が異なりますので、間違えないようにしましょう。

 

 

■ダンプカーの減価償却の考え方

ダンプカー 減価償却

 

ダンプの減価償却を行うにはどうすれば良いのでしょうか。こちらで減価償却の考え方についてご紹介します。

 

・減価償却とは

減価償却とは、経年と使用によって価値が減少する固定資産を時間の経過に合わせて会計処理することを指します。

たとえば1,000万円のダンプは購入から1年経過したものと3年経過したものでは3年経過したものの方が価格は下がりますよね。この価値の低下は経年などによるためですが、減価償却を行わなければ3年後も新車同様の価値があると判断され、新車相当の税率が適応されます。減価償却処理を行うことで、減少した価値を適正に割り出すことができるため、無駄な税金を支払う必要がなくなります。

 

・減価償却の計算方法は2種類

減価償却の計算方法は2種類あります。

固定資産の種類によっては定額法しか選べないこともありますが、車両は事業主の方針によってどちらの計算方法をとるのか選ぶことができます。

 

<定額法>

ダンプの購入費用を耐用年数で割った定額を対象期間で計上する方法です。

ダンプの場合は法廷耐用年数が4年なので、購入費用を法定耐用年数の4で割った額を計上します。毎年評価価値が一定なので、計上しやすい方法です。

ただし4年目は計上額から1円を引いた額を計上します。(1円は対象となるダンプが経理上現存することを証明するためです。)

 

<定率法>

通常、備品は1年目にもっとも価値があり、以降は次第に価値が下がっていきます。

定率法はこの価値の変動に合わせて価値が高いうちに多めに税金を支払うという方法です。

最初に多めに税金を支払うことで、買い替え時の負担を軽くしたい場合に有効な方法です。なお、定率法では年度ごとに何割を計上するかが決まっています。

 

 

■知っておきたいダンプの耐用年数に関する知識

ダンプカー

 

ダンプの耐用年数に関する考え方はお分かりいただけたでしょうか。

最後にダンプの耐用年数に関する補足をしたいと思います。

 

・法定耐用年数と車両耐年数は違う

ダンプの法的耐用年数は4年ですが、4年経過したら使えなくなるのかというと、そうではありません。法的耐用年数は会計処理上で必要な基準であり、4年後には経費として計上することはできませんが、実際はそのまま使用を継続することはできます。

 

・耐用年数が長いダンプは高額で買取ってもらえることがある

ダンプを買い替える際、耐用年数の残っているものの方が高価買取してもらいやすくなります。ただし、耐用年数を超えていてもフルモデルチェンジが行われていないダンプであれば高額査定の対象になりますので、高価買取を狙う場合はフルモデルチェンジが行われる周期なども確認しておきましょう。

 

・日頃のメンテナンス次第で車両耐用年数は延ばせる

車両耐用年数(実際に使える期間)を延ばしたいのであれば、日頃からしっかり点検やメンテナンスを行うことが重要です。また、丁寧な運転を心がけることでダンプへの負担が少なくなり、車両耐用年数を延ばすことに繋がります。急発進や急ブレーキはダンプへの負荷がかかりやすいので安全運転を心がけましょう。

 

耐用年数には法的耐用年数と車両耐用年数の2つがあります。

車両耐用年数は使い方次第で変わります。少しでもダンプを長く使いたいのであれば、いつも点検やメンテナンス、安全運転を心がけるようにして下さい。

 

ダンプカーの過積載は非常に危険!過積載の目安や事故について

ダンプカー

ダンプカーをはじめ、運搬を仕事にしている方にとって慎重にならなければいけない過積載。「少し超えてしまったけど、まあ大丈夫だろう」と思っていると、取り返しのつかない事故に繋がりかねません。

今回はダンプカーの過積載について、過積載の目安や罰則、事故の実例を紹介いたします。

ダンプカー

 

■ダンプの過積載の目安とは

 

まずはダンプの過積載の目安についてご紹介します。

 

・ダンプカーは3種類に分けられる

ダンプカーは小型・中型・大型の3つに分類されます。それぞれの過積載の目安をご説明します。

 

<小型ダンプ>

小型ダンプとは、最大積載量2t~3t程度のものが該当します。

 

<中型ダンプ>

中型ダンプとは、最大積載量3~6.5t未満のものが該当します。

一般的に「4tダンプ」と呼ばれますが、積載量は架装によって変わるため実際には4tの量を運ぶことができないものもあります。

 

<大型ダンプ>

大型ダンプは最大積載量が6.5t以上のものが該当します。

 

詳細な最大積載量についてはメーカーや車種、架装によって異なるため、事前に最大積載量を把握することが重要です。ダンプには最大積載量を減らす減トン、最大積載量を増やす増トンといった改造を行っているダンプもあります。土砂などは水を含むと本来よりも重くなってしまうので、運ぶものの状態にも気を付けなければなりません。

 

 

■ダンプの過積載をすると…

ダンプカー

 

中型ダンプと大型ダンプで過積載をしてしまった場合どうなるのでしょうか。

こちらでは過積載を行った中・大型ダンプの処遇についてご紹介します。

 

