国道ならぬ酷道!?実際にある日本と世界の走行が難しい道

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普段車をあまり運転しない人ですら知っている国道。日本の国道は国が政令指定した道路のことですが、国道と音をかけた「酷道」という言葉があります。こちらも「こくどう」と読みますが、漢字からどんな道路なのか想像がつく方も多いのではないでしょうか。
今回は国道の中でも酷道と呼ばれている道についてご紹介いたします。

■まさに酷道!?日本で有名な酷道トップ5

日本は小さな島国なので、広大な土地を持つ海外に比べて道幅などが狭くなりがちです。日本では3大酷道と呼ばれるなんとも不名誉な国道のほか、様々な理由で問題視されている国道があります。
まずは日本で有名な酷道を5つご紹介します。

・日本3大酷道

<国道418号線>
中部地方の山岳地帯を走る国道418号線は、福井県大野市から長野県飯田市までつながっています。温見峠や平谷峠など多くの峠を通らなくてはなりません。温見峠は隘路(あいろ)でガードレールがないため、「落ちたら死ぬ!」と書かれた看板があることでも有名です。
岐阜県の八百津町から恵那市までは危険なため、通行止めになっています。
【隘路(あいろ):通路として非常に狭く、進行が困難な通路】

<国道425号線>
紀伊半島を横断する国道425号線。三重県尾鷲市から和歌山県御坊市をつなぎ、ほぼ全線が険しい山道です。御坊市から田辺市まではほぼ整備が進んでおらず、路肩崩落や落石なども多くあります。また、ガードレールが設置されていない場所やすれ違いが困難な場所も多い酷道です。そのため、海沿いの国道42号線を使う方が良いとされています。

<国道439号線>
国道439号線は徳島県徳島市から高知県四万十市をつなぐ国道です。「439」なので「よさく(与作)」とも呼ばれています。四国の山地を東西につなぐ長い国道ですが、一部を除くほとんどが狭隘(きょうあい)という酷道。
見通しが悪い場所や、道幅も自動車1台分しかない場所が多くなっています。道路がコケや落ち葉で見えにくくなっていたり、崩れやすく危険な崖もある道です。
【狭隘(きょうあい):ゆとりがなく狭いこと】

・日本3大酷道ではないが十分すぎる酷道

<国道157号線>
石川県金沢市から岐阜県岐阜市をつなぐ国道157号線は本州屈指の酷道とされています。狭い道幅であるにも関わらずガードレールやカーブミラーといった整備が十分でなく、危険な断崖絶壁を走行しなくてはなりません。急勾配と急カーブが連続する山道での追い越しも多いのだとか。

<国道324号線>
長崎県長崎市から熊本県宇城市をつなぐ国道324号線は、日本でたった2例しかないアーケード国道です。アーケードなので国道でありながら、ほとんど歩行者専用になっています。車両が通行可能な時間帯は、1日のうちで午前5時から午前10時までのたった5時間しかありません。

■番外編:海外の酷道3選

酷道は日本だけではありません。海外には想像をはるかに上回る恐ろしい酷道があります。最後に3つ、海外の酷道をご紹介します。

・ボリビア(ユンガス) 「死の道」

転落事故発生の多さから「デスロード」とも呼ばれていることで非常に有名な酷道です。整備が整っておらず全ての区画が砂利道、ガードレールもありません。山道を標高3,600mの位置まで64kmで上る道です。道幅が狭いので車がすれ違うこともできず、すれ違う場合は断崖絶壁ギリギリの位置まで車を寄せるか、道幅が確保できる場所まで移動しなくてはなりません。毎年落下事故が多発しており、年間の死者数は300人を超えるそうです。

・ハワイ(マウイ島) 「ハナ・ハイウェイ」

カフルイからハナまでをつなぐハナ・ハイウェイはおよそ100kmの峠道です。周囲の景観が美しいことから観光向けの車両が多く通る道ですが、滑りやすい路面にガードレールがほとんどないという危険な場所です。
狭い道幅に加え、620か所あるカーブの多くはヘアピンカーブなので、景色に見とれていると重大な事故につながりかねません。

・パキスタン 「フェアリー・メドウズ道路」

ナンガパルパッドからほど近くにあるフェアリー・メドウは標高3,200mのキャンプ地で、「妖精たちのおとぎの牧場」というかわいい名前がついています。しかし、かわいい名前とは裏腹にほとんどが断崖絶壁になっている道です。整備がされていないので道は砂と瓦礫で未舗装の状態が数百年続いています。一部区間は徒歩か自転車でなければ通行することができません。

一口に酷道といっても、「酷道」と呼ばれる理由はそれぞれ異なります。基本的に、どの酷道もあまりおすすめしません。安全な道を選んで走ることも、トラックドライバーとして重要な仕事の一つといえるのではないでしょうか。

 

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