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トラックの燃料タンクは増設してもいい?増設するメリットと注意点とは

トラックハンドルにぎる手

トラックハンドルにぎる手

長距離を走行する機会の多いドライバーにとって、トラックの燃料タンクの容量は重要なポイントですよね。容量が多いと給油の回数を減らせるため、大きいものへの交換や増設を検討する方もおられるのではないでしょうか。

今回は、燃料タンクを増設する際の注意点についてご紹介いたします。

■トラックの燃料タンクの基礎知識

まずは燃料タンクがある場所や容量をご紹介いたします。

・トラックの燃料タンクはどこにある?

トラックの燃料タンクは車両の側面フレームの外側にあります。大型トラックの場合は車体の下に取り付けられています。

また、燃料タンクはバンドで固定しただけのような、簡単な方法で取り付けられていることがほとんどです。トラックの車体が長細いことから、カーブなどでタンクに力が加わりすぎて破損するのを防ぐ目的があります。

・トラックの燃料タンクの容量

トラックの燃料タンクの容量は車種によって異なります。一般的に10トントラックなどの大型トラックは300~400Ⅼの燃料タンクが搭載されていますが、2~4トントラックは100Ⅼ程度と大型トラックに比べるとかなり少量です。

・トラックの燃料タンクの構造

トラックの燃料タンクは、タンク内の燃料が減っても中の圧力が下がらないよう、バルブから自然に空気が入る構造をしています。

空気を吸い込む際、空気と一緒にゴミや水分が入り込むことはありません。

また、最後まで燃料を吸い上げられるよう、タンク内にはいくつかの区切りが設けられているなど、さまざまな工夫が施されています。

■トラックの燃料タンクを増設する方法

駐車する緑トラックと黄色トラック

トラックの燃料タンクは増設が可能です。こちらでは増設のメリットや方法をご紹介いたします。

・燃料タンクを増設するメリット

燃料タンクを増設すれば、1回の補給で走行できる距離が伸びることが最大のメリットです。場所によってはガソリンスタンドが少ない地域もあるため、長距離輸送をメインにしているトラックは恩恵が大きいでしょう。

また、給油のために停車する回数が減れば、燃費の向上にもつながるうえ、これまでより輸送時間を短縮できます。

・燃料タンクを増設する方法と費用

燃料タンクそのものはカー用品店や通販でも購入できます。費用の相場は1~7万円程度です。

燃料タンクの増設作業は特別な資格がなくても行えるため、自分で増設しようと考える方もおられるかもしれませんが、安全性を考慮すると業者に依頼したほうがよいでしょう。

工賃を含め、増設にかかる費用は依頼する業者によって異なります。大型トラックの場合は20~30万円程度が相場ですが、事前に複数業者へ相見積もりを依頼しましょう。

車種によってはパーツなどを取り寄せる必要があるので、工賃以外の細かい部分も比較してみてください。

■燃料タンクを増設する際の注意点

人差し指を立てている会社員

燃料タンクは後から増設もできますが、注意すべきポイントがあります。ここでは特に注意が必要な2点をご紹介いたします。

・燃料タンクに関する法規制について

トラックの燃料は燃料タンクと合わせて200kg、車両に搭載できる燃料は1,000Ⅼまでと消防法で定められています。そのため、1,000Ⅼを超える場合は特別な許可が必要です。もし守らなかった場合は積載量の水増しと判断され、不正な二次架装とみなされてしまいます。これは道路運送車両法違反となり罰則の対象です。3か月以下の懲役または5万円以下の罰金が科されるため、注意しましょう。

・増設することで積載量が減る恐れあり

当然ですが、燃料タンクを増設すると車体が重くなってしまいます。燃料タンクの容量によっては、積載量を減らす必要があることも覚えておきましょう。

最大積載量は「車両総重量-車両重量-乗車定員×55kg」で計算できます。なかには増設した燃料タンク分の重さを省いて登録する車両もありましたが、これは違法です。

燃料タンクを増設した場合は、すぐに構造変更などの手続きを行い、必ず増設後の最大積載量を登録しましょう。

トラックの燃料タンクを増設する場合は必ず注意点を守り、安全に行なってください。増設が難しい場合は、すでに増設されている中古トラックの購入をするのもおすすめです。

■燃料タンクからの燃料漏れにも要注意

トラック燃料タンク

トラックの燃料タンクを増設した場合、状況によっては燃料が漏れ出てしまうこともあります。

・トラックの燃料が漏れるとどうなる?