・悪質な過積載に対するドライバーへの措置

過積載の量刑は、最大積載量に対してどれくらいの割合で過積載が行われたかを基準に考えられます。

最大積載量に対して5割未満の過積載は、反則点数1点と反則金30,000円が課せられます。

過積載が5割以上の場合は違反点数3点、反則金40,000円、10割を超えた場合は反則点数6点、6ヶ月以下の懲役または罰金10万円以下となります。

悪質な過積載の場合は、即時告発の対象となり罰金100万円以下になることもあります。

 

・運送会社への措置

過積載を行ったドライバーが所属している運送会社や企業にももちろん罰則が下ります。運送会社への罰則は運行管理者資格者証の返納、資格取り消しが行われます。

また、過積載運行が計画的に行われている、指導や監督不行き届きなどが発覚するといった場合、運送業そのものが行えなくなるため、ドライバーだけでなく運送会社も十分に気を付けねばなりません。

 

・荷主への措置

最近は荷主が過積載を強要することもあるため、荷主も責任の対象に含まれます。

荷主側で過積載になることを把握していながらドライバーに荷物を引き渡しすることは道路交通法で禁止されています。

違反した場合、警察署長から再発防止命令が下され、さらに再発防止命令を違反した場合、6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金が科されます。

過積載を前提とした運送費の値引き交渉も罰則の対象となります。

 

・何故過積載は駄目なのか

ダンプが走行する公共の道路や橋などは強度が設定されています。

基準を超えた過積載のダンプが通ることで破損や事故に繋がりやすくなります。

また、過積載はダンプのブレーキが利かなくなり、転倒するリスクも高まります。

交通の安全を守るためにも、過積載は絶対にやめましょう。

 

 

■ダンプの過積載が原因となった事故

ダンプカー 事故

 

 

過積載を行ったダンプの事故には悲惨なものが多くあります。

最後に過積載に関する事故について3つご紹介します。

 

・トレーラーが横転して1名が亡くなった事故

2006年の7月に静岡県で起こった事故です。

国道1号バイパスで過積載を行ったトレーラーが横転し、歩行者であった当時20歳の女性が下敷きになり死亡しました。ドライバーは業務上過失致死罪に問われ、静岡地裁に懲役2年6ヶ月の実刑を命じられました。

 

・線路に侵入したダンプが電車と衝突した事故

千葉県の工場で最大積載量の4倍にあたる山砂を積み、時速およそ40kmで走行していた大型トラックが坂道の下りに差し掛かったところでブレーキが利かなくなり、そのまま近くの線路に侵入、電車と衝突しました。電車の運転士は死亡、乗客67名が怪我を負いました。また、電車の1車両目は大破し、2両目から4両目までも破損しました。

 

・タイヤが破裂し7名が亡くなった事故

2004年に岐阜県で起こった事故です。

トンネルの出口付近でトラックと乗用車が衝突し、乗用車に乗っていた家族5名とトラックのドライバー2名が亡くなりました。トラックには最大積載量のおよそ1.5倍にあたる建築資材4.5tが詰まれていました。

 

ダンプだけでなく、過積載は大きな事故に繋がります。

「少し超えたけど大丈夫だろう」という安易な考えは、ドライバーの命だけでなく他の人の命まで奪いかねません。

過積載はドライバーや運送業に関わる全ての人が気を付けなければならないことです。

当事者意識を忘れずに、日々の業務に励みましょう。

 

トラックの税金はどれくらい?自家用と事業用の違いとは

トラック 税金

トラック 税金

 

トラックの維持費として必要なもののひとつに自動車税があります。

トラックの自動車税は自家用と事業用で異なるため、あらかじめ知っておくことが大切です。また、トラックに関する税金は自動車税だけではありません。

今回はトラックに関する税金についてご紹介したいと思います。

■トラックにかかる税金について

 

まずはトラックにかかる税金の種類をご紹介します。

 

・自動車税

一般車両と同じく、トラックにも自動車税がかかります。

自動車税は車種や排気量以外に用途でも異なり、毎年4月1日になると所有者に課税されるようになっています。一部の電気自動車やエコカー対象のトラックであれば自動車税の軽減措置がとられることもあります。ただし平成18年(2006年)3月以前のトラックの場合は増税対象になります。

 

・自動車重量税

トラックの税金で差が出やすいのが自動車重量税です。自動車重量税はトラックの区分、重量、経過年数をもとに税額が決定されます。

自動車税との大きな違いは、個人で納付する必要がないという点です。新車購入時と車検時に支払う仕組みであるため、うっかり納税を忘れてしまうということになりません。

 

・その他の税金

トラックの税金の大きなものとして、「燃料税(ガソリン税)」も挙げられます。

燃料税は実際に支払う金額の半分を占めており、トラックのような大型車の場合、年間に支払う燃料税はかなり大きな金額になります。

 

 

■自家用と事業用で異なるトラックの税金額

トラック 税金

 

自家用と事業用トラックでは同じ車種であっても税金額が異なります。

トラックを個人で所有し、自身の荷物などを運搬する場合は自家用トラックになります。

対して友人や知人に依頼されて有償で荷物を運ぶと営利目的の使用とみなされます。

自家用の登録をしているのに営利目的で使用することは違法になります。

例として3~4tのトラックについて税金を紹介します。

 

・自家用トラックの場合

自家用トラック(エコカー対象ではない)の場合、自動車税は20,500円、自動車重量税では約16,400円がかかります。

 

・事業用トラックの場合

3~4tの事業用トラックの場合、自動車税が15,000円、自動車重量税が10,400円となります。

 

自家用トラックと比較すると、自動車税では5,500円、自動車重量税では6,000円の違いがあります。国の運搬や流通事業などに関わることから、事業用トラックは自家用に比べて固定費が軽減される傾向にあります。

 

 

■トラックの税金を節約する方法はある?

