小型トラックを購入したい方へ 人気車種やポイントのまとめ

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小型トラックは主に2トンほどの大きさのトラックを指し、他のトラックと比較してもさほど大きくないので、運転も楽に行うことができます。しかし、購入する際は、自分が理想とするタイプや車種、購入ポイントについて把握しておく必要があります。

ここで、小型トラックを購入される方に、基本的な情報をご紹介いたします。

■小型トラックとは?

小型トラックは、引っ越しや建設業、運送業などで使用されている、トラックのなかでももっとも小さなサイズのトラックです。小型とはいえ、3トンもの荷物を積むことができるため、重宝されています。2トントラックには「ロング」と「ショート」という2種類があり、それぞれ特徴が異なります。

・ロングタイプ

荷台が4メートル以上ある横長の2トントラックです。車体が長い分、載せられる積載量も大きくすることができます。ロングの場合、ホイールベース(前輪の車輪と後輪の車輪の車軸の距離)が長いので、右折左折時の内輪差が大きくなってしまいます。そのため、交差点などでは、歩行者や自転車などを巻き込んでしまわないよう、注意して運転しましょう。反対にバックでの駐車は意外とやりやすいです。

・ショートタイプ

ショートタイプは、形状が比較的一般の乗用車に近いので、小回りが利いて、運転しやすいトラックになります。ただ、荷台が3メートル以下であることが多いので、あまりたくさんの荷物は積めません。荷物を多くし過ぎると、横転の危険性があるので、載せる荷物の量には注意しましょう。

・免許の取得について

2トントラックは普通自動車免許でも運転できます。(最大積載量2t、車両総重量3.5tのトラックが対象)そのため、免許の取得も比較的簡単ですが、2トントラックは普通自動車と比べて高さや長さ、視野なども異なっているので、免許取り立ての人は練習が必要です。また、引っ越し業者、建築関係、運送など、用途によって使用される種類がまったく違ってくる場合があるので、注意しましょう。その場合は、別途免許証や資格が必要となります。

■小型トラックと軽トラックの違い

トラックの種類に詳しくないと、小型トラックと軽トラックは同じだと勘違いする方もおられるかもしれませんね。こちらでは小型トラックと軽トラックを比較し、それぞれの車体の特徴について紹介していきます。

・車種区分の違い

軽トラックは「軽自動車の規格に該当するトラック」です。海外では流通しておらず、ほぼ日本にしかありません。よって軽トラックは「全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2m以下、排気量660cc以下」になります。また、軽トラックの中には車輪数が3つのものも存在します。

一方、小型トラックは車両区分が小型自動車です。小型自動車は「全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2m以下」に該当します。車輪数も4つ以上であることが条件です。

・荷台サイズの違い

続いて荷台サイズを比較してみましょう。小型トラックの中でも最小クラスのサイズである1トントラックと軽トラックの荷台サイズです。

軽トラックの荷台は幅1,410mm、長さ2,030mmが多くなっています。一方、1トントラックは幅1,600mm、長さ2,500mmとなっており、軽トラックの荷台の方が一回り小さいことが分かります。

あくまでも目安なので、メーカーや車種によって大きさは異なりますが、1トントラックの場合なら軽トラックとそれほど大きな差がないため、維持費を考えると軽トラックを選ぶ方がお得になるかもしれません。

・小型トラックより軽トラが向いているケース

軽トラックと小型トラックでは軽トラックの方が車体が小さいため、住宅街や田んぼ道など細い道で小回りが利き、運転がしやすくなっています。運べる荷物の量も小型トラックに比べて少なくなりますが、軽自動車の中では軽トラックの最大積載量は350kgと最大になっているため、大量の荷物を運ぶ予定がないなら十分活躍してくれるでしょう。

使用する現場や頻度、走行する道の状態によって軽トラックと小型トラックを比較してみることをおすすめします。

■小型トラックに乗る際の注意点

小型トラックはトラックの中では小さいため、客観的に見ていると運転も簡単に思えるかもしれません。しかし、実際に運転をしてみると乗用車との感覚の違いを感じると思います。初めて小型トラックを運転する方に向けて、こちらでは小型トラックの運転のポイントをご紹介いたします。

