フォークリフトの耐用年数はどれくらい?

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作業員

フォークリフトは小回りが利いて便利なので多くの工場や配送センターなどで活躍しています。突然ですが、皆さんはフォークリフトの耐用年数についてご存知でしょうか?

耐用年数を知っておくことは、買い替えに最適な時期を把握したり事故防止に役立ったりと、フォークリフトを長く使う上で重要です。

今回はフォークリフトの耐用年数についてお話したいと思います。

■フォークリフトの耐用年数について

減価償却資産で見た耐用年数

減価償却資産についてご存知でしょうか?

減価償却とは、長期間にわたって使用する資産を経費として一度で計上するのではなく、状態や時間の経過とともに減少する価値にあわせて少しずつ計上する会計処理方法をいいます。

減価償却を計上するうえで耐用年数が必要になります。資産の耐用年数は法律によって定められており、フォークリフトの場合は4年となっています。耐用年数を過ぎたら実際に使えなくなるという意味ではなく、資産としての価値がほぼゼロと等しくなるという意味になるので間違えないようにしましょう。

フォークリフトの本体とバッテリーの耐用年数

フォークリフトの動力にはエンジン式とバッテリー式の2種類があります。

フォークリフト本体はこまめにメンテナンスを行うことで10年~15年ほど長持ちするといわれていますが、心臓部である動力装置はエンジン式で約10年間、バッテリー式にいたっては約5年程度といわれています。バッテリーは本体よりも先に寿命が尽きてしまうケースが多いので、バッテリーを動力とする場合は交換の必要性を念頭に置いておきましょう。

中古フォークリフトの耐用年数について

中古フォークリフトの耐用年数がどれくらい残っているのか把握するための計算方法をご紹介いたします。

耐用年数が残っていない場合の計算式は「法定耐用年数×20%」となります。

対して耐用年数がまだ残っている場合の計算式は、「(法定耐用年数-経過年数)+(経過年数×20%)」となります。

例として使用を始めて2年が経ったフォークリフトの耐用年数を算出してみましょう。

フォークリフトの法定耐用年数は4年なので、

(法定年数-経過年数)  4-2=2

(経過年数×20%)  2×20=0.4

(耐用年数)     2+0.4=2.4

算出された年数が1年に満たない端数は切り捨て、2年未満であった場合は全て2年に引き上げられることが定められています。つまり、この場合の耐用年数は2.4年ではなく、2年ということになります。

■こんな不調が出たら要メンテナンス!

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フォークリフトによく見られる不調を3つご紹介します。

エンジンオイルの劣化

フォークリフトのトラブルによくあるのがエンジンオイルの劣化です。

エンジンオイルの交換はオイルの色を確認して判断しましょう。オイルの色が濃くなっていたり粘度があったりという状態が確認できれば交換の目安です。

タイヤの減り

以前よりスピードが出にくくなったと感じた場合はタイヤの状態を確認してみましょう。

空気入りタイヤを使用している場合はスリップサインが見えている、ノーパンクタイヤはタイヤの溝が消えていたら交換のサインです。タイヤとホイールが長持ちするよう日頃から気を付けて点検しておくと安心です。

ツメ(フォーク)の損傷

パレットにツメが入りにくい場合はツメの損傷が考えられます。ツメは摩耗するので消耗品の扱いになります。ツメが摩耗すると、規定重量内の荷物であっても持ち上げた瞬間に折れたり先端が鋭利になって商品や人を傷つけてしまったりと大きな被害を呼びます。日頃からツメの状態も確認しておきましょう。

■フォークリフトの寿命を延ばすには

作業員

フォークリフトを長い間使うなら3つのポイントが大切です。正しく扱ってフォークリフトの実耐用年数を延ばしましょう。

こまめなメンテナンス

毎日フォークリフトに乗っていると、少しの不具合に気が付きやすいのではないかと思います。音や振動など、動きに少しでも違和感があったら運転を続けずにフォークリフトの状態を確認しましょう。早めの手入れや部品交換を行うことで、フォークリフトが安全かつ長く使えるようになります。

積載量は必ず守ろう

「少しくらい超えても問題ない」と、最大積載量を超えて荷物の運搬を繰り返すのはフォークリフトの実耐用年数を短くしてしまう行為です。また、部品の消耗が早まり事故の危険性も高まります。積載量を無視せず必ず規定量を守るようにしましょう。