トラック

 

トラックの税金を負担に感じる方もいらっしゃると思います。

減税する方法はないのでしょうか。最後に減税の方法を2つご紹介します。

 

・エコカーに乗り換える方法

先述では、エコカー対象になると税金が軽減されるとお伝えしました。

エコカーに乗り換えると燃費が改善されるだけでなく減税の対策にもなります。

最大で75%を減税することができるので、非常に大きな節約に繋がります。

トラックは経年や走行距離に関係なく高額買取が可能になることもあるので、古いトラックを売却してエコカー対象のトラック購入費用に充てることを考えてみるのも1つの方法です。

 

・減トンする方法

トラックの自動車税は最大積載量などによって決定されますので、減トンして最大積載量を減らすことは減税が期待できます。

トラックの重量を増やして最大積載量を減らすという方法で手軽に減トンできますが、注意点として変更手続きが必要、新たに取り付けるパーツの購入費用が発生するということが挙げられます。

減トンが本当に節税に繋がるかは、使用するパーツなどにもよるので、よく考えてから行いましょう。

 

トラックの税金はトラックを維持する費用として非常に大きな割合を占めています。

税金の仕組みを知ることでできる対策はほかにもありますので、どんな対策があるか調べてみてはいかがでしょうか。

 

トラックの車検費用はいくら?節約方法もご紹介!

トラックの車検費用相場

車を使用している以上、必ず行わなければならない車検。もちろん、トラックも必ず車検を行わなければなりません。しかし、トラックの車検費用を負担に感じている方もおられるのではないでしょうか。

今回はトラックの車検に関する基本的な知識と節約方法についてご紹介いたします。

 

■トラックの車検費用相場

 

トラックの車検費用の相場はいくらなのか、種類ごとにご紹介いたします。

 

・必要な費用は2種類ある

トラックの車検時に必要な費用は、法定費用と点検整備費用の2つです。

点検整備費用は整備工場によって差が出ます。

一方、法定費用は自賠責保険料、自動車重量税、申請手数料の3つから成り立ち、全国どの整備工場で受けても費用は一律です。同じ車種のトラックであっても用途が事業用か自家用かで費用が異なり、事業用トラックは国内の流通を支えるために重要とされているため、自家用トラックに比べ自動車重量税が安くなります。

・トラックの種類別車検費用相場

車検の法定費用はトラックの大きさや用途ごとに異なります。

 

<軽トラックの法定費用>

26,170~34,970円

 

<小型トラックの法定費用>

自家用…25,070~56,570円

事業用…29,000~43,000円

 

<中型トラックの法定費用>

自家用…29,820~80,200円

事業用…40,640~63,040円

 

<大型トラックの法定費用>

自家用…29,820~124,320円

事業用…40,640~82,640円

 

法定費用はトラックの車両総重量ごとに細かく異なるので、必ず自分の乗っているトラックの車両総重量を調べておきましょう。エコカー減税の対象となる場合は費用の減額が期待できます。

 

 

■トラックの車検方法と有効年数について

トラック車検

Professional repairman wearing uniform while working in hangar with autos and technics

 

続いてトラックの車検方法や期限をご紹介いたします。

 

・トラックの車検方法

トラックは一般車両の車検と同様に、整備車険、ユーザー車検、車検代行の3種類から選ぶことができます。おすすめの車検方法を後ほどご紹介いたします。

 

・有効年数は?

トラックの車検は検査区分によって有効年数が定められています。

トラックは「貨物自動車」に該当し、車両総重量が8t未満か以上かで区切られます。

 

8t未満の貨物自動車…初回は2年、以降は1年ごと

8t以上の貨物自動車…初回の車検から1年ごと

 

車検の有効年数は車検証で確認することができます。

 

・どんな設備費用がかかりやすい?

法定費用に対し、整備工場ごとに費用が変動する点検整備費用。費用がかかりやすい設備は次の3ヵ所です。

 

①タイミングチェーン…10~20万円

②ファンベルト…1万~1万5,000円

③バッテリー…2,000~5万円

 

エンジン回りなどの動力部分の交換が必要になるケースが多いようです。

 

 

■トラックの車検費用を節約する方法はある?

