買取りトラック記事

日本国内のトラックメーカーを比較!代表車種や特徴は?

白トラック並列駐車

白トラック並列駐車

日本には非常に多くのトラックメーカーがあります。

日本のトラックは海外でも非常に需要が高く、壊れにくさや機能性の高さが評価されています。新しくトラックを買うなら、それぞれのトラックメーカーの特徴などを抑えておくと参考になります。

今回は日本国内のトラックメーカーについてご紹介いたします。

■日本国内のトラックメーカーと代表車

それぞれのトラックメーカーと代表車をご紹介いたします。

・三菱ふそう

元は三菱自動車工業株式会社の傘下でしたが、2003年に分社し独立したトラックメーカーです。

現在はメルセデスベンツを輩出するドイツの自動車メーカー「タイムラ―」の連結子会社です。

燃費のよい高トルクのエンジンが特徴で、走りが安定しているので長距離にも適しています。シートの座り心地もよく、長距離ドライバーからも強く支持されています。

国内シェア率はそれほど高くありませんが、世界的に愛されているトラックメーカーです。

<代表車種>

スーパーグレート、ファイター、キャンター

・いすゞ

3台の白トラック全面

1916年創業の国内最古の自動車メーカーでありながら、現在は乗用車の製造を行なっていないのがいすゞです。

国内では日野に続いて2番目にトラックのシェア率が高くなっています。

いすゞはディーゼルエンジン技術が非常に高く、自動車だけでなく船舶用のエンジンにも携わっています。

また、購入時の値引き幅が非常に大きいことから、少ない初期費用で購入できるのも人気の理由です。

<代表車種>

ギガ、フォワード、エルフ

・日野

日野自動車株式会社はトヨタグループの連結子会社で、国内のトラックでトップクラスのシェア率を誇っています。

高い技術力が評価されており、トラックだけでなく、バスも非常に人気があります。

高いエンジン馬力でありながら低振動かつ、耐久性に優れたトラックで、大型車では顧客満足度1位の実績をもつトラックメーカーです。

消防車などにも日野のトラックが使われています。

<代表車種>

デュトロ、レンジャー、プロフィア

・UDトラックス

元は日産ディーゼル株式会社の傘下でしたが、後にスウェーデンの自動車メーカー「ボルボ」の傘下になり、現在はいすゞの傘下になったトラックメーカーがUDトラックスです。

車両重量がほかのトラックメーカーに比べて重い傾向にありますが、エンジン馬力とクラッチが強いため坂道に強いと定評があります。

また、UDトラックスは世界で初めて尿素SCRシステムを導入したメーカーでもあり、燃費がよく車両価格も安いことから人気です。

<代表車種>

クオン、コンドル、カゼット

・マツダ

マツダのトラック

日本では乗用車のイメージが強いマツダですが、欧州をターゲットにしたトラックも販売しています。

ハンドリング性能に優れており、運転がしやすく乗り心地もよいと欧州からは非常に高い人気がありましたが、2020年までに商用車の製造から完全撤退することが発表されました。

そのため、今後は見かける機会も非常に少なくなっていくことが予測されます。

<代表車種>

タイタン、ボンゴ、スクラム

・トヨタ

トヨタも日本では乗用車のイメージが強いメーカーですが、一時はトラックの製造をメインにしていたこともあります。

トヨタは非常に耐久性が優れており性能も高いため、中古車でも高い価値があります。

そのため、高い値段で買い取ってもらうことができます。

<代表車種>

ダイナ、トヨエース、タウンエース

・日産

日産も乗用車のイメージが強いメーカーですが、トラックの製造も行なっています。

数や種類は多くありませんが、主にマイクロバスや小型のトラック、軽バンの人気が高いメーカーです。

<代表車種>

アトラス、クリッパー

■人気トラックメーカーの小型トラック

小型トラックの特徴をご紹介いたします。

・小型トラックのサイズや必要な免許

最大積載量は2~3tで、荷台の寸法が3m以下のショートタイプと、4m以上のロングタイプがあります。

普通免許でも運転できますが、車種によっては制限がかかるので注意しましょう。

・人気トラックメーカーの小型トラック

主要トラックメーカーが取り扱う、人気の小型トラックをご紹介いたします。

<三菱ふそう キャンター>

低速時に発揮する力強い走りが特徴です。

他にも、技術を集結させた最先端の安全性能に加えて、運転中の疲労軽減を意識した内装、メーカートップレベルの燃費性能など、独自の進化を遂げてきました。

<いすゞ エルフ>

小型クラスでは国内1位を誇る、いすゞの主力トラックです。

圧倒的な燃費性能と静粛性の高いエンジン、細部まで計算された操作性など、コンパクトながら業界をけん引する風格があります。

<日野 デュトロ>

エコに注力したラインアップが特徴です。

耐久性の高いボディに視認性のよい機能的レイアウト、高い安全機能などが多くのドライバーから支持されています。

小型トラックの代表的存在と言えるでしょう。

<UDトラックス カゼット>

新次元トランスミッションの採用により、路面状況にとらわれない快適走行を実現しました。

2015年には、燃費性や快適性、機能性を活かした中型仕様の「カゼットRK」が誕生し、トラック界の新星として注目を集めています。

■人気トラックメーカーの中型トラック

中型トラックの特徴をご紹介いたします。

・中型トラックのサイズや必要な免許

最大積載量4t前後、全長12m以内と、十分な容量と俊敏な機動力を発揮するトラックです。

運転するには中型免許以上の免許が必要ですが、取得時期によっては普通免許でも運転できるケースもあります。

・人気トラックメーカーの中型トラック

主要トラックメーカーが取り扱う、人気の中型トラックをご紹介いたします。

<三菱ふそう ファイター>

高度な予防安全システムや燃費効率に優れた高性能エンジンを搭載しており、人、もの、環境にやさしいトラックです。

さらに運行管理システムを導入するなど、中型トラックの高みを目指す姿勢はとどまるところを知りません。

<いすゞ フォワード>

いすゞは中型クラスで初のオートマチックトランスミッションを採用するなど、高い技術力とチャレンジ精神に溢れたトラックメーカーです。

また、あらゆるニーズに対応できる豊富なラインアップが評価され、日本はもちろん海外から複数のオファーを獲得しています。

<日野 レンジャー>

充実したサービスが低コストで利用できるため、長年にわたり一定の人気を誇ります。

輸入車を思わせる面持ちが特徴で、レース参戦など話題が尽きません。

貨物用以外に特殊車両としての活躍も著しいトラックです。

<UDトラックス コンドル>

2017年に自社生産が終了し、いすゞよりOEM供給を受けています。

力強いエンジンと先進の安全技術により、運転中の負担を和らげ、高品質の走行性と燃費性を実現しました。

■人気トラックメーカーの大型トラック

大型トラックの特徴をご紹介いたします。

・大型トラックのサイズや必要な免許

大型トラックは車両総重量が11t以上、最大積載量が6.5t以上と非常に大きく、現代の物流において不可欠な存在です。

運転するには大型免許が必要で、取得すればほとんどのトラックを運転できます。

・人気トラックメーカーの大型トラック

主要トラックメーカーが取り扱う、人気の大型トラックをご紹介いたします。

<三菱ふそう グレート>

特殊車両に使用されるほど、信頼性の高いトラックです。

現在は中古市場での取り扱いに限られますが、多くのファンを抱えており、名車と呼ばれ続けています。

なお、後継車はスーパーグレートです。

<いすゞ ギガ>

力強いディーゼルエンジンや高性能の安全機能、快適性、環境性能など、大胆な挑戦を繰り返してきたトラックです。

カーゴやトラクター、ダンプ仕様など、豊富なラインアップが揃います。

<日野 プロフィア>

独自開発のハイブリッドシステムにより、クラストップレベルの低燃費を実現しています。

さらにドライバーの疲労度を把握する技術など、トラックメーカーとして持ちうる技術のすべてを余すことなく反映させたトラックです。

<UDトラックス クオン>

UDトラックスが製造する唯一のトラックで、トラックメーカーならではの技術が集結されています。

ポテンシャルの高いエンジンはもちろん、日本初の全輪ディスクブレーキを標準装備するなど、走行性能へのこだわりが強く感じられるトラックです。

日本は車の品質が高く、世界でも高い評価を得ています。

トラックメーカーもさまざまな特徴があるため、お気に入りのトラックメーカーを見つけてみてください。中古トラックなら、お手頃な価格で気になる車種が購入できるかもしれませんよ。

トラックのファンベルトは交換しなくてもいい?【ファンベルトの交換について】

ファンベルトはトラックを動かすための大切な部品です。

車によってファンベルトを搭載している数は異なりますが、どれも大切ですので必ずメンテナンスで正常な状態を保つようにしましょう。

今回はファンベルトの交換についてご紹介いたします。

■ファンベルトとは

まずはファンベルトがどのようなものか、ご紹介します。

・ファンベルトとは

ファンベルトはゴム製のベルトであり、かつては断面がV字に見えたことから「Vベルト」と呼ばれることもあります。

役割としてはラジエーターを冷ますファンを動かすために使われています。

現在は電動ファンが搭載されているトラックもありますが、いまだにファンベルトは多くのトラックに使われています。

■走行中にファンベルトが切れたら…

ファンベルトは、トラックの走行中に切れることもあります。

・ファンベルトが切れた場合の対処法

走行中にファンベルトが切れた場合、メーターパネルにある充電系統の警告灯が点灯します。

気付いたらトラックを安全な場所に停めてエンジンを切り、ロードサービスに連絡を入れましょう。

また、ファンベルトは切れた反動でどこかに飛んでいくケースが多いものの、巻き付いたまま残ることもあるので確認が必要です。

・破損する前に交換することが重要

ファンベルトが切れたことにより、電気系統にトラブルが発生すると、走行中の事故につながる恐れがあります。

そのため、ファンベルトから異音がしたり劣化の症状が見受けられたりする場合は、破損する前に交換しましょう。

・電動ファンがついている場合も交換は必要?