トラックの燃料が路上に流れると、車がスリップして大惨事に発展する危険性があります。

また、流れ出た燃料が原因で河川や田畑へ影響を与えるなど、被害が拡大する可能性もゼロではありません。

トラックの燃料は粘度が低く、流れていくスピードが早い傾向にあります。

特に、雨が降っている日は広範囲に流れやすいので、注意が必要です。

・燃料が漏れた場合に考えられる原因

燃料漏れに気付いたら、以下の原因を疑いましょう。

<燃料タンクや連結ホースの劣化>

メインタンクとサブタンクの連結部分には、樹脂製のホースが使われています。

経年などでホースが劣化して何かのはずみで抜けると、燃料が漏れ出してしまいます。

<サブタンクから燃料が溢れた>

メインタンクとサブタンクの落差により、燃料がメインタンクへ流れます。

そのため、急な下り坂の途中でトラックを駐車する場合や、エアサスで後輪の高さを上げている場合などでは、サブタンクからメインタンクへ流れ込んだ燃料が溢れ出てしまうこともあるので、注意しましょう。

<側溝のフタが原因となる場合も>

道路側溝
側溝に金属製の格子をはめ込んで、路面の水はけをよくしている道路があります。

古くなって変形した格子の上を歩くと、端が少し浮いた経験はあるでしょう。

トラックの場合、前タイヤで踏んだはずみによりフタの端が浮き上がって、燃料タンクに刺さってしまう事例もあるようです。

・燃料が漏れている場合の対処法

最も大切なのは燃料が漏れ出さないよう、日頃からトラックを点検して、燃料タンクや連結部分が劣化していないかを確認することです。

それでも燃料が漏れ出てしまった場合は、原因を突き止めて路面や河川に流れ広がるのを防ぎましょう。

燃料タンクに穴が開いているようなら、吸収性の高いもので燃料を吸い取りながら穴をふさぎます。

なお、こぼれた燃料は薬品で中和させ、自然に乾燥させましょう。

■トラックの燃料タンクを交換する目安

燃料タンクをチェックする男性

燃料タンクの異変に気付いたら、早めに対処しましょう。

トラックの燃料タンクを交換する目安について、ご紹介いたします。

・燃料タンクのサビ

燃料タンクの多くは金属製で、車外に取り付けられていることから、どうしても雨や紫外線の影響を受けてしまいます。

また、降雪地域では雪よりも除雪剤の成分でサビてしまうケースも少なくありません。

燃料タンクや連結部分にサビが発生すると、燃料がきちんと供給されず走行性能に影響を及ぼすため、燃料タンクのサビを見つけたら早めに交換しましょう。

・燃料タンクの破損

燃料タンクは荷台の下に取り付けられているため、段差や跳ねた石が当たって傷が付いてしまうケースもあります。

たとえ小さな傷でも、そこからサビが発生したり穴が空いたりと、大きなトラブルに発展しかねません。

定期的に点検をして、傷が付いているようなら早めに交換しましょう。

・燃料タンクの寿命を延ばすには

トラックの燃料タンクを交換するには、時間も費用もかかります。

そのため、少しでも長持ちするよう、日頃から点検とメンテナンスは欠かさずに行うことが大切です。

特に、海の近くや除雪剤がまかれた道路を走行した後は、燃料タンクに塩分が付着している可能性があるので、軽く拭き取るようにしましょう。

また、洗車をしながら現状を確認しておくだけでも、トラブルを防げる可能性は高くなります。

燃料タン

■燃料タンクからの燃料漏れにも要注意

トラックの燃料タンクを増設した場合、状況によっては燃料が漏れ出てしまうこともあります。

・トラックの燃料が漏れるとどうなる?

トラックの燃料が路上に流れると、車がスリップして大惨事に発展する危険性があります。

また、流れ出た燃料が原因で河川や田畑へ影響を与えるなど、被害が拡大する可能性もゼロではありません。

トラックの燃料は粘度が低く、流れていくスピードが早い傾向にあります。

特に、雨が降っている日は広範囲に流れやすいので、注意が必要です。

・燃料が漏れた場合に考えられる原因

燃料漏れに気付いたら、以下の原因を疑いましょう。

<燃料タンクや連結ホースの劣化>

メインタンクとサブタンクの連結部分には、樹脂製のホースが使われています。

経年などでホースが劣化して何かのはずみで抜けると、燃料が漏れ出してしまいます。

<サブタンクから燃料が溢れた>

メインタンクとサブタンクの落差により、燃料がメインタンクへ流れます。

そのため、急な下り坂の途中でトラックを駐車する場合や、エアサスで後輪の高さを上げている場合などでは、サブタンクからメインタンクへ流れ込んだ燃料が溢れ出てしまうこともあるので、注意しましょう。