車検

 

トラックの車検にかかる費用を下げるには次の4つの方法があります。

 

・減トンする

トラックは車両総重量で車検費用が異なるため、減トンする方法は非常に有効です。

車両に手を加えるので、構造変更の手続きが必要になることを必ず覚えておきましょう。

車検と同時に構造変更手続きをすれば車検費用を下げることができます。

 

・整備の相見積もりをとる

法定費用を下げることはできませんが、車検整備費は依頼先次第で費用が異なるので相見積もりをとることをおすすめします。サービスや費用など総合的に納得できる整備工場に車検を依頼するようにしましょう。

・ユーザー車検をする

車検はディーラー車検、カー用品店車検、ガソリンスタンド車検など様々なところに依頼できますが、もっともコストが低いのはユーザー車検です。

ユーザー車検は管轄の陸運支局に自分で直接トラックを持ち込んで受ける車検です。

点検整備や検査手数料のコストが低いので、車検費用を抑えられます。

 

・刑務所で車検をする

刑務所では職業訓練の1つとして自動車整備を取り入れています。

車検整備を受けられる刑務所は全国で8ヵ所しかありませんが、近くにあるのなら利用してみるのもおすすめです。

 

トラックは車体が大きい分分、高額な車検費用が必要になります。

法定費用は一律で決まっていますが、整備費用は今回ご紹介した方法で抑えることができるかもしれません。少しでも出費を抑えたい方は、是非試してみてくださいね。

 

マイクロバスの燃費はどれくらい?【マイクロバスの基礎知識】

バス

 

皆さんはマイクロバスって具体的にどのようなバスか知っていますか?

今回はマイクロバスに関する燃費や運転の注意点といった基礎知識などをご説明したいと思います。

 

■マイクロバスとは

まずはマイクロバスがどのようなものかを簡単にご紹介いたします。

 

マイクロバスは元々商品名

マイクロバスと聞いて「大型のバスよりも小さいサイズのバス」というイメージを持つ方が多いかと思います。そもそも「マイクロバス」という名前はトヨタの商品名でした。マイクロバスの普及に伴い、商品名が定着して一般的な通称として用いられるようになりました。

 

マイクロバスの車両区分

マイクロバスは車両総重量8t未満、最大積載量5t未満の中型車をベースに作られています。

 

マイクロバスの定員について

マイクロバスには補助席がついており、18人から最大29人まで乗車できます。

大型バスは45~53人が定員のため、おおよそ半分の数であることからマイクロという言葉がついたのではないかといわれています。

 

■マイクロバスの燃費について

バス

 

マイクロバスの燃費は普通のバスに比べて良いのでしょうか。こちらで解説させていただきます。

 

一般的なバスの燃費

一般的なバスの燃料は軽油で、平均的な燃費は3km/ℓほどです。

軽油はガソリンに比べて単価が低く燃料効率が高いのが特徴です。

 

平均的なマイクロバスの燃費

マイクロバスの燃費は新車の状態で平均8.5km/ℓほどなので、単純に比較すると一般的なバスよりもかなり良い方だといえます。ですが大きさや設備など車両条件が異なるため、実際はどちらが優れているとは言い切れません。

 

ディーゼル車とガソリン車では違いがある?

マイクロバスにはガソリン車とディーゼル車の2種類があります。

ディーゼル車は軽油を使うので燃料効率に優れています。一方、振動が少なく乗り心地が良いのはガソリン車です。どちらにも優れた点があるため用途に合わせて使用するのが適切といえます。

 

■マイクロバスの注意点

バス

 

最後にマイクロバスに関する注意点を3つご紹介いたします。

 

自動車排出ガス規制地域では入れないマイクロバスがある

最近は環境に配慮し、自動車の排出ガスを規制する地域もあります。

排ガス規制のある地域ではマイクロバスの種類によっては走行できないものもあります。

特に古い型のマイクロバスは条件を満たしていないものが多く、自動車排出ガス規制地域でマイクロバスを走らせるには条件を満たしたモデルを用意する必要があります。

道交法改正により普通自動車免許では運転できない

マイクロバスの運転免許については過去2回変更されており、1970年の改正時には大型自動車免許が、2007年の改正時には中型自動車免許が必要と定められました。

2007年以前に取得した普通免許には「中型車は中型車(8t)に限る」との記載があります。

中型なのでマイクロバスを運転できそうに思えますが、マイクロバスの乗車定員と条件が合わないため運転できません。

マイクロバスの運転には「8t限定なし中型免許」、「8t限定なし中型二種免許」、「大型免許」、「大型二種免許」のいずれかが必要になります。

ちなみに、1970年の法改正時に合わせて半年間だけ発行された「マイクロバス限定大型免許」がありますが、現在でも有効です。

 

シートベルトについて

2008年の法改正によって、バスの後部座席にもシートベルトが必要になりました。

補助席にはシートベルトが付いていることが少なく、最初からシートベルトが付いていない場合は法改正後もシートベルトがなくても走行可能とされていました。しかし2016年に補助席にもシートベルトを付けることが義務付けられました。

新車を中心に補助席へのシートベルト取り付けが始まりましたが、今後は2022年までに他の車両にも取り付けられる予定となっています。

 

マイクロバスは燃費が良く車両本体は他のバスに比べて安いため、コストを抑えられるという魅力があります。もっとコストを抑えてお得にマイクロバスを購入する方法として、中古車のマイクロバスを検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

軽トラックの荷台ではみ出し可能なサイズはどれくらい?