現在のトラックは電動ファンが普及していますが、使用されているベルトをファンベルトと呼ぶことがあります。

しかし、電動ファンは従来のファンベルトを使わない駆動なのでファンベルトそのものが使われているというわけではありません。

よって、電動ファンは名前がファンベルトと呼ばれているだけで、ファンベルトは存在せず、交換の必要もないということになります。

・ファンベルトが切れるとどうなる?

ファンベルトが切れてしまっても、すぐにエンジンが停止するわけではありません。ただし走行を続けると、動かなくなるので速やかに対処が必要です。

ファンベルトが切れるとウォーターポンプが停止してエンジンがオーバーヒートを起こします。オーバーヒートはトラックが動かなくなる原因にもつながります。

また、オルタネーターが停止するので発電もできなくなります。電力の供給がなくなるとトラックは走行不能になります。

ほかにもパワーステアリングポンプの停止によってハンドルが重くなり運転が難しくなる、エアコンが使えなくなるなどの問題もあります。

ファンベルトが切れた状態でトラックを運転することは避けましょう。

・ファンベルトが切れる原因は?

ファンベルトが切れる原因のほとんどは劣化です。

ゴム製のため、長年使用していると弾力性が失われてひび割れ、縦に裂けるといった症状が現れます。

特に裂けている状態はすぐにファンベルトを交換するようにしましょう。

また、ファンベルトを張りすぎると切れることがあります。起こる頻度は非常に少ないですが、交換して間もないファンベルトが切れた場合は張りすぎを疑ってみましょう。

■ファンベルトの交換について

走行中に急にファンベルトが切れることがないよう、日頃からファンベルトの確認を行いましょう。こちらでは、ファンベルトの交換についてご紹介します。

・ファンベルトの交換時期

ファンベルトの交換時期は走行距離が4万~5万kmが目安です。

しかし、中には5万km走行してもファンベルトの劣化が見当たらないこともあるでしょう。

早めに交換しておくことでトラブルを避けることができますが、距離以外にベルト鳴きで交換時期を判断する方法もあります。

もしエンジンをかけたときや、ハンドルを操作した際に「キュルキュル」という音が鳴ったら、ファンベルトとベルトがかかっている金属(プーリー)がかみ合っていない可能性があります。

ベルトの溝が浅くなるとかみ合いにくくなるので、ベルト鳴きがあれば交換した方が良いでしょう。

・ファンベルトの交換場所

安全性を重視するなら、ファンベルトの交換は整備工場に依頼しましょう。

基本的にはどこの整備工場でも受け付けてくれますが、できればトラックの構造に詳しい工場へ任せると安心です。

なお、急な依頼によりファンベルトの在庫がない場合は、日数がかかることも予想されるので、事前の予約をおすすめします。

また、走行中に切れた場合は、ファンベルトが切れてから、どれくらいの距離を走行したかも伝えましょう。

エンジンの損傷を測る目安になるためです。

・ファンベルトの交換費用

ファンベルトの交換にはファンベルトの本体価格と工賃が必要です。

トラックの場合、ファンベルトは6,000円程度が相場とされており、工賃も同じくらいかかります。

そのため、合計でおよそ1万2,000円が必要になります。

・中古トラックなら買い替えの方が安くなる!?