・普通車に比べて視界が大きく異なる

乗用車とは違い、トラックは運転席が前輪の上にあります。そのため、車体の最前に運転席があり、高さもあるため前方への見晴らしは非常によくなります。ただし、車両に近い場所は死角になりやすい状態です。周囲への注意を怠らないよう、いつも以上に安全運転を心がけましょう。

・ブレーキの感覚

小型トラックでも乗用車と比較するとかなり大きい車両です。また、運転席が高い位置にあることでスピード感覚が鈍くなります。実際の速度よりも遅く感じてしまいやすいため、運転中は速度にも意識を向けるようにしましょう。また車両が大きくなるとその分ブレーキがかかる時間も長くなります。ブレーキは余裕をもって使うことも意識してください。

・オーバーハングについて

乗用車でも内輪差による巻き込みは注意が必要ですが、小型トラックは乗用車よりもさらに大きいため、オーバーハングについてもよく考えておく必要があります。後輪の位置を把握しやすいよう、サイドミラーは下側に向けておくと、カーブも曲がりやすくなりますよ。

・バックでルームミラーが使えない

乗用車ではバックミラーで後方の確認ができますが、トラックは車種によってバックミラーが使えないことがあります。特に荷台部分が覆われているアルミバンは荷台で後方が隠れてしまうため、走行中やバックの際に注意が必要です。最近のトラックにはモニターの設置があるので、モニターでの確認を念入りに行いましょう。ただしモニターだけでは死角を完全にカバーすることはできないため、油断は禁物です。

■小型トラックのメーカー別に特徴を比較!

停車中の小型トラック

日本国内には様々な小型トラックがあります。こちらでは小型トラックのメーカーごとにどのような特徴があるのかをご紹介いたします。

・三菱ふそう

2003年に三菱自動車から独立しており、現在はドイツのダイムラーグループの傘下に入っている企業です。ダイムラーグループは高級自動車のベンツのグループです。アジアでの流通量が多く、日本国内よりもアジア諸国で利用されていることが多くなっています。国内トラックメーカーの中では世界でトップクラスのシェア率です。

代表的な小型トラックには古くから発売されているキャンターがあります。快適なシート設計、比較的安い価格、走行バランスのとれたエンジンが特徴のメーカーです。

・いすゞ

日本で有名なトラックのメーカーといえばいすゞ、と考える方も多いのではないでしょうか。いすゞは国内トラックメーカーの中でもトップクラスの収益率を誇っており、非常に優れたディーゼルエンジンを搭載したトラックを手掛けています。新車購入時の値引き幅が大きいことから、コスパがいい点も人気です。

海外からも支持されており、代表的な小型トラックであるエルフは1959年発売と古い歴史があります。

・日野

トヨタ自動車連結子会社であり、国内でもトップクラスのトラックメーカーです。車両価格が高額な方ですが、エンジンのタフさが非常に人気で、日野のトラックはエンジン故障が非常に少ないともいわれています。メンテナンス性も高いため、初期費用が高くても日野のトラックを選ぶという方も多いようです。

代表的な小型トラックには衝突被害軽減ブレーキを標準搭載したデュトロがあります。安全性の高さも評価されているメーカーです。

・マツダ

貨物トラック

日本国内でマツダというと乗用車のイメージが強いかもしれませんが、欧州ではトラックが人気のメーカーです。高いハンドリング性能と乗りやすく居心地のいい内装でありながら、車両価格が安いという特徴があります。

代表的な小型トラックにはタイタンやボンゴトラックがあります。

・日産

現在日産では、自社で製造しているトラックはありません。有名な小型トラックにはアトラスがありましたが、以前トラックを製造していた日産ディーゼル工業は日産と資本提携が解消されています。現在はいすゞのエルフがOEM提供されており、アトラスディーゼルという名前で販売しています。

・UDトラック

日産ディーゼル工業が名前を変え、スウェーデンのボルボ社の子会社になったのがUDトラックです。こちらも日本国内で高いシェア率を誇っており、トラックはすべてボルボ製のエンジンを搭載しています。ボルボ製のエンジンは高い馬力があり、坂道も安定した走行や発進が可能です。高級感のある内装で海外からの人気も高く、世界で初めて排出ガスを低減する技術をトラックに搭載しました。