トラック

 

トラックは目的に合わせて様々なタイプがありますが、運搬するものによってはどうしても荷台からはみ出してしまうこともありますよね。安全を考えると、荷台からはみ出してしまうことは避けたいですが、やむを得ない場合はどれくらいまでならはみ出しても大丈夫なのでしょうか。

今回は軽トラックの荷台からはみ出し可能なサイズについてご紹介いたします。

 

■軽トラックの分類と最大積載寸法について

まずは軽トラックの分類と最大積載寸法についてご説明いたします。

 

軽トラックの分類

ご存知の通り軽トラックは軽自動車に分類されます。そのため軽自動車の車両規定に従わなくてはなりません。軽トラックはトラックでありながら、軽自動車でもあるので気を付けましょう。

 

軽トラの最大積載寸法は?

軽トラックを含む全てのトラックは道路交通法で最大積載寸法が定められています。

最大積載寸法は長さ、幅、高さ、積載方法の4つについて規定があり、特別に許可されている場合以外は必ず守らなくてはなりません。

 

軽トラックで荷台からはみ出してもいいとされている範囲は以下の通りです。

 

<長さ> 車両の長さの10分の1を超えないもの

<幅>  車両の幅を超えないもの

<高さ> 地上から2.5m以内

<重さ> 最大で350kgまで

 

■積載物が荷台からはみ出してしまう場合

トラック

 

どうしても荷台から荷物がはみ出してしまうという場合は、荷台を改造することで解決できるかもしれません。

 

やぐらを活用する

軽トラックは大きく3種類に分けられますが長さは全て3,395mmとなっており、はみ出しが許されているのは10分の1に相当する339mmです。その場合は軽トラックの荷台にやぐらを組むなどの方法で解決することもあります。積載物によってどんな改造が必要になるのか考えましょう。

 

制限外積載許可申請書を提出する

どうしても荷台から規定以上はみ出してしまう場合は、制限外積載許可申請書を提出し、許可をもらってみるのはいかがでしょうか。ただし、申請したからといって必ずしも許可が下りるわけではありませんので、その点を留意しておきましょう。

 

荷台を改造する際の注意点

荷台を改造する場合や、荷台からはみ出してしまうほどの大きな物を乗せる場合は、以下の4点について注意が必要です。

 

①運転手の視野を狭めたりハンドルなどの操作が妨げられていないか

②バックミラーに後方の状況が写らなくなっていないか

③外部から方向指示、ナンバープレート、ブレーキランプ、尾灯、後部反射鏡が確認できないようになっていないか

④荷物が転落・荷崩れする可能性はないか

 

■制限外積載許可申請書とは

制限外積再許可申請書について、もう少し掘り下げてみましょう。

・制限外積載許可申請書とは

制限外積再許可とは、車両に載せる積載物が規定を超えてしまう場合に必要な許可です。
特殊車両だけでなく軽トラや普通自動車の場合でも必要になります。

・どれくらいまでのはみ出しが許可される?

申請書を提出して許可をとっても、荷台からのはみ出しには上限があります。

【長さ】
車両の長さから1.5倍までであること

【幅】
車両の幅から1メートル以内
※ただし車両の左右は0.5メートル、積載時の幅は3.5メートルを超えないことが条件

【高さ】
4.3メートルまでであること

・許可が有効となる期限

原則として、走行するたびに許可をとる必要があります。
条件によっては最大で3カ月かまで許可されます。条件は以下のとおりです。

①運転手が同じであること
②車両が同じであること
③貨物が同じであること
④積載方法が同じであること
⑤走行ルートが同じであること

どれか1つでも異なる場合は、新たに申請を提出し直さなくてはなりません。

・申請書を提出する場所

申請書を提出する場所は2種類あります。

①出発地点を管轄する警察署
②出発地を受け持ち区域とする交番、または駐在所

ただし、交番や駐在所への申請は、制限外積載のうち全長12メートル未満の長さかつ、複数回運搬を行わない場合に限り申請が可能です。

なお、出発地が遠方の場合は郵送で受け付けてもらえることもあります。
また、申請書の郵送が可能な場合も許可証を受け取るには出発するまでに警察署に直接受け取りに行かなくてはなりません。

申請から発行までにかかる日数は、早ければ翌々日には許可が下ります。目安として1週間程度みておきましょう。
日数や取り扱いは警察署によって異なるので、あらかじめ確認して余裕をもった行動を心掛けましょう。

・申請に必要な書類

①制限外許可申請書(2部)
②走行ルートが分かる経路図
③積載物の諸元
④積載方法の概略図
⑤運転者の運転免許証の写し ※複数人運転者がいる場合は一覧が必要
⑥車検証の写し

なお、申請者は運転手になります。
これまでは申請書に押印が必要でしたが、2020年12月28日以降は申請の様式に関係なく押印が不要になりました。

・特殊車両通行許可も必要?