保管場所に気を付けよう

保管場所も実耐用年数を延ばす重要ポイントです。フォークリフトの保管場所は屋内で風通しがよく湿気の少ない場所が適しています。通気性が悪く湿気の多い場所はカビやサビの発生を招きます。

■もしフォークリフトに異変を感じたら

もし耐用年数に余裕がある状態でも、日々使っているフォークリフトに異変が生じることもあります。トラブルが大きくならないように、対処法を覚えておきましょう。

・無理に動かそうとしない

フォークリフトは機械なので、生き物のように放置して自然に問題が解決するということはあり得ません。故障が疑われる場合は速やかに使用を停止しましょう。無理に動かすと故障箇所に負担がかかって悪化してしまう可能性があります。そのため、異変を感じたらできるだけ動かさないことを心がけてください。

ほかの作業者が間違って使わないためにも、故障中と分かる表示をしておくようにしましょう。

・こういった状態の場合は近づかない

もしフォークリフトから発熱、異臭、オイル漏れ、部品の欠けや破損、振動があった場合は人を近づけないようにしてください。そうすることで二次災害を防ぐことができます。

特に異臭やオイル漏れがある場合は、周囲に安全柵を設置する、輪留めを使うなど必要に応じて対応しましょう。

フォークリフトの状態を確認する場合は、時間が経過してから行うようにしてください。

・銘板の確認

スムーズな修理依頼のためには、フォークリフトの状態と併せて、フォークリフトの仕様を業者に伝えることが大切です。フォークリフトには銘板が取り付けられており、確認することでフォークリフトの仕様を判断することができます。

最低でも、型式、製造番号、アタッチメントの形式、タイヤサイズは伝えられるようにしておきましょう。

・確認ポイント

もしフォークリフトが動かない、動作がおかしい場合は最初に下記のポイントを確認してみましょう。

電源が入らない…バッテリープラグが抜けていないか

走行しない…ギヤを一旦ニュートラルに入れてからアクセルを踏む

ブザーが鳴る…座席に正しい位置で座れているか

充電ができない…充電ボタンを押して再度確認する

エンジンがかからない…ギヤがニュートラルになっているかを確認

セルモーター音が聞こえない…配線の接触不良が起きていないか

■フォークリフトのバッテリーについて

フォークリフトの中でも特に中古の場合は、本体よりも先にバッテリーの寿命がきてしまうことがあります。こちらではバッテリーについてご紹介いたします。

・バッテリーの寿命

フォークリフトのバッテリーの寿命はおよそ1,200サイクルです。毎日1回充電した場合、5年ほどで寿命が来ますが、手入れによってバッテリーの寿命は変動します。

JIS規格では1,200~1,500が寿命とされているため、どれくらいもつのかは使用しているフォークリフトを確認してください。

・バッテリーは交換可能?

フォークリフトのバッテリーは交換可能です。ただし非常に高価で、およそ50~100万円ほどかかるとされています。安いものでは20万円以下のものもありますが、費用を抑えたい場合は中古バッテリーを購入する方法があります。とはいえ中古バッテリーはどれくらい使えるのか、これまでどのような使い方をされていたのかが分からないため、緊急時のつなぎ程度に考えた方がよいかもしれません。

・再生バッテリーとは

中古バッテリーではなく、再生バッテリーを選ぶ方法もあります。再生バッテリーは使い終わったバッテリーをリサイクルしたものです。

フォークリフトのバッテリーは鉛蓄電池で、充電と放電を繰り返すことで内部の電極に鉛がくっついて寿命を迎えます。再生バッテリーは内部の鉛を取り除くことで、バッテリーの機能を90%ほどにまで回復しているため、問題なく使うことができますよ。

・バッテリーに悪影響を及ぼすもの

フォークリフトのバッテリーは過放電、過充電、頻繁な充電などが原因で寿命が短くなります。また、精製水が十分に補充されている状態で使用すること、常に清潔な状態を保つことも寿命を延ばすためには欠かせません。

・バッテリー交換の目安

バッテリーの交換目安は年数だけでなく、状態によって判断しましょう。稼働時間が短くなった、バッテリーの消耗が早くなった、パワー不足、使用中や充電中にバッテリーの熱が異常に高くなるなどが挙げられます。

バッテリーが熱くなると、バッテリー液が蒸発してしまうため、バッテリー液の減少量も日頃から確認しておきましょう。

 

法律で決められたフォークリフトの耐用年数は4年ですが、実際の耐用年数は扱い方によります。フォークリフトを長く使うなら、こまめにメンテナンスをして業務中は丁寧に扱うよう意識しましょう。

 

 

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