ファンベルトが切れたことでエンジンにダメージがある場合、エンジンの交換が必要になることもあります。

大型トラックのエンジンは交換に100万円以上かかることも珍しくないので、場合によっては中古トラックに乗り換える方がコストを抑えることができるかもしれません。

■中古トラックのメリット・デメリット

ファンベルトが切れて、エンジンの損傷が大きい場合は、トラックの乗り換えを検討したほうがよいもしれません。

・中古トラックのメリット

中古トラックならではのメリットをご紹介いたします。

<購入費用を抑えられる>

新車の場合、車種や仕様によっては1,000万円以上かかります。

しかし、中古トラックなら購入費用を抑えて、状態のよいトラックを購入できるかもしれません。

<納車がスムーズ>

新車は受注生産のため、納車までに時間がかかります。

その点、中古トラックの場合は架装やオプションを装備した現車があるので、手続きが終わればすぐに納車できるでしょう。

<トラックの選択肢が豊富>

中古市場は取り扱い車種が多く、生産が終了した人気車種を購入できるのも中古トラックならではのメリットです。

また、車種に悩んでいる場合は、予算を先に決めて候補を絞り込むと、買い替え時の負担も減らせるでしょう。

・中古トラックのデメリット

メリットの他にデメリットもあるので、確認しておきましょう。

<オプションを選べない>

新車と違い、事前にオプションを装備できません。

また、架装を追加または変更するときは、構造変更を届け出る必要があります。

<状態に個体差がある>

同じ条件でも、以前の使用状況やメンテナンス状況によって状態に差があります。

そのため、点検整備記録を確認したうえで購入を決めましょう。

<車両価格が変動する>

トラックの価格は市場の動向に影響されやすく、時期や需要によって変動します。

相場より安く購入できるケースもあるので、タイミングを逃さないことが大切です。

■人気トラックメーカーの特徴を解説

トラックには、メーカーの技術やこだわりが詰まっています。

・トヨタ

馬力のあるエンジンとスムーズな加速が特徴です。

品質への信頼性も高く、中古市場でも一定の人気があります。

大型車種は製造しておらず、小・中型のダイナを取り扱っています。

・いすゞ

パワフルでありながら、静粛性に優れた高品質なディーゼルエンジンを採用しています。

取り扱い車種は、小型のエルフ、中型のフォワード、大型のギガです。

・日野

馬力があるうえに耐久性も高く、乗り心地もよいのが特徴です。

技術力の高さは、海外からも注目されています。

取り扱い車種は、小型のデュトロ、中型のレンジャー、大型のプロフィアです。

・三菱ふそう

優れた走行性能と疲れにくい操作性の高さが特徴です。

取り扱い車種は、小型のキャンター、中型のファイター、大型のスーパーグレートです。

・UDトラックス

力強いエンジンや高性能の安全システム、電子制御の次世代トランスミッションなど、快適性を考慮した多くの工夫が凝らされています。

取り扱い車種は、小型のカゼット、中型のコンドル、大型のクオンです。

大切なトラックに長く乗るためには、ファンベルトの確認を日頃から行うようにしましょう。

事故に気を付けるだけでなく、細かな確認が安全運転には欠かせません。

トラックのエアドライヤーとは?仕組みや点検方法、交換する場合の目安と費用

トラック2台の横画像

エアドライヤーは、トラックの重要な部品の一つです。

安全な走行を維持するためにも、仕組みや点検方法を理解しておきましょう。

今回はトラックにおいて重要なエアドライヤーについて、交換する場合の目安や費用も併せてご紹介いたします。

■トラックのエアドライヤーとは

まずは、エアドライヤーがどのようなものかを解説いたします。

・エアドライヤーとは

エアドライヤーは、トラックやバス、重機など、エアコントロールシステムを使用するすべての大型車両に搭載されている部品です。

トラックなどの大型車両は、コンプレッサーで圧縮した空気をブレーキやサスペンションなどのエアコントロールに利用しています。

圧縮空気には、余計な水分や油分も含まれるため、機能が正常に作動するよう各システムへの侵入を防ぐのがエアドライヤーの役割です。

なお、エア経路に水分や油分などの異物が入り込むと、エアコントロールシステムの不具合が起こります。

・エアドライヤーの仕組み

エアドライヤーは、ろ過装置に似ています。

エアドライヤーには、多数の細かいくぼみが空いた乾燥剤が備わっており、圧縮空気がエアタンクへ流れる前に、エアドライヤーを通って水分や油分をろ過する仕組みです。

また、乾燥した空気の一部はエアドライヤーの中に残り、乾燥剤へ吹きかけることで機能を再生させる役割を果たします。

・制御方式は主に3種類

エアドライヤーの制御システムは、「電気式」「モジュール式」「タイマーパージ式」の3種類です。

<電気制御式>

トラックに搭載されている電子制御ユニットを使用するタイプです。

カートリッジの寿命をモニタリングできる特徴があります。

<モジュール式>

乾燥や再生のために消費する空気用のタンク(パージタンク)が一体化しています。

メンテナンスをしやすいのが特徴です。

<タイマーパージ式>

パージタンクが不要でコンパクトなタイプです。

本体に搭載された再生タイマーで乾燥剤を乾燥させます。

■エアドライヤーは点検が欠かせない

おもちゃトラックのまわりに工具

乾燥剤が吸い取った水分は、乾燥・再生用の空気を吹きかけることで除去できますが、油分はそのまま蓄積し、乾燥剤を劣化させます。

そのため、エアドライヤーはこまめな点検と交換が欠かせません。

・エアドライヤーが故障すると…

エアドライヤーは乾燥剤のほか、エキゾーストバルブやチェックバルブ、ガバナなど複数の部品で構成されています。

しかし、エアドライヤーの故障はそれぞれが相互に作用して発生するため、故障した部品の特定はできません。

どの部品が故障しても、ブレーキや駆動系の動作不良やエアサスペンションの不具合が起こる恐れもあります。

特に、ブレーキの動作不良は安全性に大きくかかわるため、走行中に違和感を覚えたときは、すぐにエアドライヤーの点検や交換を行いましょう。

・エアドライヤーの点検方法

エアドライヤーは、日常点検と定期点検が必要です。

日常点検では、エンジンをかけて空気圧が充てんされたら、エキゾーストポートから空気が排出されるかを確認します。

また、定期点検は3か月に1度を目安に、エアドライヤーから水分や油分が排出されていないかを整備工場などで確認してもらいましょう。

■エアドライヤーの交換目安と費用

トラックおもちゃとピンクの電卓

エアドライヤーは消耗品のため、定期的に交換しましょう。

・エアドライヤーの交換目安

エアドライヤーの交換は年に1度、または走行距離を目安に行います。

中型トラックの場合は60,000kmごと、大型トラックの場合は100,000kmごとが目安です。

・エアドライヤーの交換費用

交換費用は、車種や車両サイズ、エアドライヤーの制御システムなどで変わりますが、新品への交換だと工賃を含めて50,000~60,000円ほどが一般的でしょう。

中古品やリビルト品の場合は、25,000~30,000円ほどが相場です。

エアドライヤーは、エアコントロールシステムを採用する大型車両の安全を陰で支える大事な部品です。

年次点検や走行距離を目安に交換し、走行の安全性を維持しましょう。

キャブオーバーとは、どんな車を指す?特徴やメリット・デメリット、人気トラックを解説

トラックの前で腕組みして微笑む男性

あまり聞き慣れないかもしれませんが、キャブオーバーは車の構造を指す言葉です。

一般的な乗用車に多いボンネット型とは、異なる特徴があります。

今回は、キャブオーバーの意味や特徴からメリット・デメリットまで、詳しくご紹介いたします。

■キャブオーバーとは、どんな車を指す?

まずは、キャブオーバーの意味や特徴についてご紹介いたします。

・キャブオーバーとは

エンジンの上に運転席(キャビン)がある構造の車を、「キャブオーバー(または「キャブオーバー型」)」と言います。

対して、エンジンが運転席よりも前にある構造の車が「ボンネット型」です。

現在、日本のトラックはキャブオーバーが主流ですが、旧式トラックの中にはボンネット型も見られます。

・「バン」となにが違う?

「バン」と呼ばれる車の多くは商用車にあたり、運転席と荷室がつながった構造をしています。

乗車スペースよりも荷室のほうが広々としているうえ、2列目をリクライニングできないのが特徴です。

一方、キャブオーバーのトラックは運転席と荷室が完全に分離しており、運転席から荷室へは移動できません。

・キャブオーバーの特徴

キャブオーバーは運転席の下にエンジンがある分、車高が高めで、シートにエンジンの熱や振動が伝わりやすいのが特徴です。

また、エンジンルームを開けるには、運転席を前傾させる必要があります。

■キャブオーバーのメリット・デメリット

トラック荷台に案内する女性

キャブオーバー型のトラックには、以下のメリットとデメリットがあります。

・キャブオーバーのメリット

キャブオーバーは荷室が広く、1度に多くの荷物を積み込めます。

また、運転席からの目線が高くなり、道路を見下ろすように運転できることもメリットです。

前方にボンネットがない分、小回りが利きやすいのも日本の道路事情に適した設計と言えるでしょう。

・キャブオーバーのデメリット

キャブオーバー型のトラックは運転席が箱型で、走行中に空気抵抗を受けやすいことがデメリットです。

速度が上がるほど空気抵抗の影響も大きくなり、高速道路などでは多くの燃料を必要とします。

また、車のボンネットは、前からの衝撃を受け止める役割を担いますが、キャブオーバー型のトラックにはクッションの役目になるボンネットがありません。

そのため、衝撃に弱いことがデメリットによく挙げられる反面、メーカーは衝突安全性の高いボディの設計に取り組んでいます。

■キャブオーバー型の人気トラック

FUSOキャブオーバー

キャブオーバー型のトラックで、人気のある車種をご紹介いたします。

・トヨタ ダイナカーゴ

トヨタは物流トラックの最先端を目指し、高性能の安全技術を標準装備しています。

専用のエンジンを搭載し、低燃費、エコ、高い走行性能を実現するダイナカーゴは、トラック界屈指の存在です。

1tと2tクラスがあり、汎用性の高い車種がラインアップされています。

・いすゞ エルフ

小型クラスにおける国内シェア1位を誇ります。

走行中にドライバーの負担を軽くするスムーズな変速操作のほか、高性能エンジンと先進システムによる優れた燃費性能、危険を察知して事故を回避する信頼性の高い安全機能など、ドライバーを満足させる技術を集結した1台です。

・日野 デュトロ

運転席やボディのタイプを細かくラインアップし、用途に合わせて選べる柔軟性の高さが魅力です。

市街地での運行に配慮し、軽自動車並みの小回りを実現するほか、安全性や快適性を重視した高機能システムを搭載しています。

ドライバーが安心して運転に集中できる工夫が満載のトラックです。

・三菱ふそう キャンター

「安心の新しい走り」をコンセプトに、メーカー独自の先進安全技術が標準装備されています。

環境への配慮も著しく、低排出ガス車に認定されているトラックです。

快適性にも配慮され、運転に集中できるようキャビンの内装はシックなインテリアで統一されています。

・日産 アトラス

アトラスは、ドライバー、周囲、環境の全方位に配慮したやさしいトラックです。

先進の安全技術を標準装備して安全運転をサポートするほか、アイドリングストップシステムや高燃焼効率エンジン、新世代トランスミッションなどを搭載し、スムーズに走れます。

キャブオーバー型のトラックは、運送効率や機動性を考慮して設計されました。

現在も、性能が大きく向上したトラックが日々開発されています。

また、中古市場においても高性能トラックの取り扱いは珍しくないため、トラックの買い替えを検討している方は、中古トラックも視野に入れて探してみてください。

トラック運送事業者のGマークとは?申請から認定までの流れや取得するメリット・デメリット

Gマーク

現在、Gマークの認定事業所は次々に増加しています。

認定されると多くのメリットが得られるため、トラック運送事業者は取得を目指しましょう。

今回はGマークについて、申請から認定までの流れや取得するメリット・デメリットなどを詳しくご紹介いたします。

■Gマークとは?申請から認定までの流れ

まずはGマークがどのようなものか、お伝えいたします。

・Gマークとは

Gマークとは、公益社団法人全日本トラック協会が安全性を認めた事業所に付与する認定マークです。

Gマーク認定は、利用者が安全性の高い事業者を選ぶときの目安となり、事業者にとっても安全に対する意識を高めるとともに環境を整えるきっかけにもなります。

・Gマーク認定事業所の割合

2022年3月末の時点で、27,898の事業者が安全性優良事業所に認定されています。

この数字は、全事業所数の32%に相当する割合です。

なお、国土交通省が2019年中の事業用トラック1万台あたりの事故件数をまとめた結果、Gマークを取得した事業所の事故件数は、未取得の事業所に比べて半分以下であったことがわかっています。