走行する道路が道路法で定められた制限値を超える場合は、特殊車両通行許可が必要になります。
多くの場合は大型トラックなどで該当しますが、軽トラで該当するケースは非常にまれです。念のため道路法の規定を確認しておくことをおすすめしますが、軽トラの場合は基本的に不要です。

■はみ出しではここにも注意

トラック

荷台からのはみ出しを規定内に収めたとしても、他にも注意する点が2つあります。

 

最大積載量

軽トラックには最大積載量が350kg以下という制限があります。これはビールケース14箱に相当します。土砂などは重たいので積載量をすぐにオーバーしてしまいます。あらかじめ積み込む物の重さを把握しておきましょう。

 

高さ

軽トラックの最大積載寸法は地上から高さ2.5mまでとなっています。屋外の駐車場であれば問題ありませんが、屋内の立体駐車場などを利用する場合は高さ制限に引っかかる可能性があります。屋内の立体駐車場を頻繁に利用する方は高さに注意し、最高でも2m未満に留めておく方が良いでしょう。

 

■荷台からはみ出して走行するとどうなる?

荷台から積載物がはみ出したまま走行すると、罰則の対象になります。具体的にどのような罰則があるのかをこちらでご紹介いたします。

・免許証の加点

軽トラの荷台から積載物がはみ出していると「過積載」とみなされ、道路交通法違反として罰則の対象になります。点数ははみ出しの割合によって変動します。

5割未満…1点
5割以上10割未満…2点
10割以上…3点

悪質な過積載と判断された場合は、運転手だけでなく荷主への罰則、事業者への資格制限措置が課されることもあります。最悪の場合は事業者に対して事業許可の取り消しが行われることもありますので、はみ出しがある場合は必ず制限外積再許可をとるようにしましょう。

・罰金

罰金も免許証の加点と同様に、はみ出しの割合によって異なります。

5割未満…2万5,000円
5割以上10割未満…3万円
10割以上…3万5,000円

通常は免許証の加点と罰金の両方が課されます。
なお、車両通行が禁止されている場所を走行した場合はさらに重い罰則があります。

軽トラックの荷台から荷物がはみ出している場合は、いつも以上に慎重かつ丁寧な運転を心がけなくてはなりません。安全運転をすることで荷物が壊れたり事故を防ぐことにも繋がります。最大積載寸法を頻繁に超えてしまう場合は大きなトラックへの乗り換えも視野に入れましょう。

 

フォークリフトの点検にはどんな種類がある?

フォークリフト点検員

 

フォークリフトを安全に使うには日頃の点検が欠かせません。

しかしフォークリフトの点検についてよく分からないという方もおられるかと思います。

今回はフォークリフトの点検についてご紹介いたします。点検の方法についてしっかり覚えておきましょう。

■フォークリフトの点検には3種類ある

 

フォークリフトの点検は3種類あり、全て義務づけられています。

 

年次検査

年次検査は正式名称を特定自主検査といい1年に1度実施しなければなりません。

この点検は有資格者のみ実施を認められているため業者や有資格者に依頼して行います。

フォークリフトの台数が多い場合、点検に時間がかかることもあるので代車を用意しておくと安心です。

 

月次検査

月次検査は正式名称を定期自主検査といい、最低でも1ヶ月に1度以上は実施する必要があります。月次検査は資格者でなくても行うことができます。

 

始業前点検

始業前点検はフォークリフトで荷役作業を始める前に行う点検です。フォークリフトは毎日たくさんの荷物を運ぶため、こまめな点検が事故防止に繋がります。始業前点検も資格者でなくても行うことができます。

 

 

■フォークリフトの点検を怠ると

フォークリフト

フォークリフトの点検を怠った場合のトラブルについてご紹介いたします。

 

フォークリフトの点検は義務

フォークリフトの点検は労働安全衛生法で定められており、実施しなければ違法となります。特に年次検査を実施しなかった場合50万円以下の罰金が科されます。

 

フォークリフトの寿命が短くなってしまう

点検を怠るとフォークリフトの不具合に気付かないまま修理が困難な状態になるまで使い続けてしまい、結果的に寿命を早めてしまう可能性が高くなります。フォークリフトを長く使うためには、こまめな点検が欠かせません。

 

事故を起こす可能性が高まる

フォークリフトの不具合は故障だけでなく事故の原因になりうる事態を見落とす可能性も高くなります。フォークリフトの運転資格は比較的簡単に取ることができるため軽視しやすく、毎年死亡に繋がる事故が発生しています。そのため操作だけでなく点検にも十分注意を払う必要があります。自分や他の従業員を守るためにも必ず点検を行ってください。

 

 

■自主検査について

フォークリフト点検員

 

最後に検査に関する資格や点検項目についてご説明いたします。

 

特定自主検査は有資格者のみができる

年に1度実施する特定自主検査(年次検査)を行うにはいずれかの資格が必要です。

資格は公益社団法人 建設荷役車両安全技術協会(以下、建荷協)の研修を修了すれば取得することができます。

①事業内検査者資格取得研修

この資格を保有していれば自社の保有しているフォークリフトの特定自主検査を行うことができます。

 