代表的な小型トラックにはカゼットがあります。

・トヨタ

こちらも日本では乗用車のイメージが強いかもしれませんが、トヨタでもトラックは作られています。他の小型トラックに比べて車両価格は高いものの、高い安全性と故障の少なさが評価されています。中古品でも人気があり、高額査定が付きやすいともいわれています。

代表的な小型トラックにはダイナやトヨエースがあります。

■小型トラックの人気車種

小型トラックを購入される際は、人気のメーカーなどもチェックしておきましょう。もしトラックドライバーを辞められる際にも、人気車種であれば、かなりの高値で取引されるので、持っておいて損はないでしょう。

・三菱ふそう:キャンターガッツ

三菱ふそうが販売している積載量が1.2~1.5tのトラックです。ゆとりのある広々とした車内と収納性を誇り、ビジネスに優しい省燃費を実現しています。価格も比較的安価な部類なので、なるべくコスパを抑えて優秀なトラックを手に入れたい方にはおすすめです。

・いすゞ:エルフ

経済性・安全性を重視するならいすゞエルフがおすすめです。世界で最も厳しいとされる排出ガス規制への対応や燃費性能を格段に向上。さらに優れた前方検知性能や危険な状況を察知した際の注意喚起(警報・警告表示)をしてくれるので、安全性の面でも高い効果が期待できます。

・日産:アトラス

日産の人気車種である「アトラス」は、小型ながらもハイパワーなティーゼルエンジンを使用しているので、低燃費で力強い走りを求めている方にはおすすめです。小回りも利きますし、スムーズな乗り降りが可能なので、ハードな仕事でも楽にこなすことができます。

■2tトラックの購入は新車・中古車、どちらがおすすめ?

トラック前でチェックをする男性2人

2tトラックを購入したい方の中には、新車と中古車のどちらにするか悩んでいる方もおられるのではないでしょうか。どちらにも強みがありますので、目的に合わせて選ぶことをおすすめします。

・新車の2tトラックおすすめポイント

まずは新車で2tトラックを購入するメリットをご紹介いたします。

<自動車重量税と車検費用が安い>

2tトラックにかかる維持費は自動車税、自動車重量税、車検費用、自賠責保険料の4種類です。この4つのうち、自動車税と自賠責保険料は新車であっても中古車であっても同じ金額です。

なお、自動車重量税と車検費用は一般的には中古車の方が高額になりやすいとされています。車種によっては新車であればエコカー減税の対象になることもあるため、購入したい車種の税金についても調べておくようにしましょう。

<寿命が長い>

2tトラックを含め、トラックは一般的な乗用車に比べて寿命が長く、中古車であっても十分長い時間乗ることができます。しかし、同じ車体で新車と中古車を比較するとやはり新車の方が寿命は長くなります。中古車であっても走行距離、状態によってはメンテナンスをこまめにすることで寿命が長くなることもありますが、少しでも寿命の長い方がいいという場合は新車の購入がおすすめです。

・中古車の2tトラックおすすめポイント

トラック後部

続いて中古車で2tトラックを購入するメリットをご紹介いたします。

<コストが低い>

中古車は新車に比べて車両価格が安いだけでなく、トラックの場合は幅広い種類の車両が選べる点に大きなメリットがあります。トラックは目的に合わせてカスタムや架装を施すことが一般的なので、もし中古トラックで目的に合致した車体が見つかれば、カスタムにかかる時間や費用の節約につながります。中古車で探したい場合は、希望する架装などを業者に伝えてみると見つかりやすいですよ。

<すぐに納車>

新車で2tトラックを購入する場合、ディーラーには新車の在庫がないため、実際に納車されるまでには時間がかかります。注文状況や車種によっては人気があり、納車まで待たされてしまう可能性もあります。

一方、中古車は展示している車両が在庫なので、購入の手続きさえ終えればすぐに納車されます。ナンバープレートの交付などが必要なので即日の納車は難しいですが、一刻も早く車両を用意したい場合は、中古車の方がおすすめです。