<側溝のフタが原因となる場合も>

側溝に金属製の格子をはめ込んで、路面の水はけをよくしている道路があります。

古くなって変形した格子の上を歩くと、端が少し浮いた経験はあるでしょう。

トラックの場合、前タイヤで踏んだはずみによりフタの端が浮き上がって、燃料タンクに刺さってしまう事例もあるようです。

・燃料が漏れている場合の対処法

最も大切なのは燃料が漏れ出さないよう、日頃からトラックを点検して、燃料タンクや連結部分が劣化していないかを確認することです。

それでも燃料が漏れ出てしまった場合は、原因を突き止めて路面や河川に流れ広がるのを防ぎましょう。

燃料タンクに穴が開いているようなら、吸収性の高いもので燃料を吸い取りながら穴をふさぎます。

なお、こぼれた燃料は薬品で中和させ、自然に乾燥させましょう。

■トラックの燃料タンクを交換する目安

燃料タンクの異変に気付いたら、早めに対処しましょう。

トラックの燃料タンクを交換する目安について、ご紹介いたします。

・燃料タンクのサビ

燃料タンクの多くは金属製で、車外に取り付けられていることから、どうしても雨や紫外線の影響を受けてしまいます。

また、降雪地域では雪よりも除雪剤の成分でサビてしまうケースも少なくありません。

燃料タンクや連結部分にサビが発生すると、燃料がきちんと供給されず走行性能に影響を及ぼすため、燃料タンクのサビを見つけたら早めに交換しましょう。

・燃料タンクの破損

燃料タンクは荷台の下に取り付けられているため、段差や跳ねた石が当たって傷が付いてしまうケースもあります。

たとえ小さな傷でも、そこからサビが発生したり穴が空いたりと、大きなトラブルに発展しかねません。

定期的に点検をして、傷が付いているようなら早めに交換しましょう。

・燃料タンクの寿命を延ばすには

トラックの燃料タンクを交換するには、時間も費用もかかります。

そのため、少しでも長持ちするよう、日頃から点検とメンテナンスは欠かさずに行うことが大切です。

特に、海の近くや除雪剤がまかれた道路を走行した後は、燃料タンクに塩分が付着している可能性があるので、軽く拭き取るようにしましょう。

また、洗車をしながら現状を確認しておくだけでも、トラブルを防げる可能性は高くなります。

燃料タンクはもちろん、連結部分の劣化も確認するようにしてください。

アームロール車とはどんな車両?運転に必要な免許や操作方法、注意点

青いアームロール車シャーシ
アームロール車が青荷台を下げているところ

アームロール車は、幅広く活躍するトラックを指します。

特殊な形状をしていますが、運転や操作にはどの免許が必要でしょうか。

今回はアールロール車の特徴をはじめ、運転に必要な免許、操作方法、操作する際の注意点などをご紹介いたします。

■アームロール車とは、どんな車両?

まずは、アームロール車の特徴からみていきましょう。

・アームロール車とは

シャーシに搭載されたアームによってコンテナの脱着を行うトラックのことで、一般的に「アームロール車」と呼びます。

ただしアームロール車とは、新明和工業が取り扱う車両の商標です。正式名称は「脱着ボディーシステム車」、または「脱着装置付コンテナ専用車」と言います。

なお、同様の車両を製造するメーカーは多く、他にも「ロールオン」「マルチローダ」「水平脱着車」「フックロール」「ロールリフト」「マルチリフト」などの名称で販売されています。

基本構造はどれも同じで、本来の機能や果たす役割に違いはありません。

・アームロール車の特徴

アームロール車のシャーシには、リモコン制御の油圧式アームが搭載されています。

アームにより車載コンテナを入れ替えたり、ダンプのようにコンテナを傾けたりとさまざまな使い方ができるので、1台で荷物の収集や運搬、排出を効率よく行えるのが特徴です。

・アームロール車が活躍する現場

アームロール車は車載コンテナの形状によって、活躍する現場も変わります。

たとえば、平ボディのようなオープンコンテナは一般的な貨物の運搬用に使われたり、後ろが開くテールゲートコンテナは産業廃棄物や土砂の運搬用として活用されたりなど、用途はさまざまです。