②検査業者検査員資格取得研修

この資格を保有していれば検査員として第三者からの依頼を受けた際にフォークリフトの特定自主検査を行うことができます。

 

※事業内検査者の資格取得に必要な費用はテキスト代と消費税です。(必要に応じて教材を追加した場合は追加費用が発生します)

※金額などの詳細は研修を実施する建荷協/支部にお問い合わせください。

 

日頃から行う点検の内容

毎日行う始業前点検の項目は次の4点です。

 

①制動装置および操縦装置の機能

②荷役装置および油圧装置の機能

③車輪の異常の有無

④前照燈、後照燈、方向指示器および警報装置の機能

 

点検で異常があった際は補修または必要な措置が必要です

 

月次検査の内容

月に1度程度実施する月次検査の項目は次の3点です。

 

①制動装置、クラッチおよび操縦装置の異常の有無

②荷役装置および油圧装置の異常の有無

③ヘッドガードおよびバックレストの異常の有無

 

安全衛生規則により月次検査の記録には実施年月日、実施者、実施方法などを明記し、3年間保存することが定められています。

 

フォークリフトを長く安全に使うには日頃の点検を欠かさないことが大切です。

特定自主検査の資格を保有していれば自社で点検が全て行えるようになるほか、就業先での待遇が良くなるかもしれません。この機会に特定自主検査の資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。

 

フォークリフトの耐用年数はどれくらい?

作業員

フォークリフトは小回りが利いて便利なので多くの工場や配送センターなどで活躍しています。突然ですが、皆さんはフォークリフトの耐用年数についてご存知でしょうか?

耐用年数を知っておくことは、買い替えに最適な時期を把握したり事故防止に役立ったりと、フォークリフトを長く使う上で重要です。

今回はフォークリフトの耐用年数についてお話したいと思います。

■フォークリフトの耐用年数について

減価償却資産で見た耐用年数

減価償却資産についてご存知でしょうか?

減価償却とは、長期間にわたって使用する資産を経費として一度で計上するのではなく、状態や時間の経過とともに減少する価値にあわせて少しずつ計上する会計処理方法をいいます。

減価償却を計上するうえで耐用年数が必要になります。資産の耐用年数は法律によって定められており、フォークリフトの場合は4年となっています。耐用年数を過ぎたら実際に使えなくなるという意味ではなく、資産としての価値がほぼゼロと等しくなるという意味になるので間違えないようにしましょう。

フォークリフトの本体とバッテリーの耐用年数

フォークリフトの動力にはエンジン式とバッテリー式の2種類があります。

フォークリフト本体はこまめにメンテナンスを行うことで10年~15年ほど長持ちするといわれていますが、心臓部である動力装置はエンジン式で約10年間、バッテリー式にいたっては約5年程度といわれています。バッテリーは本体よりも先に寿命が尽きてしまうケースが多いので、バッテリーを動力とする場合は交換の必要性を念頭に置いておきましょう。

中古フォークリフトの耐用年数について

中古フォークリフトの耐用年数がどれくらい残っているのか把握するための計算方法をご紹介いたします。

耐用年数が残っていない場合の計算式は「法定耐用年数×20%」となります。

対して耐用年数がまだ残っている場合の計算式は、「(法定耐用年数-経過年数)+(経過年数×20%)」となります。

例として使用を始めて2年が経ったフォークリフトの耐用年数を算出してみましょう。

フォークリフトの法定耐用年数は4年なので、

(法定年数-経過年数)  4-2=2

(経過年数×20%)  2×20=0.4

(耐用年数)     2+0.4=2.4

算出された年数が1年に満たない端数は切り捨て、2年未満であった場合は全て2年に引き上げられることが定められています。つまり、この場合の耐用年数は2.4年ではなく、2年ということになります。

■こんな不調が出たら要メンテナンス!

作業員

フォークリフトによく見られる不調を3つご紹介します。

エンジンオイルの劣化

フォークリフトのトラブルによくあるのがエンジンオイルの劣化です。

エンジンオイルの交換はオイルの色を確認して判断しましょう。オイルの色が濃くなっていたり粘度があったりという状態が確認できれば交換の目安です。

タイヤの減り

以前よりスピードが出にくくなったと感じた場合はタイヤの状態を確認してみましょう。

空気入りタイヤを使用している場合はスリップサインが見えている、ノーパンクタイヤはタイヤの溝が消えていたら交換のサインです。タイヤとホイールが長持ちするよう日頃から気を付けて点検しておくと安心です。

ツメ(フォーク)の損傷

パレットにツメが入りにくい場合はツメの損傷が考えられます。ツメは摩耗するので消耗品の扱いになります。ツメが摩耗すると、規定重量内の荷物であっても持ち上げた瞬間に折れたり先端が鋭利になって商品や人を傷つけてしまったりと大きな被害を呼びます。日頃からツメの状態も確認しておきましょう。

■フォークリフトの寿命を延ばすには

作業員

フォークリフトを長い間使うなら3つのポイントが大切です。正しく扱ってフォークリフトの実耐用年数を延ばしましょう。

こまめなメンテナンス

毎日フォークリフトに乗っていると、少しの不具合に気が付きやすいのではないかと思います。音や振動など、動きに少しでも違和感があったら運転を続けずにフォークリフトの状態を確認しましょう。早めの手入れや部品交換を行うことで、フォークリフトが安全かつ長く使えるようになります。