・Gマーク認定までの流れ

Gマークの申請から認定までの大まかな流れをご紹介いたします。

  1. 都道府県トラック協会に申請書類を送付する
  2. 全日本トラック協会に申請書と添付資料が送付される
  3. 安全性評価委員会の評価を受けたのち、要件を満たせば認定される

2022年度の申請受付期間は、7月の初め頃から2週間ほど設けられていました。

また、結果が出るのは申請をしてから約5か月後です。

なお、Gマーク制度の最新情報は、全日本トラック協会のホームページで確認できます。

■Gマークの申請資格と認定要件について

申請書

Gマーク認定の安全性評価は、厳しい基準が設けられています。

・Gマークの申請資格

申請をするには、以下の項目を満たしている必要があります。

  • 事業開始後、3年以上経過している
  • 使用する事業用トラックが5台以上ある
  • 虚偽の申請や不正な申請の却下または取り消しを受けた後、2事業年度を経過している
  • Gマークや認定証の偽造や不正使用により是正勧告を受けた場合は、改善が認められたのち、認定証を提出した日から3年以上経過している

・Gマークの認定要件

安全性評価は、各項目に設けられた内容をもとに点数が加算されます。

認定を受けるには、一定の点数や要件を満たさなければなりません。

<認定要件>

  • 評価点数の合計が80点以上
  • 各項目の点数が基準点を上回っている
  • 法に基づいた許可申請や届出、報告が行われている
  • 社会保険などに加入している

<評価項目と内容>

  • 安全性に対する法令遵守状況(配点40点/基準点32点)

評価内容:地方実施機関の巡回指導結果、運輸安全マネジメントの取組状況

  • 事故や違反の状況(配点40点/基準点21点)

評価内容:重大事故、行政処分の状況

  • 安全性に対する取組の積極性(配点21点/基準点12点)

評価内容:安全対策会議の実施、運転者の教育などの取組の自己申告事項

なお、評価の結果は各事業所へ郵送され、認定を受けた事業所は全日本トラック協会のホームページで公表されます。

■Gマークを取得するメリット・デメリット

トラックを運転する男性

Gマークの取得に関するメリットとデメリットをご案内いたします。

・Gマークを取得するメリット

Gマーク認定を受けるメリットは、以下が挙げられます。

  • 交通違反による違反点数の消去期間が3年から2年に短縮される
  • IT点呼が導入できる
  • 低公害車導入促進補助金制度を利用したCNGトラックの最低導入台数が3台から1台になる
  • 点呼が所属外の営業所や同じ敷地内にあるグループ企業間でも行える
  • Gマークの認定が10年以上継続し、一定の基準を満たした場合に表彰される
  • 一部の損保会社や交通共済で保険料の割引が受けられる
  • 全日本トラック協会が実施する助成金制度の優遇が受けられる
  • 荷主からの信頼性が高まる
  • 全日本トラック協会のホームページに掲載され、周知される

Gマーク認定により、事業所全体の士気も高まるでしょう。

・Gマークを取得するデメリット

取得のメリットがある一方、デメリットもあります。

具体的には、書類の準備や管理など事務処理が煩雑になるほか、日頃から安全に対する取り組みを入念に行う必要があることなどです。

体制を整え、事業所が一丸となって取り組む必要があるため、説明会などを実施して周囲に理解と協力を求めましょう。

Gマーク認定は、企業コンプライアンスが強く求められる昨今において、価値の高いマークです。

取得や維持のハードルも高いものの、事業所全体の活性化につながります。

認定を目指すなら、まずは全日本トラック協会のホームページを確認しましょう。

重機の種類には何がある?現場が違えば活躍する重機も違う!

重機にはそれぞれ役割があり、目的に合わせて使用することが非常に重要です。

重機によっては一つの枠組みにとらわれず多岐に渡って使用されているものもあります。

今回は、豊富な種類がある重機の中でも特に活躍している重機を3種類ご紹介いたします。

重機の導入を考えている方は是非ご一読ください。

■重機の王様!?油圧ショベル

まずは知名度が非常に高い油圧ショベルをご紹介いたします。

・活躍する現場の種類

油圧ショベルは別名「ユンボ」などと呼ばれています。

油圧ショベルは主に土砂を掘る作業や、運搬用トラックへの積み込み作業を得意とする種類の重機で、世界的に活躍しています。

掘削作業が得意な油圧ショベルは主に土木や農林業の分野で使用されます。

油圧ショベルのバケット部分は取り変えることができるため、アタッチメントを変えた油圧ショベルは建物の解体工事現場で粉砕作業を担当するほか、産業廃棄物を選別する作業にも使われます。アタッチメントを取り変えれば、非常に多くの現場で活躍することができる重機です。

・サイズ

油圧ショベルはサイズによって複数の種類に分けられています。

機体重量が6トンに満たないものはミニ油圧ショベルと呼ばれ、道路工事など狭い場所での作業に対応可能となっています。

ミニ油圧ショベル以外に中型油圧ショベル、大型油圧ショベルがあり、それぞれ一度にすくうことができる土砂の量が異なります。

・運転に必要な資格や免許の種類

油圧ショベルの運転に必要な資格は「車両軽視建設機械運転技能講習」または「小型車両系建設機械の運転の業務に係る特別教育」のどちらかです。また、公道を走る場合は自動車免許も必要になります。運転する油圧ショベルの大きさによって必要な免許が異なるので、油圧ショベルの資格が欲しい方は免許についてもチェックしておきましょう。

■整地ならお任せ!ブルドーザー

続いてブルドーザーについてご紹介いたします。油圧ショベルと共に、非常に知名度のある重機です。

・活躍する現場の種類

ブルドーザーは土砂の掻き起こし、運搬、ならしの作業を得意とする重機です。

整地用の重機で、主に建設業界で活躍しています。

車体の前面に装着しているブレードが特徴で、先端部分に重力が加わることで掘削や土砂の移動を行います。

海外ではまだ開発が進んでいない地域などに用いられることが多くなっています。

・ブルドーザーの種類

ブルドーザーには通常、乾地用と湿地用があります。

ドーザーシャベルという種類ではブレードではなくバケットを装着しており、土砂を盛る作業やトラックへ積み込みを行う作業を得意としています。

水陸両用や水中ブルドーザーもあり、海底や水路の作業に対応します。

・運転に必要な資格や免許の種類

ブルドーザーを運転するには「車両系建設機械運転者」の資格が必要です。

機体重量が3t未満であれば、「小型車両系建設機械運転者」でも運転が可能になります。

また「不整地運版運転者」という資格も必要です。こちらも運転する機体重量によって必要な資格が異なります。

■ブルドーザーには負けない整地のプロ!モーターグレーダー

最後に紹介する重機はモーターグレーダーです。

・活躍する現場の種類

モーターグレーダーは前方に長いフロントフレームがあり、フレームの中央部分にはブレードが装着されています。

独特な形状のモーターグレーダーは、高い整地力を持っており、建築現場や土木業で活躍をします。雪の多い地域では雪かき用として重要な役割を担っている重機です。

・グレーダーとの違い

モーターグレーダーとよく混同されるものに「グレーダー」があります。

グレーダーは重機の名前ではなく、トラクターに装着して牽引する器具のことを指します。

モーターグレーダーは、グレーダーをモーターエンジンに装着した重機のことで、自走するものを指します。

・運転に必要な資格や免許の種類

モーターグレーダーを運転するには大型特殊免許の経験が2年以上なければ資格がとれません。他に必要な免許としては「建設機械施工技士3種」または「技能講習修了」があります。雪かき用として使用する場合は「除雪講習修了」も必要となります。

重機にはまだまだ多くの種類があります。

重機の種類によっては1つの免許で他の重機を運転できるものもあるので、どんな免許があればどの重機が運転できるようになるのかを調べておくと、活躍の場が広がりやすくなります。多くの重機を使いこなすことでスキルやキャリアの成長に繋がりますので、積極的に様々な重機の資格を取ってみてはいかがでしょうか。

■幅広い現場で活躍!ホイールローダー

車体の前面には大きなバケットを搭載しており、すくって持ち上げ、運ぶのが得意な重機です。

・活躍する現場の種類

土木建築現場で土砂や骨材、廃材などをトラックに積み込む際に使用されるほか、災害現場でのがれき撤去作業、農場や畜産現場では飼料の積み込み・運搬や堆肥の切り返し、豪雪地帯では道路の除雪作業など、幅広い現場で活躍しています。