他にも、家畜の肥料や糞尿を運搬する天蓋付きコンテナ、温度管理ができる保冷コンテナ、液体を運搬するタンク型コンテナ、粉末を運搬するバルクコンテナなど、積載物の形や量、状態に合わせて使い分けられています。

■アームロール車の運転免許と基本操作

アームロール車の白シャーシ部分

アームロール車の運転に必要な免許と、知っておきたい操作の基本をご紹介いたします。

・運転や操作に必要な免許

アームロール車で公道を走る際は、車両サイズに応じた自動車免許が必要です。

なお、自動車免許を保有していれば、コンテナの脱着などの操作も行えます。

とはいえ、実際に初めてアームロール車を操作する際は、経験者に手順やポイントを教えてもらい、十分に練習をしましょう。

・アームロール車の基本操作

アームロール車は、リモコンで操作します。

コンテナを積む場合の大まかな手順は以下の通りです。

  1. ギアをニュートラルに入れてサイドブレーキを引く
  2. クラッチを踏んでPTOのスイッチを入れる
  3. PTOの電源が入ったのを確認して、クラッチからゆっくりと足を離す
  4. 車両にジャッキが付いている場合は、ジャッキを伸ばして車体を安定させる
  5. リモコンの「降ろし」ボタンを押してアームを降ろす
  6. 車両をバックさせてアームの先端にあるフックをコンテナに引っかける
  7. リモコンの「引き上げ」ボタンを押してコンテナをゆっくりと引き上げる(エンジンの回転数を1,500~2,000rpmまで上げて動力をサポートする)
  8. コンテナをシャーシに積んで固定する
  9. ジャッキを格納する

なお、コンテナを降ろす際は反対の手順で操作します。

■アームロール車を操作する際の注意点

CHECKボタン

コンテナは重量があるので、積み下ろし作業は危険を伴います。

アームロール車の操作に慣れているからと油断せず、常に慎重な操作を心がけましょう。

・周囲をよく確認する

積み下ろし作業をする前に、アームロール車の周りに人がいないことを目視で確認しましょう。

作業中も車両に近付く人はいないか、細心の注意を払います。

慣れないうちは、現場の人に誘導してもらいながら操作しましょう。

・安全確認を怠らない

アームロール車を操作する際は、フックがコンテナに引っかけられているか指差し確認をしてください。

また、走行中にコンテナが外れたり扉が開いたりして、道路に積載物が散乱すると大事故につながります。

出発前は、一つひとつの金具がきちんと固定できているかの確認も怠らないようにしましょう。

・過積載は罰則の対象

アームロール車の過積載は大事故の原因になるだけでなく、違反すると厳しい処分が科されます。

コンテナを積み込む前に、積載物の重量を確認しましょう。

アームロール車は、さまざまな現場で活躍するトラックです。

車両サイズに応じた自動車免許を保有していれば、操作に特別な免許は必要ないので、新たなスキルを手にしたい方はアームロール車を操作する練習に取り組んでみてはいかがでしょうか。