積載量は必ず守ろう

「少しくらい超えても問題ない」と、最大積載量を超えて荷物の運搬を繰り返すのはフォークリフトの実耐用年数を短くしてしまう行為です。また、部品の消耗が早まり事故の危険性も高まります。積載量を無視せず必ず規定量を守るようにしましょう。

保管場所に気を付けよう

保管場所も実耐用年数を延ばす重要ポイントです。フォークリフトの保管場所は屋内で風通しがよく湿気の少ない場所が適しています。通気性が悪く湿気の多い場所はカビやサビの発生を招きます。

■もしフォークリフトに異変を感じたら

もし耐用年数に余裕がある状態でも、日々使っているフォークリフトに異変が生じることもあります。トラブルが大きくならないように、対処法を覚えておきましょう。

・無理に動かそうとしない

フォークリフトは機械なので、生き物のように放置して自然に問題が解決するということはあり得ません。故障が疑われる場合は速やかに使用を停止しましょう。無理に動かすと故障箇所に負担がかかって悪化してしまう可能性があります。そのため、異変を感じたらできるだけ動かさないことを心がけてください。

ほかの作業者が間違って使わないためにも、故障中と分かる表示をしておくようにしましょう。

・こういった状態の場合は近づかない

もしフォークリフトから発熱、異臭、オイル漏れ、部品の欠けや破損、振動があった場合は人を近づけないようにしてください。そうすることで二次災害を防ぐことができます。

特に異臭やオイル漏れがある場合は、周囲に安全柵を設置する、輪留めを使うなど必要に応じて対応しましょう。

フォークリフトの状態を確認する場合は、時間が経過してから行うようにしてください。

・銘板の確認

スムーズな修理依頼のためには、フォークリフトの状態と併せて、フォークリフトの仕様を業者に伝えることが大切です。フォークリフトには銘板が取り付けられており、確認することでフォークリフトの仕様を判断することができます。

最低でも、型式、製造番号、アタッチメントの形式、タイヤサイズは伝えられるようにしておきましょう。

・確認ポイント

もしフォークリフトが動かない、動作がおかしい場合は最初に下記のポイントを確認してみましょう。

電源が入らない…バッテリープラグが抜けていないか

走行しない…ギヤを一旦ニュートラルに入れてからアクセルを踏む

ブザーが鳴る…座席に正しい位置で座れているか

充電ができない…充電ボタンを押して再度確認する

エンジンがかからない…ギヤがニュートラルになっているかを確認

セルモーター音が聞こえない…配線の接触不良が起きていないか

■フォークリフトのバッテリーについて

フォークリフトの中でも特に中古の場合は、本体よりも先にバッテリーの寿命がきてしまうことがあります。こちらではバッテリーについてご紹介いたします。

・バッテリーの寿命

フォークリフトのバッテリーの寿命はおよそ1,200サイクルです。毎日1回充電した場合、5年ほどで寿命が来ますが、手入れによってバッテリーの寿命は変動します。

JIS規格では1,200~1,500が寿命とされているため、どれくらいもつのかは使用しているフォークリフトを確認してください。

・バッテリーは交換可能?

フォークリフトのバッテリーは交換可能です。ただし非常に高価で、およそ50~100万円ほどかかるとされています。安いものでは20万円以下のものもありますが、費用を抑えたい場合は中古バッテリーを購入する方法があります。とはいえ中古バッテリーはどれくらい使えるのか、これまでどのような使い方をされていたのかが分からないため、緊急時のつなぎ程度に考えた方がよいかもしれません。

・再生バッテリーとは

中古バッテリーではなく、再生バッテリーを選ぶ方法もあります。再生バッテリーは使い終わったバッテリーをリサイクルしたものです。

フォークリフトのバッテリーは鉛蓄電池で、充電と放電を繰り返すことで内部の電極に鉛がくっついて寿命を迎えます。再生バッテリーは内部の鉛を取り除くことで、バッテリーの機能を90%ほどにまで回復しているため、問題なく使うことができますよ。

・バッテリーに悪影響を及ぼすもの

フォークリフトのバッテリーは過放電、過充電、頻繁な充電などが原因で寿命が短くなります。また、精製水が十分に補充されている状態で使用すること、常に清潔な状態を保つことも寿命を延ばすためには欠かせません。

・バッテリー交換の目安

バッテリーの交換目安は年数だけでなく、状態によって判断しましょう。稼働時間が短くなった、バッテリーの消耗が早くなった、パワー不足、使用中や充電中にバッテリーの熱が異常に高くなるなどが挙げられます。

バッテリーが熱くなると、バッテリー液が蒸発してしまうため、バッテリー液の減少量も日頃から確認しておきましょう。

 

法律で決められたフォークリフトの耐用年数は4年ですが、実際の耐用年数は扱い方によります。フォークリフトを長く使うなら、こまめにメンテナンスをして業務中は丁寧に扱うよう意識しましょう。