また、アタッチメントを付け替えると荷役作業にも使えます。

・ホイールローダーの種類

ホイールローダーは標準仕様に加えて、畜産仕様、除雪ドーザ仕様、トンネル仕様など多くの種類があります。

なかには、30種類以上のアタッチメントを付け替えてマルチに活用できるタイプもあるため、用途に合わせて選びましょう。

大きさはバケットの容量によって分けられ、3tクラスのミニホイールローダーから、200t前後の大型クラスまで存在します。

・運転に必要な資格や免許の種類

ホイールローダーを運転するには、機械を操作するための資格と、公道を走行するための自動車免許が必要です。

3t未満のホイールローダーを操作する場合は「小型車両系建設機械の運転の業務に係る特別教育」、3t以上の場合は「車両系建設機械運転技能講習」を受講しましょう。

なお、公道の走行には、車両サイズに応じて「小型特殊免許」または「大型特殊免許」が必要です。

■荷物の運搬に優れた重機!ダンプトラック

ダンプトラックは、荷台を傾けて荷物を一気に降ろせる仕様の重機です。

・活躍する現場の種類

ダンプは土砂や産業廃棄物などの運搬に使用されており、土木建築現場をはじめ、鉱山、採石場、運送業などと多方面で活躍しています。

道路交通法によって小型・中型・大型の3つに区分され、土木建設現場や採石場では大型ダンプ、産業廃棄物などの運搬には小・中型のダンプと使い分けるのが一般的です。

また、海外の鉱山では無人ダンプが活躍しており、現在は日本でも実証実験が開始されています。

・ダンプトラックの種類

ダンプトラックの種類は主に、土砂運搬用の「土砂ダンプ」と、軽量物を運搬する「深ダンプ(土砂禁ダンプ)」の2種類です。

荷台の形状には、荷台の前方が持ち上がる「リアダンプ」、左右に傾く「サイドダンプ」、左右と後方に傾く「三転ダンプ」、荷台がスライドする「ローダーダンプ」など、さまざまな種類があります。

なかには、「アーティキュレートダンプ」と呼ばれるタイプもあり、前輪と後輪の間にある支点で車体が折れ曲がるため、不整地や軟弱地、急な勾配でも高い走行性能を発揮できるのが特徴です。

・運転に必要な資格や免許の種類

ダンプの運転には、車両サイズに応じた自動車免許が必要です。

小型ダンプ:準中型免許以上

中型ダンプ:中型免許以上

大型ダンプ:大型免許

なお、中型ダンプには「増トン車」と呼ばれるタイプもありますが、増トン仕様のダンプを運転する場合は大型免許が必要です。

■力強い動きが大きな魅力!クレーン

クレーンとは、動力で荷物を吊り上げて水平に運搬するもの、または内蔵された原動機で不特定の場所に移動できる重機を指します。

・活躍する現場の種類

クレーンは陸上だけでなく、鉄道や水上など、目的に応じてあらゆる現場で活躍する重機です。

具体的には、土木建設現場、工場、倉庫、墓地や霊園、山間部、河川や渓谷、港などが挙げられます。

・クレーンの種類

種類は主に、天井や地面に設置して操作する一般的な「クレーン」と、機体そのものが移動できる「移動式クレーン」の2種類に分かれ、用途に合わせて使い分けられています。

<クレーン>

天井クレーン、ジブクレーン、ケーブルクレーン、橋形クレーンなど

<移動式クレーン>

トラッククレーン、ホイールクレーン、ラフテレーンクレーン、クローラクレーン、鉄道クレーン、浮きクレーンなど

・運転に必要な資格や免許の種類

クレーンや移動式クレーンは、荷重によって必要な免許や資格が異なります。

クレーンを運転する場合は、以下の通りです。

吊り上げ荷重が5t未満:クレーンの運転の業務特別教育

吊り上げ荷重が5t以上:クレーン・デリック運転士免許

また、移動式クレーンの場合は、以下の通りです。

吊り上げ荷重が1t未満:移動式クレーンの運転の業務特別教育

吊り上げ荷重が1t以上5t未満:小型移動式クレーン特別技能講習

吊り上げ荷重が5t以上:移動式クレーン運転士免許

なお、荷物をフックに掛け外しする作業を行うには、玉掛けの資格も必要です。

トラックの耐用年数はどれくらい?長く使う方法とは

トラック作業員

トラックは高価なので、できるだけ長く乗りたいですよね。

今回はトラックの耐用年数や買い替えのタイミング、寿命を延ばす方法などについてご紹介いたします。

■トラックの耐用年数はどれくらい?

早速、トラックの耐用年数についてご紹介いたします。

耐用年数はトラックの種類や用途で変動する

耐用年数とは資産の使用価値のことで、おおよその年数は法律によって定められています。耐用年数は減価償却処理を行う際の目安となり、資産の種類や使用状況に合わせて変動します。

新車の貨物用ダンプトラックは4年、その他の貨物トラックは5年と定められています。トラックの区分には「運送事業用」や「貸自動車業用」などがあるので、どのような目的でトラックを使用しているのかを基準に調べることが大切です。

中古トラックの耐用年数を計算する方法

トラックに限らず、中古の資産を事業用に購入した場合は、購入時を起点として使用可能期間(耐用年数)がどれくらいかを見積もります。

法定耐用年数が残っていない場合は「法定耐用年数×20%」で計算します。

結果が2年未満の場合は、一律2年に引き上げられます。

法定耐用年数が残っている場合の計算方法は2種類あります。

「(法定耐用年数-経過年数)+(経過年数×20%)」、または、「法定耐用年数-経過年数×80%」で導くことができます。

法定耐用年数が3年残っている場合の中古トラックを例に計算してみましょう。

一般的な新車トラックの法定耐用年数は5年でしたので次のような公式になります。

「(5年-2年)+(2年×20%)」または「5年-2年×80%」

結果は3.4になります。小数点は切り捨てになるため3年が耐用年数になります。

減価償却の計算方法は2種類

減価償却の計算方法には、定額法と定率法の2種類があります。

<定額法と定率法>

定額法とは、トラックの購入金額を毎年同じ額だけ償却していく方法で、「購入金額÷耐用年数」の計算式で算出します。

一方、定率法は初年度の償却額を多めに計上し、年数の経過に伴って徐々に額を減らしていく方法です。

「未償却残高×定率法の償却率」の計算式で算出します。

<どちらを選ぶべき?>

一般的には定率法のほうが負担は少ないと言われていますが、実際はそうとも言い切れません。

なぜなら、定率法は計算が複雑なうえ、事前に税務署へ届出をしなければならないからです。

また、法人であれば定額法と定率法のどちらかを選択できますが、個人事業主の場合は定額法しか選択できません。

なお、トラックの減価償却には、中小企業や個人事業主が利用できる特例があります。

金額次第では、トラックの購入費用を購入した年に一括計上できるケースもあるので、心強い特例と言えるでしょう。

耐用年数が過ぎたからといって使えなくなるわけではない

法定耐用年数は法律によって定められていますが、あくまで減価償却で用いるための基準なので耐用年数を過ぎたからといって実際に使えなくなるわけではありません。法定耐用年数を過ぎていても現役で活躍しているトラックはたくさんあります。

■トラックの寿命を延ばす方法

トラック作業員

トラックの耐用年数を延ばす方法を3つご紹介いたします。

こまめな点検・メンテナンス

トラックを含め、多くのマシン類はこまめな点検とメンテナンスが寿命を大きく左右します。エンジンオイルの劣化や漏れなどは特に重要なチェックポイントです。エンジンオイルは定期的に交換し、劣化した状態で使い続けないようにしましょう。