トラックに搭載されるエアサスとは?仕組みや使い方、故障を防ぐ方法

紫トラック前面
紫トラックの前面

幅広い車種に搭載されるエアサスペンションを「エアサス」と呼びます。

多くのトラックにも搭載されているため、仕組みや使い方を理解しておきましょう。

今回はトラックに搭載されるエアサスについて、故障を防ぐ方法も併せてご紹介いたします。

■トラックに搭載されるエアサスとは

トラックの足回りに取り付けられているエアサスについて、ご紹介いたします。

・エアサスとは

空気圧を利用して、車高を調節したり走行中の振動を緩和したりするための装置で、正式名称は「エアサスペンション」です。

走行中の快適性と安全性が保たれるため、小型以上のトラックやバス、高級車、精密機器を運搬する車両を中心に搭載されています。

・エアサスの仕組み

コンプレッサーで圧縮した空気を高圧の状態でエアタンクに溜め、必要に応じてゴム製のエアバッグに送り込みます。

出入りする空気の量によってエアバッグが収縮する動きに従い、車高が上下する仕組みです。

なお、空気の流れを制御するシステムも含めてエアサスと呼びます。

・エアサスが活躍する場面

トラックに搭載されているエアサスが役に立つ場面をご紹介いたします。

<急勾配の斜面を走行するとき>

あらかじめトラックの車高を上げておけば、積み荷の重さで車体が沈むときでも、ボディの一部が路面に接触する危険性を避けられます。

また、段差のある道路や悪路を走行する際も、エアサスが役に立つでしょう。

<荷物の積み下ろしを行うとき>

エアサスは、荷物の積み下ろし作業でも活躍します。

荷台の高さを搬入口の水準に合わせておくと、作業もスムーズです。

■トラックのエアサスの使い方を解説

青矢印と車のおもちゃ3台

エアサスの操作は、リモコンで行います。

トラックに搭載されているエアサスの操作手順を見ていきましょう。

・エアサスの使い方

  1. キーを「ON」(車種によっては「ACC」)に入れる
  2. サイドブレーキを引く
  3. 荷台が昇降している絵柄のボタンを押して、ランプが点灯するのを確認する
  4. ランプが点灯したら矢印ボタンで車高を調節する

なお、元の車高に戻す際は、矢印が荷台を挟んだ絵柄のボタンを押すと戻ります。

・エアサスの便利機能

エアサスには、調節した高さを記録する機能が付いています。

リモコンにある「M1」「M2」のボタンがメモリー機能で、「STOP」ボタンと一緒に長押しをすると車高が記憶されるので、状況に応じて使用してみましょう。

なお、記憶した車高は、「M1」もしくは「M2」ボタンで呼び出せます。

得意先の倉庫などを登録しておくと、毎回高さを調節する必要がないので、大変便利です。

■エアサスの故障を防ぐ方法はある?

トラックの下部を点検する男性

エアサスは耐久性が高いので、半永久的に使えると言われています。

とはいえ、複数ある構成パーツのうち、どれか1つでも故障してしまうと、エア漏れなどの不具合を起こしたり機能が停止したりする可能性もあることを認識しておきましょう。

エアサスが故障すると自力での修理は難しく、修理工場に依頼しなければなりません。

修理費用は決して安くないので、日頃から安全運転とメンテナンスを意識してエアサスの寿命を縮めないよう、トラックを大切に扱うことが大切です。

動作に違和感を覚えた場合は、すぐに対処しましょう。

ただし、長く乗り続けているトラックの場合、どれだけ大切に扱っていてもパーツの経年劣化によりエアサスが故障してしまうこともあるでしょう。

修理を繰り返すよりも、トラックを乗り換えて負担を減らすのも一つの選択と言えます。

トラックに搭載されるエアサスは、走行中の快適性を高めて荷物を安全に運ぶために重要な装置です。

メモリー機能も活用して、作業の効率化を図りましょう。

また、故障した場合は修理工場に依頼するか、先を見据えてトラックを乗り換えるか、慎重に検討しましょう。

過積載は絶対にダメ!【罰則など紹介】

流通関係の仕事をしている方は過積載にとても敏感です。
過積載は大きな事故に繋がりやすく、違反してしまうと厳しい罰則が科せられます。
運んでいるのは荷物だけでなく、安心と安全だということも忘れないようにしたいですね。

