軽自動車は小回りが利くうえ維持費も安く済むため、幅広い世代から支持されています。一口に軽自動車と言いますが、5ナンバーの乗用と4ナンバーの貨物用に分けられるのをご存じでしたか。
今回は乗用と貨物用の違いや、4ナンバーの維持費についてご紹介いたします。
■軽自動車には種類がある
軽自動車はどれも同じに見えますが、用途によって定義が異なります。
・軽自動車と軽バンの違い
一般的な軽自動車を「小型乗合乗用車」といい、ナンバープレートは「5」または「7」から始まる2~3桁の分類番号が適用されます。
対して、軽バンは「小型貨物自動車」といい、ナンバープレートは「4」または「6」から始まる2~3桁の分類番号が適用されます。
両者の違いは使用目的にあり、「5」や「7」ナンバーは主に人の移動用などに使われるのに対し、「4」や「6」ナンバーは貨物の運送用として使われるのが特徴です。
・4ナンバーの条件とは
4ナンバーのベースは貨物自動車のため、荷物の積み下ろしがしやすい構造であることが求められます。なお、軽自動車に限らず、条件を満たせば小型の普通自動車も4ナンバーに分類されます。
4ナンバーの構造や条件は、以下の通りです。
全長:4,700mm以下(軽自動車は3,400mm以下)
全幅:1,700mm以下(軽自動車は1,480mm以下)
全高:2,000mm以下(軽自動車も同じ)
総排気量:660cc以上2,000cc以下(軽自動車は660cc以下)
- 荷台の面積が1m²以上あること(軽自動車は0.6m²以上)
- 運転席よりも荷台の床面積が大きいこと
- 乗車定員の重量よりも荷物の重量が大きいこと
- 開口部が縦横ともに800mm以上あること(軽自動車は縦600mm、横800mm以上)
- 運転席と荷台の間に保護用の仕切りがあること(最大積載量500kg以下の場合は座席の背もたれを仕切りに活用してもよい)
- 運転席と荷台の間に移動不可の仕切りがあること、運転席の後方が幌で覆われた荷台であること
- 荷台にある座席は折りたたみ式または着脱可能であること(使用しない場合は荷物の積載を邪魔しない)
1つでも満たさない場合は、他のナンバーに振り分けられます。
・軽バンの特徴
軽自動車の特徴といえば機動力ですが、軽バンはそれだけではありません。
<駆動方式>
軽バンの多くはFR方式(フロントエンジンリアドライブ)やMR方式(ミッドシップリアドライブ)を採用しており、大容量の荷台を確保しつつ、荷重が増えてもスムーズな走行性能を維持できます。
<構造>
軽バンは車体や骨組みが頑丈につくられているため、長期間乗り続けられます。
<燃費>
もともと燃費に優れていますが、最近は1Lあたり23km前後の低燃費車も登場しています。
■4ナンバーの維持費はどれくらい?
軽自動車は費用対効果が高いものの、4ナンバーにすることで年間の維持費をさらに抑えられる場合もあります。
・税金
<軽自動車税>
5ナンバーの軽自動車税は10,800円で、4ナンバーは半分以下の5,000円と大きな差があります。なお、正確な税額を知りたい場合は、車両を登録した市町村の窓口やホームページを確認しましょう。
<自動車重量税>
軽の自動車重量税は5ナンバー、4ナンバーともに1年間で3,300円と、同じ税額に設定されています。
・車検
5ナンバーの場合、車検の有効期間は初年度で3年、以降は2年ごとですが、4ナンバーは初年度から変わらず2年単位です。
なお、同じ4ナンバーでも軽自動車以外は、2回目以降の車検が1年単位になるので、手間や費用削減の面から考えても軽バンはバランスの取れた車両と言えるでしょう。
・自動車保険
<自賠責保険>
軽自動車の自賠責保険は5ナンバー、4ナンバーともに2年で19,730円と差がありません。なお、軽自動車以外の小型貨物自動車は2年で23,150円と高めに設定されています。
<任意保険>
任意保険料は自動車保険会社によって異なり、また走行距離や年齢などに基づいて算出されるため、正確な金額は見積もりを依頼しないとわかりません。
しかし、4ナンバーの軽自動車は普通自動車や軽自動車以外の小型貨物自動車に比べれば比較的安めです。
・高速道路料金
軽自動車は5ナンバー、4ナンバーともに同じ車両区分のため、高速道路料金は同じです。4ナンバーは、小型貨物自動車の分類番号です。
対象は軽バンなどの軽自動車と小型の普通自動車で、維持費の一部を安く抑えられます。