<トラックのメンテナンス方法>

日頃から行うべき点検やメンテナンスの方法をお伝えいたします。

・オイル系

オイル類の交換は、自分で行えるメンテナンスの代表例です。

なかでもエンジンオイルは、人間の血液に例えられるほど重要な存在で、エンジンを保護するためには一定の量を必要とします。

そのため、こまめにチェックをし、量が少なければ追加しましょう。

また、オイルの減りが早いときは内部で漏れている可能性があるので、早めに修理を依頼してください。

・冷却系

冷却装置が故障するとエンジンがオーバーヒートを起こし、いずれ走行不能になってしまいます。

冷却装置の故障はさまざまな原因が考えられますが、主に冷却水の不足により生じるので、残量や水漏れが発生していないかを定期的にチェックしましょう。

・バッテリー

トラックの運行状況にもよりますが、バッテリーの寿命は平均で2~3年前後です。

バッテリーの種類によっては、自分でメンテナンスができる場合もあるので、使用期限を目安に行いましょう。

・タイヤ

タイヤには重量のほか、駆動力や制動力などの負荷がかかります。

そのため、偏摩耗した状態で走行を続けると、走行性や安全性、燃費が低下し、トラック自体の耐用年数を早めてしまいかねません。

タイヤの耐用年数を伸ばすには無理な運転は避け、定期的にタイヤを入れ替えて、バランスを調整することも大切です。

<修理を依頼した場合の費用>

整備工場などに修理を依頼した場合、トラブルの箇所や深刻度によって費用が変わります。

費用の目安は、以下の通りです。

オイル系統:小さな部品交換なら数千円程度、エンジンを組み直すような深刻な内容であれば20~100万円程度

冷却系統:液の補充などであれば数千円程度、修理や交換を必要とする場合は2~6万円程度

タイヤ:バランス調整などであれば5,000円程度、交換する場合は1本あたり3~7万円前後

<トラックの警告灯に要注意>

警告灯は、トラックにトラブルが起きていることをドライバーに伝える役割をもち、オレンジと赤の2色が使われています。

緊急を要する場合は赤色で点灯するため、覚えておきましょう。

トラックの代表的な警告灯には、以下が挙げられます。

キャブチルト警告灯:キャブがロックできていない

燃料フィルター水抜き警告灯:燃料フィルター内に水が溜まっている

エンジン警告灯:エンジンシステムの異常

油圧警告灯:エンジンオイルの圧力異常

水温警告灯:エンジン冷却水の異常

充電警告灯:充電系統の異常

ブレーキ警告灯:ブレーキ系統の異常

ABS警告灯:ABS装置の異常

SRSエアバッグ警告灯:エアバッグシステムの異常

急ブレーキや急発進を避ける

急ブレーキや急発進はトラックへの負担が大きく、耐用年数を縮めてしまう要因です。

エンジンへの負担を減らすことが長く走ることに繋がりますので、できる限り安定した走りを心がけましょう。

過積載を避ける

過積載は法律に触れることですが、トラックの耐用年数を縮める原因にもなります。

過積載寸前の量を運んでいると、車両に常に負担がかかっている状態になります。

積載量に注意し、荷台に余裕のある量を積む方ようにしましょう。

■トラックを買い替えるタイミングは?

お金

トラックの買い替え時期について悩んでいませんか?

最後に3つの買い替え目安についてご紹介いたします。

販売開始から7年未満

販売されてからおおよそ7~10年でフルモデルチェンジが行われます。

以前のモデルは型落ちとして扱われるため、一般的に価値が下がってしまいます。

高額買取を狙うのであれば、販売開始時期から6年くらいを目安に買い替えることをおすすめします。

用途や積載物の規格変更

やむを得ない事情により用途や積載物の規格が変更になった場合は、トラックの買い替えを検討しましょう。まだ使えるからといって、規格サイズが異なる積荷を行うと法に触れてしまいかねませんので、きちんと用途に合ったトラックを使うようにしましょう。

修理代が高額になった場合

長く乗っていると修理代も高額になります。車検代よりも修理代が高くなった場合は、買い替えを考える時期としておすすめといえるでしょう。中古トラックとして売ることで、次のトラック購入費用に充てることができます。

トラックの耐用年数は法で定められていますが、実際は大切に乗ることで長く使えます。

しかし、手入れをしていてもいつかは必ず買い替えが必要になります。必要な時期に買い替えを行うということも、長く使うことと同じくらい大切なことですので、いつ買い替えるかの目途を立てておきましょう。

近年注目の「セミオートマトラック」とは?マニュアルトラックやオートマトラックとの違い

白トラック斜め前画像

黒キャップの女性

トラックと言えばマニュアルトラックが広く使用されているものの、近年は「セミオートマトラック」が注目を集めています。オートマトラックとは異なるセミオートマトラックは、どんなトラックなのでしょうか?

今回はセミオートマトラックについて、マニュアルトラックやオートマトラックと比較しながら詳しくご紹介いたします。

■セミオートマトラックはどんなトラック?

・3種類のトランスミッション

自動車の変速機であるトランスミッションは3種類に分けられます。マニュアル、オートマ、セミオートマの3種類です。クラッチペダルはマニュアル車にしかありません。

<マニュアルトランスミッション>

ドライバー自身が変速操作を行う原始的なトランスミッションで、多くのトラックに採用されています。

構造がシンプルで故障も少なく、購入費用や維持費を抑えられる一方、細かい変速操作に慣れるまでは運転が難しく感じる場合もあるでしょう。

なお、オートマ限定の免許では運転できません。

<オートマチックトランスミッション>

乗用車のほとんどに採用されています。

4種類のシフトを使い分けて操作を行いますが、運転中にメインで使用するのはドライブとリバースの2種類です。

変則操作が不要でハンドル操作に集中して運転できるため、運転に慣れていない方でも比較的簡単に運転できます。

ただし、構造がマニュアル式よりも複雑な分、購入費用や維持費のほか、修理費用も高めです。

<セミオートマチックトランスミッション>

マニュアル式とオートマチック式の長所を併せもったタイプです。

基本的な構造はマニュアル式とほとんど変わりませんが、クラッチ操作が不要で、変速の管理は機械が自動で行います。

ドライバーはシフトを切り替えるだけでよいので、運転中の負担を減らせるでしょう。

購入費用や維持費は、オートマチック車とマニュアル車の中間にあたり、燃費の面では、熟練ドライバーが運転するマニュアル車には劣ると言えます。

・セミオートマトラックとは

白トラック斜め前画像

オートマトラックと同様にクラッチペダルがないトラックのことです。クラッチが自動であること以外はマニュアル車と同じ構造で、細かい変速も可能です。運送業界が慢性的なドライバー不足のため、運転に不慣れなドライバーでも操作しやすいセミオートマトラックの需要が特に高まっています。

・セミオートマトラックの種類

各トラックメーカーからセミオートマシステムが開発されています。

<日野>

「プロシフト」というセミオートマシステムを導入しています。シフトチェンジを自動化しており、他社のオートマのようなATではなくAMTと表記されます。

<いすゞ>

いすゞのセミオートマシステムは「スムーサー」と呼ばれています。マニュアルシステムにフルードカップリングと摩擦クラッチを組み合わせて、クラッチを自動制御しています。

<三菱ふそう>

「イノマット」というセミオートマシステムで、コンピュータ制御による自動変速を行います。5~16段のギア段数があります。

<UDトラックス>

UDトラックスは「エスコット」というセミオートマシステムを導入しています。機械式セミオートマで、日野と同様にAMTと表記されます。

・AT限定免許で運転できる?

セミオートマトラックはAT限定の免許で運転できます。セミオートマトラックにはクラッチペダルがなく、アクセルペダルとブレーキペダルの2本のみです。そのため扱いやすく、ドライバーの負担軽減にもつながります。

■各トラックのメリット・デメリットを比較

おもちゃの白トラック2台

・マニュアルトラックのメリット・デメリット

マニュアルトラックは、オートマやセミオートマのトラックと比べて構造がシンプルです。そのため、車両価格が安いうえに故障もしにくく維持費も安いメリットがあります。一方デメリットはクラッチペダルを踏みながらギアチェンジをしなければならないため、操作に慣れる必要があることです。

・オートマトラックのメリット・デメリット

オートマトラックのメリットは、変速操作が不要なことです。ドライブポジションに入れてしまえば自動で変速操作が行われるため、ハンドル操作だけに集中できます。オートマトラックのデメリットは本体価格や維持費が高いことです。

・セミオートマトラックのメリット・デメリット

セミオートマトラックはマニュアルトラックよりも操作が簡単で、オートマトラックよりも細かい変速操作ができるメリットがあります。マニュアルトラックに比べると構造が複雑なので、本体価格や維持費は高いのがデメリットです。

■セミオートマトラックは中古車購入がおすすめ

セミオートトマトラックの導入を検討しているなら、中古市場も視野に入れて探してみましょう。

その理由と、購入時に確認すべきポイントをご案内いたします。

・中古市場にセミオートマトラックが増加

セミオートマトラックの普及により、中古市場へ流入する台数も以前より増えています。

中古トラックは新車よりも低価格で提供されているほか、点検と整備を済ませた状態の現物がすでに存在するため、比較的納車もスムーズな点がメリットです。

なかには、新車と同程度の良質な中古トラックも取り扱われているケースもあります。

一方、新車は納車までに一定の期間を要するうえ、セミオートマトラックの場合は構造が複雑で、それなりの製造コストが必要なため、販売価格は決して安くありません。

導入コストを抑えたいなら、中古市場から適したトラックを選んでみてはいかがでしょうか。

・購入時に確認すべきポイント

中古トラックは点検・整備が行われているものの、状態は車両ごとに異なります。

そのため、購入時は細かい部分まで確認しましょう。

<基本項目>

まずは、以下の基本的な内容を確認しましょう。

  • 年式
  • 走行距離
  • 整備点検記録簿
  • 車検証の内容
  • 自賠責保険証明書の有効期限
  • 自動車税の納付履歴
  • スペアタイヤの有無
  • 車載工具など付属品の有無
  • エンジンの音や振動、ブレーキの効き具合