今回は過積載についてご紹介いたします。

■過積載について

まずは過積載の定義と、なぜ最大積載量が決まっているのかをご説明いたします。

・過積載の定義

トラックの最大積載量は道路交通法によって定められており、制限を超えて荷物を積み込むことを過積載といいます。

最大積載量は下記の計算式で求めることが可能です。

最大積載量=車両総重量-(車両重量+乗車定員数×55kg)
※乗車する一人当たりの体重は55kgとされています。

最大積載量を計算する際の注意点として、荷物と車両の重さ以外にガソリンや乗車定員が最大限の状態で計算しなければなりません。

・最大積載量が決まっている理由

道路や橋は使用目的によって強度が異なります。
たとえば、歩道橋と車が通る橋では使われている素材も規模も全く異なります。

過積載のトラックが何台も通ると、いくら頑丈に作られた橋でも設定強度を超えて思わぬ事故や破損に繋がりかねません。

ほかにも荷物の落下やブレーキがうまく利かずに追突事故を起こす可能性もあります。
最大積載量は大きな事故を避けるために定められているのです。

■最大積載量はトラックごとに違う

駐車場に停まる白トラックを上空から

トラックの大きさごとに、最大積載量をご紹介いたします。

・小型トラックの積載量

小型トラックは「2tトラック」または「3tトラック」とも呼ばれるトラックで、免許の取得時期によっては普通免許でも運転できます。

最大積載量は、3t未満です。

・中型トラックの積載量

中型トラックは「4tトラック」とも呼ばれるトラックで、最大積載量は3t以上6.5t未満です。

中型トラックにはクレーンやテールゲートリフターなど、重量のある装置が架装されている場合が多いため、過積載にならないよう注意が必要です。

・大型トラックの積載量

「10tトラック」とも呼ばれる大型トラックの最大積載量は、6.5t以上です。

トレーラーや平ボディ、ウィングボディなど多様な形状が存在するため、最大積載量も車両ごとに異なります。

なお、車両総重量は最大25tまでと決められており、架装の重量が軽いほど多くの荷物を運べます。

・増トントラックの積載量

増トントラックとは、中型トラックの最大積載量を8tまで増やしたトラックのことです。

コンパクトながら大型トラックと同程度の積載量を確保できるうえ、大型トラックを購入するよりもコストを抑えられるメリットがあります。

ただし、運転するには大型免許が必要で、維持費は中型トラックよりも若干高めです。

■過積載の罰則について

過積載をしてしまった場合、罰則を受けたり責任を問われるのは誰になるのでしょうか?
この項目では過積載の罰則についてご説明いたします。

・過積載の罰則内容

罰則は積載量の割合で決められます。
5割未満の場合、5割以上10割未満の場合、10割以上の3つに分類されています。

5割未満 5割以上10割未満 10割以上
違反点数 2点 3点 6点
反則金 3万円 4万円 なし
罰則 なし なし 6ヶ月以下の懲役
または10万円以下の罰金

酒気帯び運転の場合は、違反点数がさらに上がります。

・過積載は誰の責任?

上記の罰則は違反したドライバーに対するものです。
過積載の責任はドライバーだけでなく、ドライバーが勤める会社と、運送を依頼した会社にもあります。

「運行管理者の法令違反」というものがあり、会社がドライバーに過積載を命じていた場合は運行管理者資格者証の返納と資格取り消し処分がくだされます。

依頼した運送会社には再発防止命令と6ヶ月以下の懲役、または10万円以下の罰金が科せられます。改善されない場合は、過積載車両の運転要求禁止、協力要請書、警告書および荷主勧告が発動されます。

■過積載の状態で走行するとどうなる?

衝突現場を再現するおもちゃ

トラックの過積載は、命を危険にさらす行為と同じです。

過積載による数々の危険性について、ご紹介いたします。

・制動距離が長くなる

過積載によりトラックの重量が増えると、進行方向にかかる力が強くなるため、ブレーキを踏んでから停止するまでの制動距離が長くなります。

また、重量が増えた分だけ衝突したときのダメージも大きくなることから、過積載ゆえの大事故に発展する危険性が高まるでしょう。

・バランスが崩れる恐れ

過積載の状態で走行すると、荷物の重さによって車体が左右に振られてしまい、ハンドル操作が難しくなります。

カーブをうまく曲がりきれず、対向車線に大きくはみ出したり横転したりと大変危険なため、注意が必要です。

・トラックの寿命を早める

過積載は、車軸や足回り、ブレーキなど、あらゆる箇所に大きな負荷を与えます。

繰り返すと、動作が鈍くなったり何度も故障したりと、業務の効率化を狙うはずがかえって逆効果です。

また、高速道路を走行中にトラックが不具合を起こすと、大きな事故を招く可能性もあります。

■危険!ダンプの過積載による事故

赤ダンプトラック後ろ

運送業界では、過積載が原因とされるダンプの事故が多発しています。

ダンプの過積載が増えた背景と、車両サイズごとに定められた最大積載量の目安をご紹介いたします。

・ダンプの過積載に注意

ダンプの過積載が増えたとされる理由の一つに、過当競争の激化が挙げられます。

なかには、1台でも少ない台数で多くの荷物を運んで、不当な利益を得ようと考える人もいるほどです。

また、過積載をしてでも自社のコスト削減を図ろうとする事業者がいるのも、ダンプの過積載が横行する原因と言えるでしょう。

・ダンプの積載量

ダンプの車両サイズは、「小型」「中型」「大型」の3つに分けられます。

各サイズの最大積載量は以下の通りです。

  • 小型ダンプ(通称「2tダンプ」):最大積載量2~3t程度
  • 中型ダンプ(通称「4tダンプ」):最大積載量3~5t程度
  • 大型ダンプ(通称「10tダンプ」)最大積載量8~11t程度

