フォークリフトを安全に使うには日頃の点検が欠かせません。
しかしフォークリフトの点検についてよく分からないという方もおられるかと思います。
今回はフォークリフトの点検についてご紹介いたします。点検の方法についてしっかり覚えておきましょう。
■フォークリフトの点検には3種類ある
フォークリフトの点検は3種類あり、全て義務づけられています。
年次検査
年次検査は正式名称を特定自主検査といい1年に1度実施しなければなりません。
この点検は有資格者のみ実施を認められているため業者や有資格者に依頼して行います。
フォークリフトの台数が多い場合、点検に時間がかかることもあるので代車を用意しておくと安心です。
月次検査
月次検査は正式名称を定期自主検査といい、最低でも1ヶ月に1度以上は実施する必要があります。月次検査は資格者でなくても行うことができます。
始業前点検
始業前点検はフォークリフトで荷役作業を始める前に行う点検です。フォークリフトは毎日たくさんの荷物を運ぶため、こまめな点検が事故防止に繋がります。始業前点検も資格者でなくても行うことができます。
■フォークリフトの点検を怠ると
フォークリフトの点検を怠った場合のトラブルについてご紹介いたします。
フォークリフトの点検は義務
フォークリフトの点検は労働安全衛生法で定められており、実施しなければ違法となります。特に年次検査を実施しなかった場合50万円以下の罰金が科されます。
フォークリフトの寿命が短くなってしまう
点検を怠るとフォークリフトの不具合に気付かないまま修理が困難な状態になるまで使い続けてしまい、結果的に寿命を早めてしまう可能性が高くなります。フォークリフトを長く使うためには、こまめな点検が欠かせません。
事故を起こす可能性が高まる
フォークリフトの不具合は故障だけでなく事故の原因になりうる事態を見落とす可能性も高くなります。フォークリフトの運転資格は比較的簡単に取ることができるため軽視しやすく、毎年死亡に繋がる事故が発生しています。そのため操作だけでなく点検にも十分注意を払う必要があります。自分や他の従業員を守るためにも必ず点検を行ってください。
■自主検査について
最後に検査に関する資格や点検項目についてご説明いたします。
特定自主検査は有資格者のみができる
年に1度実施する特定自主検査(年次検査)を行うにはいずれかの資格が必要です。
資格は公益社団法人 建設荷役車両安全技術協会(以下、建荷協)の研修を修了すれば取得することができます。
①事業内検査者資格取得研修
この資格を保有していれば自社の保有しているフォークリフトの特定自主検査を行うことができます。
②検査業者検査員資格取得研修
この資格を保有していれば検査員として第三者からの依頼を受けた際にフォークリフトの特定自主検査を行うことができます。
※事業内検査者の資格取得に必要な費用はテキスト代と消費税です。(必要に応じて教材を追加した場合は追加費用が発生します)
※金額などの詳細は研修を実施する建荷協/支部にお問い合わせください。
日頃から行う点検の内容
毎日行う始業前点検の項目は次の4点です。
①制動装置および操縦装置の機能
②荷役装置および油圧装置の機能
③車輪の異常の有無
④前照燈、後照燈、方向指示器および警報装置の機能
点検で異常があった際は補修または必要な措置が必要です
月次検査の内容
月に1度程度実施する月次検査の項目は次の3点です。
①制動装置、クラッチおよび操縦装置の異常の有無
②荷役装置および油圧装置の異常の有無
③ヘッドガードおよびバックレストの異常の有無
安全衛生規則により月次検査の記録には実施年月日、実施者、実施方法などを明記し、3年間保存することが定められています。
フォークリフトを長く安全に使うには日頃の点検を欠かさないことが大切です。
特定自主検査の資格を保有していれば自社で点検が全て行えるようになるほか、就業先での待遇が良くなるかもしれません。この機会に特定自主検査の資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。