<外装>

購入直後に不備を発見することのないよう、外装をチェックする際は以下の項目を見ます。

  • ボディの傷やへこみ
  • タイヤの減り具合
  • シャーシの歪みやサビ
  • 荷台・あおりの状態と開閉具合
  • 窓・ミラー・ランプなどの状態と動作確認
  • 車検ステッカーの内容

<内装>

内装の状態はドライバーのモチベーションを左右するため、内装をチェックする際は以下の項目を見ます。

  • キャビンのにおい
  • エアコンのにおいと動作確認
  • メーターパネルやインジケーターランプの動作確認
  • オプションの有無と操作方法

・購入後のトラブルを避けるには

数ある中古セミオートマトラックの中から購入する1台を見つけるには、希望する年式と走行距離に見合う候補を絞ったのちに現物を確認する必要があります。

一般的にトラックの寿命は10~15年ほどと言われており、年式と走行距離はエンジンやブレーキの状態を測る目安になるため、一つの指標にしましょう。

また、購入後のトラブルを避けるためにも、購入前に試乗をし、ハンドルや足回りの感覚、異音などを入念に確認することも大切です。

■まとめ

セミオートマトラックはマニュアルトラックの操作に慣れていないドライバーや、AT限定の免許しか取得していない人でも運転が可能です。ドライバー不足解消のためにも、セミオートマトラックの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

トラックのDPFとは?故障の症状や原因などをご紹介

DPF

DPF

トラックを運転している方なら馴染みのあるDPFですが、故障してしまうことがありますよね。まだ故障したことがないという方も、これからのために故障について知っておくことをおすすめします。

今回はDPFの故障の症状と原因についてご紹介いたします。

■トラックのDPFとは

・DPFとは

正式名称を「ディーゼル・パティキュレート・フィルター」といい、頭文字をとってDPFと呼ばれています。

DPFはディーゼルエンジン搭載のトラックが出す黒煙(排気ガス)内の有害物質である粒子物質(PM)をフィルターで補集し、大気中に有害物質が吐き出されないようにする機能です。

排気ガスの浄化を行う装置はDPF以外にも種類がありますが、トラックメーカーによって搭載している装置が異なり、DPFを採用しているメーカーには三菱ふそうやUDトラックなどがあります。

・DPFの仕組み

DPF

DPFは排気ガスがフィルターを通る際に粒子物質が濾過されるようにフィルターに引っかかります。DPFのフィルターは10マイクロメートルほどの小さな穴なので、ほとんどの有害物質は通り抜けることができません。

DPFを使用し続けるとフィルターが目詰まりを起こしてしまいます。定期的にフィルターを交換するか、600℃以上の熱でPMを燃焼させることで機能が再生します。

フィルター内部に溜まった粒子物質は3通りの方法で燃焼させます。

①連続再生方式(自己再生方式)

排気ガスの熱エネルギーなどを利用して燃焼させる方法。

②間欠再生方式

電気ヒーターで燃焼する方法。

③添加剤再生方式

燃料に触媒を供給することで酸化反応を起こし、DPFの温度上昇によってPMを燃焼させる方法。

どれもDPFを温めることで濾過機能を再生させる処理方式で、セルフクリーニングとも呼ばれます。

トラックDPF

・DPF以外の種類

DPFの他に、「DPR」や「DPD」と呼ばれる装置もあります。

<DPRとは>

排出ガスを浄化する役割はDPFと変わらないものの、DPRはフィルターが目詰まりすると、ヒーターが燃焼して再生する機能も備えています。

DPFの進化版と考えるとよいでしょう。

<DPDとは>

排出ガス内に含まれる粒子物質(PM)を除去・浄化する装置です。DPD内のフィルターに一定量のPMが蓄積すると、燃焼して自動再生が行われます。

ただし、状況によって自動再生されない場合は、手動で再生する必要があります。

名称や構造に違いはあるものの、役割はすべて同じであると覚えておきましょう。

■もしかしてDPFの故障?症状と原因

DPF

DPFは2003年(平成15年)に新しいPM規制基準をクリアしないディーゼル車の走行が禁止されたことで注目を集めるようになりました。

排出ガス規制において非常に重要なDPFは耐久性も高くなっていますが、もちろん故障することもあります。

・DPFが故障すると

DPFが故障すると排気ガスの微粒子除去が正常に作動しなくなります。

DPFの故障原因の多くは先述のとおりフィルターの目詰まりです。フィルターが詰まり始めるとインジケータランプが点滅します。もし点滅をしたら、早めに再生作業を行いましょう。方法は以下の3通りです。

①停車

②高回転のアイドリング

③インジケータランプとDPF再生ボタンを押す

ただしインジケータランプが点滅から点灯に変わると自分で再生できなくなりますので、整備工場などで修理を依頼することになります。

DPFの不備はエンジンにも影響を与え、回転数が低下したりトルク不足や燃費が悪くなるなどの問題に繋がります。

・故障の原因

DPFが最適な状態であれば頻繁に故障することはありません。しかし、悪い状態が続くことで故障のリスクが上がってきます。原因となることが多い症状をご紹介します。

<低速走行・短距離走行の連続>

低速や短距離の走行は排気ガスの温度が上がりきらず、セルフクリーニングが行えなくなります。

<頻繁にエンジンを切る>

排気ガスが処理できていない状態で何度もエンジンを切ることでPMが溜まり続けます。

<長時間のアイドリング>

アイドリング中はセルフクリーニングが行えず、PMが溜まり続けます。

<渋滞>

渋滞が続くとエンジンの回転数が上がらず、セルフクリーニングが行えなくなります。

<経年劣化>

DPFは有害物質を熱処理するので、長期間の使用により経年劣化が進みます。

<エンジンが温まらない>

セルフクリーニングには高温の熱が必要なので、温まる前にエンジンを切るとセルフクリーニングが上手く行えません。

・メーカーごとの対処法(手動再生の仕方)

メーカーごとに手動再生の方法をご紹介いたします。

いずれの場合もエンジンは止めず、アイドリング状態を維持してください。

<日野>

DPRが採用されています。

インジケータランプの点滅後、150km以内に対処してください。

  1. トラックを安全な場所に停車
  2. 排出ガス浄化装置スイッチを押して手動再生を行う
  3. インジケータランプと「DPF再生中」の表示が両方消灯するまで15~20分ほど待つ

<トヨタ>

DPRが採用されています。

インジケータランプの点滅後、50km以内に対処しましょう。

  1. トラックを安全な場所に停車
  2. パーキングブレーキをかけ、シフトレバーは「N」に入れる
  3. 排出ガス浄化装置スイッチを押して手動再生を行う
  4. ランプが点滅から点灯に変わり、再生中の表示とともにエンジン回転数が上昇し、再生が開始する
  5. ランプが消灯し、回転数がもとに戻ったら走行可能ですが、再生まで15~40分程度かかる

<いすゞ>

DPDが採用されています。

  1. インジケータランプが点滅したら、安全な場所にトラックを停車
  2. パーキングブレーキをかけ、シフトレバーを「N」に入れる
  3. DPDスイッチを押す
  4. 手動再生の表示が点滅から点灯に変わり、エンジン回転数が上がれば、再生が開始される
  5. 「DPD手動再生」の表示が消灯したら走行可能ですが、再生まで15~20分程度かかる

<三菱ふそう>

DPFが採用されています。

インジケータランプが点滅したら、50km以内に対処しましょう。

  1. トラックを安全な場所に停車
  2. パーキングブレーキをかけ、シフトレバーを「N」に入れる
  3. インジケータランプが点滅から点灯に変わるまでDPFスイッチを押す
  4. エンジン回転数が上昇し、再生が開始される
  5. 10~25分ほどして、インジケータランプが消灯したら再生処理は終了

<日産>

DPFが採用されています。

  1. インジケータランプが点滅したら、トラックを安全な場所に停車
  2. パーキングブレーキをかけ、シフトレバーを「N」に入れる
  3. DPF手動再生スイッチを押す
  4. ランプが点滅から点灯に変わり、エンジン回転数が上昇するとともに、DPF再生処理が始まる
  5. 35分ほどすると再生処理が終わり、ランプが消える

<マツダ>

DPFが採用されています。

インジケータランプが点滅したら、30km以内に手動操作を開始してください。

なお、1~4の手順は10秒以内に行いましょう。

  1. トラックを安全な場所に停車
  2. パーキングブレーキをかけ、シフトレバーを「N」に入れる
  3. DPFスイッチを1~2秒ほど長押しする
  4. DPFスイッチから指を離す
  5. 指を離して1~2秒待ち、再びDPFスイッチを3秒以上押す
  6. エンジン回転数が上昇したのを確認し、PM除去が開始されたらスイッチから指を離す
  7. 10分ほど経過すると、再生処理が終了する
  8. DPF表示灯が消えたら走行可能

・DPFが故障したまま走行すると

国土交通省は、昭和41年から排出ガス規制を開始しました。

なお、規制は年々強化され、国内を走るすべての自動車を対象に、Nox(窒素酸化物)やPMなどの排出量を厳しく制限しています。

また、車検の項目にも排出ガス検査が含まれており、基準値を上回る自動車は車検に通りません。

トラックのDPFが故障したまま走行すると、整備不良として罰則の対象になるため、注意が必要です。

・DPFの修理費用はどれくらい?

