長距離ドライバーをされている方であれば車中泊をすることも珍しい事ではありません。長距離の運転は心身ともに非常に疲れが溜まりますよね。しかし休める場所はトラックの運転席のみ…これではなかなか疲れがとれません。今回は車中泊に便利なアイテムや、注意点をご紹介いたします。
■快適に休むために
長時間トラックを運転していると、狭い運転席に座り続けているせいで体が痛くなったり、疲労で辛くなることがあります。疲れが溜まった状態で睡眠を取らずにトラックを運転すると、脳の認知機能が下がって事故を起こす可能性が高まり非常に危険です。安全運転のためにも、疲れたと思ったら無理をせずに休憩し、睡眠をとるようにしましょう。
・車中泊をする時の寝姿勢
もっとも手軽な姿勢はシートを倒して眠る休憩方法です。ですが足を自由に伸ばすことができないため、しっかり休んだ気になれません。また膝を曲げた状態が長く続くとエコノミーを発症することもあるので、寝る時の姿勢には気をつけなければなりません。
運転の疲れをとるためには、体を横にして眠る方が効果的です。
助手席と運転席をベッドのように使って寝ると、体にかかる負担が少ないので、おすすめです。
・車中泊に使える便利なアイテム
昨今は様々な車中泊に便利なアイテムが登場しています。その一例を紹介させていただきます。
「蓄冷式クーラー」
アイドリングストップをした状態やエンジンを切っても空調が使える装備。走行中に装置を冷やしておき、エンジンを止めてから装置に溜めていた冷気を放出することが出来ます。
「エアサスシート」
主に大型トラックに搭載されている快適な睡眠をとることができるシート。エンジンをかけたまま停車しても、エンジンによる車体の振動を吸収してくれるので、振動を最小限に抑えてくれます。
「充電式電気毛布」
車中泊の際は基本的にバッテリー上がりや騒音トラブルを回避しなければならないので、エンジンを切ることが前提になっています。エンジンを切ると当然暖房をつけておくことができないため、冬場や寒い地域の車中泊には電気毛布が必要不可欠になります。トラックで使用できる電圧は24Vなので24Vに対応している電気毛布を選びましょう。
「遮光カーテン」
昼間の明るい時間に休む時はもちろん、夜間での車中泊でも他の車のライトや照明がまぶしいことがあるのであると役立つアイテムです。プライバシーを守ることにもつながります。
■車中泊で安眠するための条件
まだ車中泊に慣れていない方は、どのような場所が車中泊に適しているのか気になりますよね。そこで、安眠しやすい場所がどのような特徴を持っているのか、お教えします。
安眠に繋がる車中泊の条件として
①騒音が少ない所を選ぶ
②追突される恐れが無い場所を選ぶ
③トイレが近くにある
④自動販売機、または水飲み場が近くにある
⑤照明がある場所
以上の5つがあげられます。
細かくいえば他にもありますが、安全面や体調管理を優先に考えると、これらが最低条件といえます。
■季節別の車中泊を快適に過ごすためのコツ
更に夏と冬ではかなり気温が異なりますので、それぞれ違った対策が必要になってきます。
・夏の車中泊のコツ
夏場の車中泊は暑さ対策が一番の課題ですよね。夏に何の備えもせず車中泊をすると、熱中症や脱水症状にも繋がります。特に黒い車体は熱を集めやすいので、車内の温度が50度を超える場合もあります。暑さ対策としてサンシェードなどを使って直射日光をできるだけ遮りましょう。除湿剤などを置くと、車内の湿気も抑えることができます。
その他の熱中症対策としては体に冷却シートを貼ったり、蓄冷式クーラーなどをうまく利用して暑さから身を守る方法がおすすめです。ミネラルの補給用に塩タブレットや飲料水・経口補水液を用意することも大切です。
では、逆に寒さの厳しい冬にはどのようなことに気を付ければよいのでしょうか?
・冬の車中泊のコツ
冬の車中泊では寒さ対策が非常に大切になります。
寒いからと言って暖房をつけたまま寝てしまうと、一酸化炭素中毒を引き起こすことがあるので絶対にやめましょう!
電気毛布やカイロなどのアイテムも寒さ対策としておすすめですが、どうしても寒さに堪えられなくなったときの事を考えて、不安な場合はコンビニや売店が近くにある場所を選ぶことがおすすめです。
冬場は結露ができやすくなりますので、毛布などを濡らしてしまう原因になります。濡れた毛布は寒くても使えませんよね。そこで対策として、窓には断熱シートや気泡緩衝材を貼っておくと毛布などが濡れるのを防ぐことが出来ます。
・気を付けたいこと
ここからは車中泊で気をつけたいことをいくつかご紹介いたします。
- エコノミークラス症候群
エコノミークラス症候群とは長時間同じ姿勢で過ごした結果足元の血流が滞り、血の塊が血管の中にできて肺の静脈を詰まらせる病気です。エコノミークラス症候群は季節を問わずに発症するため、車中泊をするドライバーは気を付けなければなりません。適度に休みをとってください。
- 一酸化炭素中毒
冬のアイドリングが危険といわれている理由の一つです。長時間のアイドリング中にエンジン内部で燃料が不完全燃焼を起こすと、一酸化炭素が発生します。排気口(マフラー)が雪や氷結でふさがれていると、一酸化炭素が車内に入り込み、寝ている間に一酸化炭素中毒になってしまう可能性があります。
車中泊に限らず、渋滞を待っている間に一酸化炭素中毒で亡くなっているというケースが毎年数件報告されています。死に繋がる病気ですので、悲しい事故を防ぐためにも、仮眠の際は必ずエンジンを切るようにしましょう。
- 騒音トラブル
いくら気を使っていても夜間は静かになる分、大型の車を運転しているとエンジン音がよく響きます。車中泊をする際は近隣に配慮し、エンジンを切りましょう。
また勢いよくドアを開け閉めすると、音が響いて周囲の迷惑になります。繰り返し開け閉めすることのないように気をつけてください。
気候が良い時期によっては少し窓を開けておくと心地よい風が入り込み、過ごしやすい車中泊ができます。しかし夏と冬はしっかりと気温対策をしておかないと命を落としかねません。
便利グッズを使用しながら、快適で安全な車中泊をしましょう!