■2tトラックおすすめ車種とメーカー

窓から微笑むトラック運転手

2tトラックはさまざまなトラックメーカーが発売しているため、こちらでおすすめのメーカーと車種をご紹介いたします。

もし購入する車両に悩んでいる方がおられたら、参考にしてみてください。

・おすすめのメーカー

国内ナンバーワンのトラックシェア率を誇る日野は、2tトラックも非常に人気があり、国内の2tトラックのうち40%が日野ともいわれています。エンジン馬力が高いものの安定した走行が特徴で、中距離・長距離ドライバーからも人気があります。

続いて国内で2番目のシェア率を誇るのがいすゞです。2tトラックには有名なエルフを作っているメーカーで、環境に優しいトラックを手掛けているため、環境への配慮が求められる近年にニーズがマッチしているメーカーといえます。

・おすすめの車種

2tトラックを代表するのがいすゞのエルフ、三菱ふそうのキャンター、日野のデュトロです。

特に近年2tトラックで注目を集める日野のデュトロは、最小回転半径4.4mという小回りが利き、市街地や狭い道路でも走行しやすいと人気があります。狭い場所を走ることが多いのであれば、日野のデュトロが便利かもしれませんね。

■小型トラックの運転に必要な免許の比較

免許証イラスト

小型トラックの運転に必要な免許の情報をご紹介いたします。

普通免許では最大積載量2トン未満、車両総重量3.5トン未満の小型トラック、準中型免許では最大積載量4.5トン未満、車両総重量7.5トン未満のトラックが運転可能です。

・取得の条件

<普通免許>

①満18歳以上

②両眼が0.7以上かつ、片目がそれぞれ0.3以上であること。片目の視力が0.3に満たない者、もしくは片目が見えない場合は、もう一方の目の視野が左右150度以上で、視力が0.7以上であること。(矯正可)

③信号の3色が識別できること。

④10m離れた場所で90㏈の警音器の音が聞こえること(補聴器可)

<準中型免許>

①満18歳以上

②両眼で0.8以上かつ、片目でそれぞれ0.5以上で深視力検査の誤差が2cm以内であること。

③信号の3色が識別できること。

④10m離れた場所で90㏈の警音器の音が聞こえること(補聴器可)

・費用の違い

<普通免許>

合宿…17~35万円

通学…19~38万円

受験のみ…5万円~

<準中型免許>

合宿…36万円~

通学…35万円~

受験のみ…5万円~

※費用は教習所によって異なりますので、必ずホームページなどで確認してください。

・免許の取得は「限定解除」という方法もある

準中型免許を取得するには限定解除という方法もあります。ただし限定解除には最低でも6日の受講と試験が必要です。必要な受講時間や費用によっては準中型を最初に取った方がいいこともありますので、よく比較してみてください。

■2トントラック:購入の際のチェックポイントは!?

2トントラックは小型とはいえ、新品で購入するとなるとかなりの出費が予想されます。購入される際は、中古で購入すると、コストを抑えることができるでしょう。中古車を購入する場合、気を付けるべき点はどんなところにあるのか、解説いたします。

・車両本体をチェック

購入される前には必ず車体本体の確認を入念に行っておきましょう。チェックポイントとしては、ボディの傷、凹み、点検済みステッカーの有無、タイヤの摩擦具合、装備品の稼働確認、油などの漏れがないかなどです。これらが悪い状態だとせっかく購入しても、操作しづらかったり、長持ちしにくかったりするので、しっかり確認してください。

・維持費をチェック

小型トラックは大型トラックに比べると、維持費もお得になっています。車検費用として65,000円、自動車税が事業用としてなら11,200円、自家用だと16,000円が相場になっています。上記以外には任意保険、燃料代、高速代、メンテナンス費などが必要になってきます。なるべく低燃費のトラックを選ぶようにしましょう。

・耐用年数をチェック

中古トラックの法定耐用年数は2年が一般的だといわれています。耐用年数は走行距離で判断されていますが、基本的には20万キロが寿命の目安とされています。しかし、近年のトラックは製造技術も向上し、乗り方やメンテナンス次第では、20万キロ以上乗っても問題なく使用できるケースも多いです。なるべく走行距離は短いもののほうがいいですが、メンテナンスのしやすさや耐久性に定評のあるメーカーの商品を選べば長く使っていけるでしょう。

 

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