DPFが故障した場合は、すぐに修理しましょう。

費用の目安は以下の通りで、車両が大きくなるほど金額が上がります。

<小型トラック>

部品代:40万円前後

<中型トラック>

部品代:60万円前後

<大型トラック>

部品代:100万円前後

なお、上記に工賃が加わります。

・故障の予防方法

エンジンの状態が最適であることが故障の予防に役立ちます。高速道路などを走行することでエンジンの回転数を上げ、高温処理ができるようになります。

DPFは地球環境やエコの観点から重要な役割を持っています。故障に気を付け、安全でエコな運転を心がけましょう。

フルトレーラーとはどんなトラック?【牽引専用車両の要】

牽引専用車両にはセミトレーラーとフルトレーラーの2種類がありますが、どのような違いがあるかご存じですか?

フルトレーラーは国内では数が少なく、セミトレーラーが主流でした。しかし、規制緩和によってフルトレーラーも活躍の場を増やしています。

今回はフルトレーラーがどのようなトラックかについてご紹介いたします。

■フルトレーラーとは

まずはフルトレーラーがどのようなトラックなのかをご紹介します。

・フルトレーラーとは

たくさんの荷物を運ぶトラックが、電車のように荷台部分がつながっているのを見たことがあると思います。あの荷台部分が「トレーラー」です。

トレーラーにはフルトレーラーとセミトレーラーの2種類があり、フルトレーラーは一般的なトラックに連結機能があるもので、トレーラー部分がなくても荷物を載せることができる特徴があります。

一方セミトレーラーは、トラクターに荷台が搭載されていないのでトレーラーなしの状態で荷物を載せることができません。
日本国内ではセミトレーラーが多い傾向にあります。

・トラクターとの違い

トラクターは牽引車両のことで、荷台部分を引っ張る車両が該当します。ほかに「トラクターヘッド」「トレーラーヘッド」などと呼ばれることもあります。

反対に引っ張られる方の車両をトレーラーと呼びます。エンジンがないのでトレーラーが単体で走行することはできません。

・フルトレーラーは大きく2種類

フルトレーラーには2種類あります。

<ドリー式>
セミトレーラーと同様に、カプラー付きのドリー(前軸台車)とトレーラーを連結するタイプです。

最初からドリーがついているタイプと、セミトレーラーを連結させるタイプの2種類があります。

車軸が前後に分かれているので荷重が分散されやすい反面、連結部分が曲がるため慎重に運転をする必要があります。

<センターアクスル式>
長いドローバーが伸びており、トラクターの後軸後部と連結するタイプです。

ドリー式のように連結部分が曲がらないためコントロールしやすい反面、車軸がトレーラーの中央にあるので荷重がトラクターにかかりやすくなります。

■フルトレーラーの形状

フルトレーラー連結

フルトレーラーには、さまざまな形状があります。

・平ボディトレーラー

平ボディトレーラーはトラックの平ボディと同じく、荷台に屋根がありません。

架装が軽いので、多くの荷物を運搬できる貨物自動車として活躍しています。

骨組みの付いた幌(ほろ)を被せると、雨や雪の日でも荷物を保護しながら走行が可能です。

・バンフルトレーラー

荷台が箱型のフルトレーラーです。

後方や側面の一部のみが開くドライバンタイプのほか、荷台の側面が大きく開くウィングタイプ、冷凍冷蔵機能を備えたタイプもバンタイプに含まれます。

・ダンプフルトレーラー

青ダンプトレーラー荷台

ダンプトレーラーの積載量は約18tと非常に重く、「ダンプアップすると車両が転倒する恐れがある」との理由で、一時期まで使用を禁止されていました。

そのため、国内ではあまり普及していません。

現在活躍しているダンプトレーラーは、土石の採掘現場からコンクリート製造工場まで原料を運搬する際に使用されています。

・コンテナ積載用フルトレーラー

海上コンテナの運搬用として誕生したフルトレーラーです。

シャーシフレームの隅に付いた金具を使って、コンテナを固定します。20フィートや40フィートなど、海上コンテナの長さに合わせて選びましょう。

■フルトレーラーは活躍の場を増やしている

これまで日本で主流となっていたのはフルトレーラーではなく、セミトレーラーでした。理由として、日本ではフルトレーラーの規制が厳しかったことが挙げられます。

ここではフルトレーラーの規制についてと、フルトレーラーを活用するメリットについてご紹介します。

・フルトレーラーはこれまでに2回規制緩和が行われている

フルトレーラーは非常に車両全長が長くなるため、長さについて制限が設けられています。2013年まではフルトレーラーは全長19メートルまでしか認められていませんでしたが、2013年に規制緩和が行われ、最長21メートルまでが認められるようになりました。

現在はさらに規制緩和が進み、セミトレーラーとフルトレーラーが連結した25メートルまで活用できるようになりました。
この規制緩和により、ドライバーが1人で今までの10トントラックの2倍もの荷物を運搬できるようになっています。

・フルトレーラーのメリット

前述したとおり、フルトレーラーを使用する最大のメリットは、10トントラック2台分の荷物を1度に運ぶことができる大容量の荷台です。

トレーラーを連結して共同運行ができるほか、輸送の選択肢を広げたことも評価されています。

さらにトレーラーは重量課税の対象外になります。
そのため10トントラックを2台保有するよりも、トレーラーを導入する方がランニングコストは低くなります。

昨今より、自動車から排出されるCO2は地球温暖化の一因になっていると言われていますが、物流業界では自動車を使った運搬が日常であるため、環境への配慮を避けては通れません。

環境性能に長けたトラックへの買い替えもさることながら、大容量の荷台を備えるフルトレーラーの導入は、排出ガス量を抑える方法の一つとなり得ます。

・フルトレーラーのデメリット

フルトレーラーの運転は大型トラックよりも難しく、判断力と高度なテクニックが求められます。

そのため、フルトレーラーのドライバーとして活躍するには、時間をかけて技術と経験を積むほかありません。

また、フルトレーラーの運転には大型免許と牽引免許が必要です。取得の難易度が高めであることもデメリットと言えるでしょう。

■フルトレーラーの運転に必要な免許とは

黒板に運転免許の英字

・大型免許

トラクターは大型自動車に分類されるため、運転には大型免許が必要です。

大型免許は、満21歳以上で普通免許などを取得してから3年以上の運転歴がないと取得できません。

取得方法と費用は、以下の通りです。

  1. 教習所に通う:23~33万円前後
  2. 合宿免許に参加する:20~23万円前後
  3. 運転免許試験場にて試験を受ける:4万円前後

運転免許試験場にて試験を受ける方法が最も手頃に思えますが、難易度は高めです。

効率よく免許を取得するなら、教習所に通うか合宿免許に参加するほうがよいでしょう。

<運転免許試験場での試験について>

運転免許試験場での仮免許技能試験に合格した後、3か月以内に5日以上の技能教習を受け、本試験に臨む必要があります。

なお、19歳以上かつ特例教習を受けた方で、準中・中・普通または大型特殊のいずれかを取得してから1年以上の運転歴がある方も受験できます。

・牽引免許

牽引免許とは、車両総重量750kg以上の被牽引車を牽引する際に必要な免許です。

取得するには満18歳以上で、普通免許などを保有している必要があります。

取得方法と費用は、以下の通りです。

  1. 教習所に通う:15万円前後
  2. 合宿免許に参加する:12万円前後
  3. 運転免許試験場で受験する:6,000円前後

なお、牽引免許には旅客用の「第二種免許」もありますが、国内では旅客を目的とした被牽引車の運行はほぼ行われていません。

・フォークリフト運転技能講習(フォークリフト免許)

フルトレーラーへ荷物を積み込む際は、フォークリフトを使用します。

ただし、フォークリフトの操作には、フォークリフト運転技能講習修了証(フォークリフト免許)が必要です。取得すると、最大積載荷重1t以上のフォークリフトを操作できます。

フォークリフト免許の講習は、大手フォークリフトメーカーや都道府県労働局長登録教習機関などで行われており、取得費用は保有する免許の種類によって異なりますが、最大で4万円前後が目安です。

物流業界は人が足りないといわれていますが、フルトレーラーを活用することで人手不足の解消にも役立つと考えられています。
頻繁に多くの荷物を運ばなくてはならない場合は、一度フルトレーラーの活用を検討してみてはどうでしょうか。