※「6tダンプ」「8tダンプ」などと呼ばれる、積載量を増やした増トンダンプも存在

どのような理由があっても、規定の積載量を目安に安全な運行を心がけましょう。

■過積載を防ぐには

過積載の罰則は、ドライバーを含む人々の安全を守るために定められています。
思い処罰にもかかわらず繰り返される過積載。
どうすれば過積載をなくすことができるのか、なぜ過積載がなくならいのかをご紹介いたします。

・トラックの大きさを見直す

使用しているトラックが小型・中型の場合は大型車への乗り換えを検討しましょう。
大型車であれば、一度に運べる荷物の量が増えますし、効率化を図れます。

・ドライバーの意識改革を行う

トラックに乗り慣れている方も、今一度、安全面について考え直す機会が必要かもしれません。ドライバー同士で意識を高めれば、団結力も増します。

・増トントラックを使う

大型トラックは小回りが利きません。
市街地や狭い道路を走る際は、大型トラックが不便になることもあります。
そこでおすすめなのが増トントラックです。
小回りが利いて多くの荷物を運べる増トントラックを考えてみてはどうでしょうか。

・なぜ過積載はなくならないのか

携帯電話が普及したこともあり、過積載をしていればすぐに拡散されてしまいます。
運送会社はコンピューターを導入して荷物の重さを記録しているため、過積載を行った場合はバレてしまいます。

しかし産廃業や建設業は、トラックに次々と荷物を運びこむので最大積載量を超えてしまうことがあります。
現場に監督職員を配置するなどの対策をとっているところもありますが、業界全体の意識が変わるまではまだ時間がかかりそうです。

過積載を続けると、ブレーキの利きが悪くなり、衝突、転倒などの事故を招きます。
特に大型車の事故は規模が大きく、人々を恐怖や不安に陥れます。

  • ドライバーは運転のプロとして過積載への意識を高く持って安全な走行を心がけましょう。

旅行に役立つ中古マイクロバスの購入ポイント 人気の車種や維持費について

旅行や合宿の際にかかせないマイクロバス。新車で購入するとなると、かなりのお金がかかってしまいますが、中古購入なら比較的リーズナブルに購入できるかもしれません。

マイクロバスを購入する際のポイントや人気車種、維持費について解説いたします。

■マイクロバスの購入前に知っておきたいこと

まずは、マイクロバスの基礎知識からご紹介いたします。

・マイクロバスとは

バス運転席

マイクロバスとは、最大29人まで乗れる車両総重量8t未満の小さなバスのことです。

20人前後での日帰り旅行や短距離の送迎用として使われることが多く、テレビやカラオケなどの設備を搭載して、移動中も楽しめるよう工夫されたタイプもあります。

観光バスや路線バスよりもコンパクトで、導入費、維持費ともに抑えやすいのが特徴です。

・マイクロバスと小型バスの違い

マイクロバスと小型バスのサイズはほぼ同じですが、内装や荷物の保管方法は異なります。

マイクロバスの多くは左右に2席と1席の合わせて3席が並び、通路には折りたたみ式の補助席が備わっています。

また、荷物を保管するトランクルームは設けられていません。

対して小型バスは、通路の両サイドに2席ずつ並んでおり、補助席は備わっていない場合がほとんどです。

なお、マイクロバスとは異なり、車体の腹部には外から荷物の出し入れができるトランクルームを構えています。

・マイクロバスの運転に必要な免許

マイクロバスの車両区分は中型自動車に該当するため、運転するには中型以上の免許が必要です。

マイクロバスを営利目的で運転する場合は、旅客運送事業者用の第二種免許を取得しなければなりません。

ちなみに高速バスなどに多い3列座席の中長距離用マイクロバスは大型自動車に分類されるため、運転するためには大型免許が必要です。

■マイクロバスの購入にかかる費用はいくら?

見積書

大型のバスよりも低コストとはいえ、購入時にはある程度の費用がかかります。

新車と中古車の費用相場を見比べてみましょう。

・新車マイクロバスの購入費用

乗車定員20人前後の標準ボディなら700~800万円ほど、乗車定員27~8人程度のロングボディであれば1,000~1,100万円ほどが相場です。

なお、費用は車両のグレードや車内設備、オプションによって変動します。

・中古マイクロバスの購入費用

中古のマイクロバスを購入する場合の相場は400~500万円と、新車の半分ほどに収まります。

なかには、さらに手頃な価格で販売されている車両もあるほか、新車に比べて選択肢も豊富なことからあえて中古車を選ぶ方も少なくありません。

ただし、中古のマイクロバスを購入する場合は、車両の状態や年式などをしっかりと確認しましょう。

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オイルクーラーとは?役割や構造から故障する原因・対処法まで解説

道路を走る黄緑トラック
道路を走る黄緑トラック

オイルクーラーとは、トラックに搭載される部品の一つです。

走行にかかわる重要な役割を担っているため、故障した場合の対処法も把握しておきましょう。

今回はオイルクーラーの役割や構造について、故障する原因と対処法も併せて詳しく解説いたします。

■オイルクーラーとは?どんな役割がある?

オイルクーラーとはどのような部品で、何のために必要なのでしょうか。

・オイルクーラーとは

オイルクーラーとは、エンジンオイルの熱を冷ますための装置です。

エンジン内部を循環して高温状態になったオイルを適正温度まで下げて、オイル自体の品質や性能を保つとともにエンジンを保護する役割があります。

・オイルクーラーが必要な理由

トラックのエンジンは発熱量が大きく、オイルの温度も上がりやすいので、一般的な乗用車のようにオイルパンへ風を当てる冷却法では間に合いません。

また、トラックは大量の荷物を積んで長距離を走るため、オイルを冷却してエンジンへの負荷を小さくする必要があります。

■オイルクーラーの構造と故障する原因

オイルクーラー

オイルクーラーの冷却方法には「空冷式」と「水冷式」の2種類があり、構造は冷却水を冷やすラジエーターと似ています。

・オイルクーラーの冷却方法

オイルクーラーとは、どのような仕組みでオイルを冷却するのでしょうか。

それぞれの冷却方法について、ご紹介いたします。

<空冷式オイルクーラーとは>

配管とフィンで構成されたコアと、コアの両端にタンクが付いたシンプルな構造です。

オイルは配管内を流れ、走行風やフィンによって放熱されます。

しかし、主に走行風を利用するため、アイドリング中は十分な効果を得られないのが弱点です。

また、冷却性能が高い分、時期によっては走行中に油温が極端に下がりやすいので、冷却経路に温度調節装置のサーモスタットを搭載し、油温の低下を防いでいる製品もあります。

<水冷式オイルクーラーとは>

構造は空冷式と同じですが、水冷式の場合はウォータージャケットでコアが覆われており、コアの周囲を循環する冷却水に放熱される仕組みです。

冷却水より油温が下がることはないので、寒い時期でも一定の温度を保てます。

ラジエーターで冷やした冷却水を利用するため、省スペースで効率よくオイルを冷却できる強みがある一方、構造が複雑なうえに空冷式と比べて冷却性能に劣るのが弱点です。

・オイルクーラーの故障に注意

オイルクーラーの故障によりオイルが高温状態になると、潤滑や冷却などオイル本来の機能が低下します。

機能の低下は金属部品の消耗を進めたりオイル自体の劣化を早めたりするほか、「熱ダレ」と呼ばれるエンジンのパワー不足を招くため、注意しましょう。

熱ダレを放っておくとオーバーヒートを起こして、エンジンが起動できなくなる恐れもあるので、軽視できる問題ではありません。

なお、空冷式の場合は熱の影響による金属疲労が原因でオイル漏れが起こりやすく、水冷式は循環経路を保護するシールの劣化によりオイルや冷却水が漏れ出る故障が起こりやすい傾向にあります。

■オイルクーラーが故障した場合の対処法

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オイルクーラーの故障は、できるだけ早く対処することが大切です。

・オイルクーラーの修理費用はいくら?

オイルクーラーの修理費用は工賃込みで15~20万円ほどと、安くはありません。

自分で交換する場合は部品代だけで済みますが、失敗するとオイル漏れややり直しなどのリスクがあり、最悪の場合はエンジンに大きなトラブルが発生する恐れもあります。

時間と費用の無駄を省くためにも、業者に依頼するほうが賢明です。

・乗り換えを検討したほうがよいケースも

オイルクーラーが故障したトラックは、他の部品も劣化している可能性があります。

相次ぐ故障で修理を重ねるよりも、トラックの乗り換えを検討したほうが経済的かもしれません。

なお、中古トラックならすぐに走れる状態で販売されているため、納車期間を短縮できるほか、新車よりも導入コストを抑えて用途に合わせたトラックを選べるのでおすすめです。

オイルクーラーとは、エンジンオイルの熱を冷却するための装置で、故障すると走行性能の低下につながります。

また、不具合を放ったまま走り続けると、大きなエンジントラブルに発展するため、早めに修理するか乗り換えを検討しましょう。